MONSTER HUNTER EX 第4話

作者:結城


第4話「出逢いと別れ」



昨日の疲れと、怪我のせいでしばらくはクエストを受けれなくなり、

ユウキは暇をもてあましていた・・・

自分の部屋、ポーンで休んでいてこんなことを考えていた

(あぁ〜あ・・・だるいなぁ〜・・・

なにか楽しい事ないかなぁ〜・・・?)

そこへ突然、

「へっぽこ」

聞き覚えのある声がした

みるとリョウがドア付近に立っていた・・・

うわっ、と驚き後ろに一歩下がる

「なんだよ・・・いきなりすぎるっつーの」

「ふん!」

「まったく・・・」

ユウキはリョウのいきなりの行動に驚いた、というよりも

いつのまにか部屋の中にいたことのほうがよっぽどびっくりしたのだが・・

「へっぽこにはポーンがお似合いだな・・・」

「余計なお世話だっ!!

それより、なんなんだよ、急に・・・

へっぽことは会わないんじゃなかったのか?」

「すこし、お前に会いたい奴が居るというんでな・・・

きょうは客人を連れてきた・・・」

(客人?だれだ・・・?)

ドア付近を見回すが、誰も居ない

誰も居ないじゃないか、そう言おうとした時、

突然誰かの声がした

「やぁ、きみがユウキ君だね

リョウから話は聞いている・・・

仲間がほしいそうだね?」

またまたいきなり現れた

こいつらは俺の寿命をいくら縮めれば気が済むのだろう・・・

そんなことを思いながら青年を見た

緑色に髪に自分と同じくらいの身長

全身を「ハンター装備」と呼ばれる初心者用防具でまとめていた

「だれ?」

「昨日あった奴だ・・・」

二人が青年に聞こえないように小声で話すと彼は不審そうな顔になった

慌ててさっきの質問の問いを返す

「あ、・・・うん、そうだけど・・・」

「ほんとに!?、ボクも君と同じで今仲間がほしいと思っていたんだ

よかったら、ボクと一緒にパーティーを組む気はない?」

「やめとけ、こんなへっぽこ・・・」

リョウが水を差す

青年は別に気にした様子は無かった

無視して再度同じことを問いかけてくる

「ねぇ、どう?」

そしてユウキにとって悪くは無い話だった、

まだ、経験の浅いユウキにとってパーティーを組むことは一番しなければいけないことだった

「ああ、いいぜ

よろしくな、・・・え〜っと・・・」

青年の名前を聞いていないことに気づく

「あ、そっか、名前教えて無かったね

僕の名前は『セイン』、よろしく」

「あぁ、よろしく!」

なるべく良い印象を与えるためにも元気に答えた

「ところで君はどれぐらい飛竜を狩ってる?」

「え〜と・・・イャンクック二匹と・・・

ゲリョスとリオレウスを一匹ずつかな・・・?」

「え!?そ、それだけ?!」

セインは驚いた後であきれたような顔になった

ここまで飛竜の討伐数が少ないとは思っていなかったようだ・・・

「でもあんただって俺と変わらないんじゃないの?」

「ボクはリオレウスはだいたい20匹は狩ってるよ

レベルが違いすぎるって・・・」

少し驚いたがふと、疑問に思ったことを訪ねる

「でも、全身ハンター装備じゃん!

そんだけ倒したならレウス装備くらいあるんじゃないの?」

実際そうだった

20匹も倒せば素材は十分だ

金にも困っている様子は無かった

やはりハンター装備で固めるよりもリオレウスの素材から作られる

レウスシリーズのほうが断然飛竜の攻撃を防げる

疑問に思うのは当然だ

「うん・・・まぁ、作れるけど、ボクはこの装備の方が落ち着くんだ・・・

この装備でだって普通にクエストをこなせるし、この方が強くなる気がする・・・」

「でも、ハンターってのは一歩間違えば死につながる仕事だろ?

大丈夫なのか?」

「ぜんぜん平気

多分、そこらのハンターよりはずっとマシだと思う・・・」

「へぇ〜・・・」

すごい、としか思わなかった。

別に、セインが嘘をついているようには見えないし

それに、ところどころに見える傷跡がそれを物語っていた

「じゃぁ、改めてよろしくな!」

「うん、こちらこそ!

これからビシビシ鍛えるからそのつもりで」

そういいながらセインは笑った、

俺もそれにつられて笑った、

しかし、リョウは笑わずにそそくさと部屋を出ようとする

「さて・・・ここらで俺は帰らせてもらう・・・

まぁ、せいぜい死なないようにするんだな・・・」

そういい、リョウは姿を消した

少しばかり期待していた

このままリョウと一緒に狩りが出来ると思っていたが

そう思ってたのは俺だけだったらしい・・・




かけがえの無い戦友が一人出来た

なぜか確信はないのだがそう思えた・・・

目標との別れが戦友との出逢いにつながった

しかし顔には出さなかったが内心は不安だった・・・

リョウがいなくて大丈夫か?と問いかける自分がいた

だが、そんなことを言っていたら置いて行かれる

強くなりたい!と思う自分がいま、ここにいる・・・

これからだ、とそう強く思った少年は

真のハンターとしての大切な第一歩を踏み出した・・・
2006年04月02日(日) 20:45:53 Modified by funnybunny




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