システムの名称

韓国型VMF戦術データリンク (KVMF TDL: Korean Variable Message Format Tactical Data Link)

KVMF TDLの戦術的運用

以下は2006年第10回通信・電子学術大会 キム・ヨンギル(サムスンタレス)論文より
ttp://pds11.egloos.com/pds/200903/04/33/KVMF_TDL_tactical_implication.pdf

要約

韓国型VMF戦術データリンク (KVMF TDL: Korean Variable Message Format Tactical Data Link) は、将来の陸軍の標準戦術データリンクとして、大隊級以下部隊のセンサー−C2−射撃手のリアルタイムの連結性と適時の階層構造的指揮統制能力を提供するだろう。地上戦場では、KVMF TDLを基盤として、大隊級以下部隊に戦場の機能別NCW (Network Centric Warfare) 能力を具現して、旅団級以上の上位部隊とは、SPIDER/TICN戦術通信網を通じて連結される総合的NCW構造を具現できるだろう。合同作戦の相互運用性のために、地上戦の武器システムはもちろん、一部の空軍及び海軍の武器システムにもKVMF TDLを適用する方法と、主要指揮所でData Forwarderを利用して、海・空軍データリンクと連動する方法が混合的に適用されるならば、KVMF TDLは地上戦のための費用対効果に優れた将来型戦術データリンクとなるだろう。

序論

最近、我が軍でもNCW能力に関心が強くなり、戦術データリンク能力の具現にも多くの努力を重ねている。その努力の一環として、陸軍はVMFを基盤とした標準戦術データリンクを採択することを決めた。ここで、KVMF TDLの技術的検証のためのKVMFプロトコル示範システム開発事業が着手された。
本論文では、KVMF TDLの戦術的運用法案と合同性の問題に関して、解決方案を提示してみようと思う。

概要

VMFの紹介
KVMF TDLは、米陸軍のVMF戦術データリンクを参照モデルとして、韓国軍の戦場環境に合致するようにメッセージ標準とプロトコルを開発することで、今後、韓国陸軍の標準データリンクとして活用される予定だ。

米軍のVMFデータリンクは、米空軍の主導で開発されたLINK-16データリンクの一部として、陸軍通信システムとの連動能力を付与するために開発された。LINK-16が開発された当時、米陸軍は多数の旧型無線通信装備を運用していたが、LINK-16を旧型通信機に適用するには無線機の性能と技術的特性に限界があった。そこで、既存の通信機を入れ替えることなくLINK-16と相互運用能力を持たせるために、低容量通信チャネルを通じたデジタルメッセージの送受信が可能な、通信バンド幅要求を最小化することができる可変型メッセージ様式、すなわちVMFを開発して、今日では米陸軍戦術インターネットの標準メッセージ様式として使われている。

VMFメッセージの最も大きな特徴は、標準化されたメッセージ様式で、実際に伝送される資料が含まれるデータ項目だけを伝送メッセージとして構成し、実際に送られるメッセージの大きさを固定型メッセージ様式に比べて小さくすることで、制限された通信容量を持つ通信機を通じたデジタル通信を可能としている。

既存の音声通信機を通じてデータリンク網を構成するためには、モデム機能を遂行するモデム (Improved Data Modem: IDM) 装備を、データリンク処理器 (Data Link Processor: DLP) と無線通信機の間に連結しなければならないが、このようなシステム構成は、メッセージの伝送遅延を誘発する要因になるのはもちろん、システム連動の複雑性を増加させる。このような問題を解決するために、米国はSDR (Software Defined Radio) 技術を適用したJTRS (Joint Tactical Radio System) 通信装備の開発に拍車をかけている。JTRS無線機はVMFはもちろん、LINK-16のJ-seriesメッセージも伝送できるように設計され、今後、米軍のLINK-16用無線通信機として運用される見込みだ。

SDR技術を基盤とした無線通信機は、デジタル音声及びメッセージを伝送することができ、通信機内部にモデム及びデータリンク処理用プロセッサモジュールを内蔵するために、システム形状を単純化させて、搭載武器システム内部のLANまたはデータバスの通信トラフィックを減らすことができるために、メッセージの伝送遅延を減らすことができる。

VMF戦術データリンク処理システムは、大きくMIL-STD-6017 VMFメッセージ様式標準とMILSTD-2045-47001応用プロトコル標準、MILSTD-188-220無線通信機連動標準から構成される。MIL-STD-6017標準は、VMFで使われるK-seriesメッセージ様式のデータ項目、データ用途、メッセージ構成などを定義する標準文書だ。MIL-STD-2045-47001標準は、VMFメッセージヘッダー構造と、長文メッセージを複数に分割して送信し、分割されたメッセージを受信後に再構成するメッセージ伝送プロトコルを定義する標準文書だ。MIL-STD-188-220標準は、既存の無線通信機で、VMFメッセージを物理階層で連結するように通信機内部に具現される連動モジュールの構造を定義する標準だ。しかし、新しい技術を適用する無線通信機、例えばSDR無線機の場合は、通信機自体にインターネット・プロトコル (IP) を基盤としたメッセージ伝送が可能であるため、MILSTD-188-220標準を適用する必要はない。

KVMF TDLアーキテクチャー
KVMF TDLは、陸軍のセンサー−指揮統制−打撃システム間の絶え間ない情報通信を保障するために、すべての種類の通信装備と連動が可能なように、インターネット統制機 (Internet Controller: INC) を通じて連結され、データリンク処理器 (DLP) はK-メッセージを処理し、0と1で構成されるビットストリームに変えて、メッセージ送受信に必要なビットストリーム形態のヘッダー情報を追加して、希望する目的地へINCを通じて送信する。このとき、K-メッセージ及びヘッダー情報は、実際に有効なデータフィールドだけをビットストリームで作るために、通信量を最小化することができる。

KVMFメッセージは、KINC (Korean Internet Controller) を通じて通信機の種類に関係なく連動されるために、すべてのセンサー搭載プラットホームと武器システムプラットホームが指揮統制システムを経由して情報を交換し、戦闘状況を共有できるようにしてくれる。


絵-2. KVMF TDLベースライン・アーキテクチャー概念

戦術的運用方案

地上戦機能別運用方案
陸軍の指揮系統は、戦場の機能別にピラミッド型階層構造をして垂直的指揮統制構造を持ち、戦場の機能間では上位部隊の指揮所の参謀組織を通じて水平的協力支援構造を持つ。KVMF TDLは、各戦場機能の大隊級以下戦術部隊の指揮統制及び報告に適した構造として構成されており、下位の戦闘部隊と垂直的及び水平的に連結機能を遂行する。

指揮面で基本戦闘単位を大隊級から見ると、大隊長は隷下中隊とKVMF TDLを基盤とした大隊級指揮統制網を構成することができ、中隊長は隷下小隊と中隊級指揮統制網を、小隊長は隷下武器システムと小隊級指揮統制網を、それぞれKVMF TDLを基盤として構成することができる。大隊長はまた、大隊指揮所網を通じて、情報・作戦参謀と人事・軍需参謀とを連結することができる。情報・作戦参謀は、戦術C4I端末機を使い、旅団指揮所の情報・作戦参謀または情報部隊とSPIDER/TICN網を介して連動され、人事・軍需参謀は、大隊指揮所戦闘勤務支援システム (Combat Service Support: CSS) を使い、SPIDER/TICN網を通じて戦闘勤務支援部隊と連動される。

大隊長はまた、旅団指揮所・旅団長と音声指揮統制網を別に構成することができるだろう。

上記のような大隊級以下戦術部隊のKVMF TDLネットワークは、一般の歩兵部隊だけでなく、機動戦、対火力戦、対空戦部隊や武器システムはもちろん、無人戦闘システム、空地(空中及び地上)・海地(海上及び地上)合同戦術にも適用できるだろう。


絵-3. 大隊級以下部隊の包括的KVMF TDL構造モデル

通常、師団・旅団級作戦部隊は、隷下に、歩兵、機動、火力、防空武器システムと監視偵察、戦闘勤務支援組織を持つ。例えば、機械化歩兵師団は、機甲師団及び騎歩旅団、砲兵旅団と航空大隊、防空大隊、UAV部隊、戦闘勤務支援部隊から構成され、すべての地上戦場の機能を調和するように遂行することになる。各戦場機能システムは、部隊別指揮小システムと武器システムプラットホームの間に、KVMF TDL網を通じた戦闘要素の垂直連結と同僚との水平連結が成り立たなければならない。一方、他の戦場機能システムとは、指揮所レベルで上位のSPIDER/TICN戦術通信網を通じた機能間水平連結が成り立たなければならないだろう。

各武器システムは、小隊級KVMF TDL網を利用した同僚の武器システム及び小隊長との情報交換を通じて、戦場状況の共有、標的報告及び交戦統制が成り立つ。小隊長は、中隊級KVMF TDL網を利用して中隊長に報告し、中隊長の指揮統制を受けて隣接の小隊長と協力する。中隊長は、大隊級KVMFTDL網を利用して大隊長と報告及び指揮統制の連結を維持し、隣接の中隊長と状況共有及び協力する。大隊長はSPIDER/TICN網を利用して旅団指揮所と指揮統制音声網を維持し、隷下の参謀はKVMF TDL網で状況を共有する一方、戦術C4I端末機とSPIDER/TICN網を通じて、上級旅団指揮所と報告及び指揮統制の連結性を維持する。

上記のKVMF TDL運用構造とSPIDER/TICNを通じた上級部隊指揮所との連動構造は、陸軍の立体高速機動戦、対火力戦、地上防空作戦、無人戦闘システムはもちろん、空地協同作戦、海地協同作戦などの合同戦術分野でも同じ構造の適用が可能だろう。このような戦場の機能別KVMF TDL構造とSPIDER/TICN中心の戦術通信基盤システムは、将来の地上戦で真のNCW能力を具現してくれるだろう。

合同作戦運用方案
陸軍の地上部隊は、近接航空支援 (Close Air Support: CAS) 及び海上火力支援 (Naval Surface Fire Support: NSFS) の協力を通じて、空地協同及び海地協同作戦を遂行することになるが、このためには、空軍及び海軍の武器システムまたは部隊とのKVMF TDL連結能力が要求される。

空軍の武器システムのうち、一部はLINK-16を導入して搭載することになるが、その他の近接航空支援参加勢力は、KVMF TDLとの直接または間接の連動能力が必要になるだろう。海軍はすでにLINK-11を事実上の標準データリンクとして運用しているが、今後、円滑な海上火力支援と上陸作戦支援のためには、KVMF TDL連動能力を整えなければならないだろう。

空地協同は、CAS任務時に陸軍戦力と空軍戦力との密接な協力が必要な分野だ。

まだ空軍の戦術データリンクに対する標準が議論になっており、一部の戦闘機はLINK-16を搭載しているが、他の航空機のデータリンクに対しては決定されていない。問題は、すべての航空機にLINK-16を搭載するには経済的負担が大きく、米国との輸出許可交渉も難航が予想され、LINK-16の国内開発も技術的にかなり難しく、負担が大きいという点だ。

万が一、KVMF TDLを空軍の戦闘機に搭載することになれば、陸軍との空地協同が非常に容易になるが、同じ空軍の武器システムに2種類のデータリンクが存在することになるために、空軍内の相互運用性の達成のための技術的ソリューションが追加的に開発されなければならないだろう。これは、MCRC (Master Control and Reporting Center: 中央防空統制所) または地上作戦司令部に派遣されたASOC (Air Support Operation Center) 部隊指揮所に、KVMF TDLとLINK-16間のData Forwarder処理器を通じた連動をさせることで解決が可能だろう。

海軍は、LINK-11を標準データリンクとして運用しているが、海上火力支援任務と上陸作戦任務の支援のためには、陸軍及び海兵隊との相互運用能力が必須だ。陸軍と海兵隊の地上作戦では、KVMF TDLを使うことになるために、海上火力支援と上陸作戦に参加することになる主要な海軍の武器システムには、KVMFとLINK-11間のData Forwarder処理器を通じた連動方案が要求される。

合同性の問題

KVMF TDLは、将来の陸軍の標準戦術データリンクになる見込みだ。合同作戦の所要が増大する将来の戦長では、空軍と海軍の戦術データリンクとの相互運用能力が要求される。

現在、合同参謀が進めている韓国型合同戦術データリンク (KJTDLSまたはTDL-K) は、その概念が定義されなかったが、現在は大きく2種類の形態の参照モデルが考慮されるだろう。一つは米軍のLINK-16データリンクと同級のTDL-Kを構築する方案と、もう一つはイスラエルのGlobal Linkのように主要指揮所にDFU (Data Forwarding Unit) を置いて、互いに異なるデータリンク間の翻訳機機能を遂行するようにして、多数のデータリンク網が相互連動するように構成する方案だ。

LINK-16級TDL-Kを構築しようとする場合は、費用面、技術面、そして政治的側面の考慮が要求される。LINK-16データリンクの重要な装備はJTIDSまたはMIDS装備だが、この装備は非常に高価であり、韓国軍全体にLINK-16ターミナルを購入して設置するには多額の予算が必要になると予想される。しかし、JTIDS/MIDS装備を国内で開発するには、時間と費用が途方もなく要求されるだけでなく、技術的、事業的な危険が非常に大きいと推定される。

JTIDS/MIDSターミナル装備の重要な技術は、時分割多元接続 (Time Division Multiple Access: TDMA) 技術と多層的セキュリティ (Multi-Layered Security: MLS) 技術だ。TDMA技術は、商用製品にも使われている、ある程度公開された技術であることから国内開発の可能性が比較的高いが、MLS技術は米国が外国に公開する可能性がほとんどない技術だと見なければならないだろう。

したがって、MLS技術の移転が成り立たないならば、LINK-16の最大の長所の一つである保安能力が保障されず、連合作戦時に米軍の武器システムとの直接連動が円滑にできないだろう。また、韓国は米国が定めた武器システム海外販売 (Foreign Military Sales: FMS) 優先対象国ではないために、LINK-16装備の購買自体も容易ではないだろう。

結局、韓国軍は、独自開発による合同戦術データリンクの構築が避けられない状況と見て、前述した理由などから、イスラエルのデータリンク構造を参照モデルとするのがより現実的になるだろう。また、海軍はすでにLINK-11を事実上の標準データリンクとして運用しており、陸軍もKVMFデータリンクを標準データリンクとして開発する予定なので、例え空軍の一部の航空機にLINK-16を搭載したとしても、現在運用している航空機と、今後、国内開発される航空機とを考慮すれば、KVMF TDL級の戦術データリンクを、空軍の暫定標準データリンクと見なして、TDL-Kアーキテクチャーを描いていくことが正しい方向になるものと見られる。

したがって、各軍の作戦司令部指揮所とMCRC、合同参謀指揮所などにDFUを置いて、LINK-11とLINK-16、KVMF TDLを連動させ、映像情報を収集する資産として運用する必要がある韓国型CDL (KCDL) とも連動できるTDL-K構造としなければならないだろう。

結語

KVMF TDLは、陸軍の標準データリンクとしてだけでなく、空軍と海軍、海兵隊の多様な武器システム、そして映像情報を除く各種の国家情報資産にも適用が可能な、費用対効果に優れた戦術データリンク技術だ。

画期的に通信容量を拡張できる技術が開発されない限り、地上及び航空武器に搭載された通信機の容量は制限的でなければならないだろう。このように制限された通信容量を持つ通信装備を使って戦術情報を交換し、戦術状況を共有してリアルタイムに指揮統制を可能にするデータリンクは、KVMF TDLが最も適したデータリンクに見える。将来、陸軍が真のNCW能力を達成し、増大する合同性能力の達成の基礎となるKVMF TDLの開発に、さらに多くの投資が要求される。

開発

2006年10月から2009年7月 応用研究
2010年から2012年8月 試験評価
2012年9月 開発成功

国防科学研究所主管の下、サムスンタレスが開発。

ニュース記事

「地上戦術データリンク」国内開発(2012.09.18)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=1&menuCnt=30911&writeDate=20120918&kindSeq=8&writeDateChk=20120918

防衛事業庁と国防科学研究所 (ADD) が、地上武器システム間で戦術情報を交換することができる地上戦術データリンクを国内技術で開発することに成功した。

事業庁は17日、「地上戦術データリンクの核心技術である可変メッセージフォーマット (KVMF: Korean Variable Message Format) と、関連するリンク技術及び装備を開発した」と明らかにした。

事業庁は「これにより、戦車・装甲車・ヘリコプター・無人機など40種余りの地上軍武器システムが、互いに文字に基づいた戦場情報をリアルタイムで交換することができる基盤を構築した」と強調した。

この日、開発事実が公開されたKVMFは、最新型装備はもちろんのこと、M48A5K戦車など旧型装備にも関連機器を設置すれば自由に文字情報を交換できるようにする技術だ。このような装備と技術は、特に、我が地上軍がネットワーク網を基に情報優位を確保し、これを戦闘力に転換するネットワーク中心戦 (NCW: Network Centric Warfare) を準備するのに大きな力になる見込みだ。

軍関係官は、「これからは、各武器システムの運用要員も文字などデータ情報を交換し、急変する戦場状況に素早く正確に対応して作戦を遂行することができる」とし、今回の開発の意味を説明した。過去には、野戦に配備された戦車や自走砲・ヘリコプターの運用要員が音声通信だけで情報を交換してきたが、すでにそのような水準の通信技術では不足するという意味だ。

ADDは、韓国軍の戦場環境に合致する地上戦術データリンク構築のための核心技術を開発するために、2006年から2009年まで応用研究を進めてきた。その後、2010年から2012年8月まで試験開発を遂行し、今回、最終開発に成功した。

地上戦術データリンクの関連機器は、ADDが技術開発を主管し、サムスンタレスがモデル製作を引き受けた。

特に、建国大学と世宗大学など、委託研究機関が得意とする研究分野の所要技術を研究し、産・学・研の協力システムの構築を通じて開発に成功したという点でより一層大きな意義がある。

ADDの関係官は、「今回、開発されたKVMFメッセージは、必要な資料項目だけを選択し、メッセージの大きさを最小化する可変サイズのメッセージ形式を採用したことで、より迅速なメッセージ伝送が可能になった」と技術的特徴を紹介した。

(2012.09.30.1)

ADD、「地上戦術データリンク」開発成功[ニューデイリー](2012.09.17)

ttp://www.newdaily.co.kr/news/article.html?no=123057

防衛事業庁と国防科学研究所は17日、地上武器システム間で戦術情報を迅速かつ正確に交換することができる「地上戦術データリンク (KVMF: Korean Variable Message Format) 」を、国内独自技術で開発するのに成功したと明らかにした。

国防科学研究所(以下、ADD)は、我が国の戦場に合致する地上戦術データリンク構築のために、2006年から2009年まで応用研究を進め、2010年から2012年8月まで試験開発を遂行したという。

ADDの話だ。
「地上戦術データリンクは、ADDが技術開発を主管し、サムスンタレスがモデル製作をした。建国大学と世宗大学など、委託研究機関は所要技術を研究、産・学・研の協力システムを通じて開発に成功したという点で、より一層大きな意義がある」



地上戦術データリンク・プロトコルは、監視・指揮統制・打撃システム間で、リアルタイムな情報流通を保障するための必須技術で、KVMFメッセージ標準及びデータリンク技術から構成される。

ADDは、2006年から米陸軍武器システムの標準メッセージ (VMF) を基に応用研究を始め、6年をかけてKVMF開発に成功したことを明らかにした。

既存のデータリンクは、不必要な項目も伝送され伝送時間が長い。反面、新たに開発したKVMFメッセージは、必要な資料だけを選択できる「可変サイズのメッセージ形式」を採用し、より素早いメッセージ伝送が可能だ。

ADDの説明だ。
「今回、KVMFの開発により、我が軍に合致する標準化されたKVMFメッセージを開発し、効率性を高めた。データリンク処理器と連動装備の開発を通じて多者間データ送受信が可能になり、40余りの武器システムに搭載することで、武器システム間の相互運用性を保障できるようになった」



KVMFメッセージ標準及びデータリンク処理技術は、戦車、装甲車、ヘリコプターはもちろんのこと、大隊級戦闘指揮システムなど40余りの地上戦術武器システムに搭載することになる。

事業庁とADDが開発したKVMFは、実は米軍の地上戦術データリンクを模倣したものだ。米軍は1960年代末からこのような地上戦術データリンクを開発し、かなり以前から使ってきている。映画などで見る空軍のAWACSと航空母艦、陸軍戦術部隊間でリアルタイムに監視及び通信が可能なのは、このような地上戦術データリンクを通じてなされているためだ。

現在、米軍は人工衛星と航空母艦、本土の司令部から第一線の小銃分隊まで続く戦術データリンクシステムを構築し、実際の戦闘に活用している。その一環として、各種スマート機器まで軍用として支給している。

(2012.09.30.1)

ネットワーク基盤、同時・統合戦遂行(2009.01.20)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=4&menuCnt=30911&writeDate=20090121&kindSeq=1&writeDateChk=20090120

陸軍「戦術データリンク」協議会開催

陸軍は15日、鶏龍(ケリョン)台会議室で、戦力発展業務に関連する部署と防衛事業庁、国防科学研究所、特殊戦司令部、海兵隊司令部、兵科学校、開発業者(サムスンタレス)関係者など50人余りが参加した中で「陸軍戦術データリンク」協議会を開催した。

陸軍戦術データリンクは、各種武器システム間で常に情報流通を可能にするデジタル情報交換システムとして、地上戦の基本概念である「ネットワーク基盤、同時・統合戦」遂行の核心要素ということができる。

陸軍の必要性提起により、防衛事業庁(の事業)承認後、2006年10月から国防科学研究所が米軍の可変電文様式 (VMF: Variable Message Format) を基盤として応用研究を進めている。

陸軍は、野戦と兵科学校の意見をまとめた後、韓国軍の作戦運用概念と武器システムに適合した標準メッセージを設計し、テキスト形式のメッセージをビット単位の可変長メッセージとして相互変換する処理器を開発している。

この日の協議会では、現在までの陸軍戦術データリンクの研究開発実績と2009年の推進計画に対する相互理解を図り、各分野別の支援及び協力事項などを討議した。

陸軍戦術データリンクの応用研究は今年7月まで終え、2011年まで試験開発後、2012年から武器システム別に戦力化を進める予定だ。

(2010.11.06.1)

デジタル戦術情報、武器システムにリアルタイム連動(2008.05.02)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/HearTypeView.jsp?writeDate=20080509&writeDateChk=20080502&menuCd=3004&menuSeq=4&kindSeq=5&menuCnt=30911

陸軍、戦術データリンク推進協議会開催

陸軍は先月29日、情報化企画室長主管により、陸軍本部で戦力発展業務に関連する部署と教育司令部、兵科学校、防衛事業庁、国防科学研究所、開発業者など80人余りが参加した中で、陸軍戦術データリンク推進協議会を開催した。

戦術データリンクは、デジタル戦術情報を武器システムにリアルタイム連動させるデジタル通信網であり、地上戦の基本概念である「ネットワーク基盤に基づく同時・統合戦」の核心要素だ。

陸軍戦術データリンクは、米軍の可変電文様式 (VMF) を基盤として、2006年10月から本格的に国防科学研究所で応用研究をしてきた。この日の協議会で陸軍は、戦術データリンクの開発と戦力化の必要性を強調し、国防科学研究所は1年にわたって進めてきた応用研究の実績を発表して、続いて戦力業務に関連する部署と各兵科学校が意見を述べた。

陸軍の関係者は、「陸軍戦術データリンクは、既存無線網の狭い帯域幅と可視線 (※1) が保障されないなどのデータ通信制限事項を解決すべきだ」として「これを解決するために、韓国軍の作戦運用概念と武器システムに適合した標準メッセージとテキスト形式のメッセージを、ビット単位の可変長メッセージとして相互変換する処理器を開発する予定」と説明した。

一方、陸軍と国防科学研究所は、陸軍戦術データリンク応用研究を2009年7月まで終了し、2011年まで試験開発後、2012年から武器システム別に戦力化を進める予定だ。

※1) 電子可視線:大気圏による反射、または、屈折の影響を受けない電子磁気波の通過経路。

(2010.11.06.1)










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