「もう一度勝負しない?」
 月浪学園二年の仲良しグループにして、麻雀同好会設立を目論む三人の
女生徒、遠野みづき、藤原綾、早坂晶に対して勢田公人はそう声をかけた。
 先日、彼はその同好会設立のための協力と、三人の脱衣という『御褒美』
を賭けて、麻雀勝負をしたのだ。結果は、早坂家での最後の勝負中に晶の両
親が帰ってきてしまい、うやむやになってしまったのだが。
 そこで、あらためて正式に勝負しようと勢田は持ちかけたのだった。
「知り合いの雀荘が今日、定休日で自由に使わせてもらえるんだ。そこなら
もう邪魔も入らないし、ちゃんと四人打ちで出来るしね」
「でも……四人打ちでいいんですか……?」
 綾が心配そうに尋ねる。普通、麻雀は三対一で、一人が狙い撃ちされた
らまず勝てない。せっかく有利な条件を提示されているというのに、相手の
不利なのを心配してしまうのが綾の気弱なところだ。
「いいじゃん、それでやろうよ! ねっ!? ねっ!?」
 こちらは現金に、すっかり乗った、という感じで、晶が同意を促す。
「まあ、勢田君がそれでいいって言うなら……」
「う、うん……」
 同意するみづきと綾。
「それじゃあオーケーだね。放課後、下駄箱のところで待ち合わせしようか」
「わかった、三対一だからって容赦しないよ!」
「へっへっ〜〜ん、カクゴしててね」
「頑張り…ましょう」
 そうして勢田とみづき、綾、晶たちは約束を取りつけたのだ。
だが、彼の本意は再戦して、あわよくば三人の少女を裸にひん剥いてやろう、
などという『善良』なことなどではなかったのだ。

     ※

――放課後。繁華街の一角にある無人の雀荘で、四人は卓を囲んでいた。
「うわあ、雀荘なんて来るの初めて! なんかドキドキするね!」
「うん、やっぱり気分が出るよね」
 生来、爛漫な晶はすっかりはしゃいでおり、アクティブなみづきもやは
り興味深げに中を見回している。
「う、うん……」
 しかし、綾だけは落ちつかなげだった。最近は、みづきと晶につられて
寄り道もするようになったとはいえ、やはり雀荘があるような地区まではほ
とんど訪れたこともなかった。そもそもみづきと晶の熱心な勧めがあったと
はいえ、彼女のような良家の子女が麻雀を始めたこと自体が奇跡に近い。
「まあ、落ち着いて。それからはじめるといいですよ」
 そう言って三十歳前後らしいマスターが、キッチンの方からお茶の用意
をしてきた。
「あ、ご、ごめんなさい…お休みのところをお邪魔してしまった上にお茶まで!」
 綾はますます恐縮してしまったようだ。
「わ、ありがとう!」
 一方、晶は屈託なく手をのばした。女子中高生の間では、ダイエットで
お茶やミネラルウォーターのペットボトルを好む者が多いが、特に晶は十二
歳まで台湾にいたことから茶道楽の一面がある。
「ありがと、勢田君」
 そう言って、みづきもお茶を飲む。アウトドア派のみづきは屋内で茶を
飲むときまで腰に手をあてて豪快げだ。
「いただき…ます」
 最後に綾も、遠慮がちに数口飲んだ。
 その数刻後、
「私…なんだか疲れてしまいました…勢田君もお疲れになったでしょう……?」
 なにやら以前も聞いたようなセリフを綾が言い出した。あのときはきま
り悪さをごまかすための狸寝入りだった。
「あれ…綾ちゃんも……?」
「あたしも……昨日は早寝したの……に……」



 ところが今回は、綾だけでなくみづきも晶も雀卓に突っ伏してしまい、
明らかな寝息をたてはじめた。三人とも、くーくーという少女らしい、かわ
いい寝息ではあった。
 だが勢田は、徹マンどころか打ちはじめてもいないのに寝こけてしまった
三人に驚いた様子でもなく、一人つぶやいた。
「うんうん、落ち着いてくつろいでおくといいよ。これからとっても大変かもしれ
ないから……」

    ※

「な、なにこれ!?」
ふっと目を覚ましたとき、綾はすっかり狼狽してしまった。
無理もない。さっきまで自分たちとマスター以外は無人の雀荘で卓を囲ん
でいたのだ。それがいま、部屋は窓のない倉庫のような部屋におり、なにか
おびえたような瞳でこちらを見ている。勢田とマスターは目の前に立ってお
り、その脇には、眼鏡をかけた教師か医師風の見知らぬ女性が立っている。
それだけならまだしも、なにより、自分は手首を手錠のようなもので後ろ手
に縛られているのだ。
「こ、これはいったい!? なんなんですか、勢田君!?」
 切迫した様子の綾とは反対に、問われた勢田は落ち着いた様子で答える。
「いやあ。たいしたことじゃないよ。ただ約束を果たしてもらおうと思ってね」
「……約束?」
 明瞭に答えた勢田に対し、こんどは綾が怪訝そうに問い返す。
「そうだよ、約束だよ。忘れちゃ困るなあ。このまえ綾ちゃんちでの勝負が
ついたとき、寝たフリなんかしちゃって、しかもパンツ一枚で」
「あ、あれは……」
 生来、生真面目な綾はそのときのことを思い出し、恥ずかしさと、バツ
の悪さで白い頬を赤らめた。
 そんな綾の様子を見て取って勢田がつづける。
「思い出したみたいでだね。駄目じゃないか、約束は守らないと。だから今日
はみんなのすべてを見せてもらおうと思ってね。あ、利子がついてるから見
せるだけじゃあ終わらないよ」
 勢田の言葉の意味を悟り、赤かった綾の顔が恐怖と絶望でみるみる蒼ざ
めていく。
「そ、それって……!?」
「そうだよ。本当ならこのまえ見れるはずだった綾ちゃんの大事なところ。かわりに今日見せてもらって、それからいろいろ楽しませてもらうよ。
……おっと、もちろん勝負はナシで。それはもうついてるはずだからね」
「そ、そんな……」
 小刻みに震えながら、綾はようやく理解した。みづきも晶も沈痛な表情
をしている理由を。いまの自分も二人と同じような表情をしているのだろう。
「お、おねがいです! 助けてください!」
 思わず、大人であるマスターと、その傍らの、見知らぬとはいえこのよ
うな状況ではもっとも安心できる、同性に助けを求める。
「あ〜〜〜っと、それじゃ紹介しようか。こちらのマスター。雀荘だけじゃ
なくて、この同じビル内にあるSMクラブも経営してるんだ」
 そう。綾たちがいる部屋は、さきほどの雀荘が入っているビルの地下に
あったのだ。そして、さすがに深窓の令嬢たる綾にはわからなかったようだ
が、見るものが見れば、すぐに気づいただろう。その部屋が倉庫というより、
地下牢か拷問部屋に近い、ということに。
 二十畳ほどの部屋の一角には枷が置かれ、床や天井、壁の何箇所かには
鎖が縦横に走っている。部屋の隅の棚には、毒々しい色の大人のオモチャや
薬瓶が並んでいる。そこはまさしく生贄を慰み者にするための部屋だった。
むろん、このような部屋で責められることを自ら望み、喜ぶ種類の人間は数
多くいる。だが、少なくとも綾たち三人はその仲間には入っていないだろう。
 一方で、責めを加える側であろう三人の方は、おおいにやる気に溢れて
いるようであった。この宴の立案者である勢田。部屋の持ち主であるマスタ
ー。そして……
「遅れたけど、紹介するよ。こちらは蘭堂芹香さん。麻雀の講師のほかに、
このクラブで女王様として勤めてるんだ」



 綾ちゃんたちの脱衣パーティのことを話したら、マスターといっしょに、
喜んで協力してくれるって」
「よろしくね」
 勢田に紹介され、舌なめずりした芹香は、ねめつけるような目で綾たちを見た。
「ひっ……」
「きゃっ……」
「ううっ……」
 同性の目でありながらも、まるで爬虫類にでも見つめられたかのような
悪寒がして、綾は鳥肌立った。みづきも晶も同じ感想を抱いたようだ。
「うれしいわ。こんなに若い娘たちで楽しめるなんて、高校のとき以来かも」
 綾たちの反応をむしろ面白がるように、芹香は言った。
「俺もさ。なんてったって女子高生の……なんだから」
 マスターも芹香の後をついで言う。
「もう我慢できねえや。はじめようぜ? 勢田」
「そうだね、やろうか」
「ふふっ」
 罠にかけた三人の男女の言葉に、罠にかけられた三人の少女がふたたび
脅えて声を洩らした。
「じゃあ最初の約束どおり、俺からでいいんだな?」
「うん。パーティ会場の提供者なんだしね。どうぞどうぞ」
 勢田に促され、マスターは狙いをつけた獲物に迫りはじめた。最初の犠
牲者は……
「へへっ……」
 みづきの制服のワイシャツのボタンがはずされはじめた。
「いやあっ!」
「みづきちゃん!」
「やめてください!」
 みづきの悲鳴に、綾と晶の制止の声が重なるが、むろんマスターがとど
まる気配はない。三つか四つボタンが外されると、マスターは胸元を開いた。
「きゃあっ!」
 白いワイシャツの内側がさらけ出される。が、まだみづきの柔肌は見え
なかった。私服ではノーブラのことが多きみづきも、さすがに制服姿のとき
はブラジャー着用であった。健康的な浅褐色の肌を、よく似合った白い飾り
気の少ないブラジャーが蔽っている。
「いやああっ!」
 それがホックを外すでなしに、強引にずり下げられてしまうと、いっそ
う甲高い、普段のみづきらしからぬ悲鳴があがる。
 このまえ、勢田に負けたときにはあっけらかんとしてショーツ一枚になった
みづきだが、自室でゲーム感覚で自ら脱いだときと、こんな密室で暴漢に無
理やり脱がされるのとではまるで状況が異なる。
「あ……っ!」
「ひ…どい……!」
綾も晶も親友のとらされた恥態を嘆いた。
「ひぐうぅぅ……」
 よく鍛えられたみづきの胸筋が、若い皮膚に包まれた88センチの乳房
を引っ張り、プルプルと揺れる。周囲の皮膚よりもほんの少し色濃く色素の
沈着した乳首が小さく膨らんでいる。たまらずむしゃぶりついたオーナーの
右手と口とを、心地良い弾力が迎えた。スポーツ少女、それも若くなければ
味わえない、独特の美味だ。
 ひとしきり、少女の乳房をもみしだき、しゃぶり終えるとすぐ、マスター
は手と唇を離した。ある目的のためだ。
「さあ、いよいよこっちだ」
「あっ、いやあっ!」
 マスターは薄いブルーとグレーの縞模様のプリーツスカートをまくりあ
げた。カジュアルで有名な某メーカーのショーツ。白いコットン製で、飾り
気はなくそのメーカーのロゴだけが入った臍近くまであるスポーティなショ
ーツに包まれた、高校二年生の下半身があらわになった。


「やああっ!」
 ショーツのウエストのゴムにマスターの手がかかると、またみづきの声
が高くなる。そここそは、本当に誰にも見せられない乙女の部分だ。
 同性ながら若い少女のそこに興味津々の芹香、前回はそこを見逃してし
まった勢田も、身を乗りだしてのぞきこむ。
「やだ……あ……」
「みづきちゃあん……」
「ううっ……」
 三人の少女の嘆きに関わることなく、ゆっくりとショーツがずり下ろさ
れてゆき、まだけして濃くはない飾り毛に彩られた薄褐色の丘が人目にさら
された。
「お父さんに見られたこともなかったの…にい……」
 少女の秘密を明かされ、みづきが泣きむせぶ。
「お父さんにも見せたことがない!? じゃあやっぱりみづきちゃんは処女
なんだ!」
「そうみたいだね。この前もそんなこと言ってたし」
 みづきのふと洩らした一言と、勢田のその後を追っての発言に、オーナ
ーはいきり立ったように下着をみづきの足首までいっきに下げると、自分も
下半身の衣服を脱ぎ捨て、すでに隆々としている肉体の一部をさらけ出した。
みづきの、ほどよく筋肉がつき張りのある薄褐色の肌をした両脚が大きく
M字型に拡げられる。脚が開くとともに、ぱっくりと、同じく薄褐色の丘も
大きく口を開け、外側とは対照的に鮮やかなピンク色の花びらをあらわにし
てしまう。しかし、そこはいまだ濡れてきてはいなかった。さっきのような
胸へのむしゃぶりつきだけでは、おぞましさと嫌悪感のみが先立つだけで
あったが、それこそがマスターの狙いであった。
大人の女として熟しかけてはいても、濡れてはいない花びらに、硬くそり
返った肉刀をあてがう。
「いくよ、みづきちゃん。ぜんぜん濡れてないからすごく痛いぞ」
 わざとみづきに苦痛を味あわせてるつもりなのだ。セックスとしてだけ
ではなく、嗜虐として楽しむ、それこそがレイプの醍醐味であった。しかも
処女ときては、嗜虐心も非処女に対するそれとは比べものにならない。
「いやっ! やっ!」
「みずきちゃん!」
「や、やめてください!」
 みづきと親友二人の意思と声には構わず、ぐいっとマスターは肉刀を押し
こんだ。
「い、いたいーっ!」
 入り口を突き破られた痛さに、早速、みづきが悲鳴をあげるが、やはり構
わずに押し込む動作をつづけた。
「やあっ! いたい!」
みづきの、何者にも侵されたことのない柔肉を切り裂いていく感触が肉刀
に心地よく伝わる。ついに根元まで達し、みづきが呻く。
「あ……あ……!」
「どう、みづきちゃん? これでロストバージンだ」
「いやあ……うぐっ……ううっ……」
 男の言葉に、あらためて泣きむせぶみづき。彼氏はまだいなかったが、
いつか誰かに告白し、デートをして、そしていつか……溌溂として日々、学
生生活を過ごす一方で、意外にも抱いていた少女らしいみづきの夢が、いま
完全に打ち砕かれたのだ。それも最悪の形で。
「それ、いくぞ」
 反対に、高二少女の処女を奪った感激にうち震えるマスターは、激しく
腰を動かしはじめた。
「いやあ! やめて! いたい!」
 はじめて膣襞を引き裂かれる痛みに、みづきがショートカットの頭を大
きく左右に揺すぶり悲鳴をあげるが、やはり男の衝動は止まらない。みづき
の十七歳の身体を存分に貪ろうとする。スポーツ少女はその内側もフレッシュ
で弾力に富み、男の分身を余さず受け入れながらも程よく締めつけてくる。
それは途中で止めるには心地よすぎた。



「あ、やあ、いやあ!」
 柔襞同様にフレッシュで、若い弾力に富んだ88センチの大きさの、薄
褐色の乳房を揉みしだきながら、マスターは絶頂に達した。
「いくよ! みづきちゃん!」
 十代なかばで若く健康な――いわばもっとも妊娠しやすい状態にあるみ
づきの子宮。その本来の機能を果たさせるための雄の体液がそこに注ぎこま
れていった。もちろん、みづき本人の意思に関わりなく。
「いやあああっ!!」
 男の熱い噴出を自分の体奥ではっきりと感じとり、みづきが絶望的な悲
鳴をあげた。これで正真正銘、穢されてしまったのだ、という……



 みづきの中に最後の一滴まで注ぎこむように、マスターは達した後も長々
と二人の腰を押しつけつづけてから、ようやく離れた。
「…………」
 処女を奪われたショックに、もはや暴れることもなく、心ここにあらず、
といった感じで地下室の天井をうつろな瞳で見上げているみづき。大きく
開かれた胸元あたりまで、ミニのプリーツスカートの裾がまくれあがり、下
半身裸同然に浅褐色の肌をさらけ出している。無残に切り拓かれた鮮やかな
ピンク色の花びらからは、陵辱の徴(しるし)がしたたり落ち、腰の下に敷
かれた状態にあるスカートの布地に染みを拡げていっている。
「うっ……うっ……こんな…こと……」
「みづきちゃんが…みづきちゃんがあ……」
 もはや泣くことも忘れたかのようなみづきに代わって、綾とみづきが泣
きむせぶ。
「ほらほら、泣くことないよ……どうせ綾ちゃんもそれどころじゃなくなる
んだし」
 そう言って勢田が綾を突き倒し、四つん這いからさらに頭を床にすりつ
け這いつくばらせた体勢を取らせると、つややかな黒髪が床一面に拡がる。
処女の身で親友が犯されるところを目の当たりにして体中の力を失った上に、
手錠で後ろ手に縛られている非力な少女は、難なく少年の意のままにされて
しまった。
 大きく上向きに突き出された腰を取り巻くスカートの裾から伸びる白い
腿と、裾の内側に見え隠れするフリル――みづきと異なり制服の下にミニス
リップを着用していたのだろう――が少年の目に眩しい。ある意味、このまえ
見たショーツ一枚の姿よりも扇情的な少女のポーズだ。
「ぁぁ……」
 小声で嘆き声をあげていた綾だが、勢田がスカートの裾に手をかけ、ス
リップごとまくり上げていくと、
「きゃあぁっ」
 か細い、しかし甲高い悲鳴をあげた。
「あ……うっ…ぐっ」
 スカートを完全にまくり上げられ、下着に包まれたヒップをクラスメイト
の少年の眼前に披露してしまい、泣き出してしまう。このまえ、みづきと
晶につられて脱衣麻雀の勝負に乗ってしまったこと自体、後から考えて顔か
ら火の出るような思いをしていた綾である。箱入り娘として十七年間育てら
れてきた結果、その羞恥心の強さは一般的な女子高生の非ではない。それ
なのにいま、屈辱的な体勢で異性に下着を見られている。このまま消え
入ってしまいたいほどの恥ずかしさであった。
「うわあ……」
 一方、勢田もまた、このまえとは違って、この異様な状況で同級生の少女
の下着を見ていることにおおいに興奮していた。しかもそれが、クラスのなか
でもとびきりおしとやかで、お嬢様と目されている藤原綾のものなのである。
「へええ……」
「ふぅん……」
 一回戦終えて落ち着いたマスターも、芹香も、今日初対面ではあるが、見
るからに清楚な少女の恥ずかしい姿態に、すっかり目を奪われていた。
 薄い肉づきながらも、女性らしい丸みをおびた白い尻が、淡いサーモン
ピンクのショーツに包まれている。部分的に模様にあわせて薄くなっている
布地越しに、地肌が少し透けて見え、ピンクと白の中間の色取りを見せてい
る。
「さ、綾ちゃん。このまえはここからだったね」
 勢田が前回とは逆に、ショーツから脱がそうとゴムの縁取り部分に手を
かけた。
「あっ! いやです! ゆるしてください!」
「やめてあげてえ!」
 少女たちの再度の懇願もむなしく、ショーツは剥かれ、膝裏まで下ろさ
れてしまった。


「……ああっ」
 剥かれた綾の尻は、最高の見物であった。小ぶりではあるものの逆にそ
れが可憐で、殻を剥lきたてのゆで卵を思わせる肌の白さと、肌理の細かさ
であった。双尻を分かつ谷間のラインも、あくまでもなだらかで美しい。
「あ……っ!」
(すごい…こんな感触、初めてだ……)
 勢田がヒップを両手で撫でまわしはじめた。まるで吸いつくような、驚く
ほどの滑らかさであった。大事に大事に育てられてきた十七歳の少女の、
その肌のもっともなめらかな部分の感触は、同い年であるとはいえ、男性
の勢田を狂喜させずにはおかないものだった。
 いつまでも撫で回しつづけたいような心地よさの綾のお尻だったが、本
来の目的を思い出した勢田は、ようやく手を放すと、膝裏のショーツを足首
あたりまで下ろし、片足から抜きとってしまった。まだ片足首にはショーツ
が引かかったままだ。
 そうして綾の両脚の間に割りこむと、両の尻たぶを勢田は拡げた。
「ああっ!」
 綾が大きく悲鳴をあげた。恥ずかしい部分がすべていま見られているのが
分かったのだ。
「いやです! 見ないでえ!」
 乙女の秘部ばかりか、それ以上に人には見せられない禁断の孔も外気に晒
されていた。
(これが……綾ちゃんの……)
 勢田は思わずため息をついた。すぐ下にある淡い茂みと白いカギ裂きの
谷間以上に、男を魅了するかのような可憐なすぼまり。綺麗に収縮した襞が、
周囲の肌からかすかに浮き出るように、ピンクに色づいている。汚物が出て
くるところとはとても思われない美しさであった。
「綾ちゃん……」
「ひっ!?」
 勢田は、いとおしげに、アヌスにそっと口づけた。まぎれもなく美少女の綾は、
無論、中学時代から何度も告白されたことはある。だが奥手な彼女はいつも
あわててその場で断ってしまっていたので、キスさえしたことがない。綾は、
口ではなく、口から末端の場所でファーストキスを経験したことになるのだ。
「ひっ……やっ……」
 勢田はそのまま軽く舌を出し、その先端で蕾をやさしく舐めはじめた。
皺の一本一本を丹念になぞるように、舌を前後させる。舌の表面で蕾全体を
なで上げる。ついにはゆっくりと固く尖らせた舌をもぐりこませはじめた。
「ふくううっ…!」
「おいしい…おいしいよ……綾ちゃん!」
 勢田は夢中になって同級生の肛門をむしゃぶった。かすかに生々しい味
と芳香を感じるが、可憐な女の子のものだと思えばまったく気にならない。
いやむしろたまらなく興奮してくる。かって味わったことない美味だった。
「や……あっ……はっ」
 綾はあまりの羞ずかしさに気が狂いそうだった。おしりの穴を舐められる
など、十七年間の人生で聞いたことも想像したこともない。少女の常識の
範疇を完全に超えた世界であった。
 しかもそのゾクゾクするような異様な感覚。排泄するときの、あるいは排泄
を堪えているときの感覚を何十倍にも濃縮したようだ。不快でおぞましく、
それでいてもどかしく、もっと強くこの感覚味わいたい、奇妙な二律背反に
綾は苛まれた。
意識せずに甘い声が洩れてしまう。
「んはっ…やぁ……んくぅ……うっ!」
 オナニーも未経験だった高二の少女が、よりによってアニリングスで、性
感に目覚めさせられはじめたのである。だが綾はそのまま快感の波に飲ま
れることにはならなかった。
 さっきはお尻を撫でさするのに夢中になっていた少年だが、いまのアニリ
ングスにより牡の欲求の方が高まり、唇を離したのである。
(いよいよ、あれを……!)
 制服のズボンを脱ぎ捨てると、いまの興奮で肉塔が高く天を突くかのごと
くそりかえっている。



 少年は、自分のしようとしていることの大胆さに体全体がガクガクと震え
ていた。
 震える片手をなんとかに肉刀に添え、姿勢と方向を整えると、いままで
自分が舐めしゃぶっていた、双尻の狭間のすぼまりにあてがった。
「い、いくよ、綾ちゃん!」
「……え?」
 最初、綾は指かなにかが触れたのだと思った。だが、異様な感触と雰囲
気、そして後ろ目に勢田の腰が自分の尻のあたりにあることを確認し、その
正体と、勢田の意図を知り、目の前が真っ暗になった。
「う……うそ……ですよね……?」
 それでもなお半信半疑の綾。そこに対してそんなことを行うのは彼女の
常識の――舌で舐められることをも遥かに上回る――範疇外の行為だ。
 だが、何かの間違いであろう、という疑念と淡い期待は裏切られ、つい
に、少年の先端が綾の後ろの入口からめりこみはじめた。
「いやっ! いやです! こんなの! うそです!」
 あまりのおぞましさに泣き喚く綾。
「いっ…痛い! 痛い! 痛いです!!」
 熱い痛みがそこに奔ったが、それでも、丹念に舐められ、ほぐされてい
ただけに、勢田を受け容れてしまう。
「ぐっ……綾ちゃん!」
 勢田とて若さ溢れる少年である。その肉の硬さと勢いは一生のうちで
もっとも高い時期にあるはずである。それでもなお、少女の狭小なすぼまり
は、その硬い先端をも強く締めつけた。亀頭が痛いくらいに締めつけられる。
「くっ!」
「痛い! 痛ぁい!!」
 強く締めつける筋肉をかきわけ、勢田は肉串を貫いていく。括約筋の締め
つけがカリのあたりから根元の方へ、ず、ず、ず、と移動していくのがはっきり
感じられた。
「ふううっ…!」
 最後まで押しこむと、肉棒の根元が、異常なほどの強さで圧迫されていた。
まるで何重もの輪ゴムをそこに嵌めたかのようだ。そして細い綾の直腸粘膜
が、肉棒全体を熱く包んでいる。それが綾の後ろの処女を奪った証だと思う
と、たまらない気持ちになり、問いかけた。
「どう、綾ちゃん? 初体験がお尻の穴っていうのは。普通の女の子じゃ
まず経験できないんじゃない?」
「……あ……あぁ……」
 もうお嫁に行けない、と綾は思った。
 綾にとって、これは単にアヌスを犯されたのがおぞましいとか屈辱的だと
かいうような話ではない。初めての男性をアナルで知ってしまったのだ。
みづきよりはずっと淡い憧れと、ずっと強い惧れをもって抱いていた性へ
の想い。自分が、父が、母が、祖母が、そしてとりわけ祖父が心に描いて
いた花嫁姿。それもすべて粉々に打ち砕かれてしまった。しかも最悪の
予想のさらに上をいく形で。 
 勢田が腰を動かしはじめた。
「いやあ! 痛い! 痛い! 痛ぁい!!」
 その精神的なショックにうちひしがれている綾を、アヌスの肉体的な
苦痛がさらに責め苛む。身体があまり丈夫ではなく、運動も苦手な綾は、
ときどき下痢や便秘で排泄時に苦しむことはあった。だがいま感じているの
はそれよりも何十倍も鋭く、荒々しく、激しい痛みであった。


 勢田の腰の動きが、綾の心を、肛門を引き裂き、痛みを積み増し続け、
血を吐くような悲鳴を吐かせる。
「いやあぁ! もうやめてえ!! やめてください!!」
 一方、勢田も心臓が口から飛び出すかのような激しい動悸を感じていた。
教室で、校庭で、ひとり読書をしているか、友人と一緒にいても後ろの方で
控えめにしていた少女。いつも制服のスカートから伸びる足から想像し、前
回の勝負のときにはあと一歩ですべてを見せそびれた少女。その少女と、
よりによっていちばん恥ずかしい部分でつながっているのだ。しかも純潔を
保ったままで……
 その思いと、肉筒を前後にしごく綾の締めつけの刺激にたまらず、勢田は
昇りつめていった。
「いくよ! 綾ちゃん!」
「やっ…ぐっ…あつい……!」
 体の奥に熱いしぶきを浴びせられるのがはっきりとわかる。綾は胃の奥底
あたりに感じる熱さに、まるで嘔吐しそうな気持ち悪さを感じた……



「……ふうっ」
 いったん役目を終えた肉筒が収縮していくと、収縮に追いうちをかけて押し
つぶすかように綾の孔が緊縮してくる。
「…くっ…よっ……」
 さすがに痛みを感じた勢田が肉筒を引き抜きはじめると、少女の排出孔が
本来の機能を発揮して、比較的スムーズに押し出されていく。さんざん引き
裂かれた穴から、いつものもの以上の弾力をした、途中で途切れることのない
肉の塊が出ていった。
「うおっ!」
 抜けきる瞬間、普段なら途中でやわらく脆い汚物を千切り、途切れさせる
役割をもった括約筋が、キュっと筒内の最後の一滴を絞りきるようかに亀頭
を締めた。
 その間ずっと、綾はその動きには無反応で、うわごとのように、
「およめさん…およめさんに……」
 と呟いていた。
 やはり初体験がアナルレイプは、今日まで男の体ひとつ知らなかった令嬢
には異常すぎたようだ。
「よくも…よくも…みづきちゃんと綾ちゃんを!」
 親友二人のレイプシーンを目の当たりにしながらも、晶はなお気丈な態
度を保っていた。
「あらあら、元気がいいわねえ。でもそういう娘は大好きよ」
「……ひっ!」
 妖しい視線に射すくめられ、さすがにひるんだ晶に迫るのは、宴の真打ち、
蘭堂芹香だ。
 晶たちは知るよしもないことであったが、麻雀講師にして住み込みの家庭
教師を生業とする芹香の私生活は、住み込み先である麻比奈家でも謎とされ
ており、麻比奈家の百合奈・夏姫姉妹は、しばしばその正体を想像して語り
あっていた。その話の端々に水商売や夜の世界も挙げられることも確かに
あったが、さすがに中高生の姉妹では予想がつかなかったであろう――SM
クラブの女王様という正体は。
 一見、教師っぽいスーツに眼鏡姿で後ろでまとめ、真面目そうだが、とき
として麻比奈家や雀荘における表の顔でも豪快さも見せていた芹香。
 彼女の現在の目標は二つ。一つは「世界に通用する雀士を育てること」。
そしてもう一つが「最高の奴隷を躾けること」であった。
  二十台半ばを迎え、女王様として脂の乗ってきた彼女の眼鏡にかなった
奴隷候補が晶である。
(うまくこの娘が回ってきたものね)
 今回のパーティにおいて、発起人の勢田、場の提供者のマスターに一番手、
二番手を譲った芹香だが、マスターがみづきを、勢田が綾を選び、自分には
期待通り晶が回ってくるのは、ある程度予想できた。
(まったく男どもときたら単純なんだから)
 三十代のマスターが浅黒くて(みづきの場合には人工的な日焼けではな
く地黒だが)いかにも元気な女子高生風のみづき、まだ若い勢田が翳のある
大人しめで、いかにもいじめたくなるような綾を、おそらく選ぶだろうと思って
いた。ピチピチした娘と援交したがる中年男と、好きな子をいじめてしまう
子どもそのもののメンタリティだ。
(こういう娘が、オイシイのにねえ)
 晶は、どことなく自分が家庭教師先の末娘の百合奈を彷彿させる。お金
持ちのお嬢さまで、小柄な末っ子ながら肉づきは良さげで、フリフリした
ファッションが大好きだけれども頭の中は早熟ぎみで……何度、そんな百合
奈をものにしてしまいたいと思ったかわからない。しかし、表の顔で住み込ん
でいる職場で、地元の有力者の愛娘ということもあり、まるで女子高の男性
教師のように(最近は肉欲を抑えない教師も多いが)、あるいはそれ以上に
強く、教え子への情動を懸命に抑えていたのだ。



(いただきまーす!)
 ようやくひさびさに若くて可愛い少女を喰べることができる喜びにほくそ
笑みながら、白を基調にしたスーツを脱ぎ捨てていく。
「おっ、やるねえ」
 思いがけずはじまったストリップにマスターが囃す。
「まあじっくり見てて、ほんとのモノにするっ、ていうのを見せてあげるから」
「う…うん……」
 本職だけあって二人の男の存在にも拘泥せず、上下の下着も脱ぎさる。
長身の綾と同じくらいの背丈で、晶やみづきと同じくらい豊かな乳房で、
しかし同級生三人にはけっして見られなかった妖艶さのある腰つきをした
大人の女の裸身に、勢田は思わず目を見張っていた。
 全裸になった芹香が、晶のニーソックスとミニスカートの間のわずかな、
しかしもっともやわらかな領域へと右手を伸ばす。
「ひゃっ!?」
 そのままやわやわとなでさすり、ブラウス越しに乳房にも左手をかける。
「ふ…く……っ」
 麻雀やファッションに限らず、あらゆることに興味津々の晶は(読書も
綾に勧められ挑んだ)、当然ながら思春期の少女として、何度か自分で
自分の身体を触ったことがあるが、その動きはいつもおっかなびっくりで、
ゆっくりと控えめなものだった。
 だがいまの芹香の手は同じゆっくりと控えめな動きでも、じらし、性感を
高めるための動きだった。
「んふぅっ……」
 実業家一家の三姉妹の末っ子――そのなかでも年の離れた――として放
任気味に育てられ、十二歳という多感な時期に台湾から帰国子女として来日
した晶は、価値観とアイデンティティーに大きな影響を受けている。同じ資産家
とはいえ、旧家の病弱な一人娘として幼いころより育てられた綾とは正反対に
育っており、ある意味みづきよりも気が強い。
 それだけに、もしマスターや勢田のように荒々しく犯しされようとしたら、
なお頑強に抵抗していたであろう。しかし、芹香のおだやかな責めはじわ
じわと晶の心身を懐柔し、抵抗する余地を簒奪していく。もっともこの場合、
おだやかだから善良とうわけではないのだが。
 芹香はよこしまな笑みに歪んだ唇で、晶の唇をふさぐ。
「むぐ……っ!?」
 驚いたり拒んだりするよりも先に、舌の動きが晶の思考力を溶かしてゆく。
「ん……っ」
「んふう…う…」
 芹香の舌先が前歯から犬歯、奥歯にかけてをゆっくりとなぞっていく。唇
と歯茎の間もたくみに割り込む。そして口蓋を舐めあげたたときに、
「ひゃうっ!?」
 晶はひときわ高く声をあげてしまった。
 小中学校時代から、遊び半分で男友達としてきたキスとは、その技巧に
おいて雲泥の差があり、ずっと濃度が濃いものであった。
「む……んぐ……」
「ううん……く…」
 濃厚に舌を絡ませながら、ブラウス越しの胸の上で左手をクモの歩みの
ように這わせるうちに、右手で弄られていたショーツがみるみる湿り気を帯び
てくるのが晶にも芹香にもわかった。
「は…はっ……はあっ……」
 晶は下着だけでなく目もうるませ、途切れ途切れに上気した息を吐きはじめた。
(そろそろ頃合ね)
 身からも心からもすっかり抵抗感が抜けたのを見て取った芹香が、月浪学
園の女子制服のトレードマークでもある赤く大きなタイを抜きとり、ブラウス
のボタンを外しはじめても、晶はもう無抵抗だった。心身ともにとろけさせら
れた上に、性的に危険な臭いをふりまいているとはいえ――やはり同性と
いうことで警戒心が緩和されていたのだろう。
 そのまま手慣れた様子(当然といえば当然だが)で、晶はブラのホックも外
され、剥ぎ取られてしまった。


 ブラウス越しからでも、明らかに身長のわりには飛び出るような乳房で
あったが、地肌がさらされてみると、若い肌の張りもあり、本当に弾けるよ
うだった。
 いまの責めですっかり艶やかに尖った乳首は、幼顔に浮かぶ喘ぎの表情
ともどもミスマッチで、たまらなく淫らであった。
「わっ!」
「ふ、ふうん」
 勢田はあらためて、マスターは初めて、その男を刺激するアンバランスさに
息をのんだ。
(顔は子どもなのに身体はもう大人で……やっぱり最高に奴隷としての素質
があるかしら)
 女王様としての目利きにますます確信を強めた芹香は、晶の唇を塞いで
いた自分の唇を離して満足げに微笑むと、充血して膨らんだ乳首に吸い付いた。
若い肉粒の張りと弾力が舌に快い。
「ん…ちゅっ……」
「……はっ……やぁん……」
 さきほどの自分の舌同様に、たくみに舌先で転がされる乳首と乳輪に伝
わる快感に夢心地に陥ったままの晶は、芹香がファスナーを下ろしプリーツ
スカートを脱がせていくのにもまるで頓着しない。
 制服のスカートが取り払われたとき、すでにショーツ――制服姿ということもあり
フリルも小さめで、腰のゴムひものラインも臍近くにある――はぐっしょりと
水浸しであった。
「これじゃ気持ち悪いでしょ。これも脱いじゃいましょうね」
 芹香が濡れた下着を引き下ろしていくと、その粘り気を帯びた湿りが晶
の下腹部から糸を引いていく。
そのまま下着を抜きとってしまうと、淡い栗色の繁みは蒸れるほどぬめっていた。
「晶…ちゃん」
「……ぁ」
 髪を後ろでまとめた大人の女と、おだんご頭の少女の肢体が全裸で絡みはじめた。
 もう先程のように唇から乳首へという順序にこだわることなく、容赦なく指が至るとこ
ろをつつき、なで這いまわり、体中にキスの雨を降らせる。
「素敵…好き…晶ちゃん」
 舌が乳輪を、円を描くようになぞったかと思えば、乳房の表面全体をまるで
プディングでも頬張るかのようにむしゃぶりつく。臍の奥の、触れられれば
痛みを感じるギリギリの点まで達した指が、そのまま下腹をなぞり、毛根ま
で汗と愛液を染みわたらせるかのように栗色の和毛をかき回す。
「ん…く…ふぅっ!」
 そして正面からおおいかぶさった芹香は、晶の乳首も臍も恥毛も、自分の
同じ部分で塞いでしまうかのように、押し付ける。
「ふ……あぐっ…!?」
 再度、唇を塞がれた晶は、さっきから快感に眉根を歪ませてはいたが、
それとは少し違った表情を見せはじた。
身体もまたなにやらせわしげなモゾモゾと動きはじめた。いままでの女同士
のセックスによる震えとは明らかに異なっているようだ。
「や…あ……まってえ……」
「どうしたの?」
 晶の制止の声に問い返す芹香だが、答えはもうわかっていた。というより
最初からそれが狙いだった。
「どうしたの、気持ちいいんじゃないの?」
 芹香の手腕、いやこの場合『指腕』と呼ぶべきか――をもってすれば、
特に尿意を感じていない通常状態の女を失禁させることも容易であった。
相手を洩らさせずにはおかないタチの女王様として、その世界では蘭堂芹香
の名は知る人ぞ知るものであった。


「はっ……やっ……ほんとに……」
 いまその技巧の粋をつくして身体中の神経に与えられる刺激が、膀胱と
尿道のコントロールを晶本人から奪っていく。
 芹香の指の動きにつられるかのように、晶の小きざみな震えが激しくなる。
「それっ!」
 体勢をずらし帆掛の船の体位をとると、女性器の位置の構造上、それま
での正面からの抱きあいではそれほど触れ合うことのなかった二人の秘割れ
がぴったりと密着する。
「や…くうっ……!」
 早熟していたとはいえ、まだ使われたことのなかった晶の器官に、初めて
他者のそれが触れた。ただし同性の。
「ん……んふふっ……」
 自分でも身体のなかで一番敏感な場所で、芹香は少女の股間の震えを感じ
とっていた。晶の膀胱の脈動までが伝わってくるようだ。
 そのまま腰を押しつけ、回すように動かし、女として晶の秘部を犯していく。
「く…うっ…あううっ!」
 指で強く触れられれば痛みすら感じる女の肉芽であるが、同じやわらかさ
を持った肉芽同士で触れ合うことで、純粋に快感としての刺激のみがその
鋭敏な部分に奔る。肉芽から下腹を通り、背筋から脳天まで突き抜けた電流
が止めを刺した。
「うっ!……だ…めええっ!!」
 晶の絶叫とともに軽やかな水音が巻きおこり、白い制服のニーソックスに、
さっきの愛撫のときのショーツなど比べ物にならない速さで染みを拡げていく。
「……あ…や……だあ……」
 晶は絶頂に達したと同時に内腿を伝わっていく暖かい流れになんともいえぬ
快感を感じていた。
 女の感じことのできる性感は男よりもずっと高いと俗に言われている。
そして晶はいま、芹香の抜群のテクニックによってその女として絶頂に達す
ることに目覚めると同時に、秘部より液体を排出するという、さながら男と
しての快感を得ていた。
 そしてそれはまるで、ごく若い少年が初めて股間を弄ったときのような衝撃――
少年ならば皆その衝撃に病みつきになる――を晶の脳髄と性器に刻み込んだ
のだ……

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