ビラクとクリス♂

ビラクとクリス♂1

クリス「ビラク殿、名高い狼騎士団と共に戦えるのは光栄だ。これからよろしくお願いしたい。」
ビラク「ああ、こちらこそ。まあ、もともと俺はハーディン様のために死ぬつもりだったが･･･ロシェに頼まれたからな。」
クリス「ロシェ殿･･･先の戦いでビラク殿の説得に当たられた方だな。」
ビラク「ああ、俺たち狼騎士団の四人は兄弟同然なんだ。あいつには人を見る目がある。･･･けどあいつは、優しすぎる所があってな。
戦えば俺より強いのにいざって時しか、動けないんだ。だから、俺が前に出るんだが･･･これがなかなか、上手く行かない。」
クリス「どうなるんだ？」
ビラク「まず･･･相手を一人崩すだろ。」
クリス「ああ。」
ビラク「次に、他の相手に囲まれる。」
クリス「おいおい。」
ビラク「で、俺がやられそうになる。そしてロシェに助けられる･･･大体、そんな感じだ。」
クリス「危なっかしいな。」
ビラク「ああ。俺も一人でちゃんと戦えるような力をつけないとな･･･」
クリス「では特訓でもするか？」
ビラク「そうだな、クリス殿。一度手合わせ願えないか？」
クリス「ああ。構わない。」
ビラク「おお、ありがたい。では･･･参る！」

ビラクとクリス♂2

ビラク「クリス殿･･･隙あり！」
クリス「くっ！やるな、ビラク殿。だが･･･足元が甘い！」
ビラク「うはっ！」
クリス「勝負あり、だな。」
ビラク「くっ、参ったよ。」
クリス「攻撃は、十分だ。だが、その後に隙が生まれている。」
ビラク「なるほど･･･な。」
クリス「ただ･･･」
ビラク「ん？何だ、言ってくれ。」
クリス「同時に攻める者がいれば全く問題は、無いかも知れん。」
ビラク「そうだな。本来ならば、一撃離脱がオレルアンの流儀だ。」
クリス「ああ、そうか。狼騎士団の力はそこに、あったのだな。」
ビラク「ふっ、いとも簡単に見抜いてくれるな。恐れ入るよ。」
クリス「いや、今の攻撃を同時に受けたら･･･おれにはどうしようもない。それよりも、だ。今ので、わかった。」
ビラク「何がだ？」
クリス「ビラク殿は、先陣を切るより、仲間と共に駆けた方が戦果を上げられる、という事だ。」
ビラク「と、言う事は･･･」
クリス「ああ。次の訓練は、決まったな。」