冷戦時代の核実験や民間防衛をめぐるカルチャー

ブックレット

11 Steps to Survival (1961, 1969, 1980)


カナダは1950年代から、核戦争に備えた民間防衛ブックレットを多く発行してきた。特に有名なのが、1961年の民間防衛演習Tocsin Bと合わせて、制作・配布された"11 Steps to Survival"(生存のための11ステップ)である。このブックレットは1969年と1980年に改訂され、1970年代には解説動画も制作された。

英国や米国の民間防衛ブックレットと大きな違いはないが、特徴的なのは爆風の扱い。放射性降下物シェルターと対爆風シェルターは別物であることを明記している。
Blast shelters of the type commonly used in European countries during the Second World War would noe provide the proper protection against the blast of a nuclea explosion. These shelters were designed to withstand shock pressures lasting something like 1/100 of second. Shelters designed to withstand the pressire created by a nuclear explosion must be abel to stand yp to pressures lasting as long as 6 secons. In addition, they must be capable of giving the occupants protection agaisn fire outside the shelter as well as against raiation. (p.19)

欧州諸国で第2次世界大戦のときに広く用いられた対爆風シェルターは、核爆発の爆風には適切な防護とはならない。これらのシェルターは1/100秒程度続く衝撃圧力に耐えるよう設計されている。核爆発で生成される圧力に耐えるようシェルターを設計するには、6秒間以上、圧力に耐える必要がある。さらに、居住者を外部の火災及び放射線から防護する必要もある。
...
If you do not have a blast shelter and live in a likely target areas when a warning of attack is given, and you decide that you are not going to evacuate, one of the simplest way of pmprovising an anti-blast shelter is to build a lean-to (bed springs or boards) against a work bench or heavy table, and pile matteress on it and at the ends. This could protect you from loose bricks, broken glass etc. which the blast will fling abou

攻撃警報が発令された時点で、対爆風シェルターを確保していなくて、攻撃目標地域に居住していて、居住地域から外への避難をしないと判断した場合に、最も簡単な対爆風シェルターの応急作成方法は、ワークベンチや頑丈なテーブルに、ベッドや板を立て掛けて、その上に端までマットレスをかぶせることである。これで、爆風によって剥がれたレンガや割れたガラスなどから防護できる。

[ "11 steps to Survival" (1961) on Canadian CIvil Defence Museum ]

発行年196119691980
日本語訳
ソースjpgpdf


1969年版

1969年版は、1961年版から以下が改訂されている。
P02前書き全面改訂
P06熱線全面改訂
P09放射線「家」のイラスト追加
P16警報全面改訂
P17警報イラスト一部修正、記述全面改訂
P18-19警報全面改訂
P21-22シェルター対爆風シェルターを先に記述、屋外についても記載
P23-24シェルターイラスト全面改訂
P26-28備蓄品微修正
P29防火消火イラスト削除・内容削減
P30-31防火消火全面改訂
P32-38救急措置全面改訂
P40-41放射性ダストイラスト変更・内容削減
P42自治体一部記述修正
P43計画後半削除
P44-47まとめ全面改訂・イラスト削除

大きな違いは、救急措置が1ページから7ページに増え、核攻撃後、病院など医療体制が機能しないことを前提にしたこと。
また、消火防火についても2ページだったのが、火炎旋風などの記載を削って、消火防火方法を加筆して3ページになっている。
この他、警報が改訂され、サイレンを、攻撃警報と放射性降下物警報を知らせるものから、ラジオやテレビで情報入手するよう促す合図へと変更している。
1980年版

1969年版とは記述は少し異なる。






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