MONSTER HUNTER EX 第5話

作者:結城


第5話「野良」



セインと共に狩場にでて5日、

街のイャンクックとも戦い、経験を積んだ

「ふぅ、やっと終わったぜ・・・」

「きつかったですね、ノリさん・・・」

「だな」

ノリと呼ばれた青年がセインと話していた・・・

ノリという男はユウキたちと一時的に契約を結んで狩場に出た、いわば野良ハンターだった

ユウキは今日一日ずっと付き合ってもらっていた

そして、今丁度「灰水晶の原石を3つ納品する」クエストを終え

三人で酒場で、ビールを飲んで、乾杯をしていた所だった

「じゃぁ、おれはそろそろ行くか・・・」

「あ、はい、そうですか。

今日はありがとうございました

またお会いする事があればよろしくお願いしますね」

「あぁ、こちらこそ頼むぜ

ハンター装備のセイン君」

三人の笑いが酒場に響く

ノリさんは最初セインもユウキも新米ハンターだと思っていたのだが

セインの実力に驚いたようだ

それもそのはず

彼の防具を見れば誰もがそう錯覚するものだったからだ

俺も最初は驚いた

口だけ、そう思っていたがそうではなかった

的確なランス捌きは見るものを魅了した

「んじゃ、がんばれよ」

その言葉に返すのはハンターの間では決まり文句である言葉

「お疲れ様でした」

「お疲れ!」

この言葉だった

二人の声に

「お疲れ!」

ノリはそうかえすと、その場を後にした

ユウキは正直かなり参っていた・・・

イャンクック討伐の後にドスランポス3匹の討伐、

そのあとキノコ狩りをしてまたイャンクック狩りを2回

次は黄金魚を釣ってさっきの灰水晶の原石を運び終えてきた所だったからだ

「はぁ、運搬系はやっぱ疲れるなぁ・・・

みんなが嫌がる理由が分かるよ」

街では運搬系のクエストは人気が無い

疲れるというのが一番だがそれ以上に神経を使うからだ

「ハハハ、たしかにね

でも、ユウキは1個も納品していなかった気が・・・」

(ギクッ)

図星だった

「ははは!」

セインが笑う

ユウキは自分の心を見透かされた気分だった

実際ユウキは運んでいる途中、というよりも納品する直前にすべっておとしてしまっていたので

文句は言えなかった

そしてセイン2個、ノリが1個を納品しクエストを終えてきたのだ

無論、帰りに馬車のなかで、二人にずっと睨まれていたのは言うまでもない・・・

気分を紛らわすためにユウキは立ち上がって次のクエストを受注しようとカウンターに向かった

「いらっしゃい

緊急クエストが入ってるけど、どうする?」

いつも、この酒場の以来を仕切っているのは

ベッキーと呼ばれる看板娘だった。

初めて街に来たときの美人の受付嬢も彼女だ

「緊急クエストって何?」

「緊急で入ってきた依頼よ

主に急ぎのときとかに使うの

その分、報酬ははずむわ」

「へぇ・・・で、何のクエスト?」

彼女からクエストの内容が書かれた紙を受け取り読んだ・・・

すると、それは毒怪鳥「ゲリョス」を討伐するというものだった

ユウキはゲリョスとは村で1度しか戦ったことは無かったが周囲に毒を撒き散らし、

頭に付いた槌のようなとさかから閃光を放ったりとなかなかてこずった

セインが座っているところまで行くと依頼の書いてある紙を見せた

「どうする?ゲリョスだってさ・・・」

「いいよ、やろう!」

即答だった

あれほど依頼をこなしたのにまだ元気は有り余っているようだ

「ああ、だけど今からはかんべんな」

「あ〜・・・うん、ユウキはまだまだ新入りだし、今日は休んだほうがいいね」

新入りという言葉にすこし腹が立ったが、本当のことだったので言い返せなかった

「じゃぁ・・・・・」

「明日はどう?」

「ああ、いいぜ!

じゃぁ明日の朝8時にここで・・・」

「うん、少し速いけど頑張って起きてみるよ」

「じゃぁ、明日・・・」

セインが先に酒場を後にした

その後、ユウキはゲリョス討伐の依頼書を持った

クエストボードに一つ、ゲリョス討伐のクエストが貼られた。

それを眺め、気合を入れなおすユウキだった・・・
2006年04月02日(日) 20:46:39 Modified by funnybunny




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