エスパーがあらゆる分野で増え続ける21世紀。
 犯罪分野も例外ではなく、いま超度(レベル)5だが液体テレポートの達人・流瞬一
(ながれしゅんいち)と、同じく超度5の催眠能力者(ヒュプノ)・北枕未明(きたまくらめ
い)の二人が某化学コンビナートで爆破テロを起こそうと侵入した。
「よし、やるぞ」
「おう」

「そうは問屋がおろさんで!」
「なっ!?」
 二人のテロリストの前にテレポートで現れたのは私立小学校の児童のようなおそろ
いの、青いブレザーと白のミニスカの制服を着た10歳くらいの三人の少女とスーツ姿
の青年――
 念動力者(サイコキノ)・明石薫
 瞬間移動者(テレポーター)・野上葵
 接触感応者(サイコメトラー)・三宮紫穂
 この国に三人しかいない超度7の特務エスパー『ザ・チルドレン』とその現場運用主
任・皆本光一であった。

「予知課の警告通りね」
「さあ、おとなしく捕まれぇ!」
 不適に微笑む紫穂と、すでに得意満面の薫。

「くそ、特務エスパーめ!」
「そうそう貴様らに従えるか!」
 エスパーテロリスト二人も抵抗したが、皆本の指示で動く超度7エスパー三人の敵
ではなく、たちまち追い詰められてしまった。
「年貢の納め時だな」
 皆本が懐からESP錠を取り出す。

「らくしょー、らくしょー」
 余裕しゃくしゃくで薫は荷物からコーラの500ccボトルを取り出し、一服しようとする。

「あ、こら薫。家に帰るまでが任務……」
 最大戦力であるサイコキノ・薫の気がゆるみ、指揮官・皆本の注意もそれたその隙
を、超度では劣るものの百戦錬磨のテロリスト二人は見逃さなかった。
 すばやく目配せしあう流と北枕。

「ぐっ…!?」
 突如、薫の腹部に激痛が走った。


「薫ちゃん!?」
 いきなり下腹をおさえて苦悶の表情を浮かべる親友を気遣い、紫穂が駆けより手を
そえる。

「――!!」
 超度7のサイコメトラーである紫穂には薫が何をされたかはすぐに解った。
 液体テレポートの達人である流は、追い詰められた状況でもどうにか能力を発揮
し、薫の手にしていたコーラをその腸内にテレポートさせたのだ。
 500ccもの刺激の強い炭酸性の液体、おまけによく冷えてる……それが薫の、11
歳の小さな直腸をパンパンに満たしていた。

「葵ちゃん! 薫ちゃんのお腹から……」
 薫の苦境を瞬時に理解した紫穂が、もう一人の親友にして超度7のテレポーター、
葵に薫の体内から異物の除去を依頼しようとした。

が、遅かった。
 プロ級の浣腸マニアでもつらいであろう、500ccの冷えたコーラである。突き刺すような
刺激と冷たさに幼い腸襞は激しく収縮する。その苦痛からの解放を求める肉体の叫
びに、薫の意思も、肛門括約筋も、そして超度7を誇るサイコキネシスもあらがえなかっ
た。

「だめぇ――っ!!」
 悲痛な子供の絶叫とともに、白いプリーツスカートの裾からすらりと健康的に伸びた薫
の脚を、いま体内に収められていた液体がしたたり落ちていく。

「薫ちゃん!!」
「薫!!」
 これが仲間が負傷させられた、ということであれば『ザ・チルドレン』も素早く的確に
応戦できていただろう。

 だがいきなり仲間の排便を目のあたりにし、皆本と葵ばかりか、状況を頭では理解
していた紫穂も思考と行動が止まってしまった。
 流と北枕はその機会を逃さず、テレポートで脱出していった。



 皆本は自分の着ていた背広の上着を、羞恥に震える少女の肩にかけ、すこしでも
恥ずかしい汚物で濡れた下半身が見えないようにしてやりながら、本部に連絡を取る。
「申し訳ありません、テロは阻止しましが犯人達に逃げられました。はい、非常線を…
…ええ、こちらは本部へ戻る前にどうしても寄るところが……」

「葵、僕と薫を家の風呂場まで! 連続テレポートの最高速で!! 紫穂はここで待っ
ててくれ!」
「了解っ!」
 連絡を終えた皆本から出された指示を瞬時に理解し、薫を案ずる葵は1秒に3回以上、
毎回1キロ近くの連続テレポートを行い、数分とかからず自分達の家までたどり着いた。

 風呂場のなかに薫、皆本、葵がテレポートしてくる。
「着いたで、皆本はん」
「ありがとう、葵。それじゃこんどは紫穂と本部へ戻っていってくれ。
僕も一段落したら行くから」
「さよか、でも……」
「うん、ここは僕一人でだいじょうぶだから」

 薫はいつもとはまるで違い、ずっと無言で俯いたままで、こっちの方を見ようとしない。
恥ずかしくて自分達にも、いや自分達だからこそ顔をあわせられないのだろう。
 テレパシーもサイコメトリーも使えなくとも、葵にも薫の気持ちはよくわかった。
「ほな皆本はん、また……」
 そう言って二人を風呂場に残し、葵はテレポートしていった。

「それじゃ僕も外に出てるから。服は桶に入れておけばいいよ。着替えも出しておくか
ら……」
「……やだ」
「え、『やだ』って……」
「いっしょにおフロに入ってくんなきゃ、やだ」

 ませていて悪ふざけ好きな薫は、これまでもよく同衾や混浴を求めてきた。
 だが、今回は状況が違う。11歳の少女が人前でもっとも恥ずかしい行為をさらしてしまっ
た上、まだ下半身がその汚辱に染まったままなのだ。
 とても一人で汚れを洗い流す気にはなれなくても無理はない。

 皆本の服の裾を、親指と人さし指でぎゅっと強く掴み、一年以上任務を、寝食をともに過ご
してきたなかでも見たことがないほどいじらしげな、年齢相応の表情で薫は見上げてくる。



「わかった、僕もいっしょに入るよ」

 少女の羞恥心を気遣い、皆本はまず自分から服を脱ぐと(普段なら薫の方から喜び
いさんで皆本を剥きにかかるところであるが)、薫の服を脱がしてやりにかかる。

 下着を通り越して茶褐色の染みがついてしまった白いプリーツのミニスカートのホッ
クを外し、ファスナーを下ろしてから、スカートを抜きとってやる。
 11歳らしい、しなやかな脚があらわになる。だが両脚も、そしてその両脚のつけ根
も汚濁にまみれる惨状であった。
 白い子供用ショーツもその木綿の布地の面積のほとんどを茶褐色に塗り替えられ
ていた。

 皆本の手が子供用ショーツもずり下ろしていく。そのショーツの中身の子供特有の
肌理のこまかい肌をした下腹部もまた、汚物にまみれた無残な状態であった。
(はやく洗い流してやらなきゃな……)
「えっ……うっ…ぐぅっ……」
 汚れた下半身は丸裸になったが、まだ皆本の上着を羽織り、本人の青いブレザー、
ワイシャツどころか大きなリボンタイまで着込んだまま、べそをかいている薫の上半身
も脱がしていく。

 大きなリボンタイを外し、ワイシャツのボタンを外していくと、いままでも何度か目にした
(見せつけられた)ジュニアブラもあらわになる。
 ここ一年足らずで2センチ以上成長したとはいえまだ『STEP2/バスト全体がふくら
んできたら』用のジュニアブラだ。

 薫の白いワイシャツもはだけさせる。いつものようにふざけることもなく、ムキになっ
て反論することもなく、静かにおだやかに11歳の薫のブラジャーが20歳の皆本の手
によって外しにかかられる。
 とはいえまだホックもついてないようなブラだ。
「ほら、両手をあげて」
「んんっ……」
 薫の年齢よりももっと小さな子供の服を脱がせるかのように、バンザイをさせて、本
来なら子供としても、大人としても、他人の手で脱がされる状況になることなどないは
ずのジュニアブラをスポッと抜き取ってやる。

 すでに相当に発達したPK(念動力)に対し、まだ二次性徴期に入ったばかりの肉体が
なにもかも皆本の前にさらけ出された。

「そら」
「あっ……」
 シャワーから温かな湯がふりそそぎ、11歳の薫の肉体はまた本来の穢れなさを取り
戻していった。
 薫の下半身から彼女自身の汚物が洗い流されていくと、やはり小学五年生の、張りの
ある肌は湯をはじくかのようだった。



 大好きな皆本がいっしょで、汚れたなにもかもが去っていってくれる。
 そういう状況になってはじめて薫の顔に安堵の表情が浮かんだ。

「あ……あ…!?」
 だが、そうやって薫が一息ついたとたん、また強烈な腹痛に襲われた。

 さきほど薫の体内にテレポートさせられたコーラの量は500ccである。
 とても子供の小さな直腸内に収まりきるものではなく、かなりの量が大腸にまで流れ
こんでいた。
 その残りのコーラがS字結腸を通って直腸まで垂下してくると、ここはもう風呂場とい
うことで心も精神力もを緩めていた幼いエスパーに我慢できるものではなかった。

「薫っ!?」
「また、あたしっ……や…なのにぃーっ!!」
 薫の内股を伝う温かな湯の流れに、同じように温かな茶色いものが混じると、薫はま
た完全に泣きじゃくりはじめてしまった。

「やだ、やだあ、こんなの……皆本の前でえぇっ…ううっ、ぐ…ぅっ…
……皆本?」
 皆本は小さな頭を、大人の男の、そこそこ厚みを持った胸板で抱きとめてやると、
「いいからほら、気にすんな。なんどでも洗ってやるから」
「ぁ…皆本ぉ……」

 まだ蒼い硬い果実のような尻にボディーソープの白い泡を塗りこめ、洗い流し、その
尻がふたたび清らかさを取り戻すころには、未成熟な腸腔を冷えたコーラで満たされ
たダメージと傷みもどうにかおさまってくれたようだった。

 薫が皆本の胸板を背もたれにし、二人して湯船につかり、こんどこそ人心地ついた。
「ごめん……皆本」
「ん?」
「あたしのせいで犯人にがしちゃったし、それにウ……チもらしちゃったし……」
 皆本からは見えない位置にあるはずの顔を、恥ずかしげにさらに俯かせて薫はそう
言った。

「いいから、君たちの世話が僕の役目なんだし。犯人はまた捕まえればいいさ」
 子供特有の柔らかさと細さを持ったショートカットの赤毛をくしゃくしゃにしてやりながら
皆本は薫の恥じらいに応える。
(また…また……かあ)
 薫は湯気のこもった天井を見上げながら、頭のなかで皆本の言葉を反芻していた。





 数日後――
 
 新たな事件で出動する『ザ・チルドレン』。
 強力な超能力と、皆本の的確な指示で指示で、今回は順調に犯人の逮捕まで持っ
ていけた。
「よし、犯人確保!」
 皆本の手でESP錠がかけられた。

「な……!?」
「薫ちゃん!?」
 そのとき突如、音をたてながら、薫の脚を数日前同様、茶色い流れが伝いはじめた。

「ど、どうして……こんなの…恥ずかしい…のに!?
やだぁ―――っ!!」
 薫の絶叫にあわせて、周囲のベンチやらドラム缶やら雑多なものが乱れ飛ぶ。
その念動力の竜巻に乗って、かすかであるが薫いま出した残滓も混じっていた。
 親友のものとはいえ、思わず
「わあ!」
 テレポーテーションでかわす葵。
「きゃあっ!」
 サイコメトリーで竜巻の流れを読んで避ける紫穂。

「……っ!!」
 その竜巻をかいくぐった皆本は薫に迫りをその肩をだいた。
「み、皆本、
 あたしまた……」
 涙でうるんだ薫の顔が皆本の方に向き、竜巻の威力が弱まる。
「いいから、落ち着け!
 葵、犯人ともどもまずは医療研究棟にやってくれ!
 本部への移送はその後だ!」
「りょ、了解!」


それから数時間後――

「どうだ、薫は!?」
「身体は異常はない。この前やられた腸ももうすっかり回復してる」
 皆本の問いに、超度6のサイコメトリーとバベルの最新医療機器およびESP機器を
駆使して検査を終えた賢木修二は答えた。
「じゃあ、いったい……!?」
「催眠能力者(ヒュプノ)の影響だな。
 この前の化学コンビナートで薫ちゃんが排泄を我慢できなかったのは、精神攻撃も
作用してたんだ」

「そのせいで薫はあんなことを!?
 だが催眠能力は本人の望まないことさせようとすると効果が半減……」
 そこで皆本はハッとした。
「まさか薫自身がそれを望んでいるのか!?」




「催眠能力はあくまできっかけだろうな。
 この前のことで薫ちゃんはおそらく生まれて初めて強い性的快感を知り――オヤジ
向けエロ雑誌を愛読してるとはいえ、いや逆に言えばせいぜい雑誌のヌードや風俗情
報程度の性知識しかなかったから、人前での排泄という行為が衝撃的だったんだろう
な。
 そしてそれが忘れられない」

「うう……で、どうすればそれは治るんだ」
 頭をかかえてしまう皆本。
「なに、俺と紫穂ちゃんが協力して心理療法とESP療法を施せばじきにもとの薫ちゃんに
戻せるさ。
 ただ、しばらくは――」
 声をひそめ、医師として賢木は助言をはじめた。


 数日後の夜――

 皆本の寝室のドアを開け、声をかける薫。
「皆本、トイレ……」
「ああ、わかった」
 二人連れ立ってトイレの前まで来る。そこまでなら夜、怖くてトイレに行けない子供に
ついていってやる大人、とも見える光景だった。
 だが、個室内にまで二人いっしょに入ると、薫は皆本の目の前で白い子供用ショーツ
を下ろして無毛の股間をむき出しにしてから便座に腰掛ける。

「じゃあ、見ててね皆本」
 大人の男の前で顔を赤らめ、いきむ11歳の少女。
「ああ、ちゃんと見てるよ」
 やがて成人女性よりはひかえめに、それでもはっきりと音と臭いが個室内にたちこめ、
皆本の聴覚と嗅覚を刺激する。
 見聞きされていることを感じ、よりいっそう、赤毛の髪に負けないくらい顔を赤くする薫。

「薫も難儀な身体になりはったなあ」
 隣で寝ている紫穂に葵はそう話しかけた。
「私と賢木先生が治療中だから、もう少しの辛抱よ。
 夜、皆本さんがいっしょにトイレまで行ってくれるのは少しうらやましいけどね」
 猟奇・残虐事件はまるで平気でも、怪奇・心霊ネタにはからきし臆病な紫穂が応える。

(でも、ああいうことをして喜びあうカップルも世の中にはいるのよね)
 紫穂は思ったが、三人のなかでも最奥手の、小学五年生らしい性知識しかない葵に
対してはさすがにそんな特殊な嗜好についての話題は出せなかった。
(私も、もし皆本さんが喜んでくれるとしたらおトイレで見せてもいい……かな?)

 いままさしくこの家のなかで仲間が行っているそのアブノーマルな行為について考察し、
悶々とする紫穂であった。

(おわり)

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