東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.
2012年12月から2017年7月(コンプエース9月号)まで連載されていた漫画。絵は春河もえ。
主人公が貸本屋の主人公な為か、作品全体を通して他タイトルよりもより幻想郷の細部(特に人里や翻弄される人間達)に焦点を当てたシリアスな作品となっている。



キャラクター

各話

第1話 幻想の稀覯本

  • 天狗の詫証文
    • 伊豆の佛現寺に伝わる証文。未知の文字で記されており、内容は解読されていない。
      柏峠に旅人にいたずらをする天狗が出没し、人々を困らせていた。
      退治を頼まれた佛現寺の日安和尚が天狗を懲らしめると、奇妙な文字が書かれた一枚の紙が落ちてきた。
      それ以降天狗は現れなくなったため、人々はそれを天狗が残した詫び状だと考えたという。
  • ネクロノミコン(Necronomicon)
    • パルプ作家ラブクラフトの創作『クトゥルフ神話』に登場する魔道書。
      古典ギリシア語に基づく造語 Νεκρονομεικών (ネクロノメイコーン、「死人学大要」)が基だと思われる。
      • νεκρός(ネクロス、「死の」「死者」) - νόμος(ノモス、「法」「秩序」) - εἰκών(エイコーン、「像」「表象」)を組み合わせた造語。
    • 『クトゥルフ神話』では、アブドゥル・アルハザードがアラビア語で執筆した原典が『アル・アジフ』であり、
      ネクロノミコンはその翻訳書(なお実際のアラビア語にアジフという語は存在しない)。
      『アル・アジフ』には様々な言語に翻訳された写本があり、『尸条書』と呼ばれる中国語(漢字)写本もある。

参考

第2話 妖怪退治の師走 前編

第3話 妖怪退治の師走 後編

  • 煙々羅
    • 妖怪画集「今昔百鬼拾遺」に記載されている煙の妖怪。
      作中でも霊夢が言っているように、細かい伝承はなく、著者である鳥山石燕の創作と考えられている。
  • 今昔百鬼拾遺
    • 江戸時代の浮世絵師、鳥山石燕の著した妖怪画集。1780年刊行。
      煙々羅はこの画集に登場する妖怪の一つ。

参考

第4話 私家版 百鬼夜行絵巻 前編

  • 私家版(しかばん)
    • 自費出版などで発行された小規模流通の本。
  • 百鬼夜行絵巻
    • 文字通り、百鬼夜行が描かれた絵巻物。
      室町時代に描かれた真珠庵所蔵のものが有名。

参考

第5話 私家版 百鬼夜行絵巻 後編

  • 付喪神
    • 百鬼夜行絵巻の真珠庵本に描かれている妖怪の大半は付喪神。

第6話 珍獣の飼育資格 前編

  • 小鈴「”ベルリンの壁崩壊”かぁ ずいぶんと欠陥工事だったのねぇ」
    • 1989年11月9日にドイツ分断の象徴であったベルリンの壁が崩壊し、東ドイツが西ドイツに吸収される形で統一された。
    • 小鈴の読んでいた雑誌の表紙にブランデンブルク門が描かれている。
  • 小鈴「”ソビエト連邦崩壊”かぁ また崩壊しているわぁ・・・」
    • 1991年12月25日に当時の大統領であったゴルバチョフが辞任し、これを受けてソビエト連邦を構成していた各共和国が主権国家として独立し、ソ連国家が解体された。
    • 上記の壁崩壊の記事と関連して、小鈴は国家の解体も建物の欠陥工事だと思い込んでいるようだ。
  • ツパイ
    • ツパイ目の哺乳類。解説は7話の作中にある通り。
      2008年にブルタゴ椰子の蜜が自然発酵した「ヤシ酒」を飲んでいることが判明した。
  • 蟒蛇(うわばみ)
    • 大蛇のこと。
      獲物を丸呑みにすることから転じて、大酒飲みのことも「うわばみ」と呼ぶようになった。
  • 猩々(しょうじょう)
    • 中国の伝説上の動物。毛むくじゃらで赤い顔、猿に似た姿とも言われ、酒を好むとされる。
      能の演目としても知られ、演者は赤い装束をまとい、酒に浮かれて舞い踊る猩々を演じる。
  • クシナダ
    • 櫛名田(くしなだ)、奇稲田(くしなだ)。スサノオのヤマタノオロチ退治の伝説に登場する娘。
      ヤマタノオロチの生贄にされるクシナダを救うため、スサノオは強い酒を飲ませてヤマタノオロチを酔わせ、
      眠ったところを討ち取った。
  • 一夜茸(ひとよたけ)
    • ハラタケ目ナヨタケ科のキノコ。
      成熟すると傘の部分が自然に溶けて一夜で無くなってしまうため、一夜茸と名付けられた。
      単体では無毒だが、含有成分がエタノールの代謝を阻害するため、酒を飲む前後に食べると中毒を起こす。

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第7話 珍獣の飼育資格 後編

  • チュパカブラ
    • 1995年頃から南米で目撃されているUMA(未確認動物)。家畜や人間の血を吸うという。--スペイン語で「吸う」という意味の「chupa」、「ヤギ」という意味の「cabra」から、チュパカブラ(chupacabra)と名付けられた。
      正体については、宇宙人や遺伝子操作された実験動物であるといったオカルトめいたものや、
      野生の肉食動物の見間違え、ただの作り物等、諸説ある。

参考

第8話 お稲荷さんの頭巾 前編

  • 聴耳頭巾
    • 誠実な男が善行の報いとして動植物の声が聞こえる不思議な頭巾を手に入れ、幸せになる物語。
      基本的には、庄屋の娘が祟りで臥せっていることを知った男がその原因を取り除いて娘を救い、
      庄屋からお礼をもらう流れになっているが、細部は物語によりいくつかのパターンが存在する。
      頭巾を入手するくだりは、作中のようにお稲荷さんからもらう他にも、助けた狐や竜宮城からもらうパターンなどもある。
      祟りについても、阿求と小鈴の会話中の絵にある蔵に根を圧迫されて苦しむ松の木が祟りを起こしていたケースや、
      作中の霊夢と同じで、屋根裏に閉じ込められた蛇が祟りを起こしていたケースなど、いくつかある。

第9話 お稲荷さんの頭巾 後編

  • 邪龍
    • →ウロボロス 尾を噛んだ輪状の蛇・竜の姿をとる。
    • ファイアーエムブレムに登場する邪竜ギムレーの転生体?あるいはメディウスの転生体?悪のはびこる幻想郷に警鐘を鳴らす為蘇ったのだろうか。
    • 『轟轟戦隊 ボウケンジャー』の敵組織『ジャリュウ一族』?

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第10話 暗黒の伝統芸能 前編

  • 散楽
    • 奈良時代に大陸から伝わった、物真似、曲芸、奇術などの大衆芸能。
      このうちの物真似芸が民間に広まり、古来の芸能と結びついて発展していったのが猿楽である。
      作中で語られているように、もともとは難しいことは考えずに馬鹿笑いしながら見物するような
      エンターテイメント性の強い芸だった。
  • 観阿弥、世阿弥
    • いずれも室町時代の猿楽師。父親が観阿弥で息子が世阿弥。
      この二人が演じた猿楽が将軍足利義満の目に留まり、彼らの一座は幕府の庇護を得ることになる。
      そして当時の貴族、武家などの上流階級の気風に沿うように芸を洗練させていった結果、
      猿楽は文化としてのレベルを高め、その一方で庶民には難解で馴染みにくいものになっていった。
  • 小鈴の服装
    • 金田一耕助。横溝正史の小説に登場する有名な探偵。

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第11話 暗黒の伝統芸能 後編

第12話 打ち出の小槌の残滓 前編

  • 百器徒然袋
    • 江戸時代の浮世絵師、鳥山石燕の妖怪画集。様々な付喪神が描かれている。
      秦こころの面霊気や九十九姉妹の琵琶牧々と琴古主などもこの画集に登場する妖怪。

参考

第13話 打ち出の小槌の残滓 後編

  • 沓頬(くつつら)
    • 百器徒然袋に記載されている妖怪の一つ。
      靴と冠がそれぞれ変化した2体の付喪神がセットで描かれている。
      靴が化けた獣のような妖怪が瓜を盗み、冠が化けた人型の方がすももを盗むという。
      作中にも解説があるように、靴の方の妖怪は百鬼夜行絵巻に描かれた靴の付喪神が元になっている。
  • 瓜田に履(くつ)を納れず、李下に冠を正さず
    • 瓜畑で靴を直せば瓜を盗むと疑われ、すももの木の下で冠を直せばすももを盗むと疑われる。
      人に疑われるような紛らわしい行動は避けるべし、という故事成語。

参考

第14話 苟且のセブンワンダー 前編

  • 苟且(こうしょ)
    • その場限りの間に合わせであること。かりそめであること。
      「苟且」で「かりそめ」とも読む。
  • セブンワンダー(seven wonder)
    • 七不思議。
  • 置いてけ堀
    • 本所七不思議の怪談のひとつ。
      魚を釣って帰ろうとすると、堀から「置いていけ」という声が聞こえるというもの。
      いつの間にか魚がなくなる、従わなかった者が殺されるなどいくつかの展開がある。
      声の正体は河童だという説もある。
      置き去りを意味する「置いてけぼり」はこの怪談が元になった言葉。
    • 東方茨歌仙 第22話 怪魚万歳楽でアザラシを一時的に収容していたのもここだが、鈴奈庵で溜め池程度の大きさだったプールがシーパラダイスのショーの会場のように随分と広げられている。
    • アザラシショーを催していたのは河童なので、この辺りもまた河童に牛耳られていたのだろう。(声の正体はアジトの存在をバラされたくない河童)
  • 送り拍子木
    • 本所七不思議の怪談のひとつ。
      当番の者が火の用心の夜回りをしていたところ、周りには誰もいないのに
      拍子木を打ち鳴らす音が聞こえてきたというもの。
  • 「重さの起源を発見した人にノーベル賞……」
    • 「ヒッグス粒子」の発見。
      ヒッグス粒子は質量が発生する仕組みを説明するためにピーター・ヒッグス氏らが提唱。
      CERNの実験によりこの粒子が発見され、ヒッグス氏は2013年にノーベル物理学賞を受賞した。
  • 狸囃子
    • 本所七不思議の怪談のひとつ。馬鹿囃子とも。
      どこからか囃子の音が聞こえるが、追いかけても音の主には追い付けず、
      見たこともない場所に辿り着いてしまうというもの。
      その名の通り、狸の仕業とされる。
  • 本所七不思議
    • 本所(東京都墨田区)に江戸時代頃から伝わる怪談。落語などの題材として親しまれている。
      「七不思議」と名付けられているが、場合によって七つの組み合わせが変わるため、実際は九つほどの種類がある。
  • 送り提灯
    • 本所七不思議の怪談のひとつ。
      提灯を持たずに闇夜を歩いていると、提灯のような灯りが遠めの暗闇の中に見える。
      その光に近付こうとしてもすぐに遠ざかってしまい、いつまでも追い付けないというもの。
    • 東方においては怪奇送り提灯亡霊の送り提灯で題材となっている。

参考

第15話 苟且のセブンワンダー 後編

  • 片葉の葦
    • 本所七不思議の怪談のひとつ。
      留蔵という男がお駒という美しい娘に惚れて迫るが、彼女からは相手にされない。
      怒った留蔵はお駒の片手片足を切り落として殺し、堀に投げ込んでしまった。
      それ以来、その付近に生える葦は片方の葉しか付けなくなったという。
  • 龍神の像
    • 作中で語られている通り、実際の本所七不思議にこの話はない。
      代わりに入るのは燈無蕎麦、落葉無き椎の木、津軽屋敷の太鼓。
    • 求聞史紀にも登場。単なる石像だが、瞳の色で天気を知らせる。なお、この機能は河童が細工したもので七不思議の噂を流したのは河童であると自ずと判ってくる。
  • 足洗邸
    • 本所七不思議の怪談のひとつ。
      味野岌之助という旗本の屋敷では、毎晩天井裏から「足を洗え」という声と共に、
      毛むくじゃらの汚れた巨大な足が降りてきて、言葉の通りにしないと天井を踏み付けて暴れた。
      それに興味を持った味野の同僚が味野と屋敷を交換してみると、その現象はピタリと収まったという。
    • ここはどうやら河童の臨時の倉庫で、置いてけ堀等と同様に人里に押し入る為に利用しているうようだ。
    • 最近は足洗邸の住人たちって漫画があるので、本所七不思議よりかはこっちで足洗邸を知った人のが多そう。
  • 小鈴が拾った河童の道具
    • PHS。今では携帯電話に押されてすっかり廃れてしまった。
      ただし強い電磁波を出さないため、現在でも病院などではPHSが使用されている。

参考

第16話 曰く付きの艶書 前編

  • 祐天
    • 江戸時代の浄土宗の僧侶、呪術師。
      数々の怨霊退治の逸話で知られる。
      幼少時は不出来だったが、後に大成。
      5代将軍綱吉、6代将軍家宣らの帰依を受けて増上寺の36世法主を務めた。
  • 耳袋
    • 作中で小鈴が読んでいる本。
      江戸時代の旗本・根岸鎮衛(ねぎしやすもり)が書き記した随筆集。
      多様な人物、事件についての物語が納められている。
      作中で白蓮が演じている祐天の逸話もこの耳袋に収録された話。
      この書籍は東方茨歌仙 第32話 ぽんぽこ陣取り裏合戦でも題材の一つとして登場する。
  • 「お寺育ちはなんでもできる 万能!」
    • 寺生まれのTさん。

参考

第17話 曰く付きの艶書 後編

  • 祐天の過去の話
    • 作中にあるように、祐天は幼少時は出来が悪く、破門されている。
      しかし、その後に修行を積み、不動明王から喉に剣を刺される夢を見たことで智慧を授かり、
      立派な人物になったという。

第18話 狐疑逡巡する貸本屋 前編

  • 狐疑逡巡(こぎしゅんじゅん)
    • なかなか決心が付かず、優柔不断であること。
  • 発微算法
    • 作中で障子に書かれている文字。
      江戸時代の数学者、関孝和の著した数学書。

参考

第19話 狐疑逡巡する貸本屋 後編

  • 下学上達
    • 寺子屋の教室内に掲げられている文字。
      手近で容易なところから学び始め、次第に深いところまで学び進んで習得していくこと。
  • 延宝八年
    • 西暦で表すと1680年。
      • この年にあった教科書に載る出来事といえば、徳川綱吉の第5代将軍就任であろうか。
  • 能勢の黒札
    • 日蓮宗の霊場である大阪の能勢妙見山の御札。
      祀られている鴎(かもめ)稲荷大明神の祭祀として授与される。
      火除け、魔除けの効果があるとされる。

参考

第20話 鼠害の夏 前編

  • 歌川国芳
    • 江戸時代後期を代表する浮世絵師。
      無類の猫好きとして知られ、当時流行していたネズミ避けの猫の絵も書いている。
  • 大田南畝(-なんぽ)
    • 江戸時代の文人、狂歌師。別号は「蜀山人」。
      狂歌の名手として知られ、また、多くの随筆も残している。
  • 一話一言
    • 大田南畝の著した随筆。50年に渡って書き続けられ、全56巻。
      時代の風俗、起きた事件、幕府の記録など、様々な内容が幅広く収められている。
  • 白仙
    • 大田南畝の随筆「一話一言」、「半日閑話」に記載されている物語の登場人物。
      物語は作中に引用されている通り。
  • 「白仙というのは大陸では鼠の仙人の一種」
    • 中国では五種の動物が神(仙人)として信仰されている(五大仙)。
      狐仙(狐)、黄仙(イタチ)、柳仙(蛇)、灰仙(ネズミ)、そして白仙はハリネズミの仙人である。

参考

第21話 鼠害の夏 後編

  • 久須里婆古
    • 小鈴が取り出した薬箱に書かれた文字。意味は読んだ通りの薬箱(くすりばこ)。
      これは本居宣長が自身の薬箱に書いた文字で、直筆のものが現存している。
      • 本居宣長は小鈴のモデルとなった人物。
  • 鉄鼠
    • 平安時代の僧侶、頼豪阿闍梨が変化したネズミの妖怪。
      頼豪は白河天皇の皇子が無事に誕生するように祈祷を捧げ、見事にそれを成し遂げた。
      しかし頼豪と対立する延暦寺の横槍により、白河天皇は頼豪のために戒壇を建てるという約束を反故にしてしまう。
      怒り狂った頼豪は断食による祈祷で皇子に呪いをかけて死なせ、自身も死後に巨大なネズミの妖怪と化した。
      そして8万4千ものネズミの群れとなって延暦寺を食い荒らしたという。
    • 作中の絵は鳥山石燕の「画図百鬼夜行」のもの。
  • ウルトラソニック眠り猫
    • ウルトラソニック(ultrasonic)
      • 超音波。
    • 眠り猫
      • 日光東照宮にある猫の彫刻。江戸時代の彫刻家、左甚五郎の作とされる。
        この猫が飾られている東西回廊は国宝に指定されている。
  • モスキート音
    • 17キロヘルツ程度の超高周波音。
      高周波を聞き取れるかは年齢によって変わるため、若者には聞こえ、高齢になると聞こえなくなる音として知られる。

参考

第22話 煙草と狸と無銭飲食 前編

小鈴「アフリカでエボラが猛威を振るっているってさ」
  • この話の雑誌掲載はコンプエース2014年12月号。
    これを踏まえると、2014年6月頃より感染が急拡大した「エボラ出血熱」が流行し始めたことを指すだろう。
    最強の感染性と毒性を持つエボラウイルスが原因となって発症するもので、ギニアをはじめとする西アフリカにて2013年12月頃に発症し始めた結果、2015年10月までに2万8千人が感染、その内の4割に当たる1万1千名が死亡する事態となった。
    感染の拡大の原因に水と公衆衛生の不足があるという指摘も。
小鈴「これなんかさ インドで大蛇が人間を丸呑みしたって」
  • 2012年9月頃からネットに出回っているという、「インドのケテラ州にある居酒屋で、酔っ払いがヘビに丸呑みされた」画像のことか。
    人がヘビに襲われて丸呑みされるという事件は過去にも発生している。

第23話 煙草と狸と無銭飲食 後編

  • 蟒蛇(うわばみ)
    • 巨大な蛇の総称。
      • 総称であるため、伝承によりその性質は様々となる。
        基本的に人間を食べるものが多く、中には人間のいけにえを要求するものもいる。
        その一方、傷の手当てをしてもらった蟒蛇が恩返しに来て、蛇に噛まれない護符と蛇に噛まれた時の秘蔵の治療法を授けたという話もある。
    • 参照:ウワバミ
  • 蟒蛇だけでなく、蛇全般はたばこの臭いが苦手という俗説がある。
      • 実際に効果があったとする報告も多いようだが、科学的検証は特にはされていないようである。
  • 血清(けっせい)
    • ここでは蛇毒に対する「抗毒血清」のこと。(詳しくは後述)
    • 血液を遠心分離機にかけると「血球成分(赤血球、白血球、血小板)および血液凝固因子が固まった血餅(けっぺい)」と「その上澄み液である血清」に分離する。
      • この血清には抗体である「γ-グロブリン(がんまぐろぶりん)」(抗体グロブリンとも呼ばれる)という物質が含まれている。
    • 「抗毒血清」とは、ヘビ毒に対する抗体が含まれた血清のこと。
      • 馬に致死量よりかなり少ない量の蛇毒を投与し、半年ほどかけてその蛇毒に対する抗体を作らせる。
        その馬の血液を採取し遠心分離して作った血清が「抗毒血清」となる。
      • 毒蛇にかまれた人間に「抗毒血清」を投与すると、この血清に含まれた抗体の作用により蛇毒が無毒化、弱毒化される。
        これにより「抗毒血清」は蛇毒に対する唯一の特効薬となる。
    • 「抗毒血清」に含まれる抗体が蛇毒を無毒化、弱毒化するメカニズム
      • 抗体は、特定の分子を認識しそれに対してのみ結合するという性質を持つ。この特定の分子を「抗原(こうげん)」と呼ぶ。
        一つの抗体が対応するのは特定の一種類の抗原に対してのみ。
        そして、「抗毒血清」に含まれる抗体が対応する抗原が「蛇毒」となる。
        抗体の具体的な作用は以下の通り。
      • 作用1.抗体と結合した抗原は不溶性となる性質があり、蛇毒は血液中や体液中に溶けていても抗体と結合した時点で沈殿する。
        こうすることで異物を食べて処理する役割の白血球やマクロファージが蛇毒を異物として認識しやすくなり、蛇毒はこれらに食べられやすくなる。
      • 作用2.抗原と結合した抗体はその化学構造からくる性質により、マクロファージと極めて結合しやすい性質を得る。
        これによりマクロファージは蛇毒を上記に加えてさらに食べやすくなる。
      • 作用3.蛇毒は細胞と接触することで初めて毒として作用する。しかし、抗体と結合した蛇毒は抗体が邪魔をして細胞と接触しにくくなる。
        これにより蛇毒は毒として働きにくくなり、蛇毒は弱毒化される。
      • 主に、上記の3つの作用が合わさることで蛇毒は無毒化、弱毒化される。


参考

第24話 著者不明は容易く盗まれる 前編

第25話 著者不明は容易く盗まれる 後編

  • この話に登場する易者についての詳細は、リンク先のページを参照。
  • 宮負定雄(みやおいやすお、みやおいさだお)
    • 江戸時代後期の国学者。生没年(1797年-1858年)。ちなみに、本居宣長の生没年は1730年-1801年であり、世代が大きく異なるため直接のつながりはない。
  • 『民家要術』(みんかようじゅつ)
    • 宮負定雄の著書の一つ。祭祀から結婚、教育、読書、学問、職業などについて著者が論を述べている書。
    • 作中での引用
書物を読むにはその撰者の霊を見聞している事 及び 幽冥より 現世は見通しにして 何事も幽冥の鬼神には隠しがたき事を思うべきなり
(作中における『民家要術』からの引用より)

意味「本を読むことはその著者の霊を見聞していることに等しい。同じようにあの世からこちらは見通されており、何事も隠すことは出来ないと心せよ」
    • 上記に関連する内容として『民家要術』には以下のような記述もある。
学者の書物を著すは世の為人の為になれがしと心を込めて書きのこし言い残す物なれば、死して幽冥に入りても其霊は著したる書物に付きまとひて、読む人の心を伺うなり
(近世地方経済史料 第5巻内の『民家要術』「巻八 読書の巻」より引用)*1

意味「学者は本を世のため人のためになるよう心を込めて書き遺している。著者が死んであの世に行っても、著者の霊は本についており、読む人の心を伺っているのだ」
    • 『民家要術』「巻八 読書の巻」には上記二つの引用内容の例として、以下のような逸話が収載されている。この逸話は作中の内容とリンクしている。

(逸話の現代語訳)

    • 以下の作中でのもう一つの引用は上記逸話の一部
吾考の善き説をば 自身の考の如く言いふらし 吾考の非説をば 糞の如くに言うて 見聞に堪えず
(中略)
其の人を打ち殺そうと思い毎日苦しむ
(作中における『民家要術』からの引用より)

参考

第26話 狐狗狸さんは桜と共に散りぬ 前編

  • 木花咲耶姫(このはなさくやびめ)と岩長姫(いわながひめ)
    • 日本神話に登場する姉妹の神。
      共にニニギ(天照大神の孫)に嫁いだが、岩長姫は器量が悪いと言う理由で実家に帰されてしまう。
      この婚姻には意味があり、木花咲耶姫を嫁がせたのは「ニニギを花が咲くように栄えさせる」ため、岩長姫を嫁がせたのは「ニニギの命を石のように固く永遠のものにする」ためであった。
      しかし、岩長姫を返して木花咲耶姫とのみ結婚したため、「ニニギの命は花のように儚く」なってしまう。
      ここから、ニニギ以降の家系(天皇家を含む)に寿命が生じることになった。
  • 木花咲耶姫
    • ニニギとの間に生まれた子供に「海幸彦」と「山幸彦」がいる。山幸彦と結婚したのが豊玉姫(参照:綿月豊姫)。
      また、その息子と結婚したのが玉依姫(参照:綿月依姫)で、この二人の息子の一人が「神武天皇」となる。
      つまり、木花咲耶姫は神武天皇の曾祖母となり、天皇家の直系の先祖となる。
    • 木花咲耶姫は富士山をご神体とする富士山本宮浅間大社の主祭神で、全国の浅間神社で祀られている。
      東方では小説版 東方儚月抄において富士山頂に現れた。(参照:時効「月のいはかさの呪い」調岩笠)
  • 岩長姫
    • 幻想郷にある「妖怪の山」は八ヶ岳が幻想郷入りしたもので、木花咲耶姫の山である富士山と同様、岩長姫の山が八ヶ岳である。(参照:小説版 東方儚月抄 第四話

参考

第27話 狐狗狸さんは桜と共に散りぬ 後編

      • 1800年代末にイギリスで生まれた占い用のゲーム版、ウィザーボード。
      • 降霊術もしくは心霊術を娯楽として用いるもので、コックリさんの始祖とされる。

第28話 河童のグリモワール 前編

      • 小鈴は左右逆の文字を読めない。
霊夢「最近 例の異変があってから〜」

第29話 河童のグリモワール 後編

      • 河童の人口の増加による資源の不足から、胡瓜を自主的に生産するようになったという話。
      • 幻想郷には珍しい近代的な施設。ビニールハウスと工場が見受けられる。

第30話 牛の首は何処にあるのか 前編

  • 牛の首
    • 都市伝説の一つ。
    • (都市伝説の内容)
      かつて「牛の首」と呼ばれるとてつもなく怖い怪談があった。
      この怪談を聞くと、聞いた者はあまりの怖さに数日で死んでしまったという。
      怪談を作った人物は自分の怪談が原因で多くの人が亡くなったことに心を痛め、出家して仏門に入った。
      これ以降、この人物はこの怪談を二度と披露せずに亡くなった。今ではだれもこの怪談の内容を知らない。
      伝わっているのは、「牛の首」という題名と、その怪談が大変恐ろしい内容であった、ということのみである。
    • 参考:wikipedia:牛の首
  • 『この噂を知らない人3人以上に広めれば死なない』
    • 指定された人数の他者に広めるよう指示するのは、チェインメールの典型的な手口。
      参照:チェインメール
  • 東方深秘録の都市伝説異変が発生している時期の話。
    • 「牛の首」の噂が広がることで、この都市伝説が具現化してしまうことを霊夢と魔理沙は危惧している。

第31話 牛の首は何処にあるのか 後編

  • 牛鬼(うしおに、ぎゅうき)
    • 妖怪の一種。牛の姿をした鬼の妖怪の総称。
    • 東方においてはのちに牛鬼の牛崎潤美が登場する。(牛鬼の詳細はリンク先を参照)
  • 件(くだん)と牛女
    • ともに19世以降に語られるようになった比較的新しい妖怪で都市伝説の一種。
    • 件(くだん)
      • 件は、牛の体をした人面の妖怪。牛から生まれ、人語を話す。
        生まれて数日で死んでしまうが、その間に作物の豊凶や災害など様々な予言をするとされる。
        件を白澤(参照:上白沢慧音)と同一視する見解もある。
      • 昔の証文などの最後につける定型文に「件の如し」というものがある。
        「この件は妖怪の件のことで、件の予言のように嘘偽りがないという意味である」とする俗説があるが、件は比較的新しい都市伝説であり、後世に創作されたデタラメである。
        「件の如し」は「かくの如し」と同じ用例で、「以上のように〜」「すでに書いたとおり〜」といった意味でしかない。
    • 牛女
      • 件とは逆に、人の体をした牛面の妖怪。件の都市伝説の類型ともいわれる。
        件とは異なり、牛女は人間から生まれ、人語を理解できず予言も行わない。
  • 牛頭天皇(牛頭天王とも)
    • 牛頭天皇は神社にまつられていた神であるが、仏教要素が強く神仏習合の神である。
      • 仏教から見ると薬師如来の垂迹した姿、神道から見ればスサノオの本地とされる。
        乱暴に言えば、薬師如来とスサノオの化身が牛頭天皇である。
      • 牛頭天皇は疫病の神でいわゆる疫病神だが、逆説的に丁重に奉れば疫病を免れることができる除疫神とされた。
        これが病気を治す薬師如来の垂迹した姿という信仰に繋がっている。
      • 元々は祇園神社(現:八坂神社)の祭神であったが、仏教系の神であることから明治政府の神仏分離令により表向きは祭神から外され、スサノオが祭神となり現在に至っている。
        牛頭天皇は祇園精舎(釈迦の時代にインドに合った寺院)の守護神とされ、これに由来して祇園神社と名付けられた。
        現在の京都の地名である祇園は、祇園神社の境内地がそう呼ばれるようになったため。
    • 関連
  • 蘇民将来(そみんしょうらい)子孫のビラ
    • 博麗霊夢が用意した牛頭天皇のビラを二ツ岩マミゾウがこう表現した。
    • スサノオ(≒牛頭天皇)をまつる神社において「蘇民将来子孫也」または「蘇民将来子孫之門」と書かれた護符が授与される。
      この護符は災厄から身を守り疫病を退散させるご利益があるとされる。
      この護符を略して「蘇民将来」とも言う。
    • 蘇民将来説話
      • 「蘇民将来(そみんしょうらい)」とは元々は人名である。
      • 説話では、旅をしていた武塔神(むとうしん)という神が宿を求めたところ、裕福な弟の「巨旦将来(こたんしょうらい)」はそれを断ったが、貧乏な兄の「蘇民将来」は武塔神を粗末ながらも丁重にもてなした。
        のちに再訪した武塔神は蘇民将来の娘に「茅の輪(ちのわ)」の護符を授けた。直後に疫病がはやり、巨旦将来の一族は滅んでしまうが、蘇民将来の一族は護符により無事生き残った。
      • この武塔神がスサノオと同一視されたことで、スサノオをまつる神社で「蘇民将来」の護符が授与されるようになったとされる。
      • 護符に「蘇民将来子孫」とあるのは、「この護符を持つ者は蘇民将来の子孫である(とみなす)。疫病はこの者(の家)から退散せよ。」といった意味となる。

参考

第32話 真実の支配者 前編

  • 美濃紙(みのがみ)
    • 有数の和紙生産地である美濃(現在の岐阜県)で生産される和紙の総称。
      半紙より判が大きく、強く優良な紙質で知られており、江戸時代には美濃紙の障子紙が最高紙という評価を受けた。
      奈良時代以降の各時代の文献に美濃紙についての記述が多く見られ、現在でも文書の写し・書状の包み・障子紙・トレーシングペーパーなどの用途が多い。
    • 国の重要無形文化財に指定されており、2014年に世界無形遺産に登録された。
  • 天狗の書
    • 天狗が書いたとされる書の伝承は各地にあり、中には以下のように書そのものが現存しているケースもある。
      • 静岡県伊東市にある日蓮宗の寺院「佛現寺(ぶつげんじ)」には「天狗の詫び状」(詫び証文とも)と呼ばれる巻物が伝わっている。
        伝来によれば、江戸時代に当時の佛現寺の住職が天城山に現れる天狗を懲らしめた際、天狗から詫びとして巻物を受け取ったとされる。
        現物は一般には公開されていないが、予約を取ればレプリカは見せてもらえるとのこと。
      • 兵庫県多可郡多可町にある真言宗の寺院「吉祥山 圓満寺」には「天狗の手紙」が伝わっている。
        江戸時代初期に姫路潘藩主である池田輝政(いけだてるまさ)に送られた手紙(呪詛文)で、「姫路城内にお堂を建てなければ呪い殺す」といった内容の脅迫文であった。勇猛な武将としても知られる池田輝政はこれを無視するが、しばらくして病に倒れる。圓満寺の明覚上人に相談したところ、「天狗の手紙」にあるようにお堂を建てるよう進言され、輝政は姫路城内にお堂を建てる。その後、輝政は快復したという。
        (参考:神戸新聞NEXT 池田輝政ゆかり圓満寺で大祭
    • 関連:射命丸文 名前の項で天狗の落とし文 について解説がある。

第33話 真実の支配者 後編

第34話 誰がデマゴギーを広めるのか 前編

  • デマゴギー
    • まことしやかに話される根拠のない噂話。
    • 意図的に流された虚偽の情報。
魔理沙 弥勒の世といえば 浄土思想だな
白蓮  弥勒の世だなんて まだまだ先の 話ですよ 56億年以上も
    それに弥勒菩薩は 世界の破壊者ではなく 救済者ですし……
  • 弥勒菩薩(みろくぼさつ)
    • 釈迦如来の次にこの世で仏となることが約束された菩薩。そのため、未来仏とも呼ばれる。
      仏となりこの世に現れるのは56億7千万年後とされる。
  • 弥勒の世
    • 56億7千万年後、弥勒菩薩が仏としてこの世に現れ衆生を救う時代を「弥勒の世」と呼ぶ。
      キリスト教等における「黙示録」(最後の審判)とは異なり、作中で言われるような「世界の終末」というような意味はない。
  • 浄土
    • 仏の住む清浄な世界を「浄土」と呼ぶ。仏教には複数の浄土がある。
      平安時代以降の日本においては、ただ「浄土」と言えば通常は「阿弥陀仏」の管轄する「極楽浄土」をさす。
    • 弥勒菩薩が管轄する浄土もあり、こちらは「兜率天(とそつてん)」と呼ばれる。
      他の浄土は六道(天界・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄)の外にあるのに対し、「兜率天」は天界の中の世界の一つとされ、少々特殊である。
      ちなみに、天界には典拠にもよるが27の世界があるとされ、世界には序列がある。
      一番上の世界が「非想非非想天(ひそうひひそうてん)」(有頂天、関連:東方緋想天 タイトル「全人類の緋想天」)で、「兜率天」は上から数えて24番目(下から4番目)とされる。
  • 浄土思想
    • 「衆生は、阿弥陀仏の救済によりまず極楽浄土に往生(この世での死後、極楽浄土に生まれ変わること)し、その極楽で阿弥陀仏の導きにより悟りを開き仏になる。」という思想、教え。
      乱暴に言えば、「阿弥陀仏を拝み信仰することで救済され、極楽に行くことが出来る」という信仰。
      日本では、平安時代から浄土信仰が盛んとなる。京都に現存する「平等院」などはこの信仰からつくられた寺院。
    • この信仰を「浄土教」ともいい、鎌倉時代に成立した浄土教系宗派(浄土宗、浄土真宗、時宗など)は阿弥陀仏への信仰に特化した宗派といえる。
    • 上記とほぼ同じ流れで「弥勒のいる兜率天へ往生する」(兜率往生)という信仰もかつてはあった。
      が、上記の浄土教とは異なり、こちらは結局広がることはなく、現在日本ではこの信仰はほとんど見られない。

備考
  • 日本において「弥勒信仰」が比較的盛んだった時期もある。
    なかには「弥勒仏が今の時代のこの世に降りてきて、すぐに「弥勒の世」が始まる。世界はより良い世界に変革される。」という過激な信仰もあったようである。
    世界の行く末は真逆だが、すぐに「弥勒の世」が始まる、という点は今作と共通項がある。
  • 平安時代に日本で浄土信仰が盛んになった要因の一つとして、「末法思想(まっぽうしそう)」(「仏教の効力が消えてしまう時代が来る」という思想)が広がったことが挙げられる。
    本来は違うのだが、当時の人々は「末法の時代が到来する」ことを「世界が終わる」ことと同義と捉えていた節があり、今作の「終末論」が広がった里と共通項がある。
  • 弥勒信仰
    • 弥勒信仰には二つの種類がある。
      一つは、「兜率天に往生する」(兜率往生)という信仰で「上生信仰」と呼ばれる。つまり、「弥勒の元へ行って救って頂く」という信仰。
      もう一つは、「未来ではなく今、弥勒はこの世に降りてきて我々を救ってくださる」という信仰で「下生信仰」と呼ばれる。つまり、「弥勒のほうがこちらにやってきて救ってくださる」という信仰。
      • 魔理沙の「弥勒の世といえば 浄土思想だな」という発言は「弥勒の世」は後者を、「浄土思想」は前者を指していると思われる。
        ただし上記の通り、この二つは内容も意味合いも全く異なる信仰であり、本来はこの二つの用語が連想し合う関係であるとは言い難い。

第35話 誰がデマゴギーを広めるのか 後編

  • 世界轉覆奇談(せかいひっくりかへるめずらしきはなし)
    • 明治14年(1881年)に出版された絵草紙の題名。
      • この書籍は「400年前のイタリアで今年世界が滅亡すると予言した人物がいる」(要約)という書き出しから始まる。
        「1881年11月15日から15日間、日替わりで次々と天変地異が襲いかかって世界は滅亡する」とする内容で、各日ごとに起こる現象が絵と共に詳述されている。
      • この書籍の予言は当時世間で話題となり、短期間ながら都市部を中心に自殺者が増えるなどの騒動に発展したとされる。
    • 作中の以下のセリフの内容と符合する。
霊夢  誰が予言したっていうのよ
魔理沙 イタリアって所の奴らしい
文 そもそもこれは 150年近く前に 人間の世界で流行った 嘘の予言なのよ
    • この予言はこの書籍が作り上げたわけではなく、出所が存在する。
      • 経緯は以下の通り。
        当時横浜で発行されていたフランス語新聞『L'Echo du Japon』が1881年8月13日に掲載した記事が発端とされる。
        この記事を、『東京日日新聞』が日本語に訳して8月26日に掲載、さらにその記事を別の新聞『大坂日報』が9月2日に転載した。
        さらに、その記事を見たある絵草紙屋が記事を基に絵草紙を作ったところ大ヒット。
        それを聞いた他の絵草紙屋や出版社らが追随してほぼ同じ内容の類似の書籍を次々と出版したことから、9月の終わり頃にはこの予言は世間に広く浸透していた。
        そして、10月には騒動から警察当局が介入する事態にまでなったとされる。
        当時はまだ著作権の概念が存在すらなかった時代。(著作権法の前身である「版権法」が成立したのは1893年)
        そのため、現代では考えられないが
        他人が新聞記事を勝手にまとめて書籍として売り出す、他の書籍の内容をほぼコピーして独自の書籍として売り出す
        などの行為が許容されうる時代でもあった。
      • これらの出版物は、形の上ではこの予言を「妄説」の類いと戒める内容となってはいたが、むしろ世間の騒動を誘発する結果となった。
        体裁はどうあれ、これらは売れると踏んで追随して出されたものがほとんどであり、「戒める意図があった」とするには無理がある。
        ちなみに、これは作中における、文の新聞の内容と下記の文のセリフと符合する。
文 この新聞では
  「このチラシは全くの デタラメでありこの様な 悪意のある飛語に惑わされてはいけない」
  という警告をしているのよ
  • 上記は「国立国会図書館月報596号 今月の一冊  世界転覆奇談 せかいのひっくりかえるめずらしきはなし(藤元直樹)」を参考にまとめました。

参考
備考
    • 『L'Echo du Japon』は予言したイタリア人の名前を「Leonardo Aretins」としている。
      名前と年代から、イタリアの歴史家レオナルド・ブルーニ(1370年-1444年)か?(レオナルド・ブルーニは「Leonardo Aretino」とも呼ばれていた。)

  • 神の見えざる手
    • 原義としては、キリスト教の終末論において「世界最終戦争(ハルマゲドン)時、キリスト教の信者は神の見えざる手により救済され、天国に導かれる」とする。
    • 転じて、18世紀の経済学者アダム・スミスが論じた概念では、「各個人が自分の利益だけを追求して経済行動をすれば、神の見えざる手により、全体の経済は発展する」とする。
      これは「政府などが介入して管理経済を行うよりも、自由経済で市場原理に任せたほうが、結果的に全体の経済は発展する」との主張で、これを比喩的に「神の見えざる手」と表現している。
      • 実際には、バブル(投機マネーが過熱することでバブルが生じ、その後暴落して恐慌に陥る)、インフレ、デフレ、為替の急激な変化など、放置しておくと経済に極めて悪影響を及ぼす経済事象も多い。
        現在の主要な資本主義国家では、中央銀行制度などで政治の介入をある程度制限したうえで、限定的に市場介入する制度を採用しているケースが多い。
    • 作中では、終末論により「天狗の新聞の売り上げ増」「命蓮寺の地蔵設置による信仰増」「兎角同盟による薬の販売増」などの影響が生じている。
      あくまでマミゾウの想像となっているが『一見、各勢力が「自分の利益だけを追求して」行動し、結果妖怪も人間も経済活動等が活性化したようにみえるが、全てはさらに上の次元の存在の手(神の見えざる手)によって統制されていた』ことが示唆されている。
    • 参照:wikipedia:見えざる手

第36話 人里に湧く馬の酔う木 前編

  • アセビ(馬酔木)
    • アセビの花は早春に咲くことで知られる。
    • 馬がアセビの葉や花を食べると含まれる毒により酔ったようにふらつくことから、「馬酔木」の漢字があてられるようになったとされる。
      • 作中でも語られているが、人間にとっても毒となる。
        もっとも、直接口にしなければ問題にはならないため、特別恐れる必要はない。
        実際、アセビは観葉植物として好まれており、庭園などによく植えられている。
    • アセビは東方妖々夢 Stage 1 白銀の春における会話(博麗霊夢とレティ・ホワイト)に登場している。

第37話 人里に湧く馬の酔う木 後編

  • 首無し馬(首飛び馬、首切れ馬とも)
    • その名の通り、首の無い馬の妖怪の総称。
    • 全国各地に多くの伝承があるが、「首の無い馬が徘徊する」「首の無い馬が目撃された」というだけの話も多い。
      同時に、「胴体から離れた馬の首が周囲を飛び回る」とする話もある。
      細かい理由が存在する例では、「何かの事件で殺された馬が恨みにより亡霊化した」「同時に殺された人間(の亡霊)を乗せて現れる」とするものが多い。
      • 作中の小鈴と同様に、「首無し馬を目撃して気絶した人がいる」というシンプルな伝承もある。
    • 作中では、「縁起の良いもの」としているが、全体としては不吉だったり縁起の悪い伝承のほうが多く、縁起の良い伝承のほうが数少ない。
      • 縁起の悪い例では「目撃すると祟られる」「目撃すると熱病にかかり命を落とす」「遭遇して命を取られそうになったがお守りや護符を持っていて命拾いした」などの話がある。
      • 縁起の良い例では「目撃したときに首無し馬に抱き着くと金持ちになれる」「目撃すると出世する」などがある。
  • 馬憑き
    • 死んだ馬の霊が人間に取り付く怪異のこと。
      • 複数の伝承があるが、おおまかには「馬を粗末に扱った者が馬の霊に取り憑かれ、馬のように振る舞い、最後には精神に異常をきたして死ぬ」*2話である。
      • 『絵本百物語』には「塩の長司」という馬憑きの物語が載っている。その内容は、今作の塩問屋の旦那と多くの点で符合する。

塩の長司のあらすじ

第38話 情報の覇者は萃か散か 前編

  • 天狗と化け狸の対立
    • 現代社会におけるマスコミとSNSを中心としたネット上の口コミの対立の風刺。
      • 現代社会ではネット環境が整備されて以降、各人が気に入らない報道に対してSNS等でだれでも簡単に匿名で反論を公表できるようになり、場合によっては報道機関を言説で攻撃できるようになった。
      • 作中では天狗(マスコミ)に対し、化け狸は付喪神のネットワーク(SNS)で対抗しようとしている。
  • 下品下生(げぼんげしょう)
    • 仏教用語。主に浄土教系宗派で使用される。
      • 仏教の浄土教では、「衆生は死ぬと、阿弥陀仏の救いにより極楽浄土(阿弥陀仏の管轄する浄土世界)に生まれ変わることができる」とする。
        臨終者の元には極楽浄土から迎えが使わされ、極楽に導くとされる。
        極楽は悟りを得やすい環境が整えられた世界であり、生まれ変わった衆生は極楽で一定期間修行して悟りを開き仏となる。
      • この際、生前の行いにより9つのランク付けがなされ、それによりお迎えの豪華さなどが変化する。
        このランクを九品(くほん)という。
      • 九品はその名の通り9段階のランク。
        上から順に、「上品上生」「上品中生」「上品下生」「中品上生」「中品中生」「中品下生」「下品上生」「下品中生」「下品下生」。
      • 最上位の「上品上生」では大勢の仏や菩薩が行列をなしてお迎えに来る。
        そこからランクが下がるごとにお迎えの人数は減り、最下位の「下品下生」では誰もお迎えに来ず乗り物だけがぽつんと置かれる。
      • お迎えは寂しいが、阿弥陀仏を信仰して念仏を唱えていれば「下品下生」でも救済はされ極楽に行くことはできる。
        ただし、ランクが低いほどペナルティとして仏となるまでの時間が長くなっていき、「下品下生」では天文学的なレベルの長い期間修行する必要がある。
    • 作中での用例では、「お迎えの際に下品下生になるような生き方しかしていない最低な奴ら」といった意味合いとなる。
    • ちなみに、一般用語の「下品(げひん)」はこの下品(げぼん)が語源。

第39話 情報の覇者は萃か散か 後編

  • 化け狸は付喪神のネットワークを用いて、意図的に天狗の新聞を貶める口コミを作り広めた。
    • 現代社会において誰でも気軽に匿名で言説を公表できるということは、作られた口コミ(フェイクニュースなど)を何者かが組織的に流し拡散する恐れもあるということでもある。
      • 著名な例では、2016年のアメリカ大統領選挙ではロシア政府が介入し民主党大統領候補クリントン氏の評判を貶めるフェイクニュースを投票直前にネット上で拡散させたと言われている。
  • SNSによる監視社会
    • SNSを用いれば誰でも簡単に発信できることから、他人の悪事をSNSで発信すればネット上で瞬く間に拡散され、場合によってはその人物が吊るし上げにあうことになる。
      悪事が公表されることで被害者が救済され誤っていたことが正される場合もあるが、些細なマナー違反程度で過度な制裁を受けるケースや事実確認がなされないまま冤罪を拡散されて被害を受けるケースも存在する。
      • 作中でも、お互いに監視し合っていたという認識のあった人里の住民に混乱を招いている。

第40話 これも全て妖怪の仕業なのか 前編

  • エドガー・アラン・ポー
    • 19世紀に活躍したアメリカの小説家。本格的なミステリー小説の創始者ともいわれる。
      • 著名な作品に『黒猫』『モルグ街の殺人』『黄金虫』などがある。
      • ポーと彼が生み出した探偵デュパンの存在は、後にかのシャーロック・ホームズが作中で言及するシーンがあるほど大きなものとなる。
        ホームズがデュパンより優れた探偵であることを印象付けるためか、ホームズはデュパンを無能とこき下ろしているが、ホームズシリーズの作者コナン・ドイルはポーをそれだけリスペクトしていたと見ることもできる。
    • 日本の作家江戸川乱歩がエドガー・アラン・ポーに由来して名乗ったというのは大変有名な話である。
  • アガサクリスQ

第41話 これも全て妖怪の仕業なのか 後編

第42話 人妖百物語 前編

  • 百物語
    • 日本における怪談会の形態の一つ。
      • 作中で行われた百物語イベントは伝統的なスタイルとは一部異なる。
    • 伝統的な百物語の形態
      • 新月の夜に屋内で行う。
        100本の火をつけた蝋燭(もしくは行灯)を用意する。
        参加者は怪談を順番に披露していき、怪談を1つ披露し終えるごとに火を1本ずつ消していく。
        これを繰り返し、全ての明かりが消されると本物の怪異がその場に現れる。
        実際には、100個目の怪談は披露せず、99個で止めて朝を待つのがマナー。
        表向きは本物の怪異が発生することを防止するためとされるが、何も起こらなかったと興覚めすることを防ぐ意味もあったのであろう。
        また、話が終わっても夜が明けるまでスリルを持続させる効果もあったようである。
      • 書籍によっては上記に加え、「明かりは怪談話を行う部屋ではなく別の部屋に置く」「話が終わるごとに話者は一人で部屋を出て明かりを消しに行く」「火を消すごとに、あらかじめ設置した鏡を見てそれに写る自分の顔を確認してから元の部屋に戻る」などのルールが追加されている場合もある。
  • 小鈴の話
    • 東方心綺楼 丑三つ時の人間の里における秦こころ戦前の様子。
      • 感情なくし仮面をかぶった里の住人が徘徊している。
      • 里の住人がこの状態になったのは「希望の面」が失われたことで秦こころの能力が暴走したことによる。
        秦こころ自身は里の住人に感情を戻そうとしており、各キャラを襲うのはそのキャラを新しい「希望の面」にして里の住民を救うためであった。

第43話 人妖百物語 後編

  • マミゾウのカーナビ怪談
    • 比較的新しめの怪談で「死ねばよかったのに…」「あと少しだったのに…」の題名がつけられていることが多い。
      • 元々は同乗者(恋人、拾った迷子、タクシーの客など)が道案内をし、危うく止まった崖の手前でその人物が「死ねばよかったのに…」もしくは「もう少しだったのに…」と発言する怪談だった。
        カーナビがこの同乗者の役割を担う怪談はその類型として誕生したとされる。
    • 幻想郷の住人は自動車やカーナビが何かわからず、人力車や道案内人に置き換えて想像していた。
      乗り物等に乗せた人物が実は幽霊や妖怪だったという怪談・伝承は昔から多数語られ続けている。
      明治大正時代頃には「人力車に乗せたら」、江戸時代頃には「籠に乗せたら」、それ以前にも「馬or牛に乗せたら」「おぶったら」、と時代によりツールは変化しながらも同様ネタが繰り返されている。

第44話 紫色の日は外出を控えましょう 前編

  • 龍神の像
  • 野分(のわき)
    • 台風の古称の一つ。「野の草を分ける強い風」を意味する。
      • 台風の呼称が使われるようになったのは1956年(昭和31年)から。
      • それ以前は、平安時代以降は野分、江戸時代には颶風(ぐふう)、明治以降は大風(おおかぜ、たいふう)タイフーン(カタカナ表記)颱風(たいふう)と表記されていた。
      • 1956年にあまり使われていない漢字を当用漢字に置き換える指針が発表され、颱風は台風に置き換えられこの呼称が一般的となり現在に至っている。

第45話 紫色の日は外出を控えましょう 後編

      • 人里の門の中と外では全く天候が違う。里の中はかなり緩和されているようだ。
      • 文は霊夢らと山の遺跡のような場所で話をするが、ここが何の施設か、何の廃墟かなどは不明。

第46話 稗田阿求の哲学 前編

  • マミゾウはアガサクリスQに合同で書を書かないか?と提案する。
    • 稗田家当主としての家柄に囚われない為に小説を書いたらしい。

第47話 稗田阿求の哲学 後編

  • 小鈴がマミゾウの正体を知ってしまう。
    • 霊夢は阿求がアガサクリスQとは判っていない様子。

第48話 本居小鈴の葛藤 前編

※雑誌掲載時は(前編)の記載は無かったが、単行本において追記された。
    • 幻想郷の存在意義とスタンスに対する解説。
  • 妖怪を敵視する事が里にとっての最善の選択肢だ、と小鈴に伝える阿求。

第49話 本居小鈴の葛藤 後編

  • 文が文々春新報が発刊停止になった事を伝えに来ている。
    • 『妖怪は人里の人々の敵』という固定観念と、『妖怪でも対等に暮らせていける』という唆しによる小鈴の葛藤。
      • 妖魔本に触れる小鈴が妖怪になる事を危惧し、小鈴に自分の考えを述べさせる紫。

第50話 博麗霊夢の誤算 前編

  • 東方深秘録(PS4版)のラストステージ、『賢者の誤算』に対応するタイトル
    • 天狗の情報網やマミゾウらの眼を掻い潜り、小鈴が行方を眩ましているというお話。
      • 終盤に小鈴は発見されるが、鈴の付いた髪留めが付いておらず、百鬼夜行絵巻を片手に異様な雰囲気を醸し出している。
      • 髪の毛自体は伸びておらず、髪をまとめるための鈴付きの髪留めがない(寝る時に髪留めは外している)
    • 百鬼夜行絵巻には無数の付喪神を萃める鬼の力が秘められている
      • 幻想郷では円札が使われず、文が広く利用されている。因みにマミゾウが化けさせた札は二千円札。
      • 2000円札は沖縄サミットと西暦2000年を記念として森内閣の元で発行された紙幣だが、全国的に流通枚数が少なく比較的希少価値が低い幻の通貨として知られている。
        例外的にお札に描かれた首里城がある沖縄県では流通促進運動を行っている事から比較的ポピュラーで、2000円札に対応する自動販売機やATMも多数見られる。

第51話 博麗霊夢の誤算 後編

  • 百鬼夜行絵巻に操られてる割には痕跡が少なすぎる、との事で誰かの介入を予測する。
    • 人間が妖怪に為らないようにするのが博麗家の勤めのようである。霊夢は隙間を開いて移動している。
      • 付喪神を放出しては吸収する小鈴に憑依している百鬼夜行の妖怪に対して「百鬼の力には百獣の力を」と狸を仕向けるマミゾウ。
      • マミゾウと小鈴(に憑依している妖怪)、「月が綺麗だから見ていただけ」とあくまでシラを切る八雲紫と博麗霊夢の二つの黒幕対決。
      • 猛牛の骨のような容貌である。
  • 「百鬼の力には百獣の力を」
      • 百獣と言う言葉は「百獣の王(ライオン)」で広く知られるが、本来は無数の獣というニュアンス。

第52話 八雲紫の安寧 前編

第53話(最終回) 八雲紫の安寧 後編

1巻読み切り 妖怪おとぎ話

  • 證誠寺
    • 千葉県木更津市にある寺。日本三大狸伝説の一つ、狸囃子が伝わる。
      境内には腹が破れて死んでしまった狸を供養する狸塚がある。
  • 分福茶釜
    • 日本三大狸伝説の一つとされる昔話。
      男に助けられた狸が茶釜に変身して恩返しをし、幸福になるという物語。
  • ミスティアと響子
  • 呼ばれて飛びでて
    • テレビアニメ『ハクション大魔王』より
      ハクション大魔王が壺から飛び出す時のセリフ「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン」から。
    • ちなみに、東方妖々夢 Stage 2 マヨヒガの黒猫がほぼ同じセリフを言う。

参考

備考

  • 妖怪の山に謎の廃墟がある。切り立った崖の上にパルテノン神殿のような、または工場の基礎だけが残った感じの場所。ここで小鈴を攫っていった文と霊夢が対峙する。
  • 天狗の護りがあるせいか、里は野分の影響が殆ど無い。

その他

  • 鈴奈庵
      • 本居宣長の自宅『鈴屋』、本居宣長の別名『鈴屋大人』から。
      • 本居小鈴
    • 鈴奈
      • カブの別名、鈴菜から。タイトルロゴや店のマークにもカブらしきものが描かれている。
        本居宣長の養子の太平が、宣長という人物を表現するのに描いた図『恩頼(みたまのふゆ)』にちなむか。
        『恩頼』はまるでカブのような形状をしている。
  • Forbidden Scrollery
    • Forbidden
      • 禁断の
    • Scrollery
      • イスラエルの博物館にある死海文書を研究するための部屋の名前
      • 唐草模様
    • Scroll
      • 巻物
    • 英語の接尾辞「-ery」には「〜の場所」や「〜類全般」という意味がある。
      漢字文化圏における慣習として、日常的な読みやすさを重視する非公式の書物の場合は冊子(さうし)を、
      後世への伝承目的で保存するという公式の書物の側面が強い場合は巻子(かんす)を用いてきた。
      この事を念頭に置くと、scrollery は「後世へ残す正式な書物の装丁を施された、立派な沢山の稀覯本。及びそのような稀覯本の専門書店」という意味だと理解できる。
  • 登場キャラクターの二つ名
    • 「○○○○+カタカナ」という法則がある。
    • このカタカナはゲーム作品中の二つ名の一部を英語表記にした際の読みが元となっている。

特装版

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