(かく せいが / Kaku Seiga)
(せいが にゃんにゃん / Seiga NyanNyan)

霍青娥(通称:青娥娘々)

  • 青娥(せいが)
    • 中国の怪異譚を纏めた短編説話集『聊斎志異(りょうさいしい)』巻7の14話に収録されている物語「青娥」
      また、そこに登場するヒロインの名前。
評事(裁判官)を勤めた武という者がいて、道教に凝って山に入り、籠ってしまった。
娘の青娥は十四だったが、美しさは類がなかった。幼いときから父親の書物を盗み読んで、何仙姑の人となりを慕い、
父親が山中に籠ってしまったこともあって終生嫁がないと心に決め、母親もその決意を変えさせることができずにいた。
(岩波文庫『聊斎志異(下)』)
      • 霍桓は11歳で大学試験に合格して県学の学生になった神童であったが世間知らずだった。
        13歳のとき青娥に惚れ、硬い石でも穴をあけることが出来る不思議な鑿(のみ)を貰って、青娥の家の二重の塀に穴を空けて忍び込んだことが発端で二人は結婚する。
      • 1年後、孟仙という男子をもうける。
        その後、息子のことは乳母まかせにしていた。
        さらに4〜5年たった頃(結婚からは8年後)、青娥は突然別れを告げて死亡。実は死体は竹の棒で本人は尸解仙になっており、仙人になった父親の住む洞窟(奥は仙界になっている)に隠棲していた。
      • 青娥の死後1年、霍桓は崖から転落してしまって、たまたまその洞窟に入る。そして、仙界との縁が発生していたおかげで洞窟から仙界に入ることができて、青娥と再会。
        青娥と夜を共にしようとすると、仙界を俗なことで汚そうとすることを怒った父親が仙界にある家から霍桓を追い出し、家の扉が閉じられると仙界の家はなく現世の崖になっていた。
        霍桓が不思議な鑿で崖を掘りながら悲しみ・恨み・怒り・罵りなどを叫び続けていると、再び仙界の家の扉が開き、怒った父親が青娥も外に放り出してしまった。
        青娥はいい迷惑と文句を言いながらも、木から二本の枝を二頭の馬にして一緒に霍桓の家に戻った。
        なお仙界では一晩の出来事だったが、現世では7日経っていた。
        そして噂にならないよう霍桓の家から別の土地に引っ越して、再び夫婦として一緒に暮らし始めた。
      • その18年後、さらに一女をもうけた。その後、成長した娘は嫁いでいった。
        その後、一緒に住んでいた霍桓の母親が死去。霍桓の実家の畑で母親を埋葬して、喪が明けるまでの墓守を一人前に成長した孟仙に任せて、夫婦は家に帰っていった。
        約一ヶ月後、孟仙が両親の様子を見るため元の家から帰宅してみると、霍桓と青娥は一度も家に帰らないまま消息を絶っていた。
      • 孟仙は40歳になっても、文人として名声は得ていたものの、試験運が悪くまだ科挙の受験資格を得るための大学試験にも通っていなかった。
        その後、大学試験にも通り、優秀な学生として最高学府にも選抜されている。
        そして科挙の郷試を受けたとき、同じ受験棟の17〜18歳程度の青年と親しくなったが、
        その青年が答案用紙に書いた名前が自分と同姓の霍仲仙だったことに驚き、いろいろ話すうちに、
        仲仙が自分の弟で、父である霍桓がこの出会いを予言していたが発覚。
        どうやら霍桓と青娥は仙人になっていることを仲仙に隠して暮らしていたようで、仲仙は兄の年齢と両親の年齢のことを不思議に思ったが、孟仙は両親が実は仙人になっていることを説明した。
        孟仙は両親に会うため仲仙の家に行ったが、
        青娥が仲仙の妻に、貴方達は世間知らずだが明日になれば貴方達の兄が来るからもう安心と昨日の晩に言い残して、朝には夫婦で姿を消していた。
      • その後、孟仙と仲仙が両親の行方をあちこち探し回っても、見つかることはなかった。
  • 霍(かく)
    • 霍桓(かくかん)という少年と結婚したため、姓は「霍」。
      結婚する前は「武」という評事の娘だった。
      但し実際には中国では古来から現代に至るまで夫婦別姓制で結婚しても女性は実家の姓を名乗る。
      • 現代の日本の認識では結婚したら姓が同じになるのが当たり前とも感じるが
        日本で法令上、夫婦同姓となったのは1890年(これ以前の民法では、夫婦別姓だった)から。
        これは西洋の制度にならったためで歴史としては比較的浅い。
        明治より前、武家や公家のみが姓を持っていた時代には日本も中国と同じ夫婦別姓であった。
        歴史的に有名な人物の例では源頼朝の妻である北条政子、足利義政の妻である日野富子など。
    • 中国の古い制度では夫の姓の後に自身の姓を加えるとのこと。
  • 娘々(にゃんにゃん)
    • 中国神話や道教の女神。個人の名前ではなく、様々な娘々が存在する。娘々廟(ニャンニャンミヤオ)に祀られる。
    • 日本語でいう「〜ちゃん」といった意味合いがあり、単なる愛称としても使われる。

二つ名

  • 壁抜けの邪仙 (神霊廟、求聞口授)
  • 無理非道な仙人 (茨歌仙)
    • 無理非道
      • 道理に合わず、人の道に外れていること。

能力

  • 壁をすり抜けられる程度の能力 (神霊廟)
    • 霊夢パラレルエンディングで使用。
    • 道具を参照。

種族

  • 邪仙
    • 悪事を重ねることにより力を強めていく仙人。
      • 仙人は、道教の真理である「道(タオ)」を体現した人とされる。

道具

  • かんざしにしてる鑿
    • 鑿(のみ)とは、刃のついた木工用道具である。後ろから金づちで打ち付け、木に穴をあけたり、彫刻を掘ったりする。
    • 『聊斎志異』の青娥の物語にはどんな堅い壁でも掘って抜けられるという鑿が登場する。
      青娥に一目惚れした霍桓が婚約を申し込もうとしたが取り次いで貰えず、
      どうにか会えないか考えていると、通りすがりの道士がくれた。
      どんな硬い石でも腐ってるかのように抵抗なく切ったり削ったり可能で、
      本来は仙丹を調合する際に丹砂・雄黄・雲母・石英・鍾乳などの薬石を削るために使う道具。
    • デザインも『聊斎志異』の挿絵通り。
    • 東方では、硬ければ硬いほど楽に穴を開けられるが、逆にゴムのような柔らかいものは難しい。
      空けた穴はすぐに戻る。
      • これを悪用してサンタクロースに扮した青娥が貴金属を盗みに入る、という演出がある。(求聞口授)

備考
  • かんざし
    • 『聊斎志異』で青娥は鳳凰のかんざしを持っていたが、霍桓が部屋に入ったとき持ち帰ることを許した。

その他

  • 竹の棒を死体に見せかけそれを家族が埋葬した。
    • 尸解仙になる術には死体にする物品が必要とされることから。物部布都参照。
    • 『雲笈七籤』によると、尸解仙になれる者の中にも上下があって、
      尸解仙になる中で最上位の人間は肉体を託す品に剣を使えるが
      一方、最下位の人間は竹の棒に肉体を託すことになることに由来。

備考
  • 何仙姑
特に何仙姑(かせんこ:道教八仙人の一人)に憧れ、
(東方神霊廟 エキストラストーリー.txt)
    • 『聊斎志異』の「青娥」は明代の話で、青娥が憧れた何仙姑も唐代の人物だが聖徳太子よりは後。
      東方では、青娥は聖徳太子以前の人物なので、何仙姑はそれよりさらに前ということになる。

登場

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