鬼畜というのは一体どの程度の事を言うのだろう。
 ふと気になったので聞いてみた。

「なあ、沙耶香、どのくらいから鬼畜って言うんだと思う?」
「……アホかお前。女のあたしにんな事聞くな!」
「いたっ!」

 怒られた上に殴られた。痛い。

「痛かったら鬼畜なのかな?」
「まだひっぱたかれ足りないのかなぁ〜」
「ひぃ」

 怖いよお。

「痛い上に怖い……これは、間違いなく鬼畜だね! 沙耶香は鬼畜だ!」
「………………それだけか?」
「へ?」
「遺言はそれだけかって聞いてんだこの馬鹿野郎っ!」

 直後、沙耶香の渾身の右ストレートが僕に向かって放たれた。
 当然ながら、僕にそれを避ける術はなく――

「うわらばっ!?」

 ――目の前に星空が咲き、次の瞬間には闇夜が広がる。
 要するに、僕は気絶した。


 今日の結論:僕の幼馴染は最高に鬼畜である。多分。

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