連合指揮統制システム (AKJCCS)

システムの名称

連合指揮統制システム (AKJCCS: Allied Korea Joint Command Control System)

概要

連合指揮統制システム (AKJCCS) は、2012年の戦時作戦統制権の返還後に、韓国軍が主導し、米軍が支援する連合作戦を行うために、合同参謀議長の指揮統制を保障し、韓・米軍事協力機構及び韓国側と米国側とでリアルタイムに戦場情報を共有して、共同認識を保障するためのシステム。開発はサムスンSDSで、事業期間は2009年11月から2011年12月まで(26か月)。

その他

KJCCSとCENTRIXS-Kとの連動は、AKJCCSを介して行われる。


ニュース記事

戦作権の返還を受けたいならC4Iの性能改善が必要だ![週刊東亜](2011.10.24)
ttp://weekly.donga.com/docs/magazine/weekly/2011/10/21/201110210500015/201110210500015_1.html

米、韓国軍の準備不足に注文、今年8月になっても「韓・米連動方式」の公式合意なく

「我が軍が情報獲得、戦術指揮通信システム、自前の精密打撃能力などを準備するためには、2015年まで時間がさらに必要だ」

戦時作戦統制権(以下、戦作権)返還延期の事実を公開した2010年6月27日の韓米首脳会談直後、現地で会談結果を発表したキム・ソンファン大統領室外交安保首席秘書官(当時)のこの発言は、軍当局周辺で微妙な波紋を起こした。「軍の準備態勢が整っておらず、戦作権の返還延期が避けられない」というニュアンスが秘められた説明にかっと怒った国防部は、高官が直接「戦作権の返還延期は、北朝鮮の第2次核実験など安全保障環境の変化のためであり、我が軍の能力は十分だ」と強調した。はっきりとした話を聞くことはできなかったが、戦作権について、青瓦台がそれとなくほのめかした認識に反論した様子だった。

1年余りが過ぎた現在、青瓦台と安全保障部処の中心で、この問題を取り扱った当局者の裏話はずっと率直だ。「返還プロセスを着々と進め、すでに65%の水準に達した」という当時の軍の説明は、実状とはかけ離れたものだった。これらが真っ先に問題となるのが、C4Iシステムの構築を完了させ、米軍のシステムと連動させる課題だ。分かりやすく言えば、「2012年が安全保障的に不安な時期なので、戦作権の返還延期が避けられなかった」という公式の説明とは異なり、実際には、C4I問題を解決できないことに対する憂慮が強く作用したというのだ。当初、日程遵守を強く主張した米国側が、結局、延期を受け入れた理由もまた、まさにこの問題に対する憂慮のためだというのが、当局者の見方だ。

ウィキリークス「主要会議ごとに繰り返し指摘」

これまでも、現代戦でC4Iシステムが持つ重要性を説明してきたが、特に、2015年に戦作権の返還を控えた韓国軍では、その意味が倍加される。現在、戦争指揮システムは韓米連合司令部として統合されているが、2015年以降は韓国軍の合同参謀本部と米軍の韓国司令部 (US KORCOM: Korea Command) に分離され、いわゆる「並列型指揮システム」に変わるためだ。このように、二元化した司令部間の協力及び連絡のために、同盟軍事協力本部 (AMCC: Alliance Military Coordination Center) を一緒に構成することで、問題の素地をなくせるというのが、これまでの軍当局の説明だった。

当たり前の話だが、このように司令部を分離すると、両国軍間のリアルタイム情報連動や命令伝達は、以前と比べてはるかに重要になる。2つの司令部間のコミュニケーションがどれほど速くなされるのかが、戦争の勝敗を左右する核心要素になるという意味だ。その手段と通路の役割を果たす神経網である両国軍のC4Iシステムを連動する作業が、戦作権の返還に伴って進められるハードウェア構築事業の中で最も重要な課題であるという評価に、軍関係者の大部分が同意する理由もここにある。このため、韓国軍が現在使用しているC4IシステムであるKJCCS(合同指揮統制システム)をAKJCCS(連合指揮統制システム:KJCCSの前に「同盟」を意味する「Alliance」を付けた用語)として発展させたのちに、これを在韓米軍のC4IシステムであるCENTRIX-Kと連動して、米軍C4Iと結び付けることが現在の計画の骨子だ。

問題は、このような重要な課題を正しく遂行できないために、米国側が深刻な憂慮を伝えてきたという事実を確認できることだ。8月26日(現地時間)ウィキリークスが公開した在韓米大使館発の外交電文を見れば、戦作権の返還を決めた後に開かれた数回の韓米軍事当局会議で、米国側代表がこの問題を非常に強く指摘してきたことが分かる。韓国軍のC4Iシステム構築作業が順調に進まないために、統合作業も予定通りに進められないという問題提起が、主要会議ごとに繰り返し登場するのだ。

このような憂慮が最初に登場するのは、在韓米大使館が2008年11月8日付で作成した第19次韓米安保政策構想 (SPI) 会議関連の電文だ。その年の9月にソウルで開かれた会議で、米国側首席代表であったデービッド・シドニー米国防総省東アジア太平洋担当副次官補(当時)が、C4I部分を皮肉って指摘していた部分だ。戦作権の返還準備を総合的に検討したこの会議で、彼は課題の大部分に対して肯定的に評価したが、C4Iに対してだけは否定的に評価することを躊躇しなかった。韓国側は、2012年に至ってAKJCCSを実戦配備する計画だが、戦作権の返還以前に、これを十分に試験するには遅すぎるという指摘だった。

戦作権返還延期の「本当の理由」?

米国側の憂慮は翌年も続いた。2009年3月2日、ソウルで開かれた第21次SPI会議の内容を伝えた3月20日付電文によれば、C4I問題は、冒頭演説と北朝鮮情勢の討論に続き、最初に議論した程に優先順位が高いイシューであった。参席者だった在韓米軍企画参謀部長 (J5) フランク・A・パンター少将は、「韓国政府がAKJCCS構築事業に配分した予算が210万ドルに過ぎない」と憂慮を表示 (expressed concern) し、特に、「戦作権の返還以後、C4Iシステム統合に対して両国が公式的な合意を早く用意しなければならない」と促したと電文は記録している。

この会議にも参加したデービッド副次官補の発言はひときわ強いものだ。「C4I問題は、戦作権返還のための最も核心的な戦闘イシュー (most critical warfighting issue) 」というロバート・ゲイツ米国防長官(当時)の話を引用した彼は、「戦作権返還を予定通りに進めようとするなら、この懸案を「イエロー」から「グリーン」に移行しなければならない」と強調した。さらに、デービッド副次官補は、次回のSPI会議の前まで、韓国軍がAKJCCS開発の進捗度と、必要なC4I性能を充足させる方案についてブリーフィングしてもらいたいという要求を付け加えた。ウィキリークスが公開した電文が、在韓米大使館が作成した報告書のきわめて一部であることを勘案すれば、確認された内容は、これまで米国側が提起してきたC4I関連の憂慮の中の氷山の一角である公算が大きい。

戦作権の返還延期以後に、果たして両国の協議と事業進行が円滑になされたのだろうか。残念ながらそうではないという兆候をいろいろなところで確認することができる。監査院が8月に公開した「国防情報化推進実態監査結果処分要求書」によれば、軍は相変らず韓米間のC4I連動に関する具体的な合意を成し遂げることが出来ない状態だ。AKJCCSとCENTRIX-Kを、どのような項目について、どのような方式で結び付けてリアルタイムに連動するのかに対する合意なしに、AKJCCSの開発作業を進めている。監査院は今後、合意結果によっては韓国側C4Iシステムを修正するかもしれないという部分を憂慮事項として指摘したことが伝えられている。

ワシントンで広まり始める「陰謀説」

この問題に関与する当局者の説明も同じ脈絡だ。これまで、実務協議を含めれば数十回協議をしてきたが、いわゆる「情報接近権」問題に遮られ、明確な進展を見せられないというのだ。理論的には、両国軍のC4Iシステムの連動水準により、韓国軍は米軍が収集した情報を全部リアルタイムで確認でき、米国側は韓国軍が収集した情報を全部確認できるようになる。しかし、いくら同盟といっても、他国軍がこのように敏感な軍事情報に接近する権限をどこまで認めるかは、簡単に決定できる事案ではない。これに対する明確な基準を作るのが難しいために、両国のC4Iシステムの連動項目や方式に対しても、解決点を見出せないと関係者は説明する。

韓国軍のC4Iシステムが多くの問題点を解決できないうえに、韓米間の公式合意も成立しない状態では、2015年12月の戦作権の返還まで、果たしてこの問題を解決することができるのか、疑問を呈する声が軍当局内部でも上がっている。まだ時間的余裕があるとはいうが、2006年に戦作権の返還日程を決めて以来、4年近く流れた2010年になっても、この問題が最大の障害物として残っていることを覚えておく必要ある。

イ・ミョンバク大統領の安全保障参謀に分類されるある専門家の話だ。

「極端に言えば、2013年末や2014年初めになっても、C4I問題が再び戦作権の返還を困難にする要因になるかもしれない。そうすると、ワシントンでは韓国側の「意図」を疑う声も出てくる。戦作権の返還を再び延期する名分にして、C4I問題の解決に消極的なのではないかという話だ。とにかく一度の延期決定が軍当局に「次もまた延期できる」という否定的な学習効果を残したことは否認できず、これを勘案すれば、かえってその時点で、C4Iの準備が遅れた問題を明確に指摘しておくことが正しかったのではないか。チョンアン艦事件と国防予算問題などで、もつれた軍心を刺激しないようにした青瓦台の「配慮」がブーメランとして残ったのだ」

(2012.07.17.1)

国軍指揮通信司令部、米JCISAと戦場管理システム技術交流会議(2011.06.23)
ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=1&menuCnt=&writeDate=20110623&kindSeq=2&writeDateChk=20110623

国軍指揮通信司令部は21日、韓米連合作戦のうち、指揮通信システムの連動強化のために、在韓米軍司令部隷下の第1通信旅団情報システム管理処 (JCISA: Joint Communication Information System Activity (※1) ) と、技術交流協力会議を開催した。

今回、会議では、合同参謀の戦場管理システム (KJCCS: Korea Joint Command and Control System) を運用・管理する国軍指揮通信司令部と、韓米連合戦場管理システム (CENTRIXS-K: Combined Enterprise Regional Information Exchange System-Korea) を運用・管理するJCISAの両システム間の連動と回線の増速事業について、さまざまな意見が交わされた。

特に、▲韓米両軍間において懸案事項として進められている、合同参謀戦場管理システムと韓米連合戦場管理システム間の連動に関する技術協力及び試験に関する実務協議、▲戦時作戦統制権の返還に備えて構築を進めている連合連動システム (AKJCCS: Allied Korea Joint Command and Control System) などに対する米国の技術支援、▲その他、今後発生が予想される問題に対する円滑な対処及び協力関係の強化方案などについて集中的に議論された。

その結果、合同参謀が使用するCENTRIXS-Kの増速と、AKJCCS構築に関する技術協力について協議を始めるなど、システム運用基盤の改善について相互協力していくことに合意した。

ファン・ピョンテ(少将)司令官は、「戦場管理システムに関する韓米両国の持続的な交流協力強化は、韓米情報流通システムの完璧な連動を保障し、戦時または平時における連合作戦の指揮通信支援を効果的なものとするだろう」と話した。

※1) おそらく Joint Command Information Systems Activity の間違い。

(2011.06.23.1)

(参考)合同参謀本部を中心とした全軍的作戦システムを構築(2009.02.12)
ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/HearTypeView.jsp?writeDate=20090212&writeDateChk=20090212&menuCd=3004&menuSeq=1&kindSeq=6&menuCnt=30911

連合軍事情報流通システム (MIMS-C)

システムの名称

連合軍事情報流通システム (MIMS-C: Military Intelligence Management System-Combined)

概要

韓国側の情報システムである軍事情報統合管理システム (MIMS) と、米国側の情報システムであるPASS-K (Pacific Command Automated Data Processing Server Site-Korea: 米太平洋司令部情報自動化処理所―韓国) を連動するためのシステム。

韓国軍としては、自国資産で収集が制限される戦略的映像情報(北朝鮮の核情報、ミサイル関連情報及び軍事衛星映像など)の生データを獲得して活用することを主な目的としている。また、併せてPASS-Kなどの米国側の情報システムを利用することで毎年支払われている費用を軽減できると期待している。

開発

2011年から研究開発
2013年まで開発完了予定

ニュース記事

韓・米軍事情報同盟締結[毎日経済](2011.04.27)
ttp://news.mk.co.kr/v3/view.php?sc=30000001&cm=%ED%97%A4%EB%93%9C%EB%9D%BC%EC%9D%B8&year=2011&no=266578&relatedcode=000020044&sID=300

北朝鮮の衛星写真などをリアルタイムに共有、戦時作戦統制権の返還に備え

韓・米両国が軍事情報同盟を結んだ。両国は、北朝鮮の衛星写真と北朝鮮軍に対する盗聴・傍受資料など各種の軍事情報を100%共有することに合意したことが分かった。

26日、国防部高官の関係者は「今年1月、在韓米軍側と両国の軍事情報統合管理システム (MIMS) を直接連結し、共有する内容の了解覚書 (MOU) を締結した」と、両国間の合意内容を明らかにした。

また、「両国が収集した軍事情報の原資料 (raw data) に何らの制限なしに接近できるようにしたことで、情報交流レベルにおいて、韓・米同盟をよりいっそう発展させることができるきっかけができた」と説明した。MIMSは、軍が多様な出所から収集・獲得した軍事情報及び諜報を総合的に分析・評価して情報を生成し、これを必要な部署に伝達するシステムのことだ。

国防部情報本部によれば、韓・米両国がMIMSを統合して「連合軍事情報流通システム (MIMS-C) 」を構築するこの事業は、現在進行中で2013年までの完了を目標にしている。MIMS-Cが構築されれば、これまで米軍が我が軍に対して選別的に北朝鮮に関する軍事情報を提供していたのとは異なり、我が軍は米軍が撮影した衛星写真など原資料を何らの制約も受けずにリアルタイムでダウンロードすることができるようになる。

特に、北朝鮮の信号情報 (SIGINT: Signal Intelligence) と映像情報に関する対米依存度が90%以上に達する状況において、これら情報に無制限に接近できるようになれば、我が軍の北朝鮮に対する情報力がいっそう高まることが見込まれる。在韓米軍は、多数の諜報衛星とU-2偵察機などを動員して北朝鮮軍の動向を24時間監視している。この関係者は、「2015年の戦時作戦統制権の返還に備えて、我が軍独自の作戦能力を向上させようとするならば、情報力を強化しなければならないという内部意見を基に、このような事業を進めることになった」として「両国が対等な立場で軍事情報を取り交わすという点に意義がある」と話した。

(2011.04.27.1)

米軍C4Iシステムとの連動

弾道ミサイル防衛

韓米作戦統制所を連動、「リンク-16」を構築[明日新聞](2012.06.18)
ttp://www.naeil.com/News/politics/ViewNews.asp?sid=E&tid=3&nnum=666910

北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に備えるために、来年、在韓米軍の作戦統制所と、年末に構築される韓国型ミサイル防御システム (KAMD) の作戦統制所 (AMD-Cell) をリンク-16で連結することにした。韓米外交・国防長官が合意した、北ミサイル対備包括的連合防御体制による具体的な措置だ。

早期警報衛星など、米国の諜報・偵察資産から支援を受けることができれば、KAMDの情報能力が画期的に高まることが期待される。しかし、地上のPAC-2パトリオットミサイルと、イージス駆逐艦のSM-2対空ミサイルの制限された邀撃能力の補完には、期間が相当かかるものと見込まれている。

国防部の関係者は「米軍の作戦統制所からKAMD作戦統制所に情報を供給するリンク-16連結プログラムを、来年、構築することに韓米が合意した」として「米軍の情報資産から速やかに情報を受けることができれば、KAMDの情報能力が飛躍的に高まる」と明らかにした。

このように、北のミサイルの脅威に備えるために米軍の支援を受けるのは、KAMDの核心装備である早期警報レーダー「グリーンパイン・ブロック-B」が12月に設置されても、発射段階から探知して脅威の種類を識別する能力が制限されるためだ。

米軍は、早期警報衛星を通じ、北の弾道ミサイルの発射段階の火炎を感知することで、KAMDの早期警報レーダーより数十秒早く探知することができる。韓半島戦区は縦深が短く、北が保有するスカッドミサイルが韓国国内に到達するのに3〜5分しか、かからない。

これと関連して、国防部は17日、報道資料を通じて「韓米外交・国防相会談で明らかにした「北朝鮮のミサイルの脅威に対する包括的な連合防御体制の強化方案」は、韓半島内でKAMDを強化するために、北ミサイルの探知・識別段階において、米国の情報資産と関連情報の共有を効果的に協力するという意味」であるとを明らかにした。

リンク-16は、北大西洋条約機構 (NATO) の軍事戦術資料交換ネットワークで、軍用航空機だけでなく、海上・地上軍とほぼリアルタイムに戦術データを交換することができる。軍はF-15Kと早期警報統制機などにリンク-16を搭載している。

このように、米軍の支援で情報能力を強化しても、下層防御を主任務とするKAMDの弾道ミサイル邀撃能力は、相変らず限定的なものでしかない。現在、軍の邀撃システムはPAC-2が唯一なのが実情だが、散弾型なので北の弾道ミサイルを完全に撃破することができない。

イージス駆逐艦のセジョンデワン艦が発射できるSM-2ミサイルは航空機邀撃用なので、弾道ミサイルに備えることはできない。軍は米ミサイル防御システム (MD) への編入議論を呼び起こすSM-3より、SM-2改良型を導入する計画であることが伝えられた。

軍はKAMDの邀撃能力を強化するために、航空機邀撃用の中距離ミサイル・チョルメ-2 (M-SAM) を性能改良し、弾道ミサイル邀撃用として今年から開発を進めている。直撃弾に近い弾頭に変えて、破片弾のPAC-2の問題点を補完することが期待されている。

また、国防科学研究所は、50kmの高度で弾道ミサイルを邀撃できる長距離地対空ミサイル開発事業 (L-SAM) を急いでいる。しかし、国防中期計画には2015年から探索開発に着手することが決められており、2020年以前に戦力化することは難しいと見込まれている。

(2012.07.17.1)

弾道誘導弾作戦統制所 12月中に構築=韓国軍[聯合ニュース](2012.06.15)
ttp://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2012/06/15/0900000000AJP20120615002800882.HTML

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃する命令を遂行する弾道誘導弾作戦統制所(AMD−cell)が12月ごろに構築される見通しだ。

韓国軍関係者は15日、韓国型ミサイル防衛(KAMD)体系の中核といえる弾道弾早期警報レーダーを11月中旬に導入後、同レーダーを基盤とする弾道誘導弾作戦統制所の構築を12月中に完了する計画だと明らかにした。レーダーが弾道ミサイルを探知すると、統制所から迎撃体系が整った部隊にミサイル迎撃命令が下される方式でKAMD体系が構築されると説明した。

統制所で探知と迎撃命令が可能な北朝鮮のミサイルはスカッドB、スカッドC、ノドンなど。

聯合ニュース日本語版

北、ミサイル発射どのように探知するか[聯合ニュース](2009.02.13)
ttp://www.donga.com/fbin/output?n=200902130329

在韓米軍戦術地上統制所、発射66秒で探知、分析

北朝鮮が、テポドン2号ミサイルの発射準備を段階的に進めている問題で、在韓米軍側も対北朝鮮監視体制を強化していることが分かった。

北朝鮮のミサイルを初めとする韓半島周辺の弾道ミサイルに関する情報は、在韓米軍を通じて合同参謀本部へ伝えられるシステムになっているため、在韓米軍も緊張の糸を解くことができないでいる。

◇ミサイル警報システム
軍関係者によれば、北朝鮮から発射されるミサイルに対する最初の警報は、在韓米軍を通じて受け取る。

ミサイル警報は、発射段階から在韓米軍が運用する合同戦術地上統制所 (JTAGS) 、または、米国コロラドスプリングスにある北米防空宇宙司令部 (NORAD) で分析され発令される。

この警報は、直ちに烏山(オサン)の戦区航空統制本部 (HTACC) (※1) に設置された汎世界連合情報交換システム (CENTRIXS-K) の弾道ミサイル共通作戦状況図 (COP) に現れる。

我が軍は、この警報を防空警報システム (RAWS) (※2) を通じて隷下部隊に伝えることになる。2006年に戦力化されたRAWSは、イントラネットを通じて敵弾道ミサイルの発射地点と予想落下地域、予想落下時間などを計算して弾道ミサイルの航跡情報を提供する。

在韓米軍は、弾道ミサイルの防御・邀撃作戦のために、単独でHTACCに戦区ミサイル作戦班 (TMO-Cell) を運用しており、平時は少人数だが戦時になれば人材を増やして運営する。

韓・米は、HTACC内に韓米連合TMO-Cellを構成する方案を進めていることが分かっている。

合同戦術地上統制所 (JTAGS) は、弾道ミサイル監視衛星のDSP衛星が収集したミサイル情報をTMO-Cellに送る。米国はDSP衛星情報を受信・分析するJTAGSを、韓国を初めとして米本土、ドイツ、中東、日本にそれぞれ1か所ずつ設置している。

JTAGSには、3基の衛星アンテナが設置されており、DSP衛星情報を直接受信でき、18人が交代で年中無休で勤務している。

1970年から運用されているDSP衛星は、2004年まで22機が発射され、静止軌道を回りながら赤外線探知センサーを利用して、ミサイルを上昇段階から追跡することができる。

通常、ミサイルが雲層の10km上空を通過するのに42秒が必要とされるが、DSP衛星は発射後66秒後までに分析を終わらせ、地上へ情報を送信できる。

(後略)

※1) 戦区航空統制本部 (HTACC: Hardened Theater Air Control Center) 。TACCに同じ。
※2) RAWS (Real-time Air defense Warning System): リアルタイム映像防空警報システム

(2010.11.06.1)

海軍C4Iシステム

GCCS-M、NTDS、OED
海軍C4Iシステムと米軍C4Iシステムとの接続図は次のとおり。

韓国海軍のGCCS-Mシステムは、海上 (Afloat) がセジョンデワン級に設置されており (※1) 、陸上 (Ashore) は、おそらく作戦司令部(釜山)に設置されていると思われる。
設置時期はKNTDS第2次事業中(1999年12月から2004年01月)となっており、海洋監視情報システム (KOED) と同時期か、または、それほど離れていない時期に設置されたのではないかと思われる。
なお、FMSにより提供されるプログラムは、最新のインクレメント2(バージョン4.1)となっている。

また、2010年12月にはCENTRIXS-M (※2) 端末を大・中型艦12隻に設置した。



※1) 防衛事業庁KDX-III事業チームから「GCCS-M整備教範」他が刊行されていることからも、搭載していることは確認できる。
※2) CENTRIXS-M: Combined Enterprise Regional Information Exchange System-Maritime(汎世界連合情報交換システム―海軍)
補1) ROK MND Information Highway: 国防広帯域統合網 (BcN)
補2) Chinhae: 鎮海
補3) なお、米韓両軍が、相互にどの情報、どのレベルの情報にアクセスできるかについては、コンピュータセキュリティにおけるアクセス制御 (MLS: Multi-Level Security) に関して、与えられたセキュリティ・クリアランスと必要性 (Need to Know) によって決定される。
 <参考>
  • Classified information in the United States - Wikipedia, the free encyclopedia
    ttp://en.wikipedia.org/wiki/Classified_information_in_the_United_States


参考
  • 海軍戦術情報システム (KNTDS)(防衛事業庁)
    ttp://www.dapa.go.kr/open_content/images/atg/pdf/001/3-5.pdf
 (抜粋)
KNTDSが韓国海軍に導入されることで、海上作戦時、上下級部隊が円滑な情報疎通により正確な指揮統制が可能になった。また、空軍MCRC及び米海軍のGCCS-Mなどと相互連動され、合同及び連合作戦能力の向上に寄与することになった」

  • NCOE下での海軍作戦遂行概念(海軍戦闘発展団)
 https://www.sugarsync.com/pf/D421841_62_6472933370
 

  • 2000 Report to Congress on the Military Situation on the Korean Peninsula
    ttp://www.defense.gov/news/Sep2000/korea09122000.html
 (抜粋)
4. C3I Upgrades: ROK Navy is executing a major C3I upgrade commencing in CY 2000 using the US Navy’s Global Command & Control System - Maritime (GCCS-M) and UHF SATCOM as the communications backbone.
 
a. The current plans include UHF SATCOM, Navy Order Wire (※1), GCCS-M for operational shipboard and command center use.
b. The Korean OSIS Evolutionary Development (KOED) is a wide area network intelligence fusion and dissemination system connecting the fleet commanders and ROK Navy Headquarters; installation is in progress.
c. The third component of the master ROK Navy C3I upgrade architecture is the Korean Naval Tactical Data System.
※1) Navy Order Wire (NOW) 「オーダーワイヤー」で検索


米国防総省リリース
  • 基本契約 (N00039-05-C-0013)
    Defense.gov: Contracts for Tuesday, February 08, 2005
    ttp://www.defense.gov/contracts/contract.aspx?contractid=2942

  • 修正契約 (N00039-05-C-0013)
    Defense.gov: Contracts for Wednesday, January 31, 2007
    ttp://www.defense.gov/contracts/contract.aspx?contractid=3444
 (抜粋)
Northrop Grumman Defense Mission Systems, Reston, Va. is being awarded a $13,000,000 modification to a previously awarded cost-plus-award fee contract (N00039-05-C-0013) for integration of software application code, testing, training for Global Command and Control System-Maritime (GCCS-M) Increment 4.1 to achieve Milestone C and obtain Full Rate Production, and reworking the current version of the Government off the shelf GCCS-M 4.1 software. Additionally the maintenance and life-cycle support for GCCS-M Increment 4.X shall include the Common Operational Environment requirements until transition to a new contractor. This contract includes options which, if exercised, would bring the cumulative value of this contract to an estimated $34,000,000.00. The basic contract combines purchases for the U.S. Navy (98 percent) and the government of Australia, Canada, France, Germany, Italy, Japan, Netherlands, New Zealand, Norway, Saudi Arabia, South Korea, and United Arab Emirates (2 percent) under the Foreign Military Sales (FMS) Program. Work will be performed in San Diego, Calif., (50 percent); West Conshohocken, Pa., (40 percent); Reston, Va., (10 percent), and is expected to be completed by 30 Sep 2007. If all options are exercised, work could continue until 30 Sep 2008. Contract funds in the amount of $3.2M will expire at the end of the current fiscal year. This contract was not competitively procured because it is a sole source acquisition. The Space and Naval Warfare Systems San Diego, Calif., is the contracting activity.
(抄訳)
ノースロップグラマン・ミッション・システムズは、汎世界指揮統制システム海軍 (GCCS-M) のソフトウェア、インクレメント4.1(※現在は「インクレメント2(バージョン4.1)」と呼ぶ)の開発契約 (N00039-05-C-0013) を締結していたが、この度、マイルストーンCを達成したことから全規模量産に入ることになり、契約金を増額する修正契約がなされた。
なお、この基本契約には、米海軍向け(98%)のほか、FMSとして、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、サウジアラビア、韓国及びアラブ首長国連邦(2%)が含まれている。

  • Status of Korean Navy’s Tactical C4ISR Systems Acquisition and Issues on Interoperability between ROK-U.S. Combined Naval Operations
    ttp://www.apcss.org/Publications/Edited%20Volumes/BytesAndBullets/CH10.pdf

産経新聞「米、衛星情報提供せず」記事について
韓国がイージス艦保有も、米は衛星情報提供せず
ttp://www.sankei.co.jp/kokusai/korea/070520/kra070520000.htm

國防委員会会議録 (2007.06.14)
ttp://www.mma.go.kr/kor/s_info/assembly/assembly05/assembly0501/__icsFiles/afieldfile/2008/11/19/1189231_01.pdf

P14
○コ・ジョフン委員
(前略)
ところで、5月21日、産経新聞で、セジョンデワン艦が進水する前ですね、「軍事衛星から情報提供を受けなければイージス艦にあって無きが如しなのに、その情報提供について、米国が韓国への提供に同意をしない」このような記事を書いたというのです。聞きましたか?

○国防部長官キム・ジャンス
日本のマスコミが報じた内容は聞きました。実際、私が直接確認をしてみたところ、そのようなことはなく、米国とすでに情報が相互交換され提供されるように、そのようにつながれている状態にあります。

○コ・ジョフン委員
フランスとデータリンクの調整中、何かそのような内容もあったが…。

○国防部長官キム・ジャンス
データリンクは米軍が使っているリンク16があり、そのリンク16をイージスシステムと一緒に使うように今しています。

○コ・ジョフン委員
幸いです。

通信システム

米韓連合演習では、CENTRIXS-K、RIPR、COINが使われている。

RIPR (Releasable Internet Protocol Router Network)
RIPRは、米韓連合作戦・演習で使用されるTCP/IPベースのコンピュータネットワーク。SIPRNetに類似するが、RIPRは米韓でのみ使用する。米ラジオIPネットワークであるRIPRNetとは別物。

M&Sシステム

連合演習システム(クリックで拡大。またはPDF


参考
  • A (Air)
  • AARS (After Action Review System)
  • ACE-IOS (Air and Space Constructive Environment - Information Operations Suite)
  • ADSI (Air Defense Systems Integrator)
  • AFATDS (Advanced Field Artillery Tactical Data System)
  • ASAS (All Source Analysis System)
    ASAS is an Army C3 Intelligence simulation
  • AWSIM (Air Warfare Simulation)
    米空中戦モデルとして、空対空、空対地、空対艦射撃、1日ITO運用など大部分の空中作戦が模擬可能。
  • BICM (Battlefield Intelligence Collection Model)
  • CAMPS (Computer Aided Mission Planning System)
  • CBS (Corps Battle Simulation)
    大部隊級の指揮官及び参謀の訓練に使われる米地上戦概略模擬モデル。
  • CEIS (Combined Exercise Information System)
    演習統制のためのシステム。統制団内部の通信網、テレビ会議、資料共有システムなどが含まれる。
  • CG (Chang Gong)
    蒼空モデル
  • CGS (Common Ground Station)
  • CH (Chung Hae)
    清海モデル
  • CJ21 (Chang Jo 21)
    創造21モデル
  • CJB (Cheon Ja Bong)
    天子峰モデル
  • CP (Command Post)
    指揮所
  • CSSM (Cloud Scene Simulation Model)
  • EMS (Engineering Modeling Software)
  • ExCIS (Extensible C4I Instrumentation Suite)
  • FE (Foal Eagle)
    フォールイーグル
  • FMTR (Federation Management Tool-Reloaded)
  • G (Ground)
  • GDSS (Global Decision Support System)
  • JADOCS (Joint Automated Deep Operations Coordination System)
  • JMSEL-K (Joint Master Scenario Essential List - Korea)
    MSELを作成、検討、命令するシステム。
  • JSWS (Joint Services Workstation)
  • JTTI+K (Joint Training Transformation Initiative + KSIMS (Korea SIMualtion System))
    JTC (Joint Training Confederation) を代替する韓米連合演習模擬支援システム。JTTIは米陸軍のJLCCTCと米空軍のAWSIM、ACE IOSを統合した名称で、+は米海軍のRESAに早期警報モデルMDSTを追加したことを意味し、Kは韓国軍ウォーゲーム連動システムのKSIMSを含むことを意味する。
  • KFMT (Korean Federation Management Tool)
    状態のモニタリングが可能(韓国軍モデル)。
  • KR (Key Resolve)
    キーリゾルブ
  • LOGFED (Logistics Federation)
    米戦闘勤務支援モデル。CBSと連動して、戦闘勤務支援分野を詳細に描写する。
  • LOGSIM (Logistics Simulation)
  • MDST (Missile Defense Space Tool)
  • MI (Master Interface)
    主インターフェイス
  • MULTILEVEL S/TS (MULTILEVEL S (Secret) / TS (Top Secret))
    マルチレベル・セキュリティ
  • MSEL (Master Scenario Events List)
  • MUSE (Multiple UAV Simulation Environment)
  • N (Navy)
  • NWARS (National Wargaming System)
  • RESA (Research Evaluation and System Analysis)
    米海上戦モデル。
  • RELROK (Releasable to Republic of Korea)
    韓国への開示を認める。すなわち米韓両国のみ知り得る。
  • RM (Radiant Mercury) または RMG (Radiant Mercury Guard) おそらくRAD MERCも
    ラディアント・マーキュリー。マルチレベルなネットワークセキュリティツール。米軍用語集によれば classified information sanitization program(機密情報浄化プログラム)。イメージ版の RMIG (Radiant Mercury Imagery Guard) もある(右上のRMは違う?)。
  • STAAR (System for Theater level After Action Review)
    戦区演習評価システム。事後検討モデル(韓国軍モデル)。
  • SMART (Simulation and Modeling for Acquisition, Requirements, and Training)
  • TBMCS (Theater Battle Management Core Systems)
  • TENCAP (Tactical Exploitation of National Capabilities Program)
  • UFL (Ulchi-Focus Lens)
    乙支(ウルチ)フォーカスレンズ

その他
Army Modeling & Simulation Directorate
ttp://www.ms.army.mil/library/acronyms.html

M&S Web Links
ttp://www.strategypage.com/prowg/mand21.htm

M&S関連英文略語表.pdf
https://image02.seesaawiki.jp/t/v/taekwon_v/107680...

シミューレーター関連略語集.hwp
https://www.sugarsync.com/pf/D421841_62_7956211216

ウォーゲームモデル略語説明.hwp
https://www.sugarsync.com/pf/D421841_62_7956211899










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