アランツァの世界（FT書房ゲームブック）

昆虫都市（未刊）

　予告

　薄ぼんやりとした暗い夢から目を覚ますと君は、
　陰気くさい教会の床に寝そべっていた。
　鈍い頭の痛み。
　だが意識は次第にはっきりとしてくる。
　入口のそばで倒れているが、
　誰も助けの手を伸ばしてはくれなかったのだろうか。
　死者のように寡黙な人々は、
　背の曲がった老人を中心に不安げに集まっている。
　薄汚れたエプロンをつけた中年の女性が、
　チラリと君を見て目を伏せる。

　平和な都市に訪れた突然の災厄。

　行き交う昆虫の群れ。
　虫の大群に襲われた混乱の街を歩きながら君は、
　そこに絡み合う様々な思惑を肌で感じる。
　自身の体に起こりつつある暗い変化と、街にある人々の声。
　ひとつひとつの思惑と、大きなうねりが迫る。
　だが危険が近づき命が脅かされるとき、君は気づくだろう。
　危機的状況そのものの中にこそ、
　生き残る可能性が残されていることに。

　期待のゲームブックシリーズ第３弾！