戦術用電子式交換機 (TTC-95K)

概要

戦術用電子式交換機 (TTC-95K)

我が軍では、軍事援助による装備導入から現在まで、交換機をコピー生産して戦力化してきた。
1995年、政府主導・業者自主開発によりサムスン電子(株)が戦術用電子式交換機を国内開発して戦力化・運用中である。

この装備は、既存の老朽化した機械式・手動式交換機を代替して、戦術交換システムの自動化システム構築と多様な情報をリアルタイムに伝送できる戦術通信支援能力を具備した。また、16ビットマイクロ・プロセッサを使った縮尺プログラム制御方式とデジタル時分割交換方式を使い、回線容量も60、120、240回線と可変運用することができ、故障診断機能などが内蔵されている信頼性が高い装備だ。

この戦術用電子交換機 (TTC-95K) は、戦術的機動及びリアルタイム自動交換が要求されたので、データ通信機能が強化されており、連隊、師団、軍団級部隊の部隊交換機として車両搭載及び既存施設内に設置して運用される。また、次期戦術通信システムのNODE(ノード)交換機として格子型ネットワークを構成して、最適迂回経路を自動的に選択し、推論固有番号方式による多様なサービス機能を提供する。

区  分諸  元
伝送速度1,024 Kbps
使用電源110/220VAC、DC24-48V
価  格1億7,000万ウォン(120回線用)




主要構成品
制御台
加入者間の相互接続のための交換機能と通信網の調整及び統制機能を担う核となる装備であり、信頼性を考慮して二重化されている。


整合台
アナログ及びデジタルの各種加入者を接続するための装備で、1つの整合台に30回線を受け入れ、最大8台(240回線)まで制御台に接続して運用される。


中継台
各種番号に対する処理と加入者の登録、削除など情報変更が可能で、システムの状態を監視して簡単なキー操作によりシステムデータを変更することができる。


整流器
AC110V/220Vの電源をTTC-95Kに必要なDC28Vとして出力する装備で、入力電源遮断時にも蓄電池に自動的に切り替えられ、信頼性を考慮して各種保護装置が内蔵されている。



主要機能としては、同一交換網内の任意の位置に加入した局所線加入者を自動的に探索して連結する機能と、被呼び出し加入者まで到達可能な経路がいくつか存在する場合に、最短経路を選択して連結し、呼び出し加入者と被呼び出し加入者間に使用可能経路が存在する限り、部分的な多重化区間の通信途絶に関係なく迂回経路を選択して連結する機能などがある。
その他、主要サービス機能としては、強制割込機能、短縮ダイヤル機能、着信転送機能、通話転送機能、通話保留機能、直通電話機能、会議機能(合同通話)、予約機能、通過圏制限機能、代理応答機能などがある。
また、接続装備は、電話機(デジタル磁石式、共電式)、交換機(電子式、磁石式、共電式)、データ端末(FAX、TTY、PC)、搬送装備(VHF、TCC-15K)、ネットワーク管理装備(パケット通信機、システム統制機)などがある。

その他

軍による紹介 (TTC-95K)
ttp://www.army.mil.kr/mukihome/mugi/mg9.htm

解説
ttp://modelschool.edunet.net/contents/download.jsp?fp=5/1/3/5/23/A000000001/6000005494&fn=20100128_A000000001_6000005494_2.pdf
ttp://modelschool.edunet4u.net/contents/download.jsp?fp=5/1/3/5/23/A000000001/6000005494&fn=20100128_A000000001_6000005494_5.pdf

ニュース記事

「通ぜよ」韓米通信網構成訓練(2008.04.30)
ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=4&menuCnt=30911&writeDate=20080430&kindSeq=3&writeDateChk=20080430

陸軍第71師団情報通信大隊、米第304通信大隊

陸軍第71師団情報通信大隊は、28日から来月1日までの4日間、米第1通信旅団隷下の第304通信大隊ブラボー中隊と韓米連合戦術通信網構成訓練を実施する。

今回の訓練は、韓米の両部隊が昨年姉妹提携して以降、初めて開催され、有事の際の完璧な連合作戦遂行のために、相互の戦術通信装備に対する理解はもちろん、特に韓国軍の制限事項だった難聴地域の解消のための完璧な指揮統制条件を保障するのに多いに役に立った。

韓米軍は訓練初日、米軍が運用する戦術通信システム (MSE) と韓国軍の戦術通信装備である音声・データ・多重化信号が連動するか否かを確認してから、韓国軍交換機 (TTC-95K) と米軍拡張交換機 (SEN) の相互回線を互いに交換する回線幹線構成訓練を行った。

続く4日間の訓練期間中、音声・データの伝送試験とサーバー構築、多重化幹線の構成試験など、戦時の連合作戦遂行に必要な諸般の装備の連動遂行手続きを検証して、これを完全に補完した。

また、訓練最後の日には、米第304通信大隊の戦術通信装備である衛星伝送装備・交換装備と次期米戦術通信システムであるJNTC-Sについての紹介を米軍中隊長から受けて、我が韓国軍のシステムと比較しながら、米軍の通信システムをより簡単に理解する時間も持った。

「ザイトン」クウェート支援隊の有線網構築を通した衛星通信網との連動方案(2006.11.06)
ttp://www.jcs.mil.kr/views/jsp/download.jsp?location=magazine&no=401

陸軍中領(中佐)パク・ホ イラク平和・再建師団情報通信大隊長

クウェート支援隊は、韓国から8,400km、イラク・ザイトン師団からは1,150km離れたクウェート国内の米軍基地CAMP VIRGINIAに位置しており、師団のさまざまな戦闘勤務支援活動の前哨基地の役割を遂行する所だ。

しかし、師団級部隊の派兵任務遂行のための戦闘勤務支援という重要性にもかかわらず、クウェート支援隊は当初からこれといった韓国軍通信網の構築計画がなく、外部との連絡は米軍電話 (DSN (※1))、衛星電話機(インマルサット (※2))、トゥラヤ (※3) に依存しており、内部の連絡はハンドトーキーや現地の携帯電話に依存するなど、韓国国防部などの本国やザイトン師団との適時・円滑な指揮統制通信が制限されおり、固有の任務遂行に多くの困難を経験してきた。

また、衛星電話機の使用で多くの予算が浪費され、制限されたデータ通信では上級部隊の指示及び関連公文書の下達時に直ちに確認することができず、2ヶ月間隔で実施される部隊展開及び撤収作戦の間には、多くの兵力がCAMP VIRGINIAに2〜3週間留まることになっているが、有線通信網がないために各種の業務遂行、兵力の統制が制限されるなど多くの問題が見出され、韓国及びザイトン師団と連絡することができる軍の電話が切実に要求された。

※1) DSN (Defense Switched Network): 米国防電話網
※2) インマルサット
※3) トゥラヤ (THURAYA): アラブ及びヨーロッパ地域の一部国家で使われている携帯及び車両用衛星電話機

1. 推進の経過
クウェート支援隊の有線網構築は、当初、CAMP VIRGINIAの米軍伝送路 (M/W) の協力を得ようとしたが、多国籍軍司令部から基盤通信網の共同使用ができないとの通知を受けた。したがって、クウェート支援隊と14km離れているが、既に韓国と衛星通信網を構築している第58航空輸送団から通信網を連結する方案を考え、第58航空輸送団の既存の衛星アンテナ及びモデムを利用して、クウェート支援隊の有線網を構築することが最善の方法だと考えた。

クウェート支援隊の有線網構築は、韓国⇔第58航空輸送団間の衛星網構築、第58航空輸送団⇔クウェート支援隊間の多重無線装備 (VHF) と戦術交換機 (TTC-95K) を利用した戦術通信網の構築、商用衛星網と戦術通信網の連動の順で進めた<絵1参照>。

<絵1> クウェート支援隊通信網図

第58航空輸送団は、衛星を利用して国防部との間で国防コンピュータ・ネットワークを運用していたので、既存の衛星アンテナ、モデムを利用して、クウェート支援隊用の有線網構成に必要な衛星伝送帯域だけを追加で確保すれば、韓国との衛星伝送路を構成することができるだろうと判断した。

したがって、ザイトン師団⇔韓国間で運用されている衛星伝送帯域中、通話に支障がない範囲で利用可能な伝送帯域を検討した結果、国防部の局部電話2回線(128Kbps、1回線当たり64Kbps)をクウェート支援隊用として切り替えて、第58航空輸送団と韓国間の衛星伝送路に追加することが可能だと判断した。

しかし、2回線を送信1回線、受信1回線という交換幹線として構成すると、「通話中」が多く発生して通話が不可能になると判断されたが、かと言ってさらに多くの回線をザイトン師団から切り替えることもできなかった。

また、第58航空輸送団⇔クウェート支援隊間では、戦術交換機を利用して多重無線装備 (VHF) で伝送路を構築するために、ザイトン師団がクウェート支援隊と電話で通話する際には、国防部交換局番(900番)+戦術交換局番(3桁)/加入者番号(4桁)の順で、計10桁を押さなければないが、師団と国防部の交換台の間の幹線網がIP-PABX (※4)(圧縮幹線)として構築されているために、入力される数字の前7ケタまでを万と認識する問題が発生して、国防部で自動交換ができず、交換兵が手動で連結して初めて通話が可能だった。

2. 衛星通信網との連動方案
検討を重ねた結果、韓国の衛星端末と第58航空輸送団にIP-PABXを追加すれば、局部電話1回線64Kbpsを16Kbps交換幹線4回線として圧縮することで衛星帯域幅を効率的に活用することができ、また、第58航空輸送団IP-PABXに、別に認識番号を指定することで、ザイトン師団でも7桁の番号だけを押せばクウェート支援隊と自動交換で通話が可能だという結果を得ることになった。

また、ザイトン師団から切り替えられた64Kbps非圧縮2回線を圧縮して16Kbps 8回線(送信4回線、受信4回線)として構成するためには、追加的にIP-PABX、FDSU (※5) などが必要だったが、これは衛星を担当している韓国通信と協力して、所要の装備を無償で第58航空輸送団と韓国○○電話局に設置した。

※4) IP-PABX (Internet Protocol-Private Automatic Branch Exchange): IP自動交換装備
※5) FDSU (Flexible Data Service Unit): 遠距離高速データ通信装備

これで、追加的な予算を使わずに、既存のザイトン師団の衛星網を効率的に切り替えることで、韓国と第58航空輸送団の間の衛星幹線が追加的に構築され、交換兵がいなくとも自動で電話を連結できるシステムが構築された。

しかし、第58航空輸送団⇔クウェート支援隊間の戦術通信網の構築後、IP-PABXと戦術交換機の連結間でまた、他の問題が発生した。すなわち、戦術通信システムでは900局番台は商用呼び出し局番として固定されており、ザイトン師団、第58航空輸送団と同じ966局番をクウェート支援隊の戦術交換台の局番として使うことができないということだった。したがって、IP-PABXの内部プログラムを利用して、実際の加入者は966局番を入力しても、IP-PABXと戦術交換機の間では900局番台ではない、クウェート支援隊用として別に使用が可能な500局番台を使えるように調整した<絵2参照>。

結果的に、韓国と第58航空輸送団間の衛星を利用し、商用IP-PABXと戦術交換機間の送信4回線、受信4回線の自動交換幹線が構築され、クウェート支援隊と第58航空輸送団との伝送路は、韓国と同じようにVHF装備を利用し、多重化幹線を構築して、クウェート支援隊でも第58航空輸送団と同じように、韓国と7桁の電話番号で通話が可能になった。

3. 結語
クウェート支援隊韓国軍の有線網構築は、電話がないために困難だったクウェート支援隊から韓国・ザイトン師団間の有線通話路を保障することで業務の効率性を向上させ、戦闘勤務支援の前哨基地としての固有の任務遂行の条件を保障し、本国との安否確認が可能になったことで、将兵の福祉にも大きく寄与することになった。

また、衛星電話機の使用が不要になったことで多くの国防予算を節減する効果があり、部隊交代など主要な作戦任務遂行の主たる通信手段として活用することができるようになった。

情報通信システムの運用面では、商用IP-PABXを利用し、戦術通信システム連動時に伝送路の帯域幅を効率的に活用できる方案を提示することによって、今後、韓国内または派兵の間、固定通信施設(衛星、PCM、光伝送装備など)と戦術通信システム間の通信網構築のためにIP-PABXを効率的に活用することができることになると期待される。

すなわち、IP-PABXと戦術通信システムを利用し、有線網構築時に局部電話1回線 (64Kbps) の帯域幅で交換幹線4回線を構成することで、低費用高効率の利益を創り出すことができ、高価な商用交換機を使わなくとも、軍の戦術通信装備を利用して自動交換幹線を構築できる方案を提示した。したがって、軍師級以上の部隊の固定施設用PCM及び光伝送装備にも適用して、戦術通信システムと連動することにより、効率的な伝送路を構成して、ノード (node) 通信支援が可能になると判断される。

戦術用電子式電話機 (TA-512K)

概要

戦術用有線電話機は、1970年代初めの米軍撤収時、TA-312を譲り受けて運用してきたが、1974年、国防科学研究所及び国際通信(株)がKTA-312を国産開発して、軍戦術用電話機として運用してきた。

1993年、電子式電話機であるTA-512Kを国内技術陣によって開発して、現在、野戦で戦術用電話機として運用中である。
この装備は、携帯用、野戦戦術用電話機として、共電式、磁石式及び電子式として運用が可能であり、軍で運用中の軍用・商用すべての交換機に加入して運用することができる。

区  分諸  元
運用方式/電源電子式/BA-30(3個)
送信出力/受信感度5dB SPL以上/ 105dB SPL以上
到達距離/重さ8〜30Km / 2.8Kg
価  格70万ウォン



その他

軍による紹介 (TA-512K)
ttp://www.army.mil.kr/mukihome/mugi/mg9.htm










◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます