「こ、これが…ゼロ……」
シエルはついに、伝説の英雄ゼロとの対面を果たしたのだ。
震える手を彼に触れようと伸ばすが――
バチッ!
「きゃあっ!」
見えない何かに弾かれてしまう。

「プロテクトがかかっているわ…ここは、任せて」
シエルの掌から電子の妖精が語りかけてくる。
「……」
「気にしないで。あなたには役目がある。私も私は役目を果たす。
 それだけよ」
「…ありがとう、パッシィ」
「さよなら、シエル」
しかし、その刹那。
銃声。悲鳴。そして、手に走る激痛。

突然のことに混乱しながらも、状況の把握に努める。
その眼に映ったのは、警護に当たっていた仲間たちの内数人が倒れているのと。
無残にも破壊されたサイバーエルフ・パッシィの姿だった。

「――!」

ゆっくり見まわすと、既に周囲はネオ・アルカディア政府の戦闘レプリロイドに
包囲されている。元より仲間たちを放って逃げることなどできるはずもないのだが。


「すみません…!抑えきれませんでした!」
生き残った仲間たちがシエルのもとへ駆け寄る。
「…ごめんなさい。ゼロの復活は失敗したの……!」
「……!」

レプリロイドたちの司令官らしき声が聞こえる。
「人間はなるべく殺すな。イレギュラー共は…分かるな」

「やめてっ!」
いくら命令が出ているとはいえ、(彼らから見れば)テロリストの首謀者の
シエルを無理に生かしておく理由はないはずだった。
それでも、シエルは仲間たちをかばわずにはいられなかった。
ゼロを目覚めさせることはできなかった。パッシィももういない。
まだ少女であるシエルが、責任を感じていないはずがなかった――

しかし、次の瞬間両足に激痛を感じ、思わず倒れこむ。
どうやら足を撃たれたのだと気付いたときには、
既にレプリロイドは目の前に迫っていた。

シエルは激痛で意識を取り戻した。足が痛い。頭痛がする。
どうやらあの後、スタンロッドで殴り倒されたようだ。
と、そこまで考えて視界が遮られていること、手足を縛られていること、
さるぐつわをかまされていることに気づいた。

「目を覚ましたか」声が聞こえた。
いわく、ここはネオ・アルカディアの収容施設であり、人間とはいえ、イレギュラーに
加担したシエルは拘束されることとなった、とのことだ。
シエルは身構えた。レジスタンスベースにはまだ仲間たちがいる。
彼女が口を割れば彼らも「処分」されるのは目に見えている。
彼らはシエルからベースの場所を聞き出そうとしているに違いないのだ――


がちゃり、と戸が開く音。誰かが拘置所に入ってきたようだ。尋問管だろうか?

「なぜ、人間とレプリロイドは争うと思うかね?」
老人の声が聞こえ、口枷を外される。
なぜ、そんな事を聞かれるのか――訝しみながら答える。
「現在は、深刻なエネルギー不足です」
人間か、レプリロイドか。少なくともその総数を間引きせねば、いつかは滅びる。
「それはタテマエにすぎん…人間は怖いのだよ。
 我々と変わらぬ外見を持ち――しかし老いず、永きを生きるレプリロイドが。
 君は共存を望んでいるらしいではないか。我々も争いが好きなわけではない。
 ネオ・アルカディアにも共存の道を探る者はいるのだ」
警戒を解かず、先を促す。意図が読めない。
「つまり、寿命を持ち、我々と共に生きるレプリロイドの研究。
 ヒトと交わり、ヒトから生まれ、寿命を持ち"死"を持つ。
 君には、最終実験に協力してもらう。レプリロイドの母体としてね」

戒めを解かれ、目隠しを外される。
視界に入ってきたのは――無数の人工性器を生やしたレプリロイドたちであった。
「いゃ……!」
口内に人工性器を突きいれられ、悲鳴は遮られた。服を破かれる。

「言い忘れておったが実験体にはイレギュラーを用いた。性欲だけ強調してはいるが、
 あまり暴れるられると命の保証はしかねる。……孕むまで頑張ってもらうよ。」

老人がシエルのいる部屋から出ると、残りのレプリロイドたちも一斉にシエルへ群がった。




というロクゼロコレクション記念電波を受信したので誰か書いてください

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