システムの名称

自動化防空統制システム (KADGE: Korea Air Defense Ground Environment)
┗中央防空統制所 (MCRC: Master Control and Reporting Center)

なお、MCRCはKADGEの意味で使われることが多多あるため、ニュース記事などを読む際には注意を要する。
すなわち、中央防空統制所 (MCRC) は自動化防空統制システム (KADGE) を実現するための主要な施設であり、そこで任務にあたっているのは、第30防空管制団第31または第32中央防空統制戦隊である。これは、例えば、KADIZ(韓国防空識別圏)に航空機が接近したので、中央防空統制所(正確には、中央防空統制所内に位置する戦区航空統制本部 (TACC) または戦区航空統制本部の指揮を受ける中央防空統制所)からスクランブルが発令されたという記事は、中央防空統制所で任務にあたっている第30防空管制団隷下部隊が1つの防空システム、すなわち、自動化防空統制システム (KADGE) をもって対処したと読まなければならない。

概要

自動化防空統制システム (KADGE)

防空レーダー及び外部システムを通じて収集された防空作戦資料をリアルタイムにコンピュータへ入力、処理及び表示して、探知、識別及び邀撃に必要な資料を自動または半自動で処理するMCRC及びMCRCと連結されたシステム。

中央防空統制所 (MCRC)

MCRCは、空軍の核心指揮統制システムとして、英語では Master Control and Reporting Center と呼ばれている。

このような自動化防空統制システム (KADGE) は、現在、北部(烏山・オサン)または南部(大邱・テグ)に分かれて作戦を遂行することができるように、それぞれ別個のシステムとして構築されており、必要時、双方のシステム間で航跡情報を交換することができるように、相互補完体制が構築されている。

MCRCは、韓国防空識別区域 (KADIZ) 内のすべての空中移動物体に対する探知が可能で、探知された航跡に対しては、敵味方識別を通じて敵性航空機と確認されれば、戦闘機または防空砲兵戦力を利用して対応することができるように、365日24時間、常時対応体制を維持している。

また、全国のレーダー基地から資料を受信してコンピュータで総合し、迅速・正確に作戦コンソールに表示して防空作戦を遂行し、関連部署に空中状況を伝え、指揮官の指揮統制を支援することができるように造られたシステムである。


[MCRCシステム連動構成図]

MCRCシステムは、新型第1 MCRC (※1) システムと、改良型第2 MCRC (※2) システムを中心に、レーダーサイト、前方監視所、飛行作戦本部、航空交通統制所、気象戦隊などから、レーダー資料を含む作戦関連資料を受信する。

受信された作戦関連資料は、MCRC内部の中央コンピュータで処理し、飛行部隊、情報処理機構、防空砲兵作戦統制所、空軍本部、戦区航空統制本部 (TACC)、首都防衛司令部状況室、首都圏防空作戦統制所、航空支援作戦本部 (ASOC)、空軍C4Iシステムとの連動を通じてリアルタイムに作戦を遂行する。

また、他の作戦システムである海軍戦術情報処理システム (KNTDS) 及び韓米連合作戦のための連合連動統制所 (JICC) とも、連動を通じてデータを送受信する (※3)。

MCRC(北極星)事業 (※4) は、現在の老朽化した第1 MCRCシステムのソフトウェア及びハードウェアを新型に入れ替えて、戦術データリンク (TADIL-J) 能力を具備する事業で、06年12月、サムスンSDS(及びタレス・レイセオン・システムズのコンソーシアム)と契約を締結して開発が進められ、システム開発完了後は開発されたソフトウェアを第2 MCRCに移植して、双方のシステムが同じ性能を備えるようにする事業である。

MCRC老朽装備入れ替え事業完了後は、TADIL-Jを通じて、新型武器システムである空中早期警報統制機、F-15K、SAM-Xなどとも、連動を通じて作戦を遂行する予定である。

※1) 作戦司令部とともに米烏山空軍基地内に位置する。米韓両空軍が管制にあたり、韓国空軍のコールサインは「WATCHMAN(ウォッチマン)」、米空軍(管制は第621航空管制中隊)のコールサインは「COBRA(コブラ)」。なお、正確には米烏山空軍基地は烏山市ではなく、隣の平沢市松炭地区(旧松炭市)にある。
※2) 双龍情報通信と米レイセオン (現タレス・レイセオン・システムズ: TRS) のコンソーシアムが構築。入札には当時の仏トムソン(現仏タレス)も参加した。コールサインは「ACACIA(アカシア)」。
※3) KNTDS及びJICCとはTADIL-B (Link-11B) により情報交換。
※4) MCRC老朽装備入れ替え事業の別名。事業内容からすれば、KADGE更新(改良)事業とも言える。また、これにより米ヒューズ及びその事業を買収した米レイセオンが一貫してMCRC事業にかかわることになった。
補1) 第1 MCRCは第30防空管制団第31中央防空統制戦隊が運営にあたり、第2 MCRCは同第32中央防空統制戦隊が運営にあたっている。また、これらを補佐するものとして、2008年7月1日、同第33及び第34防空統制戦隊が創設された。ともに戦区航空統制本部 (TACC) の下部組織。
補2) 222フォーマット
 韓国軍独自のメッセージ形式として開発され、レーダーサイトからMCRCへ航跡資料を伝送するフォーマットとして使用されている。
補3) RTDS (Real-Time Display System)
 MCRCで選択された航跡情報を、合同参謀、各軍本部、飛行団及び陸上部隊に設置されたコンピューターモニターにリアルタイムに表示する航跡表示システム。
補4) ATDL-1 (Army tactical data link-1) またはLink-1
 防空作戦統制所 (AN/TSQ-73) からMCRCへはLink-11Bを使って情報が送られ、MCRCからHAWK部隊へは、MCRCに設置されているLink-11B/ATDL-1ゲートウェイを経由して、ATDL-1を使い情報が送られる。
補5) いわゆる北極星事業は、韓国型合同戦術データリンク(KJTDLS) 事業を目的とした技術取得のために、防衛事業庁からオフセット事業に指定され、技術移転の割合は最低30%以上とされた(通常、価格:技術は80%:20%)。そのため、入札に際しては価格より技術移転の内容が評価された。

(2007.02.23作成)
(2010.12.01.7)

開発

  • 1983年 米ヒューズ社から導入。同年、第31中央防空統制戦隊創設
  • 1985年07月01日 KADGE運営開始(第1 MCRC稼動開始)
  • 1988年01月01日 完全自動化体制に移行(試験運営終了)
  • 2003年05月01日 第2 MCRC稼動開始
  • 2010年04月01日 新型第1 MCRC稼動開始
  • 2010年12月01日 改良型第2 MCRC稼動開始

その他

▼空軍第30防空管制団所属の作戦要員が、新型第1 MCRCを操作している様子。


▼旧型第1 MCRCの様子。コンソールは1979年製とのこと。
  


▼改良型第2 MCRCの様子


▼旧型第2 MCRCの様子



防衛事業庁による解説
  • 中央防空統制所 (MCRC)
    ttp://www.dapa.go.kr/open_content/images/atg/pdf/001/3-6.pdf
合同参謀本部による解説
  • 韓国的戦術データリンクの発展方向
    ttp://www.jcs.mil.kr/upload/magazine/332_24_24.pdf
  • 予備中央防空統制所 (AMCRC: Alternate Master Control and Reporting Center)
    有事の際に中央防空統制所 (MCRC) を代替する。

ニュース記事

空軍技術で国防予算129億ウォン節約[アジア経済](2011.11.14)

ttp://www.asiae.co.kr/news/view.htm?idxno=2011111410232245558

空軍がソフトウェアの改造だけで129億ウォンの予算を節減した。今回のソフトウェアは、北朝鮮の弾道ミサイル邀撃システムの核心と指折り数えられる技術だ。

防衛事業庁は14日、「空軍は、北朝鮮の弾道ミサイル邀撃システムの誘導武器 (SAM-X) 事業の1つとして進めている烏山(オサン)中央防空作戦統制所 (MCRC) のソフトウェア改造事業を、米国政府による技術主導から自主技術に変更することにした」と明らかにした。

空軍は、ドイツから購入したパトリオット (PAC-2) ミサイルによる1次邀撃に失敗した際に、射程距離40kmのホークミサイルと情報を連動させて2次邀撃を行う大隊作戦統制 (ICC: Information Coordination Center) システムをMCRC内に構築するために、MCRCの核心ソフトウェアを改造する事業を進めている。

このため、事業庁と空軍が米国政府と事業範囲や改造方法などについて協議した結果、米側は150億ウォンを要求した。
 
事業庁の関係者は、「空軍側は、これまでのMCRC改良事業を通じてソフトウェア関連の技術力が蓄積されており、自主技術力でも十分に改造が可能であると判断した」として「改造費用も、米側が要求した150億ウォンの14%にあたる21億ウォンに過ぎず、129億ウォンの予算節減効果がある」と説明した。
 
また、「米側に事業を任せると、MCRCの核心装備を渡してソフトウェアを改造するために、技術流出の可能性も心配された」として「しかし、このような可能性がなくなり、空軍が自主的に行うことで期間も9か月ほど短縮するものと予想している」と話した。

(2011.11.14.1)

7月に韓中国防相会談 軍事ホットラインなど協議[KBS](2011.05.06)

ttp://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_Po_detail.htm?No=39625&id=Po&page=9

国防部は、金寛鎮(キム・グァンジン)長官が7月に中国を訪問し、中国の梁光烈国防相と会談する方向で調整を進めているということです。

国防部の関係者が6日、明らかにしたところによりますと、韓国の金寛鎮(キム・グァンジン)長官が7月に中国を訪問する方向で中国との間で調整が進められており、訪問の際には金寛鎮長官と梁光烈国防相が会談し、国防相間の「軍事ホットライン」の開設などについて協議する予定だということです。

韓国と中国は2008年11月に、海軍と空軍の間のホットライン設置に関する覚書を締結し、韓国の第2艦隊司令部と中国の北海艦隊司令部、韓国の第2中央防空統制所と中国の済南空軍指揮所の間にホットラインが設置されていますが、国防相同士のホットラインはまだありません。

また、両国の将校が相手の国の陸海空軍大学で1年間研修するプログラムを作ることについても検討が進められているということです。

ただ、この問題については、中国は韓国に対して、韓国が台湾との間で進めている将校交換研修プログラムの中断を要求しており、7月の国防相会談で合意できるかどうかは不透明な状況です。

KBSワールド日本語版

大邱基地、第2 MCRCシステム戦力化(2010.12.01)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=2&menuCnt=&writeDate=20101201&kindSeq=1&writeDateChk=20101201

空軍第30団、空中監視・統制「千里眼」得て


空軍第30防空管制団隷下第1中央防空統制所で、将兵らがMCRC装備で防空作戦を遂行している。
空軍は30日、第2 MCRCを取得したことで、韓半島全域を綿密に空中監視・統制できる「千里眼」を得た。

空軍の第2中央防空統制所 (MCRC) が、4年間にわたる性能改良事業を終えて、戦術データリンクシステムを備えた最先端システムとして新たに出発した。これにより空軍は、年初に戦力化した第1 MCRCとともに、韓半島全域を綿密に空中監視・統制できる「千里眼」を得た。

空軍第30防空管制団は30日、「大邱(テグ)基地で新型2 MCRCシステムの最終的な引渡しを受けて、その後、安定化段階を経てから戦力化する計画」として「これにより、2006年から始められた第1・第2 MCRC性能改良事業は成功裏に終了した」と明らかにした。

空軍は引き続き、「自動化防空統制能力を具備した第1・第2 MCRCを通じて、空中監視、航跡識別、戦術措置及び邀撃管制能力の向上はもちろん、有事の際にシステムの生存性を最大化できることになった」と説明した。

MCRCは、大韓民国領空を含む防空識別区域 (KADIZ) の空中状況資料を中央集権的に総合して、航跡識別、空域監視・統制、邀撃管制、武器運営・通信などの任務を遂行する空軍の中枢となる航空統制システムだ。我が空軍が新たに導入したMCRCシステムの最大の特徴は、戦術データリンクシステムの導入だ (※1) 。これにより、味方はもちろん、敵軍の航跡を初めとする韓半島全域のリアルタイム空中状況情報を連動して、防空管制部隊と飛行部隊など関連部隊が共有することができる効率的な作戦統制能力を備えることができた。第1 MCRCは、すでにこのような方式で、F-15K戦闘機などと連動して戦術データを効率的に交換している。

これとともに第2 MCRCシステムは、「クロステル (Crosstell) 」機能を備え (※2)、空中状況を第1 MCRCとリアルタイムに交換して、作戦統制の効率性向上はもちろん、有事の際に生存性も最大化できると期待されている。

※1) Link-16のこと。
※2) Crosstell 以前はLink-11Bが使われていた。なお、Crosstellの詳細は不明。

(2010.12.01.1)

空軍「自動化防空統制システム」本格稼動[KBSニュース](2010.12.01)

ttp://news.kbs.co.kr/tvnews/newsplaza/2010/12/01/2202570.html

<アンカーコメント>

北朝鮮の追加挑発に備えて軍が最高の対備態勢を維持する中で、我が空軍の自動化防空統制システムが本格稼動している事実が確認されました。

このシステムは米軍システムと連動して、現在、韓半島上空にはクモの巣のような監視網が敷かれています。

キム・ハクチェ記者の単独報道です。

<リポート>

我が空軍のF15K戦闘機は、最新武器で重武装したまま哨戒飛行と対備態勢を維持しています。

この戦闘機は2か所のMCRC、すなわち中央防空統制所から敵機の各種状況情報の提供を受けることになります。

今年4月の第1 MCRCに続き、最近、第2 MCRCも自動化防空統制システムを本格稼動したことが確認されました。

このシステムは、統制所とレーダー基地、そして我が軍機のすべての電子システムをリアルタイム・ネットワークに連結する装備です。

このシステムが稼動したことで、韓半島を中心に縦横1900Km、高度30Km上空にあるすべての飛行体を、統制所が把握できるようになりました。

さらに、パイロットに音声で伝えられていた敵機と敵陣の状況がデジタル情報として提供されるため、作戦能力も倍加されました。

当初、このシステムは、安定化段階を経て来年3月に本格稼動する予定でしたが、延坪島に対する砲撃挑発によって戦力化を操り上げたことがわかりました。

<インタビュー>
ヤン・ウク(韓国国防安保フォーラム研究委員)
2012年にAWACSが導入されれば、この機体と連動して、全領空にわたって死角地帯なく航跡を捉えることができるようになります。

軍はこのシステムが稼動すれば、北朝鮮の空中挑発が予想される場合、事前抑制能力を大きく向上させるものと判断しています。

(2010.12.04.1)

韓半島上空を監視するMCRCはどのようなところ?[ニューデイリー](2010.10.27)

ttp://www.newdaily.co.kr/news/article.html?no=59969

韓米連合軍の防空統制所、今までごく少数の人々だけ見学
国内あちこちに韓米連合軍地下壕存在、大統領府地下壕は「災難対応用」

国防部は27日から2日間、国防部出入りの記者団を対象にした安保現場見学を実施中だ。この日程には、チョンアン艦と同じ哨戒艦 (PCC) 、214級潜水艦、海軍第9戦団など、これまでマスコミにも詳しく公開されなかった施設が含まれている。その中で最も世間の注目を集めるのはMCRCの見学だ。

韓半島周辺上空を見抜く「眼」

MCRCとは「Master Control and Report Center(中央防空統制所)」のことだ。MCRCは、韓半島上空のすべての飛行機の航路、情報などを統制する。今回、見学対象となった大邱(テグ)MCRCは「第2 MCRC」と呼ばれる。「第2 MCRC」は2002年から任務を開始した。コールサイン (Call Sign) は「アカシア」だ。

「第1 MCRC」は烏山(オサン)米第7空軍基地内に位置する。1985年完工し、当時、米本土司令部はもちろんNATO司令部までもリアルタイムに情報が共有されるということで関心を集めたことがある。2006年からは老朽化した施設と大邱第2 MCRCとのデータ連動のために、1,340億ウォンの費用を投じてソフトウェア・アップグレードを進めている。コールサインは「ウォッチマン」だ。

これらMCRCは、国防改革によって南部作戦司令部と北部作戦司令部にわかれて、それぞれ該当空域の管理を担当している。大部分の人々は見過ごすことだが、MCRCは「軍指揮バンカー」はもちろん海軍のKNTDSとも連動されるように設計されている。

MCRCの特徴の1つは、韓米両国軍が共同で空域管理をするという点だ。10,000ft(約3,300m)以上の高度は米軍が、それ以下の高度は韓国軍が管理する。民間管制所もまた、これらMCRCと緊密に協力する。

航空機は自動車とは異なり、普通800km/h以上の速い速度で飛行するため、肉眼で他の飛行機を確認してから動こうとすれば、大きな事故が起きる可能性が高い。特に、軍用航空機は速度が速く、訓練中は自由に機動するため、民間機が「作戦区域」に入ってくることになれば、事故の危険性が非常に高くなる。そのため、MCRCの役割は大変重要だ。

重要だから地下に隠した「バンカー」

MCRCと密接な関係を持ち、韓米連合軍を支援するところもある。在韓米軍のKCOIC(韓国戦闘作戦情報センター)と、韓米両国軍が共同運営するCACC(韓米連合分析統制センター)が代表的な例だ。
KCOICは「Korean Combat Operations Intelligence Center」の略称だ。この施設は、米空軍のU-2S偵察機とKH系列の偵察衛星から韓国軍の情報司令部に至るまで、多様な経路から収集した韓半島周辺の情報を融合して、これを韓米両国軍首脳部に伝達するところだ。

しかし、これらの施設は今までマスコミにほとんど公開されなかった。大邱の第2 MCRCは韓国軍施設なので、社会の主要な人士などの見学の際には公開されることもあったが、KCOICやCACCは一般人はもちろん、軍関係者もまた、特別な保安措置を取らなければ出入りが不可能な「保安施設」だ。

これと類似の秘密施設はまだある。有事の際に国家指揮所として使われる、別名「地下バンカー」だ。現在、我が国には5か所以上の「地下バンカー」があることが知られている。その中で最も有名なのが「CPタンゴ」と「B-2バンカー」だ。「CPタンゴ (Tango) 」は京畿道○○○付近に、「B-2」バンカーは龍山(ヨンサン)国防部地下にある。

「CPタンゴ (Tango, Theater Air, Naval, Ground Operation Command Post) 」は、有事の際に戦争指揮所として使われ、「B-2」バンカーは平時、韓国軍指揮所として運営されている。特に「CPタンゴ」は、KCOICやCACCよりさらに多くの情報を取り扱うことができる「SCIP」という施設を運営中であることが知られており、一時、人々の関心を集めることもあった。この「SCIP」には、軍高位将軍でも簡単に出入りできないという。

「米第8軍バンカー」として知られた「CCソウル」もある。龍山米軍基地内にある「バンカー」で、実際には韓米連合司令部が運営する。1979年、12.12当時、ノ・ジェヒョン国防長官が身を隠したところとしても有名だ。「B-1」バンカーは、国軍首都防衛司令部が管理する韓国政府の戦争指揮所だ。今まで歴代大統領が各種国家訓練時にこのバンカーを訪れた。

これら「地下バンカー」の位置は、数多くの予備役とマスコミの報道によって、一般人にもその概略は知られている。しかし、今でもその位置がよくわからないバンカーもある。「オスカー」というバンカーだ。これは戦争勃発後、韓米連合軍が漢江(ハンガン)以北(38度線以北)で北朝鮮軍を阻止できなくなって退却する場合に使われる戦争指揮所だ。一部の左派人は「米国は大邱の「キャンプ・ウォーカー」にあるオスカーバンカーで在韓米軍を総括指揮する」と主張する。しかし、一部では「オスカー」が烏山基地内にあると主張する声もある。

現在、韓米両国軍は、2015年まで新たに京畿道平沢市の在韓米軍基地内に「韓国戦闘司令部 (KORCOM) 」指揮所を造るという。この施設は、敵の核攻撃にも耐えられるように建てられる予定だという。

一方、2003年、NSC事務局が主導して作った別名「大統領府地下壕」は、先立って説明した「バンカー」に比べて、規模、施設や情報収集及び処理能力が大きく劣る。任務もまた、戦争など国家危機状況に対処するのではなく、災難災害に対応する水準でしかない。

(2010.12.04.1)

(7) 空軍航空統制兵と24時間眠らない目、領空防衛「パーフェクト」(2010.09.10)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=2&menuCnt=&writeDate=20100910&kindSeq=3&writeDateChk=20100910

兵科、そこが知りたい


6月30日、初飛行を無事に終えたE-737早期警報統制機、別名ピースアイ (Peace Eye) 。

空軍航空統制兵は、1955年3月25日、空軍参謀総長主管により執り行われた邀撃統制士教育修了式を通じて、我が国最初の邀撃統制士(現防空武器統制士)を輩出し、祖国の領空守護のために防空管制任務の第一歩を踏み出した。航空統制兵科の任務は、空軍技術力の集約体であると同時に最先端の空中監視自動化システムでもある、2つの中央防空統制所 (MCRC: Master Control and Reporting Center) を基盤として、大韓民国全域の領空を監視し、有事の際に敵機を識別、我が軍の戦闘機が敵機を邀撃して帰還するまでの全過程を支援する任務を遂行している。

■ 空中戦闘邀撃管制能力を最大化

毎年開かれる空中戦闘邀撃管制大会は、1980年に開催されて以来、今年で31回目を迎えた。この大会の目的は、防空武器統制士と統制技士が、個人の技量を維持し向上させると同時に、統制士と統制技士間のチームワークの向上も図ることで、有事の際に空中戦闘邀撃管制能力を最大化させることにある。大会は、個人の技量評価として最優秀防空武器統制士及び統制技士の分野(各1人)と、統制隊(空中監視及び邀撃管制任務遂行の大隊級単位)に対するチームワーク評価の分野(1チーム)など、3つの分野から構成される。1980年、最初の最優秀防空武器統制士に選ばれたムン・テイン少領(予備役大領)を初め、今年開催された大会の最優秀防空武器統制士であるソン・ジェホン大尉に至るまで、31回の大会期間中、全49人の最優秀防空武器統制士が輩出された。

■ 実戦・科学的な訓練を通じて専門性を強化

すべての空中監視と邀撃管制任務は、自動化システムにより運営されている2つのMCRCで総括している。戦時、敵の電子戦攻撃 (EMP Shockwave) や爆撃などにより、MCRCの空中監視機能が長期間中断される場合に備えて、航空統制将兵分散配備訓練を実施している。これは、航空統制将兵が、全国各地に散らばっている手動管制部隊に迅速に移動して、作戦及び任務遂行能力を確保するための訓練であり、最短距離を利用して、最短時間内に作戦機能の回復及び作戦遂行能力の確保を目標にしている。このため、輸送ヘリコプターを利用し該当レーダー部隊で迅速な展開訓練を繰り広げると同時に、仮想敵機が浸透した状況を設定して、間欠的な敵機捕捉・喪失状況を想定し、戦時のような状況で領空監視及び邀撃管制作戦を遂行することで、実戦的な作戦能力の向上を図っている。これとともに、戦時、最前線に位置している管制部隊が、被爆及び敵の空襲により作戦能力を喪失したときに備えて、後方にある管制部隊の移動型レーダーを他の管制部隊に移動させて、作戦能力を回復する訓練も実施している。

■ 精密な管制を痛感、亡命機誘導作戦

MCRCは、空中監視、航跡識別、戦術措置、邀撃管制の任務とともに、敵性機の帰順(亡命)意思を迅速に把握し、精密な管制を通じて安全に誘導して着陸させる任務も遂行する。1983年李雄平(イ・ウンピョン)大尉と1996年李哲数(イ・チョルス)大尉など、北朝鮮の戦闘機パイロットが搭乗していたミグ機の帰順意思を早期に把握して、第10戦闘飛行団によって誘導、安全な着陸を助けた。この他にも、1982年と1983年、1986年には中国の亡命機の着陸を誘導し、1983年にはハイジャックされた中国のジェット旅客機を春川飛行場に誘導、着陸させたこともあった。

■ E-737空中早期警報統制システムを具備

2011年から2年をかけて4機が導入されるE-737早期警報統制機、別名ピースアイ (Peace Eye) は、120人乗りのボーイング737旅客機を改造して、胴体の上には多目的電子走査式レーダー (MESA) を、機体中には各種レーダー操作コンソールを設置した「韓国型E-737」早期警報統制機だ。6月30日、初飛行を無事に終えたピースアイの航続距離は約7000km、41,000ft上空で最大8時間以上も警戒飛行ができる。また、搭載されたMESAレーダーは、370km外の航空機を探知することができ、性能試験中には480kmの距離にある目標を探知したこともあった。360度全方向監視が可能なピースアイは、MCRCに構築が完了した戦術データリンクシステムであるLink-16と連動して、地上レーダーで探知が難しい低高度及び長距離の空中監視システムを補完することで、完璧な全方向の領空監視体制の確保に大きな役割を果たすものと期待される。

Link-16は、各種の指揮統制システムと武器システムとの間で、リアルタイムに双方向デジタル情報交換が可能な先端デジタル通信技術の要諦だ。空軍は、急変する戦場環境と現代戦の核心概念であるネットワーク中心の戦い (NCW) に対応するために、昨年12月、MCRCにLink-16を構築した。

防空武器統制士と3次元の空間で任務を遂行するパイロットとの間で、効果的な任務遂行を後押ししているLink-16の持続的な研究・発展のために、4月、国防科学研究所 (ADD) と韓国国防研究院 (KIDA) の戦術データリンク分野の専門家約50人を招いてセミナーを開催するなど、システム発展のために持続的な努力を続けている。

■ 将来の戦場を主導、航空宇宙統制力を確保

航空宇宙統制能力とは、既存の空中 (Aerial) 概念から宇宙 (Aerospace) へと拡張された空軍の戦場概念であり、主要戦力を効果的に統制できる人員の専門化と装備の最新化及び任務完遂のための諸般要素が統合された能力を意味する。ここで航空統制兵は、将来の戦場の核心軸として重大な責任を引き受けることになる。将来の戦場が持つ拡張された活動領域で、より完璧に任務を遂行をするために、既存の地上防空レーダー、移動型レーダー及びピースアイ、対弾道ミサイル探知レーダー、超水平線レーダーなどを効率的に統合して、韓半島を含む監視圏の空中状況を主導的に管理することができるように準備している。

2012年、空中早期警報統制機事業が終了してピースアイが戦力化されたなら、空軍第30防空管制団は、戦術データリンクシステムにより統合された防空システムを基盤として、地上防空システムの弱点を補完し、遠距離監視及び早期警報能力を最大化できる方向へと発展するものと見込まれる。

このような発展に合わせて、専門化された人材養成と管理を可能とする制度化を模索し、主任務の遂行条件の保障のために兵営施設の近代化と将兵の福祉を向上させることが第30防空管制団と航空統制兵の重要なビジョンの中の1つだ。また、韓半島を偵察する潜在敵国の宇宙活動を拒否して我が国の衛星を保護するために、電子光学監視及びレーダー監視システムを構築するなど、宇宙監視能力の建設を最大の目標にしている。

空軍航空統制兵と沿革
ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=2&menuCnt=&writeDate=20100910&kindSeq=4&writeDateChk=20100910

1955.03.25 空軍航空統制兵科創設
1955.09.01 第30飛行管制警報大隊創設
1957.07.01 第30管制警報戦隊創設(昇格/増編)
1963.09.10 第30防空管制団創設(昇格/増編)
1965.09.01 防空管制装備近代化事業
1968.06.13 防空機構近代化事業全面竣工
1978.08.01 AN-TPS-43移動レーダー運営開始
1983.04.01 移動レーダー複合改造の後、運営開始
1983.07.15 第31中央防空統制戦隊創設
1985.07.01 自動化防空体制 (MCRC) 運営開始
1987.04.01 3次元長距離レーダーを配置
1993.10.15 4個管制部隊をSENSOR部隊へ転換
2000.08.01 第32中央防空統制戦隊創設
2003.05.01 第2 MCRC自動化防空体制運営開始
2003.12.20 新型移動レーダーAN-TPS-77に代替
2005.07.01 第1 MCRC自動化防空体制20周年
2008.07.01 第33・34防空統制戦隊創設
2008.07.29 航空統制の日を制定
2010.04.01 第1 MCRC新型システム作戦開始


(2010.09.14.2)

新型MCRC<中央防空統制所>システム、初の運用(2009.12.29)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=2&menuCnt=30911&writeDate=20100107&kindSeq=2&writeDateChk=20091229

空軍第30防空管制団、3年の入れ替え事業を終えて2010年に戦力化

1985年から運用されてきた空軍第1中央防空統制所 (MCRC) の老朽化した設備が、3年間にわたる入れ替え事業を終えて、今月24日から初の作戦運用に入り、2010年4月に戦力化される。

空軍第30防空管制団は27日、「今月24日から新型第1 MCRCが初の作戦運用に入った」ことを明らかにして、「作戦運用とは、新型MCRCシステムが我が空軍の要求条件を全て充足し、業者からシステムを受領して、初の航空統制作戦を行うことをいう」と説明した。

第30団では、「これから3か月間のシステム安定化期間を通じて、作戦要員が新しいMCRCシステムに適応しながら、作戦遂行中に改善すべき事項などを把握して、システムを安定的に運用できるように基盤を固める」と説明して、「2010年4月に戦力化される予定」と明らかにした。

新型第1 MCRCの最も大きな特徴は、地上指揮統制システムとしては初のLink-16戦術データリンクの運用環境を導入したという点だ。

Link-16は、F-15K戦闘機、パトリオット作戦統制所、空中早期警報統制機 (E-737)、海軍イージスシステムとの連動を支援する戦術データリンクだ。韓半島全域の敵味方の航跡を初めとするリアルタイム状況情報を連動部署間で共有できるために、効率的なデジタル作戦の統制も可能になる。

米空軍の戦術データリンク戦闘の実験結果によれば、任務に出た航空機がLink-16を通じたデジタル統制を受ける場合は、音声統制方式に比べて、最大3.8倍以上の状況認識と任務の効率性が向上することが明らかになっている。

空軍は、今年6月から第1 MCRCの運用試験評価を実施し、厳正な基準と手続きを通じて新型MCRCシステムの実際の作戦遂行能力を検証し、適合判定を経て24日に業者から受領した。

2010年4月の戦力化に続き、今後、第2 MCRCの性能改善が完了する来年12月以降には、両MCRC間は「Crosstell」というデータリンクを通じてリアルタイムに情報交換が可能になる。この段階になれば、空中の状況だけでなく、各種の武器状態と交戦状態もリアルタイムに交換でき、作戦統制の効率性の向上はもちろん、有事の際にMCRCの生存性も高まるものと期待される。

クォン・オソン(少将)第30団長は、「新型第1 MCRCが保有するシステムは世界最高水準であり、作戦要員の作戦運用能力もまた世界最高と言える」として、「全将兵は新型第1 MCRCの作戦運用開始に歩調をそろえ、防空システムの格を一段階上昇させるという心掛けで領空監視任務に完璧を期するだろう」と話した。

(2010.09.14.2)

空軍60周年の足取(2009.09.28)

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自動化防空システムの構築(1985年7月1日)
空軍自動化防空システムである中央防空統制所 (MCRC) が防空作戦を開始した。以前は、全国各地に位置するレーダーサイトから、区域別に手動装備を利用して空中監視、識別、邀撃管制などの任務を行っていた。MCRCは、空軍の「眠らない眼」であり「中枢」だ。これを通じて、戦区航空統制本部の中央集権的な戦力運営もより強力なものとなった。

(2010.10.06.1)

戦闘機シミュレータ搭乗体験(2009.07.10)

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空軍第30防空管制団

中央防空統制所 (MCRC) に勤務する防空武器統制士が、戦闘機シミュレータに搭乗した。

空軍第30防空管制団第31中央防空統制戦隊所属の防空武器統制士と防空武器統制技師11人が2日、空軍第20戦闘飛行団で戦闘機シミュレータ搭乗体験行事を行い、パイロットの飛行任務と環境に対する理解を高めた。

防空武器統制士とパイロット間のチームワーク向上に目的を置いたこの行事は、昨年初めて開催され、今年は将校である防空武器統制士だけでなく、副士官の防空武器統制技師と空中監視手までその対象を拡大して行われた。

体験した防空武器統制士ユン・ジュンサン (31) 大尉は、「パイロット席に座り、数多くの情報を同時に処理して、飛行任務を遂行することがどれほど難しいことなのか、改めて体験することができた」として、「MCRCで邀撃管制任務を遂行するときは、パイロットの立場と飛行環境を理解して作戦に臨む」と話した。

(2010.10.06.1)

中央防空統制所、入れ替え事業を議論(2007.01.15)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/HearTypeView.jsp?writeDate=20070117&writeDateChk=20070115&menuCd=3004&menuSeq=1&kindSeq=1&menuCnt=30911

防衛事業庁大会議室において

空軍の第1中央防空統制所 (MCRC) を新型システムに入れ替えるMCRC老朽装備入れ替え事業のための着手会議が12日、防衛事業庁大会議室で開催された。

MCRC老朽装備入れ替え事業は、2005年10月11日の事業計画公告以降、2度の提案書評価過程と交渉を通じてサムスンSDS(株)が最終的な主契約業者に選ばれ、昨年12月22日に契約が締結され、この日の事業着手会議を通じて本格的な開発作業に入ることになった。

この事業は、2006〜2010年の間に、現在、空軍で運用中の老朽化した第1 MCRCを新型システムに入れ替えて、2003年に戦力化された第2 MCRCシステムに戦術データ情報処理機能を追加する事業だ。

この事業を通じて、1985年に戦力化されたMCRCシステムが最新化されるだけでなく、第1・2 MCRCシステムに最新の戦術データ情報処理機能が備わることにより、空軍の防空地上統制システムが、1段階発展して領空防御に大きな役割を果たすことが期待される。

(2010.09.23.1)

第1中央防空管制センター (MCRC) 入れ替え事業本格化[デジタルデイリー](2007.01.14)

ttp://www.ddaily.co.kr/news/news_view.php?uid=19620

事業庁、12日に事業着手会を開催

昨年、国防情報化事業のうち最大規模として関心を集めた空軍第1中央防空管制センター (MCRC) 老朽装備入れ替え事業が本格的に始まる。

14日、関連業界によれば、防衛事業庁は昨年12月22日、優先交渉対象者だったサムスンSDSと最終契約を締結して、今月12日、事業庁大会議室で着手会議を開催し、事業の本格的な開始を知らせた。

MCRC老朽装備入れ替え事業は、2006年から2010年まで、現在、空軍で運用中の老朽化した第1 MCRCを新型システムに入れ替えて、2003年に戦力化した第2 MCRCシステムに戦術データ資料処理機能を追加する事業だ。

特に、今回の事業を通じて、1985年に戦力化されたMCRCシステムを最新化するだけでなく、第1・第2 MCRCシステムに最新の戦術データ資料処理機能を付加することで、空軍の防空地上統制システムが一段階アップグレードすることが期待されている。

また、事業者であるサムスンSDSは、海外協力業者であるTRS (Thales Raytheon Systems) との共同開発及び技術移転を通じて、新型防空網構築技術と戦術データリンク構築技術を蓄積することで、今後、国内独自技術として関連事業を遂行できる能力を有すると予想されている。

この日、着手会議で事業庁は、サムスンSDSに対して、開発管理に万全を期して軍の要求を充足するシステムを開発してくれるように話し、これに対してサムスンSDSは、重大な国防事業が成功裏に完了するように最善を尽くすことを明らかにした。

(2010.12.04.1)

「MCRC事業、TRSに振り回されることはない」[デジタルデイリー](2006.10.31)

ttp://www.ddaily.co.kr/news/news_view.php?uid=16765

キム・ヨンジュン サムスンSDS戦略事業団長、「業務範囲を明確に区分」

今年、軍情報化の最大事業として関心を集めてきた空軍本部第1中央防空管制センター (MCRC) 老朽装備入れ替え事業の優先交渉対象者として、サムスンSDS − タレス・レイセオン・システムズ (TRS) コンソーシアムが選ばれ、約1か月の交渉期間を経て、12月から本格的な事業が進められる予定だ。

特に、サムスンSDSの総責任者として今回の受注戦を陣頭指揮したキム・ヨンジュン戦略事業団長は、一部での「海外業者に事業の主導権を渡した」という声に対して「TRSに振り回されることはない」と言い切った。

キム・ヨンジュン団長は、「TRSとは初めから4,000万ドル以下で交渉を始めたが、業務範囲を明確にしただけで、事業の主導権が海外業者に渡るという見解は誤り」として「TRSも今回の事業で誠実に義務を履行する」と話した。

また、技術移転水準と関連しても、TRSがこれまでの立場より踏み込んだ水準を提示したことを明らかにした。

キム団長は、「大邱MCRCの場合もソースコードを我が空軍にオープンにしたし、今回の事業でもソースコードをオープンにすることにした」として「技術ノウハウ確保を大前提に、データリンク・システムはサムスンSDSがすることに、TRSと業務区分をした」と説明した。

これにより、ソフトウェア開発が中心になる事業初期には、サムスンSDSの人員が米国でTRSと共同でソフトウェアを開発することになる。ソフトウェア製作が完了すれば、韓国サイトでテストしたのち、セッティングする作業に移ることになる。

しかし、「これから行われるMCRC事業は、サムスンSDSが単独で行える事業ではなく、今回の事業を通じて事業プロセスに関するノウハウを確保することになる」として「米国や他の国でもSI業者が単独で事業を進めるものではない」と付け加えた。

キム団長は、「今回の事業は、収益性を確保するのが難しい事業だが、国家安全保障を担う核心事業であることから、利益が大きくなくても戦略的な観点から事業を獲得した」として「これからは収益性を確保できる関連事業が増えることを期待している」と明らかにした。

特に、戦術データリンク事業は、これから空軍の航空機や陸軍及び海軍にもシステムを構築する必要があるために、サムスンSDSはこのような事業で先駆者となることを予想している。

一方、サムスンSDSは、今回の事業に成功を期すために、開発総責任者としてイ・ギョンベ常務を選任した。

(2010.12.04.1)

「MCRC<中央防空管制所>入れ替え事業」優先交渉順位を決定(2006.10.27)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/HearTypeView.jsp?writeDate=20061027&writeDateChk=20061027&menuCd=3004&menuSeq=1&kindSeq=7&menuCnt=30911

事業庁、第1順位にサムスンSDS

防衛事業庁は26日、尹光雄(ユン・グァンウン)国防部長官主催により第9次防衛事業推進委員会を開催して、老朽第1 MCRC(中央防空管制センター)入れ替え事業の優先交渉順位を決めたことを明らかにした。老朽第1 MCRC入れ替え事業について、防衛事業庁の関係者は、「提案書を評価した結果、サムスンSDSが第1順位、KTが第2順位、LG-CNSが第3順位に決定した」として、「優先順位に従い、技術と価格の交渉をした後、システム開発実行計画書を確定して、来月末に契約を結ぶ計画」と話した。

老朽第1 MCRC入れ替え事業は、今年から2010年までに1422億ウォンの予算を投じて、現在、空軍が運用中の老朽化した第1 MCRCを入れ替え、第1、第2 MCRCに戦術データ送受信機能 (Link-16) を追加する事業である。MCRCシステムは、90余りのコンピューター・通信装備と大規模防空ソフトウェアを基盤とした地上自動化防空統制システムであり、敵の空中攻撃を早期に探知・識別後、味方戦闘機を統制して効率的に邀撃・破壊する指揮統制武器システムである。

この他にも、委員会は、委員の欠員時規定の不備による職務代行者の委員資格問題を解消し、委員会の審議事項の内、事業着手前の基本計画書を含めて審議するようにする防衛事業推進委員会の運営規定も改正した。

(2010.09.14.2)

我、敵は全て打ち落とす(2005.10.07)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/HearTypeView.jsp?writeDate=20051009&writeDateChk=20051007&menuCd=3004&menuSeq=2&kindSeq=1&menuCnt=30911

「空の盾」空軍防空砲兵司令部

よく、攻勢制空作戦を繰り広げる戦闘機を空の「槍」、防御制空作戦を繰り広げる防空砲を「盾」と呼ぶのも、そのような理由からだ。

空の守門将 (※1) の役割を果たす防空砲兵隊が創設されて、今年で50周年を迎えた。

6・25韓国動乱(朝鮮戦争)に参戦した高射砲大隊を母体として、1955年7月1日、第1高射砲兵旅団として創設されて以来50年間、防空砲部隊は新たな武器システムを導入して、部隊を増強してきた。

防空砲兵司令部の陣頭指揮の下、3個旅団と旅団別に、それぞれ大隊・砲隊・整備隊から構成される現在の姿となった。

最終的に、ミサイルが発射される核心部隊である砲隊は、重要施設と都心防御を担当し、60年代に導入されたナイキ・ホーク武器システムから構成されるミサイル部隊が、韓半島全域にわたって都市と山岳地域に分散配置されている。

創設と共に、36年間陸軍編成に属した防空砲兵司令部は、より一層効率的な制空作戦のために、攻勢・防御戦力が統合されていなければならないという必要性が主張され、91年7月、空軍に転軍した。

陸軍から空軍に転軍した唯一の部隊である防空砲兵司令部は、転軍当時、空軍の文化的特性に溶け込めるかについて多くの憂慮をもたらした。

しかし、転軍を通じて、航空機と防空砲兵が統合戦力を最大化し、浸透敵機を効率的に初戦撃滅できる防空網を備えたことで、指揮統制体制が単一化され、戦力運用能力を向上させた。

転軍以後、自動化された第1・第2中央防空作戦統制所 (MCRC) を通じて、空軍の戦闘部隊である各戦闘飛行団と管制を担当する第30防空管制団と連係し、以前より効率的な対空防御システムを具備することができた。

現在は、全国に散在するレーダー基地と米空軍早期警報機を通じて、敵航空機の航跡を休むことなく監視し、敵機浸透時、作戦統制所から防空砲兵部隊に迎撃任務を付与し、誘導武器で撃墜する防空作戦システムが形成されている。

防空砲兵の任務は、防空任務を完璧に遂行し、初戦空中優勢を確保して、味方の主要軍事施設と戦闘力を保存するところにある。

空軍の防空作戦は、MCRCを中心になされ、脅威航跡が現れた場合は、航跡の発生地点と高度・位置により、全飛行基地で非常待機している戦闘機を発進させたり、防空砲兵部隊に迎撃任務を付与する。

このとき、敵機と判断される航体が、地対空誘導武器の有効射程距離外である場合は戦闘機が発進し、有効射程距離内である場合はナイキ・ホークミサイルなどで迎撃することになる。低高度で浸透する敵機は、低高度ミサイルであるミストラルや対空砲火を利用して撃墜する。

21世紀を迎えた今、空軍は次期誘導武器 (SAM-X) 戦力化事業を進めている。敵の空軍力と高高度ミサイルに備えた対空防御の必要性と老朽化したミサイルに対する代替需要の発生によるものだ。

65年に導入し維持寿命を超過したナイキミサイルを代替するため、85年に所要提起されたSAM-X事業と併せて、国防科学研究所 (ADD) 主導により中距離誘導武器を開発するM-SAM事業を進めている。

新たな武器システムの導入で、北朝鮮の戦術弾道ミサイルの脅威に対する防御任務が可能になり、我が空軍の防空能力が非常に高まることが期待されている。

※1) 守門将:宮殿の門や城門を守る武官。

(2010.11.06.1)

国軍名部隊探訪3、空軍第30防空管制団[新東亜日報](2004.11.05)

ttp://shindonga.donga.com/docs/magazine/print.php?mgz_part=shin&n=200411050500056

空の見張り役、若鷹の眼

「祖国の空に針を通す隙間も与えない」空を守る空軍、その空軍の眼であると同時に頭脳でもある空軍第30防空管制団。鉄条網のない空の領土を守る部隊。「空の哨兵」空軍第30防空管制団を訪ねた。

2001年9月11日深夜、国民はテレビ画面から目を離すことができなかった。米国ニューヨークの世界貿易センタービルが、テロ組織によってハイジャックされた旅客機の攻撃を受けて崩れる衝撃的な映像が繰り返し放送されていたためだ。

世界最強国といわれる米国で、なぜあのようなことが起こるのか、むごいテロ攻撃を行った犯人は誰なのか、また、米国はこれからこの状況にどのように対処していくのか…。

この日、人々の頭の中には無数の疑問が浮び上がった。その中でも最も切実な疑問は「我が国は、はたして安全なのか?」というものであった。米国のように広い国でもなく、北朝鮮と対峙している我が国が、はたして9・11テロのような空からの攻撃を耐え抜くことができるのかについて、人々の関心が集まったのだ。

このような疑問に対する答えを握っている主人公が、まさに空軍第30防空管制団(以下第30団)だ。我が国の領空に浮かんでいるすべての航空機の動きを24時間365日休まずに監視する「空の眼」が、まさに第30団だからだ。

第30団長ソン・ボンファン准将は「9・11テロのような事件は、我が国では絶対に起きない」と話した。「365日ただ一瞬も油断せずに、水も漏らさない警戒をしている」ためだ。

第30団は1955年9月、米空軍からレーダー装備と施設を譲り受けて飛行管制警報隊として創設された。その後、1957年7月に警報戦隊(連隊級)、1963年9月に現在の防空管制団に昇格し、以後、韓半島極端の島はもちろん、全国の高山・峻嶺に位置する管制部隊を率いた大規模部隊として発展してきた。

1983年に莫大な予算を投入し、自動化防空管制システムを備えた中央防空統制戦隊を創設した。これにより、第30団は全国の高山・峻嶺と孤島に位置する管制部隊をクモの巣のように1つに連結し、それぞれの管制部隊が管制したすべての資料を自動で中央防空統制所 (MCRC: Master Control and Reporting Center) に伝送する自動化防空管制システム (KADGE: Korea Air Defense Ground Environment) を組織することになった。1985年7月からは防空管制システムに自動化作戦と手動化作戦を並存させることで、韓半島と韓半島周辺上空で活動するすべての飛行物体を監視・捕捉する能力を有することになった。2000年には第2 MCRCを創設、名実ともに2重・3重の領空監視網を整えた。その結果、「大韓民国の空には針を通す隙間も与えない完璧な領空監視をしている」というのが第30団の誇りだ。

第30団の任務は大きく4種類に要約される。24時間領空を監視する「空中監視」と、敵機の領空浸透に対してこれを迅速に伝播し、空軍の非常待機戦闘機の緊急出動(スクランブル)及び防空ミサイル発射待機態勢を維持する「早期警報」任務、浸透してくる敵機に対して目標地域到達より前に遠距離で撃破するように誘導する「邀撃管制」任務、航空作戦においてパイロットの安全で完璧な作戦遂行を支援する「航法補助」などだ。

通常時、韓半島上空には数百の軍用機が飛行している。第30団のMCRCはこのすべての航空機の管制を担当する。防空管制任務は普通、探知、識別、邀撃、撃破の4種に分かれ、第一線の管制部隊のスコープ上に最初に航跡が生成されたのち、その航跡を監視することが「探知」であり、直ちに「識別」段階に突入、彼我識別を終えればどのような武器を使用し、攻撃するかという戦術(武器)統制任務に入る。そして、これに最も適切な戦闘機を選定、「邀撃」任務を付与し、任務を与えられた戦闘機を管制して敵機を「撃破」する。すなわち、短時間に敵機の動態を把握し、効果的な対応火器を決め、最も早く敵機に到達するようにする仕事が防空管制作戦の要諦になる。

李哲数少領亡命、邀撃作戦

最近、第30団の役割が際立って見えた作戦が、1996年5月23日の北朝鮮軍パイロット李哲数(イ・チョルス)少領(当時大尉)の亡命だった。午前10時43分、第30防空管制団のMCRCに、北から高速で南下する異常航跡が捕捉された。当時、MCRCで勤務していたイ・ギヨン中士(当時28才、現准尉)は、北朝鮮の温泉(オンチョン)飛行場から南側15マイルの空域で最初に捉えられた異常航跡を、その出発地から注視していた。その後、問題の航跡が甕津(オンジン)半島方面上空から直進するのを確認すると、通常の北朝鮮空軍の訓練でないことを直感し、直ちに対応した。

イ・ギヨン准尉は「北朝鮮から経済難などを理由に、亡命機がある可能性を念頭に置いた訓練を継続的に実施していた。異常航跡が現れたので注視していると、突然高度を下げて南に突進したので、亡命機であることを直感した」と当時を振り返った。

MCRCでは直ちに中部戦線で哨戒飛行中だったF-16機編隊に邀撃任務を付与し、続いて水原(スウォン)基地のF-5E機編隊及びF-4E機編隊を順に非常出撃させ、万が一の事態に備えた。

異常航跡はそのまま高速で南下、午前10時49分頃には北方境界線 (NLL) を通過して南に進入した。50分頃に出動したF-16機編隊がレーダーを通じて南下する飛行機がミグ機であることを確認した。53分頃には肉眼で確認できるほどに異常航跡に接近した。

F-16機がミグ機に接近すると、すぐにミグ機はランディングギア(着陸輪)を降ろし、翼を左右に振った。亡命するという意思表示であった。MCRCはF-16機にミグ機を中部基地に誘導するように指示し、スクランブルしたF-5E機はこれらを援護した。また、F-4E機は江華島(カンファド)南端上空で北方要所を遮断し、北朝鮮の追撃に備えた。このような後続措置が一糸乱れず繰り広げられた間に、ミグ機は中部基地に無事到着した。最初の捕捉から26分が過ぎた11時9分だった。この日の作戦は、空軍の防空管制作戦の重要性を国中に知らせた快挙として記憶されている。

第一線の管制部隊では、主管制は将校が担当し、副士官と兵士がチームを組む。いっときも休むことが許されない業務の特性上、4組のチームが24時間交代で勤務する。

レーダーコンソール内に航跡が現れると60秒以内に彼我の識別をしなければならず、2級以上の技量を持った将兵であれば10秒以内にこれを判読することができる。また、自動化防空管制システムを導入してからは、この時間が8秒以内に短縮され、迅速かつ1寸の誤差も許さない防空管制任務の遂行が可能になった。

防空管制業務の第一線で勤務する将兵に会うために、取材陣は海抜1100mの○○山の頂上に位置する空軍第8145部隊を訪問した。記者が到着した日は風ひとつないのどかな天気だったが、部隊長ハン・チングク中領は、「昨日は体感気温が零下22度まで下がったが、今日は天気が良い」と記者一行を迎えた。山すその村と違い、部隊がある頂上は四方が雪世界だった。ハン中領は「真冬に雪がたくさん降るときは、人の背丈ほどに積もることもある」と話した。

○○山管制部隊作戦室を訪れた。入口には「見開いたその眼光に五天(東西南北及び中央の空)は安堵する」というスローガンが記されていた。いまさら緊迫感が高まった。人の顔も判別できないほど薄暗い作戦室、北部地域の空を飛ぶすべての航跡を追跡・表示するいくつかのレーダースコープに、移動中の航空機の航跡が星のように輝いていた。レーダースコープには、現在、韓半島上空を飛んでいるすべての飛行機の動きが表示されていた。異常航跡を捜し出すためにスコープを注視する 航空武器統制士 (Air Weapons Controller、以下統制士) の姿も目に映った。作戦室はいっときも空けておくことができないこの部隊の核心中の核心だ。したがって、4組が24時間休まずに作戦室を守っているという。


インタビュー、空軍30団長ソン・ボンファン准将

ソン・ボンファン准将は、航士21期で2001年11月に空軍第30防空管制団の33代団長に就任した。ソン団長は総4300時間の戦闘機飛行記録を持っているベテランパイロットでもある。「戦闘機パイロット出身で防空管制団はなじみが薄かったのではないか」という質問に、ソン団長は「管制のない飛行は不可能だ」として「私自身も戦闘機パイロットのときに危機的な状況に陥ったが、管制官の助けを借りて危機を脱したことがあった」と話した。

●空軍に飛行団の他に部隊があることが不思議だ。第30団が一般的な空軍部隊と異なる点は何か。

「第30団は防空管制作戦のための部隊だ。防空管制作戦は24時間領空を監視し、飛行物体が敵なのか味方なのかを識別して、敵の場合はこれを邀撃するためにさまざまな指示をする空軍の核心作戦のうちの1つだ。したがって、我が第30団は飛行団のように戦闘機を運用するのではなく、先端レーダー装備を運用している。領空をクモの巣のように監視するために、全国の高峰と離島に第30団の隷下部隊が散在している」

●部隊を率いながら最も重点を置く点は何か。

「私は、我が将兵に1秒の油断が祖国領空防衛の大きな穴になる可能性があることを常に強調している。我が第30団の基本任務である「完璧な空中監視の完遂」が私の最も重要な指揮哲学だ。同時に業務の特性上、山間奥地で勤務しなければならない現実を考慮し、勤務している将兵の福祉向上のために努力している」

●最近の若者は個性が強いが、これまでの世代に比べて弱気だという。奥地勤務を歓迎しないのでは。

「最近の若者は弱気だと言われるが必ずしもそうではない。第30団の兵士は全国の高峰と離島で悪天候と戦い、祖国の領空防衛のために最善の努力を尽くしている。使命感を持って奥地勤務を支援する兵士たちもいる。しかし、部隊があまりにも奥地にあるため、文化施設や福祉施設が不足しているのが事実だ。

このようなジレンマを解決するために、後見人制度を通じて家族のような雰囲気の兵営を作り、サークル活動やインターネット教育などを通して自己啓発の時間を持つように積極的に支援している。実際に、昨年8月に転役した管制部隊のある兵士が6つの資格証を獲得して話題になったこともある。

陸軍と異なり、空軍は技術軍だ。我が部隊の場合、特に技術を有する副士官が核心戦力だ。副士官のノウハウが大きな力になる。これらの処遇改善にも努力する」

●防空管制作戦分野の将来像は何か。

「将来の戦場で、防空管制作戦はより一層重要になるものと見られる。肉眼に頼った空中戦は今以上ない。パイロットと戦闘機の管制官との間の有機的な協力システムを通じて戦闘の勝敗が決定されるだろう。より一層完璧な管制のためには早期警報機の導入が重要だ」

●国民に向けてのメッセージを。

「第30団戦場兵は、国民の生命と財産を守るために24時間1寸の誤差もなく、領空監視任務に全力を尽くしている。全国各地に散らばっている我が部隊将兵は苦しい隣人を助け、民間支援も積極的に行っている。9・11テロのような事件は我が国では絶対に起きない。我々を信じて安心して生業に従事してほしい」


統制士の向いにある壁には、壁全体を仕切る透明な状況盤(プロッティング・ボード)があり、その後ろには展示手と呼ばれる管制兵が、せっせと何かを使って書いたり消したりを繰り返していた。

通常、管制は自動と手動に分けることができる。自動管制システムが作動しない場合に備えて、管制部隊では統制士が直接、手動管制を実施して非常時に備える。手動管制システムの場合、統制士はスコープに現れた航跡を捕捉してから10秒以内に彼我の識別をする。彼我の識別が終われば、その座標を展示手に向かって読み上げて、作戦室前方にあるプロッティング・ボードの後にいる兵士が直接、航跡の動きを描いて管制を実施する。そのため、透明盤の後ろから何かを使って書いたり消したりする兵士は、手動管制に備えていっときも休まずに待機している管制兵だ。

作戦室にある各種先端機器を見回すと、状況盤の後では兵士が見事な手つきで「新東亜記者一行を歓迎する」という字を書くのが見えた。展示手は状況盤後方に位置しているために、前面から字を正しく見るためには逆に字を書かなければならない。そのため、部隊に配備されると、彼らは熟練した管制兵になるために数週間、字を逆に書く練習をする。

日常的に字を逆に書いていると、展示手の中には除隊する頃になるとまともに書くよりも逆に書くほうが早い兵士もいるという。恋人に逆に書いた手紙を送ることもあるという。

現況盤に座標化すると同時に、レーダー上の航跡はMCRCにも送信され始めた。仮に、第一線で異常航跡を捕捉してこれをMCRCに送信すると、10秒後にはMCRCの統制士は異常航跡を識別し、直ちに近くを警戒飛行中の戦闘機に対して、これを邀撃させるなどの措置を取ることになる。

作戦室を出て、次に訪ねて行ったところは整備室。ここには超大型レーダーが1年中24時間休まずに動いていた。まるで巨大な機械が稼動する工場のような雰囲気だったが、このレーダーで捕捉された情報が作戦室にあるレーダースコープに点と座標で記録される。作戦室と同じように、レーダーの異常の有無を把握し、点検する整備兵が1日4交代で休まずに勤務していた。

「もし、このレーダーが止まればどうなるか」と尋ねると、ハン中領は「そのようなことがないように最善を尽くしている」としたが「我が部隊の近くにも管制部隊があり、互いに重複しながら管制業務を遂行しているために、たとえ1か所が止まっても管制網に穴が開くことは絶対にない」と話した。

空軍第8145部隊は1966年5月に創設され、1967年9月から本格的に地方管制所任務を遂行している。第8145部隊の主要任務は、中部内陸地域の領空防衛のためのレーダー捕捉資料を送信して遠隔空地通信を支援し、関連装備を整備・管理することだ。空中に浮いている物体をレーダーを通じて感知し、この情報を上位部隊に異常なく伝送することがまさに部隊の主要任務である。このため、システムは人の操作を経ずにレーダー捕捉資料を自動でMCRCに伝送するようにセッティングされている。

第8145部隊は昨年12月、レーダー無中断5周年記録を樹立した。5年といえば短いと考えることもできる。しかし、先端装備であるレーダー装備は些細な誤差でも中断することがある。そのような敏感な装備を5年間1度も中断させなかったことは、将兵がどれほど使命感を持ち、細心の努力を傾注してきたのかを知ることが出来る。

以下省略

(2011.06.18.1)

「作戦無中断15年」大記録 (2003.01.23)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=2&menuCnt=30911&writeDate=20030124&kindSeq=2&writeDateChk=20030123

空軍中央防空統制所

空軍防空作戦の中心地、空軍第30防空管制団中央防空統制所 (MCRC) が、最近、「作戦無中断15年」という大記録を達成した。
今回の記録は、完全自動化体制に移行した1988年1月1日から始まり、時間に換算すれば、何と13万1400時間に達する。

この期間中MCRCは、約500万の航跡を逃さず、ただの1秒の中断もなく装備を稼動させて、防空管制作戦を持続してきた。
特に、今回の記録は、MCRC作戦担当将兵だけでなく、装備の運用と修理・点検を担当する将兵が共に24時間4交代のつらい勤務を黙々と遂行して達成したことに意味がある。

この間MCRCは、水も漏らさぬ領空防衛任務の遂行を通じて、数多くの作戦を完璧にこなしてきた。
83年ミグ機を駆って来た李雄平(イ・ウンピョン)大尉の亡命、88年中共機の亡命、96年李哲数(イ・チョルス)大尉の亡命など、実際の作戦任務において、早期監視と誘導管制に輝かしい活躍をしてきた。

(2010.10.06.1)

自動化防空装備、無中断神話創造(2002.11.26)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/HearTypeView.jsp?writeDate=20021131&writeDateChk=20021126&menuCd=3004&menuSeq=2&kindSeq=5&menuCnt=30911

空軍作戦情報通信の中心地、第31中央防空統制戦隊

「自動化防空統制システムの無中断運営を保障する」
空軍には、表に出ることもなく人々に知られることもないが、人の「脳」と同じく重要な役割を担当する場所がある。

空軍第30防空管制団第31中央防空統制戦隊システム運営大隊がまさにそれだ。
現在、中央防空統制所 (MCRC) の中央コンピュータは、各レーダー管制部隊から韓半島上空を運航するすべての航跡情報の伝送を受ける。それだけでなく、気象戦隊からリアルタイムに気象情報の伝送を受け、これらの情報を必要とするパイロットと管制官に提供する。

これと共に、総合された情報は、分析過程を経て、クモの巣のように張り巡らされた数百回線の情報通信網を通じて、必要とする部隊に送る。
そのため、数百個の回線中どれか一つでも途絶したり異常が生じたりすれば、空軍全体の作戦に大きな支障を招く。

大隊は、まさにこのような空軍作戦と関連するすべての情報が総合処理されるMCRCの中央コンピュータを初めとする、各種の情報通信網を運営、管理する任務を受け持っている。
大隊が創設されたのは1985年7月1日、空軍に自動化防空システムが構築されてからだ。自動化防空システムが構築される前の手動システムでは、全国に散在したレーダー管制部隊から、管轄領域内の領空監視を通じて捉えられた異常航跡を電話を通じて上位の部署に報告していた。しかし、どれほど迅速な報告がなされても、航跡捕捉時から邀撃管制命令が下るまでに、最低4分という時間が必要とされた。

このような問題点を補完するために、空軍は、83年から自動化システムの技術先進国である米国でレーダー整備分野の最高技術者を研修させて、その後、大隊を創設した。

大隊の任務は大きく三種類に分かれる。
全国のレーダー部隊及び気象戦隊から各種の情報を総合、分析する中央コンピュータを初めとするコンピュータ装備を運用する分野。

また、分析された情報を必要とする部署へ送信する通路である情報通信網を管掌する通信運用分野と、このような装備を24時間点検、修理する整備分野がそれだ。

そのため、大隊員の主な勤務場所は、防空武器統制士と同じ中央防空統制所だ。
システム運営大隊長チョン・ジョンイル(40・空士32期)中領は、「空軍作戦の核心的役割を果たすだけに、大隊員の最も重要な任務は装備の無中断運用」として、「ただの1秒でも装備が異常を起こさないように、大隊員は常に4交代の24時間勤務態勢を維持している」と明らかにした。

そのため、システム運営大隊員は、日曜日はもちろん、正月・秋夕(チュソク)などの祝日であっても休むことができない。また、当日の勤務人員はもちろん、その他の人員も、非常時には30分内に応召が可能な近距離に位置していなければならない。
部隊創設メンバーである監督官キム・ソングァン (51) 准尉は、「家族にはいつも申し訳ないが、私の献身により祖国の領空がしっかりと守られるというやりがいと使命感を持って仕事に励んでいる」として、「装備無中断の神話を継続するために、今後も最善の努力を惜しまない」と話した。

(2010.10.06.1)

面白い軍隊常識 スクランブル<4>(2002.02.05)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/HearTypeView.jsp?writeDate=20020207&writeDateChk=20020205&menuCd=3004&menuSeq=1&kindSeq=12&menuCnt=30911

空軍防空作戦「非常出撃」、83年李雄平亡命時に発令

スクランブル(Scramble・非常出撃)は、空軍の防空作戦用語として、非常事態時に最前線の戦闘飛行団に発令される状況をいう。我が国の領空に脅威を与えると判断される航跡(航空機の跡・普通、レーダースコープに点で表される)に対して、最前線の戦闘飛行団の戦闘機に、緊急に対応させるためになされる出撃指示がスクランブルだ。

航跡が多数の場合は空軍作戦司令部戦区航空統制本部 (TACC) の先任作戦将校が、少数の場合は戦区航空統制本部の指揮を受ける中央防空統制所 (MCRC) の戦術措置将校が発令する。スクランブルが発令されれば、最前線の戦闘飛行団の非常詰め所に「ピーッ」という音とともに真っ赤なランプが点滅し、このときからパイロットが戦闘機に搭乗して出撃するまでは3分から5分程度の時間が必要となる。

(後略)

(2010.10.06.1)

領空監視装備、10年無中断(1998.02.05)

ttp://www.mnd.go.kr/news/headline/9802/0205-1.htm(リンク切れ)

我が国防空作戦の産室である空軍第30防空管制団が、自動化防空作戦無中断10か年を樹立する快挙を成し遂げた。これに関して昨日、同管制団において防空管制装備無中断10か年記録樹立記念式を開催し、併せて有功将兵に対する授賞式が行われた。

空軍第30防空管制団の自動化防空作戦無中断10か年記録は、1988年1月2日から今年1月2日にかけて樹立された、防空作戦無中断とは、部隊が運営している中央防空統制所 (MCRC) を、ただ1秒も休むことなく連続して稼動させたことを意味する。

部隊は1983年、米ヒューズ社から空軍作戦の眼となる現在の自動化防空システムを導入、1985年7月に中央防空統制所を創設したのち、約3年間の試験運営段階を経て、1988年1月からこれまでただ1秒の空白もなく我が国の領空を監視してきた。

このような記録は、日本、スペイン、台湾など同一システムを導入した世界の先進国家も果たせなかった快挙だ。
部隊の自動化防空作戦無中断10か年記録が高く評価されるのはまさにこのためで、部隊も1985年に防空管制システムを導入した当時は、電算体制と装備、技術、人材などすべての面で後れていたために装備運営に困難を経験したが、運営システムを独自に改善していくなどして、3年間の試験運営を無事成功させたことが今回の記録樹立につながった。

部隊は、特にシステム導入以後、絶え間ない開発努力によって各種装備と運営ソフトウェアのシステム運営能力を向上させ、また、これと併行し、装備の改良を通じて約200億ウォンに達する輸入代替効果をはじめとする年間4000万ウォンの運営費を節減し、記録樹立をより一層意味あるものにした。

一方、空軍作戦司令官が開催した授賞式では、空軍第30防空管制団は参謀総長部隊表彰を、キム・ユンテ少領とキム・クワンボク元士、パク・サンウク上士が参謀総長個人表彰を受賞するなど、全18人の有功将兵が表彰を受けた。

(2011.06.18.1)










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