最終更新:ID:3EmDY6vZ8A 2010年07月31日(土) 18:40:47履歴
チキ 「あれ?
それ、なあに?」
クリス「ん、これか?
これはリンゴの実を焼いたものだ。
リンゴの芯をくり抜いて、
バターと砂糖を入れて焼く。
おれの村ではよく
古くなったリンゴを
こうして焼いて食べたんだ。」
チキ 「おいしいの?」
クリス「ああ、食べてみるか?」
チキ 「うん。たべたい。」
クリス「よし、じゃああげよう。
ほら、熱いから気をつけろよ。」
チキ 「ん…
あつー…」
クリス「やけどしないように、
息を吹いて食べるんだ。
ほら、こうして。」
チキ 「うん、わかった。
ふーっ、ふぅーっ。
はふっ。はふはふ…」
クリス「はは、良い食べっぷりだ。
しかし、こうしてると
ただの小さな女の子なのに、
戦いではあれほど
強大な竜に姿を変える…
不思議なものなんだな。
竜族というのは…」
チキ 「はふ?」
クリス「いや、いいんだ。
もっと食べるか?」
チキ 「はふ!」
それ、なあに?」
クリス「ん、これか?
これはリンゴの実を焼いたものだ。
リンゴの芯をくり抜いて、
バターと砂糖を入れて焼く。
おれの村ではよく
古くなったリンゴを
こうして焼いて食べたんだ。」
チキ 「おいしいの?」
クリス「ああ、食べてみるか?」
チキ 「うん。たべたい。」
クリス「よし、じゃああげよう。
ほら、熱いから気をつけろよ。」
チキ 「ん…
あつー…」
クリス「やけどしないように、
息を吹いて食べるんだ。
ほら、こうして。」
チキ 「うん、わかった。
ふーっ、ふぅーっ。
はふっ。はふはふ…」
クリス「はは、良い食べっぷりだ。
しかし、こうしてると
ただの小さな女の子なのに、
戦いではあれほど
強大な竜に姿を変える…
不思議なものなんだな。
竜族というのは…」
チキ 「はふ?」
クリス「いや、いいんだ。
もっと食べるか?」
チキ 「はふ!」
チキ 「こないだはありがとう、
クリスのおにいちゃん!」
クリス「お、お兄ちゃん?」
チキ 「?
どうしたの?へん?」
クリス「いや、お兄ちゃんっていうのは
おかしくないか?」
チキ 「だってわたし、
マルスのおにいちゃんのことは
「マルスのおにいちゃん」ってよぶの。
だから、
クリスのおにいちゃんのことも
「クリスのおにいちゃん」。」
クリス「マルス様と同じなら
仕方ないか…
ただ、そうだな。
もっと他の呼び方でもいいぞ。
たとえばそう…」
チキ 「バヌトゥのおじいちゃまみたいに、
「クリスのおじいちゃま」?」
クリス「…それはいやだな。
まだそんな年じゃない。」
チキ 「ガトー様みたいに、
「クリス様」?」
クリス「それもおかしいな。
おれは何様だって話になるし…
あー、もうお兄ちゃんでいいか。」
チキ 「うん、クリスのおにいちゃん!」
クリスのおにいちゃん!」
クリス「お、お兄ちゃん?」
チキ 「?
どうしたの?へん?」
クリス「いや、お兄ちゃんっていうのは
おかしくないか?」
チキ 「だってわたし、
マルスのおにいちゃんのことは
「マルスのおにいちゃん」ってよぶの。
だから、
クリスのおにいちゃんのことも
「クリスのおにいちゃん」。」
クリス「マルス様と同じなら
仕方ないか…
ただ、そうだな。
もっと他の呼び方でもいいぞ。
たとえばそう…」
チキ 「バヌトゥのおじいちゃまみたいに、
「クリスのおじいちゃま」?」
クリス「…それはいやだな。
まだそんな年じゃない。」
チキ 「ガトー様みたいに、
「クリス様」?」
クリス「それもおかしいな。
おれは何様だって話になるし…
あー、もうお兄ちゃんでいいか。」
チキ 「うん、クリスのおにいちゃん!」
チキ 「ねえねえ、
クリスのおにいちゃん。」
クリス「ん?」
チキ 「おはなしして。おはなし。」
クリス「わかったわかった。
仕方ないな。
ええと、そうだな。
昔々あるところに…
ああ、そういえば、
昔こんなことがあったな…」
チキ 「?」
クリス「昔々…
おれがまだ
祖父と暮らしてた時…
小さな女の子が
村にひょっこり
現れたことがあった。
とても明るくて可愛らしくて、
ちょうどそうだな、
チキみたいな女の子だった。」
チキ 「ふうん…それでそれで?」
クリス「その頃、村の近くには
村を狙う悪い山賊がいたんだ。
村のおじいさんは
村を守るために山賊討伐を
決意した。
けどおじいさんは年老いていて…
山賊に負けてしまうかも
しれなかった。」
チキ 「うん、うん…」
クリス「おじいさんの孫である男の子は、
言いつけを破って
おじいさんを追いかけた。
その子はまあ、
かなわぬまでも、
おじいさんを守りたかったんだ。
ところが山賊のアジトに
たどり着いてみるとなんと…
アジトは
まるで大嵐が来た後のように、
跡形もなく崩れてた。」
チキ 「……うん……ん……」
クリス「山賊はほうほうのていで
そこから逃げ出し、
やがて騎士たちに捕えられたそうだ。
めでたしめでたしだが…
その時を境に、
女の子はいなくなっていた。
不思議なこともあるもんだ、
と村の人たちは首をひねってた。
信心深い老人たちは、
ナーガ様のお導きだと言った。
そう、まるで…」
チキ 「…すぅ…すぅ…」
クリス「まるで…
チキ?」
チキ 「くぅ…くぅ…」
クリス「寝てしまったか。
チキ、帰ろう。
ここで寝ると風邪を引くぞ。」
チキ 「んんぅー…んんー…
…クリス…」
クリス「しょうがないな…
この寝顔を起こすのも可哀想だ。
おぶって行くか。
ほらチキ、行くぞ。」
チキ 「んー……」
クリスのおにいちゃん。」
クリス「ん?」
チキ 「おはなしして。おはなし。」
クリス「わかったわかった。
仕方ないな。
ええと、そうだな。
昔々あるところに…
ああ、そういえば、
昔こんなことがあったな…」
チキ 「?」
クリス「昔々…
おれがまだ
祖父と暮らしてた時…
小さな女の子が
村にひょっこり
現れたことがあった。
とても明るくて可愛らしくて、
ちょうどそうだな、
チキみたいな女の子だった。」
チキ 「ふうん…それでそれで?」
クリス「その頃、村の近くには
村を狙う悪い山賊がいたんだ。
村のおじいさんは
村を守るために山賊討伐を
決意した。
けどおじいさんは年老いていて…
山賊に負けてしまうかも
しれなかった。」
チキ 「うん、うん…」
クリス「おじいさんの孫である男の子は、
言いつけを破って
おじいさんを追いかけた。
その子はまあ、
かなわぬまでも、
おじいさんを守りたかったんだ。
ところが山賊のアジトに
たどり着いてみるとなんと…
アジトは
まるで大嵐が来た後のように、
跡形もなく崩れてた。」
チキ 「……うん……ん……」
クリス「山賊はほうほうのていで
そこから逃げ出し、
やがて騎士たちに捕えられたそうだ。
めでたしめでたしだが…
その時を境に、
女の子はいなくなっていた。
不思議なこともあるもんだ、
と村の人たちは首をひねってた。
信心深い老人たちは、
ナーガ様のお導きだと言った。
そう、まるで…」
チキ 「…すぅ…すぅ…」
クリス「まるで…
チキ?」
チキ 「くぅ…くぅ…」
クリス「寝てしまったか。
チキ、帰ろう。
ここで寝ると風邪を引くぞ。」
チキ 「んんぅー…んんー…
…クリス…」
クリス「しょうがないな…
この寝顔を起こすのも可哀想だ。
おぶって行くか。
ほらチキ、行くぞ。」
チキ 「んー……」
コメントをかく