MONSTER HUNTER EX 第6話

作者:結城


第6話「得意技」



朝8時、酒場にはセインとともにもう一人、男がいた・・・・

「2秒遅刻・・・遅いぞ、ユウキ」

(まったく、いちいち細かいなぁ・・・)

「何かいった?」

「いや、何も行ってねぇよ・・・」

「しらばっくれるな!」

「まぁまぁ二人とも、落ち着いて・・・」

「ん?あんた誰?」

二人が一斉に訪ねる

男は少し驚いた様子だったがすぐに自己紹介を始めた

「申し遅れました、私はアインと申します

ところで、このクエストはあなた達が張ったのですか?」

「あぁ、クエスト参加者ですか?」

「はい、で、よろしいでしょうか?」

アインと名乗った男は全身をゲリョス装備で固め、レッドウイングを背中に背負っていた

「私は構いませんよ」

「おれも意見は全くなしだ

なによりゲリョスとは戦いなれてそうだし」

「そうですね・・・

毎日一匹は狩りますから・・・」

ユウキもセインも引いた・・・

「はは・・は・・・そろそろいきましょうか?・・・」

「準備万端です」

「いつでもオッケーだゼ!」

「では・・・」

3人は酒場の裏口からでて馬車へと向かった・・・

馬車内ではアインがぺらぺらとゲリョスについて語っていた・・・

そして、ひと段落着いたとき、確認の意味を込めて

忠告してきた

「お二方、閃光玉は奴には効かないので注意してください」

「は、はい・・・」

そろそろ着きますね・・・

馬車は3人を乗せ密林へと到着した・・・

「やはりいつ見てもいいですね・・・」

「うわぁ・・・」

思わずうっとりした

ユウキの視線の先には美しい大瀑布が立ち並んでいた・・・

「さぁ、ぼーっとしてないで行きましょうお二人さん・・・」

「あ、ああ・・・」

(なんか調子が狂うなぁ・・・)

三人は集まり作戦会議を始めた・・・

仕切っていたのはアインだった

「私は尻尾を担当しますのでセインさんは頭を・・・」

今まで説明していなかったがセインの武器はランスでランパートと呼ばれる鉄槍だ

やはりランスの腕はピカ一で下手すれば上級のランサーをもしのぐ実力を持っている

「はい、ではユウキは脚をお願いしますね」

「あぁ!」

「では、行きましょう・・・」




密林には普通の場所以上に巨大昆虫ランゴスタが飛び交っている

「あぁもう、うるさいなぁ・・・」

「無視しよう、こんなヤツに構っている時間はない・・・」

「そうですね・・・」

3人はとりあえず近くに川が流れる場所に行った・・・

「どこにいるんだろ・・・」

すると・・・

「きますよ・・・」

アインは言ったがどこにも姿は見当たらない・・・

(どこだ?)

すると不意に風圧が3人を襲った

「きた!」

セインは距離を置きランスでいの一番に翼膜を貫いた、かに見えたが・・・

ぶよよよよん・・・

「なっ!」

グエエエエ!

そう雄叫びを上げその、しなる尻尾でセインを撃った

セインは間一髪盾で防いだが衝撃でうしろに一歩飛ばされた・・・

「セイン!」

叫んだが遅かった

ゲリョスの毒のブレスがセインに襲い掛かる・・・

セインはうっ、とうめき

「とりあえず離脱しま・・・す・・・」

そういいゲリョスと距離をとった・・・

「っこのっ!!!」

ゴーレムブレイドを大上段から振り下ろす

だがそのゴム質の皮のせいで会心の一撃には至らなかった

「落ち着いてください・・・

ゴム質の皮は衝撃を吸収しやすいですので・・・」

「分かった!」

ゲリョスはそのくちばしの様な口を使い連続でアインを狙い攻撃した

が、しかしアインは容易に避けゲリョスは隙を見せた

そこへアインの愛刀レッドウイングが急所である尻尾を切った!

見事に尻尾は切れ落ちた

グエエエエエ!!!

ゲリョスは地団駄を踏み怒り狂っていた・・・

と、歯を鳴らし始めた・・・

グエッグエッグェ・・・

(!! 閃光だ)

ユウキは目の前が真っ白になった・・・

視界を取り戻すとゲリョスは落とし穴にはまっていた

グェグェと叫びもがいている・・・

そして容赦なくレッドウイングで切りつけるアインの姿があった・・・

ユウキも加わり翼膜を狙った・・・

ユウキの一撃は翼膜を切り裂き右の翼は機能を失った・・・

その痛みからゲリョスは落とし穴から抜け出した

歯を鳴らす・・・

閃光が来る!そう思った瞬間・・・

アインが腹を切りつけた・・・すると・・・

ぐぇぇぇ・・・・

ゲリョスは倒れた・・・

「終わったのか?あっけない・・・」

アインは黙っている・・・

ユウキがゲリョスにちかづこうとした、そのとき

「ダメです!ユウキ!!!」

「セイン! 毒は大丈夫なのか?」

「さっき解毒薬で解毒しました・・・

それより・・・」

セインはアインをにらんだ

「なぜユウキをとめなかったんですか?

運が悪ければ死んでいましたよ」

「・・・すまない・・・」

ユウキはわけが分からなかった・・・

と、そのとき死んだはずのゲリョスが暴れだした

「!!!」

「どういうことだよ?」

セインはゲリョスとの距離を縮めながら言った

「ゲリョスの得意技・・・「死んだフリ」です・・・」

それでユウキは納得した、なぜセインがアインに怒鳴ったのか・・・

あの暴れ方からすれば運が悪ければ本当に死ぬ・・・

改めてセインに感謝した

そしてなぜアインがとめなかったのか気になった・・・

だがしかし今は戦闘中だ

(いまは目の前の戦いに集中だ)

そしてセインがランスを構え、ゲリョスに向かって一直線に突進した

セインの突進はゲリョスの腹を見事にえぐった

グエエ!

そして続けざまに頭部のトサカを狙った

すると、

パキィィン!

「よし!」

ユウキはゴーレムブレイドを脚に向かって横薙ぎに振るった

バタァァン!

ゲリョスが横倒しになると

すかさずユウキはそのまま後ろにむかって切り上げた

アインもレッドウイングで斬った

すると

ぐぇぇぇ・・・

ゲリョスは断末魔の声をあげ、倒れた

また死んだフリだという事は安易に分かった

そして、ユウキはゴーレムブレイドを無理やり突きの姿勢で持った

「オラァァァァ!!!

突顎(とつあご)!!」

ユウキの一閃は見事に決まった!

崩れ落ちたゲリョス・・・

しかし自分でも驚いたまさかあの重い大剣で突きが出来るとは・・・

(私でも最初は見抜けなかった死んだフリを一回見ただけで

見切るなんて・・・)



そして・・・

「死んだフリじゃねぇよな?」

「多分・・・」

2人は大笑いした・・・

そしてセインは

「それよりもアイン!」

そうきつく言った、だがそこにアインの姿は無かった・・・

「ふん! 惜しかったな、事故死なら処理が楽だったが・・・

まぁいい・・・死ね!」

アインはいつの間にか近くの岩場に乗っていた

岩場の上からそういいアインはユウキに向かい、降りながらレッドウイングを振り下ろした

しかし、アインはの動きは止まりユウキの前に崩れ落ちた・・・

ユウキの目の前には赤と白のスーツをきた男が立っていた・・・

スーツの男はユウキに向かい・・・

「おい、貴様らも「黒翼」のものか?」

「? だれだよ、あんた?」

「もしや、あなたは・・・ギルドナイト!?」

セインの問いに男は答えた

「いかにも、だが貴様らは黒翼の者ではないな・・・

いい目をしている・・・・」

「え・・・とそれであんたは何者なんだ?」

「俺の名はゲイル ギルドナイツで副隊長をやらせてもらっている

おまえたちは?」

「私はセインと申します、それでこっちがユウキ

僕達はただのハンターです・・・」

「そうか、悪かったな疑ったりして

では、おれはコレで・・・」

そういい、ゲイルと名乗った男は川幅5メートルはある川を越え、姿を消した・・・

両者はただただ唖然としていた・・・

少ししたあと、セインが口を開いた

「え・・・と・・・話から行くと恐らくアインは黒翼の一味だったという事か・・・」

「黒翼ってなんなんだ?」

「黒翼も知らないの!? はぁ・・・」

「しょうがないだろ

田舎生まれなんだから・・・」

「じゃぁ、説明するよ・・・

黒翼とはねさっきのアインのように軽々しくパーティーに加わり

仲間を危険にさらし時には仲間を殺したりもする集団だ・・・

ここ最近黒翼の連中のうわさは後を絶たない・・・

噂では前国王「ラファード」さまをやったのも奴らだとか・・・」

「ラファード王を!? ・・・本当だったらなんて奴らなんだ・・・」

ラファード王はいままで王族が嫌っていたハンターという職業を認め

さらにラファード王自身も高名なハンターだったのだ・・・それを殺れるほどとは・・・



2人は無言のままゲリョスからゴム質の皮をはぎ

二人は無言でベースキャンプへと向かった・・・

そしてベースキャンプについたとき

先に口を開いたのはユウキだった

「なぁ・・・おれは奴ら・・・黒翼をゆるさねぇ・・・」

「・・・ボクも一緒だよ・・・

奴らのやっていることはもはやハンターを侮辱する行為だ

それを許すわけには行かない・・・」

「あぁ! 絶対に許すもんか!」

2人は堅く決意した

どうやって、黒翼を潰すかはいまは分からなかったがいつか必ず

黒翼を討つ!




帰りの馬車内では馬の足音だけがこだましていた・・・
2006年04月02日(日) 20:47:57 Modified by funnybunny




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