White Devil〜純白の悪魔〜

カオス


ワイバーン・・・生態系の頂点に立つ最強の生物。あるものは大空を自由に飛び、あるものは溶岩の中を移動する。そしてそのワイバーンを命がけで狩るハンター達・・・彼らが出会ったとき、両者はすでにわかっていた。「狩人と獲物、どちらかがどちらかに」そう、ハンター達の世界はすべてこの一言。

『弱肉強食』



ドンドルマン
それはハンター専用の街。
厳重な門をくぐると、そこには天まで届くかと思うぐらい長く続く階段。武具を鍛える工房。ハンター達の家、対飛竜用の大砲、広場に並ぶ露店、そしてハンターが集う酒場が設置されている。

「ここがドンドルマンか・・・」
ある少年がつぶやいた。
彼の名前は「カルロス」。ボウガンを使うガンナーである。彼の髪の色はこの世のどんなものよりも白いと思ってしまうくらいの純白である。彼の装備は他のハンターと違い、急所にだけ鉄を縫いつけただけのような鎧を着ている。しかし、さらに特異なのは、彼の武器である。大きさは身の丈程もあり、へビィボウガンのように折りたたまずに背中にせよって持ち歩いている。普通のボウガンと違い、弦が無く、さまざまな装置が取り付けられている。マガジン(弾丸を入れる箱)の大きさから見て、相当大きな口径らしい。
ここでハンターとしで働くにはギルドに登録をしなければいけない。とりあえずカルロスはギルドマスターのいる酒場へ向かうことにした。
扉を開けたとたん、酒と匂いと熱気が押し寄せてきた。中は依頼を終えた他のハンター達でごった返している。
「すまない、ハンター登録したいんだが…」
酒場の奥にチョコンと座っている小さな爺さん、ギルドマスターに話し掛けた。
「あぁ、ハンター登録じゃな、名前は?」
「カルロスだ」
ギルドマスターは彼の名前をスラスラっと書くと、小さなカードをカルロスに渡した。
「ほれ、ギルドカードじゃ、これから頑張るんじゃぞ!!!」
「オウ!!!」
カルロスはギルドカードをポーチに突っ込み、早速クエストを受けに受付に向かったのであった。
「とりあえずイャンクックでも狩るか…・」
イャンクック、ピンク色の甲殻と大きなくちばしを持つ飛竜である。見た目は鳥のようで臆病な性格だが、いざ戦うとなると高温の液をはき、頑丈で巨大な尻尾を振り回してくる。くちばしの他にも大きな耳を持ち、大きな音を聞くと一時的に放心状態になる。飛竜としては低級レベルだが、熟練ハンターをも死に追いやる程の力は持っている。駆け出しハンターの最初の壁になり、そこで命を落とす、または体の一部をなくしハンターを引退、というケースも少なくない。
とりあえずお金も少なかったので、掲示板に向かうことにした。
「イャンクックっと、あったあった♪」

クエスト イャンクックの狩猟 報酬金 1500Z
レベル ☆☆

制限時間 50分
狩場 密林
メインターゲット イャンクックの狩猟

サブターゲット1 草食竜の卵1つを収納 サブターゲット2 ランゴスタ15匹の討伐 成功条件 メインターゲット、またはサブターゲットの達成 失敗条件 報酬金額0 時間切れ 特殊条件 なし メッセージ:定員は一人まで!!!ガンナー希望!!!

早速このクエストの注文するため、紙を持って酒場の娘の所に持っていった。
「このクエストでよろしいですの?」
「ああ、このクエストの受注者の『アレック』はどこにいる?」
酒場の娘はきょろきょろとあたりを見回した後、一人の男を指差した。
「えぇっと確か…・・あそこにいる方です」
酒場の娘が指差した方向には、背中に細長い「太刀」を背負った男が、馬鹿騒ぎをしながらビールを一気のみしていた。すでに彼の傍らには20本以上の空ジョッキが山積みになっていた。カルロスがアレックを見ていると、彼もこちらをチラリと見た。どうやら自分のパーティーにオレが入ったことがわかったらしく、手招きをしている。とりあえず挨拶をしようと彼のテーブルまで行くと、
「おう!!!パーティーに入ってくれたんだな!!!アンガとよ!!!俺の名前はアレック!!!お前、名前は?」
大ジョッキを持ちながら、アレックがたずねてきた。
「えっと、カルロスっていってガンナ…・」
「あぁ!!!カルロスだな!!!とりあえず一緒に飲もうぜ!!!がはははは!!!!」
どうにも軽い男だ。体つきはガッシリしていて、黒めな肌ということが確認できる。装備はランポス装備で、武器は鉄刀(楔)。どうにも馬鹿騒ぎが好きらしく、カルロスが酒場に入ってきた時からずっと酒を飲みながら騒いでいた。相当酔っ払っている。今回は愉快なクエストになりそうだ。
それから数時間、彼と一緒に酒を飲んだり、腕相撲をしたりした。酒にあまり強くないカルロスはジョッキ7杯でダウンしてしまったが、アレックはその後もぐびぐびと酒を飲み続けた。さすがにアレックも酒を飲み終わったらしく、装備の確認を始めた。それを見て、カルロスも弾や回復薬、武器の確認を始める。二人とも準備は万端だ。
さあ、狩りの始まりである!!!!
2006年03月24日(金) 07:56:22 Modified by soya444




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