フィギュアスケート×ファンタジーのテキストベースRPG


日本の「氷都」


このページでは、日本の「氷都」をご紹介しています。

「氷都の舞姫」の世界では、氷都と言えば「氷城麗都アイスブルク」の略称ですが
日本にも、東北・北海道に「氷都」を名乗る都市がいくつかあります。

その多くは「スケートリンクを使う、氷上スポーツが盛んな都市」という意味のようです。
スケートだったり、アイスホッケーだったり。
いくつか、参照リンクを載せておきます。


どの「氷都」も、地域の誇りになっているんですね。

全部まとめて応援します!


フィギュアスケート×ファンタジーの創作SNS-RPG「氷都の舞姫」は
日本の「氷都」を、勝手に応援しております。

「氷都の舞姫」代表の「ミキ」を、日本の「氷都」非公認のご当地キャラとして
お互いのPRに役立てていきたいですね。
(一つの都市だけでなく、「氷都」を名乗る都市全てが担当地域のご当地キャラです)

ちなみに…

(社)日本ご当地キャラクター協会

こんな団体があったんですね!
個人で活動されている方も、登録すれば色々な支援を受けられるみたいです。
(着ぐるみがあるキャラ限定だそうです)

以下、妄想ストーリー


氷城麗都アイスブルグ、女神アウロラの神殿。
ここは、神殿の中でも限られた者だけが出入りを許される「至聖所」。

女神に「氷上の舞」を捧げる「舞姫」の一人、ミキは
神殿からの呼び出しで、はじめてこの場所に足を踏み入れていた。


(私のような新米が…なんでここに?)

疑問に思いつつ、祭壇へと歩を進める。

舞姫ミキ、よくいらしてくださいました
ゆったりした祭司の衣装に身を包み、柔らかな微笑みをたたえた
年配の女性が、若き舞姫を出迎える。

神殿長様、ただいま参りました

ミキが一礼すると、神殿長と呼ばれた女性は話を始めた。

女神様の、ご託宣が下りました
女神様のお告げと、自分に一体何の関係があるのか。
不思議な顔をするミキ。

氷都の民に「フィギュアスケート」なる「氷上の舞」を伝え、みなの心を
楽しませてくれた「地球」からの客人に報いるため、アイスブルグから
「大使」を派遣し、地球の人々へ感謝の言葉を伝えるようにとのことです


えっ、私がですか!?

あまりに唐突な依頼に、目を丸くするミキ。

ええ、そうです。
ここへ来る以前、異界暮らしの長かったあなたなら適任と考えました

少しの間、目を閉じて考えるミキ。
新米の自分としては、身に余る栄誉かもしれないが…
神殿の長もまた、静かに彼女を見守る。


わかりました。
私は、今まで異界で旅芸人として、多くの人に笑顔を届けてきました。
今度は、地球のみなさんに笑顔を届ける番ですね

酒場で聞いた噂を、思い出す。
地球は、アイスブルグから果てしなく遠い、はるかな異世界。
大変な任務のはずなのに、心が躍るのはなぜだろう。


それで…地球へは、どうやって行けばいいのでしょうか?

地球は、アイスブルグとはあまりにも異質な世界。
あなたが、異界からここへ来る時に通った「オーロラの道」は
地球には通じていません

えっ、それじゃ地球の人は、どうやってここに!?

アイスブルグに、地球から来た人間がごく少数いることは、舞姫の間では広く知られている。
彼ら・彼女らは、かつて地球でフィギュアスケート選手として活躍していた者か
その選手を指導していたコーチで、アイスブルグに全盛期の若い姿で「召喚」され
舞姫たちの指導にあたっている。


「夢召喚」の秘法です。
女神様だけが使える、「夢」を媒介にして異界の住人を「召喚」する術。
夢召喚であれば、オーロラの道が通じていない異界であっても
世界の構成法則の壁を超えて、眠りについている知的種族の精神を
わたしたちの世界へ呼び出せるのです

精神だけの召喚。
なので、召喚された側からすれば、異界で体験した出来事はまるで「夢」のように感じられる。
オーロラの道を通って、本人が直接別の世界へ行くのとは、わけが違うらしい。


…もしかして、その夢召喚の応用で、私の精神だけを地球へ?

察しがいいですね。
さすが、幼い頃から異界を旅してきただけのことはあります。
あなたはきっと、わたしよりはるかに多くの「不思議」を目にしてきたのでしょう

微笑む神殿長の瞳からは、年配の女性でありながら
どこか少女のような好奇心が感じられた。


精神だけだと、幽霊みたいなものですね。
…でも、アイスブルグに来ている地球人のみなさんには
ちゃんと身体がありますけど…?

謎は深まる。

地球人のみなさんには、夢召喚の際に「本人のイメージ」から作られた
「かりそめの身体」が与えられていると聞きました。
今回、あなたが地球へ行くにあたり、アイスブルグでお世話になっている
地球人の方が、あなた用の「かりそめの身体」を用意してくださいました

それなら、安心ですね。
じゃ、行ってきます!

その日の夜。
ミキの夢に女神アウロラが現れ、彼女の精神をはるか遠い地球へと送り込んだ…



女神であるわたしは、この世界を離れることはできません
ミキ…頼みましたよ…


目が覚めると、どこかの部屋の白い天井が目に入った。
さっそく、身体を起こそうとする…が、上手くいかない。

…あれ?

予想以上に、身体が重い。
起き上がることができず、じたばたしていると


やあ、目は覚めたかい?
見知らぬ年配の男性の姿が、そこにあった。
けれど、その声の調子には明らかに聞き覚えがある。


その声はコーチ!?
おはようございます。
…話には聞いてましたけど、それが本当の姿なんですね

うん。
いつもは若い時の姿できみを指導させてもらってるけど
本当は、結構歳いってるおっさんなんだ

まだ起き上がれないミキを見て、手を貸すコーチ。

ありがとうございます。
なんだか、さっきから身体が重いんですけど…

ああ、すまなかったね。
今度来る時には、着ぐるみを改良しておくよ

…着ぐるみ!?

鏡を見てみるといい。
今日のイベントが、ご当地キャラ「氷都ちゃん」(ひとちゃん)のデビューだよ

氷都ちゃん!?

奇妙に思った彼女が、近くにあった姿見をのぞきこむと…

そこには、ミキ本人をモデルにしたと思わしき
「三頭身の着ぐるみ」姿の自分がいた。


舞姫の衣装も、デフォルメされて再現されているし
足には、アイスシューズに見立てた水色のローラースケートをはいている。


日本では今、そういう「ご当地キャラ」がブームでね。
まずはどんなものか、一度見てみるといいよ

とあるイベント会場の、整然と並んだブースの一角。
日本の「氷都」をPRするコーナーに、「氷都ちゃん」はコーチと一緒に立っていた。

たくさんの来場者に混じって、そこかしこに着ぐるみ姿の「ご当地キャラ」がいる。
笑顔で来場者に手を振る者、子供と一緒に記念撮影をしている者。
そこには、様々なキャラクターがいた。


(みなさん、すごいですね…
中に入って動かしているんでしょうか?)

着ぐるみなので表情は分からないが、きっと驚いているのだろう。
小さな声で、コーチに問いかけるミキ。

中の人などいない。
みんな、あれがご当地キャラの「本体」さ。
特に、今のきみはね

精神だけ地球に送り込まれた彼女が
外見は着ぐるみそっくりの「人形」に憑依している。
人形そのものが、今のミキの「かりそめの身体」なのだ。


わ、カワイイ♪
一緒に写真とってもいいですか?

そうこうしているうちにも、来場者が「氷都ちゃん」に声をかけてくる。

はい♪
私は、氷の都から来た「ひとちゃん」です。
みなさん、よろしくおねがいします!

旅芸人としての暮らしが長いせいか。
自然に言葉が出てきて、来場者と一緒にポーズを決めるミキ。

アイスブルグから地球へ来た彼女には、実のところ
「写真」が何なのかもよくわかっていなかったのだが。


いいね!その調子だよ
思わず、コーチも笑みをこぼす。
その時だ。

ヒャッホウゥゥゥ!!


とても特徴的な、よく通る声が会場内に響き渡った。

…あ、あの人は!?

その、声の主に気づいた時。
ミキの背筋に、戦慄が走った。


着ぐるみそのものは、決して丁寧なつくりとは言えないのだが。
彼のダンスは、規格外だった。

動きの俊敏さ、正確さ、表現力…
どう見ても、並のフィギュアスケーターを凌駕している。

あんな舞姫が、はたしてアイスブルグにいただろうか…?
繰り返すが、着ぐるみ姿なのにあの機動性なのだ。


彼は、なみいるご当地キャラの中でも異彩を放っていた。
もちろん、周囲には人の山だ。


おかげで、来場者の目はそちらに釘づけ。
「氷都ちゃん」とコーチは、ただあぜんとして見ているしかなかった。


まさか、あんなご当地キャラがいたとはね…。
ともかく、今日はごくろうさま。
初舞台にしては、上出来だったよ

イベントも閉会が近づき、人もまばらになった会場で。
自分を気遣ってくれているのだと察して、ミキも言葉を返した。


ありがとうございます、コーチ。
私…

氷都ちゃんの手が、きゅっと握られる。

私もすぐに、あのくらいできるようになってみせます。
この身体で、地球のスケートリンクを滑れるくらいに!
ヒャッ…!

そう言うなり、ミキは。
特徴的な声の「彼」を真似しようとして、盛大にずっこけた。
まだまだ、氷都ちゃんの身体に慣れていないのだ。


きみは、きみの道を行くんだ。
誰かの真似じゃない、きみだけの道をね

人生の先輩として。
コーチは、かっこよくきめようとしたのだが
起き上がろうとしてはまた転ぶ、氷都ちゃんの姿に思わずふき出してしまう。
ローラースケート脱げばいいのに。


その様子を見て、ミキもつられて笑い出し。
ふたりは大の字になって、ひとしきり笑いあった。




その後。
夢から覚めて、アイスブルグに戻ってきたミキは。

新しい目標ができたことを、女神アウロラに感謝したという。

こうして「氷都の舞姫代表」、旅芸人のミキは。
地球でも、ときどき何かのイベントがあるたびに
日本の「氷都」のご当地キャラ・氷都ちゃんとして活動しているそうだ。

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