タグ検索でかずさ196件見つかりました。

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たこやき

い。  俺だけが知っている『本当の冬馬かずさ』を、みんなにも知ってほしい。  そこで俺は、軽音楽同好会の空き時間に冬馬かずさリサイタルはどうかと提案してみたけれど、本人に一も二もなく却下された。俺としては穴埋めも兼ねた一石二鳥の妙案で、頷いてくれれば全力でバックアップするつもりとも言ったけれど、俺が何か言う度にどんどん不機嫌になってどんどん口数が少なくなる冬馬に回し蹴りをされ、逃げの一手を打った。  その翌日、いつもより眠たくてどんよりしている冬馬に普段の三倍冷たくされて、俺はあっさり白旗を挙げた。…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%a4%bf%a4%... - 2014年01月14日更新

第二十九話「夏と海とバンドと(2)」

後を追う。  最後尾、足取りが重たいのはかずさだ。心なしか顔が赤い。 「かずさ? どうかしたか?」  春希が聞くが、かずさは「なんでもない」としか言わなかった。 「わお〜。日本の海はキレイだ〜」  小春は千晶を飛び越すようにビーチに降り立つと、上に着たシャツも脱がずに波打ち際に駆け出していった。 「おーい。着替えなくていいのか〜」  テントを肩から下ろしつつ孝宏が呼びかけるが、小春は服が濡れるのもかまわずはしゃぎ回る。 「お〜。気持ちいい〜。みんな早く〜」  そこに美穂子がイルカのフロートと共に突っ込む…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%c6%... - 2013年07月21日更新

第四十四話「眺めの良い部屋(8)」

メフリにサイ氏は聞いた。 「お帰り。冬馬かずさとの一日はどうだった?」 「いや、よかったよ。スタインウェイホールで一緒に演奏したけど最高だったよ。さすがサイさんの眼鏡にかかった人だね。  ショッピングも楽しかったよ。ただ…」 「ただ?」 「ピアノ以外はあの冬馬曜子の子とは思えないほど普通の子だったよ。昔惚れた男というのも普通の男だったしさ。ピアノ留学してる間に他の子に取られちゃうとか、恋の終わりまで普通の子だったね」 「ははは、何を観察していたんだか。しかし、それは意外だな…」  サイ氏は苦笑しつつも少し…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年11月16日更新

第四十九話「届かない恋?」

属高校OGで今をときめくピアニスト、冬馬かずささんなんです! 皆さんご存知の峰城の冬の定番ソング『届かない恋』は実は彼女の作なんです!」  知らない者も多く、観客から「おお…」と驚きの声が上がる。  そこで小春が朋に話しかける。 「わたしたち、このバンドを目指して『だれとく』を結成して、イイコトが3つありました」 「ほうほう?」 「ひとつは、メンバーみんながずっとずっと仲良くなれたこと。  もうひとつは、みんなにわたしたちの演奏を楽しんでもらえたこと。  そして最後は、わたしたちの演奏を聞いてくれた冬馬…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年12月01日更新

第四十八話「式の前日?」

以上は追及しなかったが  そして…  かずさの方は何をしているだろう?  雪菜はふと、そのことが妙に気になってきた。 ---- 同時刻 峰城大 講堂特設ステージ横控え室 ----  『だれとく』一同は緊張しながら出番を待っていた。  孝宏はチームロゴ入りのTシャツにジーンズだが、小春たちは色違いデザインお揃いのステージ衣装に身を包んでいた。  彼らを緊張させていたのはその観客の多さだった。ステージ袖から見える会場は超満員で、『だれとく』誰もが未経験の世界だった。  そんな張り詰めた空気のところに…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年11月26日更新

第三話「罠の舞台〜第1幕」

消え失せてしまった。  あとに残されたかずさと板倉記者だが、かずさのほうは呆気にとられたようすで、板倉記者が何を話しかけても生返事しか返ってこなかった。  仕方なく、明日会う約束だけしてその場は別れた板倉記者だったが、かずさが来るかは半信半疑だった。  久しぶりに会った学友?にしては様子がおかしかったが…  翌日の公演開始10分前。待ち合わせは20分前だったから、もう10分の遅刻だ。 「…また騙されたかも?」  シアターモーラスの入口で待ちつつ、そうぼやいた板倉であったが、程なく彼女は現れた。 …

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年04月02日更新

第四十七話「練習中?」

0/12(日) 岩津町駅 ----  かずさの家に練習に向かう雪菜は、駅で偶然小春を見つけた。 「小春ちゃん? 珍しいね。こんな所でなにしているの?」  小春は若干驚いた様子で答えた。 「わ、雪菜さん。奇遇ですね。かずささんの所ですか?」 「そうなの。今日は午後から練習なの」 「はい、かずささんの所にいた和泉さんから聞きました。わたしも別件、1.5次会の件でかずささんに用事があったので…あれ? 北原さんたちが来るのは2時すぎじゃなかったんですか?」 「和泉さんはローディで手伝ってもらってるの。和泉さんそ…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年11月23日更新

第四十六話「練習開始?」

- 「おっけー。みんな集まったね」  かずさ宅の地下スタジオに軽音楽部の面々が集まった。  ギターの春希、ボーカルの雪菜、キーボードかずさ、そして部長のベース武也に新メンバー、ドラムの孝宏。  ただ、ひとりだけ部外者が混じっていた。 「にっひっひ〜。こんちわ〜」 「なんで和泉が?」  春希の疑問にかずさが答える。 「ああ。こいつ、わたしたちの『届かない恋』、自分の劇に無断使用していたから身体で払ってもらうことにした。つまり、雑用係、ローディ」 「よろしく〜」 「はあ。まあいいか」  春希は『こいつと関…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年11月22日更新

第四十五話「愛の夢」

ンサートホール ----  最終公演のかずさの演奏もすばらしいものであった。  かずさの一番弾き慣れたピアノから奏でられたメロディーは彼女の思い通りに会場に響きわたり、彼女のポテンシャルを最大限に発揮させた。  特にかずさ自身も期待したように、キリキリとブリリアントな調律の為されたピアノから奏でられるリストは圧巻で、観客皆を震え上がらせた。  そんな彼女のコンサートであったが、プレス席はまた別の期待を持つ記者でひしめいていた。  事前に冬馬曜子オフィスより「コンサートの場で重大発表がある」とマスコ…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年11月19日更新

第四十一話「眺めの良い部屋(5)」

!」  エレベーターを乗換え7階に下りたかずさがチェロの聞こえた方角へと走る。  ほどなく、チェロケースを持った女性が部屋に入るのが見えた。メフリ・ユルドゥズに間違いない! 「待って!」  かずさが声をかけるとその女性は驚いてこちらを見た。 「えーと。わたしは冬馬かずさ。ピアニストで…」  たどたどしいドイツ語なまりの英語で話しかけるとメフリからドイツ語で返事をしてきた。 「えっ! あなたが冬馬かずさ? ドイツ語話せる?」 「ああ。ドイツ語の方が得意だ…11月の『シルクロード・コンサート』の件でナーセル…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年11月12日更新

第四十三話「眺めの良い部屋(7)」

、すべての音楽家の憧れの地である。  かずさは決意を持って睨むようにカーネギーホールを見ると、出し抜けに他の皆に英語で聞いた。 「すいません。カーネギーホールに行くにはどうすればいいですか?」 「へ? どう行くも何もすぐそこ…」  マヌケな回答を口にしかける春希をよそに麻理とメフリの声がハモる。 「「practice, practice, and practice!」」  定番のジョークを返してもらったかずさは満足げに頷いて言う。 「ははは。ありがとう。じゃあ、わたしはまだまだみたいだし、また今度にする…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年11月14日更新

第四十二話「眺めの良い部屋(6)」

たいんだけど、独りじゃつまんないし」  かずさはメフリの提案にちょっと悩む。  メフリがついてくること自体はありがたい。自分よりずっと英語が堪能だし、この陽気なトルコ人チェリストと友達になっておくのは悪くない。  ただ問題は… 「北原のことはどうする? 冬馬さん」  麻理から指摘されたとおりだ。事情を何も知らない春希が今、空路でこちらに向かっている。  考えられる対応案は2つ。  ひとつは会わないようにする案。  春希の知っているのは滞在予定のホテル候補と帰りの飛行機便だけ。明日の朝、春希が来る前にホテ…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年11月14日更新

第四十話「眺めの良い部屋(4)」

原さん。開けますよ」  春希は美代子と、かずさの部屋のドアの前にいた。  春希は「かずさの手がかりを得るため」という大義名分で美代子を説き伏せ、美代子立ち合いの下かずさの部屋を捜索する許可を得た。  某立てこもり事件以来、かずさの部屋のドアは外から鍵の開け閉めが可能なものに付け替えられている。美代子は合鍵でドアを開けた。  むわっ  ニオイからしてヤバかった。  脱いだ服や雑誌、空の紙パックや通販のダンボールが床に散らばって足の踏み場もなく、タンスの引き出しは開けっ放しで下着がはみ出て垂れ下がっていた。…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年11月09日更新

第三十九話「眺めの良い部屋(3)」

客室 ----  ホテルの部屋に入ったかずさはルームサービスに手を伸ばした。 「すまない。機内ではろくに食事がとれなかった」 「構わない。ゆっくり食べながら今後の事を話そう」 「では、これとこれと…あと、紅茶に入れる砂糖は10個ぐらい持ってくるように言ってくれ」  麻理は呆れ顔で言った。 「甘いものばかりだな。北原の記事は本当だったんだ。だが、そんなに食べて大丈夫か?  たった3日足らずでも時差に合わせて休まないと体に響くぞ」 「食ったら寝るさ」 「はあ…。それでいてその体型か…若いっていいな…」 「?…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年11月08日更新

第三十八話「眺めの良い部屋(2)」

ル コンサート後の控え室 ----  かずさは春希に得意になって語っていた。 「…というわけだ。最終公演の京都では、私の自宅にあるスタインウェイを持ち込んで演奏する」 「すごいなあ。輸送代とかどうなんだ?」 「普通はしょぼいギャラなら吹っ飛ぶぐらいかかるが、いい運送会社を見つけた。母さんじゃなくわたしがな。  面白い台車を使って運ぶんだ。これなら安くてピアノへの負担も少ない。火曜に輸送だから取材してやってくれ。運送会社には話してあるし、美代子さんに立ち会いお願いしてある」  そう言ってかずさは資料と担当…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年11月05日更新

第三十七話「眺めの良い部屋(1)」

/12(火) 某結婚式場 ----  かずさは美代子を連れ、小春の案内で結婚式場の下見に来ていた。  ピアノの配置や借りる予定のピアノなど、小春は上機嫌で説明したが、始終うかない表情のかずさに何かひっかかるものを感じていた。  その疑念は、かずさと美代子が口論をしているのを目撃してしまった時に決定的なものとなった。 「やっぱりダメですね。ヘリでも間に合いません。もとより、天候が悪ければヘリは飛びませんし」 「そこを何とかしてくれよ!」 「いえ。わたしも社長と同意見です。あきらめてください」 「そんな……

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年10月29日更新

第三十六話「夏と海とバンドと(9)」

『愛の鐘』を鳴らしている。  それを見てかずさは盛大な溜め息をついた。 「やれやれ…付き合いとは言え、何が悲しくて独り身でこんなカップルだらけの場所に…」  千晶がそれにツッコミを入れる。 「何言ってるの。そのカップルを昨日一組増やした人間が」 「う、そうだったな」  かずさが焚き付けなければ昨夜の亜子の告白はなかっただろう。 「まあ、世のため人のためさ」  かずさは自嘲気味にそう言ったが、千晶はワザとかずさを煽るように言う。 「何言ってるの。そんなの完全に自己満足じゃん」 「そうかな? かなりお似合い…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年10月29日更新

第六話「閉幕と慟哭と」

んな折に目の前にひょっこり現れてしまったかずさも不運だったのだろうが…  千晶が強引にかずさを『観察』しにかかったのはそういうわけでもあった。 「でも、最初から思いつかないあたり、あなたやっぱり『まだ』ね」 「…*※#!」  自身のプライベートな極秘事項を言い当てられ、慌て驚く千晶。 「カラダ捧げたオトコから簡単に身を引けるなら苦労しないってこと。あんたも早く経験しときなさい」 「あはは…」  先輩の生々しい指導に苦笑する千晶だった。言われて思い浮かべてしまうのは特定の男性。  千晶は慌ててそのイメー…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%cf%... - 2013年04月02日更新

第三十五話「夏と海とバンドと(8)」

恋』を見ている。  その歌を聞きつけてかずさがやってきた。 「懐かしい曲だ…誰が弾いているのかと思いきや、セカンドギターの子か」  そう言って、亜子の手元の楽譜を手にする。 「この譜は?」 「ひっひ〜。春希の部屋にあった楽譜、勝手にコピらせてもらいました〜」 「おまえか…ったく」  千晶に毒づくかずさに亜子が頭を下げる。 「あ、あの。すいません勝手に曲使わせていただいて」 「ああ、気にするな。使用料は春希と一緒に千晶からもらうさ」 「ええ〜!? ちょっとやめてよこの銭ゲバピアニスト〜、JASRACに訴え…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年10月28日更新

第三十四話「夏と海とバンドと(7)」

チの袋を開け、小机の上の皿に広げ始めた。かずさが期待に満ちた声を上げる。 「お! 『やけぐいポテトチップ』か。ポテチ食べるパフォーマンスまでやるんだ」 「え? なになに? ポテチで何かするの?」  『やけぐいポテトチップ』を聞いたことのない雪菜や春希が不思議がる中、千晶が笑いをこらえながら先を促す。 「まあまあ、仕掛けをご覧じろ、ってやつよ。はやくして〜」  それに応じ、小春がマイクの前に立って口上を始めた。 「は〜い。では。  みなさん、こんばんわ。『だれとく』です。  全員付属上がりの峰城大3年生。…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c2%e8%bb%... - 2013年10月23日更新

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