MONSTER HUNTER EX 第3話

作者:結城


第3話「初陣」



(あいつとの実力の差ってこんなに離れてんのかよ・・・クッソ!」)

受注したクエストは森と丘に出たドスランポス3匹を討伐するという簡単なものだった・・・

しかし、ユウキは地図でいうポイント3で、唖然としていた・・・

「どうした、へっぽこ」

リョウはそう言いドスランポスの爪を剥ぎ取り歩き出した・・・

ユウキが着いた頃には既にドスランポスは2匹も死んでいた・・・

ユウキもドスランポスから皮を剥ぎ取り

ポイント10に向かって歩き出した・・・

ポイント10は小さな池もありリオレウスも水のみに来るのだが幸い、今日はいなかった

あたりを見回すとランポスがうろうろしていた、気づかれぬように茂みから様子を見ると

とさかが異常に発達し大きさも普通のランポスのほぼ2倍はあると思われる生物ドスランポスをその目で捉えた

(いたっ! ドスランポスだ!)

キシャーーーキシャーーーーー!

「ちっ、気づかれたか・・・」

咄嗟に背にあるゴーレムブレイドを抜こうとしたが

その動作中にリョウの声がした

「走れ!!!」

大剣を背負いなおしユウキは一目散にその声の主に近づいていった

遅れてリョウも近づいていく

(今度こそ遅れはとらない!)

背中からゴーレムブレイドを抜き、上段から振るう

だがドスランポスは平気な顔をして一歩下がって避け

その大きな爪でユウキの左腕を抉った

ユウキはうっ、とうめいてリュウノアギトを手から離してしまった・・・

(ドスランポスって、こんなに、こんなに強かったか?)

一度はあのリオレウスすら倒したのにこんな雑魚にてこずっている自分に腹が立つと同時に

諦めという思いが頭をよぎった・・・

(もうだめだ・・・)

再び咆哮を上げドスランポスが噛み付いてきた・・・

やられる!

そう思った瞬間

紅い空の王者の翼がドスランポスの肉を切り裂いた

「ぼさっとしているな!敵は目の前にいるんだぞ!」

「わ、わるい・・・」

いまの一撃を受けドスランポスはかなり弱り、逃げる姿勢を見せていた・・・

「逃がすかよ!!!」

ユウキは立ち上がると同時にそのまま落とした愛刀ゴーレムブレイドを拾い、そのまま横に一閃した、

ドスランポスの脚を切り裂き、同時に左腕に激痛が走ったが

続けて大剣を上段から振り落とし、ドスランポスの頭を見事粉砕した・・・

二人は残ったランポスは相手にせず一目散にベースキャンプへともどった

「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

「もうへばったのか?」

酒場と同じく憎たらしい声だ・・・

「おれが?・・・冗談・・だろ・・・はぁ・はぁ・・・」

リョウは大声で笑った、そして

「ふん、威勢だけはいいな・・・」

(けど、さっきの動き、鋭く、無駄が無かった・・・

ひょっとしたら化けるかもしれんな・・・)

リョウは一人、柄にも無いことを考えていた

すでに疲れもなくなった頃、ユウキがリョウに訪ねる

「なぁ、」

「あぁ?」

「なんで、ドスランポスがこんなに強いんだよ・・・聞いて無いぜ・・・」

確かにそうだった

以前戦ったときは今回の二分の一の強さも感じられなかった

「そこらのモンスターと街のモンスターを一緒だと思ってるといつか死ぬぞ

それに、こいつらだって、必死に生きようとしてるんだ、そう簡単にはやられないさ・・・」

「・・・・・」




その後は街に着くまで両者全く喋らなかった・・・

街に向かう馬車の中でユウキは考えていた・・・

(いつかは、こいつに認めてもらえるくらい強くなって、見返してやる!

そう、力だけじゃなく、心でも・・・)

そう強く心に刻んだ・・・

ユウキのはじめての戦いは「目標」というおおきな戦果を得て、幕を閉じた・・・
2006年04月02日(日) 20:44:51 Modified by funnybunny




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