フィギュアスケート×ファンタジーのテキストベースRPG


この世界と、氷都の歴史

氷都世界の略年表

年代出来事
帝暦1「偉大なる帝国」の建国。人類史上における黄金時代
帝暦1000頃「偉大なる帝国」、「五大国」と無数の小国に分裂。時代は「五王国時代」へ
帝暦1249頃北方の地・バルハリアの中立国「ローザンヌ王国」の首都
「蒼薔薇の都ローゼンブルク」に、異界より何者かが
「願いを叶える秘宝」を持ち込む。
それを知った「五大国」中の二強、「新たな帝国」と「連邦」から
送り込まれた密偵たちが秘宝争奪戦を繰り広げる。その最中、突如
「氷結の呪い」が発動し、ローザンヌ王国は一夜にして滅亡する
帝暦1250頃「新たな帝国」と「連邦」の全面戦争。
禁断の「紋章兵器」の使用により、世界各地に栄えていた都市文明が崩壊。
以後数百年に渡って「暗黒時代」が続く
帝暦1300-
1800頃
ローザンヌ王国の滅亡により、住処を追われていた人々が
「ボッカ族」として団結し極寒の地に適応した独自の文化・生活様式を築いていく。
帝暦1850頃「黄昏の時代」。人々は各都市の廃墟に分断されて生活。
異界「はじまりの地」より、冒険商人オティス一行がバルハリアに漂着。
10年の旧都探索の末、氷都の建設が開始される
帝暦2010〜現在。氷都創建150周年

偉大なる帝国


全ての人類は、かつて一つの超大国にまとまっていたといいます。
あらゆる民族・文化・宗教に調和と繁栄をもたらし、人類史上における黄金時代を築いた
「偉大なる帝国」

帝国の建国を紀元とする帝暦や、全世界で一つの共通言語が使われていることに
その名残がうかがえます。
(「氷都の舞姫」の舞台となる時代は、帝暦2010年代です)
帝国の分裂と、人類の衰退

偉大なる帝国の時代は、1000年ほど続きましたが、その後5つの王国に分裂。
五王国時代と呼ばれる、群雄割拠の時代に移ります。

それから250年後。五王国の中でも有力な二つの大国の対立は、大規模な戦争へと発展し
軍拡競争が生んだ禁断の紋章兵器の使用により、世界は天変地異に見舞われてしまいます。
大陸の地形や、気候が一変するほどの異変の後に残されたのは、崩壊した国々と
交通・物流網の分断により、都市単位で孤立して生きていくことを余儀なくされた人々でした。
都市国家時代の到来

現在の世界は、五王国を崩壊させた異変から数百年の暗黒時代を経て
大幅な人口減少などの要因から、他所と交流しなくても一つの都市だけで
最低限の自給自足が成り立つようになった都市国家の時代です。
過酷すぎる自然環境と、紋章兵器の副作用が生んだ危険な変異生物の存在により
都市間の交流は、極めて困難なものになりました。
人々は、変異生物の侵入を防ぐ城壁の中だけで生活するようになり
かつての繁栄の時代をしのぶ知識人たちは、現代を「黄昏の時代」と呼んでいます。

氷都の成立

神々に見捨てられた世界


五王国の崩壊以降、この世界に新たな都市が造られることはなくなりました。
帝国の時代から、人々の生活を支えてきた紋章建築技術の多くが失われたからです。
全ての都市は、荒れ果てた廃墟と化しました。

五つの王国は、分裂以前から数多くの「神々」の手によって
陰に陽に守護されてきたと伝わっていますが…
争いを繰り返す人間に愛想が尽きたのか、いずこかへ去っていったといいます。

しかし、そんな黄昏の時代に。
不毛のはずの極寒の地バルハリアで、新たな都市が築かれたというのです。
その噂は、暗いご時勢でも商魂たくましく都市間を渡り歩く交易商人たちによって
世界中に広まりました。

その都市の名は、氷城麗都アイスブルク
現在の氷都です。

「地続きの異界」からの来訪者


都市建設の偉業を成し遂げた男の名はオティス
「狼槍のオティス」の異名を持つ、偉大なる冒険者にして開拓者
また、優れた商人であり魔術師であったとも伝えられています。

彼は多くの冒険者たちと共に、オーロラの道の向こうから現れたとされます。
オーロラの道は、異界に通じる…。
北方辺境の狩猟民、ボッカ族の間で信じられてきた伝承は、事実でした。

ある探索行の途中、偶然にもこの地に導かれた冒険者たちは
ボッカ族と交流を深める過程で、いくつかの興味深い事実に気づきます。


異界の人間であるはずの自分たちの言葉が、何の問題も無く彼らに通じていること。

この世界の「偉大なる帝国」に関する伝承が、自分たちの出身世界の伝承とそっくりなこと。


自分たち以前に、この世界を訪れた者がいる…!?
二つの世界は、古代から交流があったのでは?
のちに、その推測を裏付ける重大な物証が発見されました。

氷に閉ざされし都


ボッカ族には、禁忌として恐れられる氷葬の封都についての伝承が残っています。
それは五王国時代、バルハリアがまだ緑あふれる大地であった頃に栄えた都市
「青薔薇の都ローゼンブルク」の廃墟でした。
(現代では、氷都アイスブルクと区別するため、旧都と呼ばれています)

滅亡以前の旧都は、五王国の中でも対立を繰り返す二大国間の争いに関わることなく
賢き王が善政を敷き、平和と繁栄を謳歌していたといいます。
しかしある日、宮廷を訪れた奇怪な道化師のもたらした不吉な予言が
王と都市そのものの運命を狂わせていくことになりました。

そう遠くない未来、この都市に「願いを叶える秘宝」が持ち込まれる。
怪盗、邪教集団、二大国の密偵…
秘宝を求める者たちの争いは、この都市に破滅をもたらす。
破滅のさだめから逃れたければ、彼らよりも先に秘宝を見つけてごらん。

そして半年後。
都市は、原因不明の異常寒波によって全てが凍りつくという、
誰もが予想し得ない怪奇現象によって、突然に滅びてしまいました。
住民を含む都市の全てが氷漬けとなり、その姿を永久に美しく保ったままで…。

この事件以来、ローゼンブルクは「氷葬の封都」と呼ばれるようになりました。
異変の原因を探るべく、二大国の軍がそれぞれ都市の調査に乗り出しましたが
彼らもまた、都に足を踏み入れたとたん、全て氷像と化してしまいました。

これは「氷結の呪い」だ!

そんな噂が流れて以来、都に足を踏み入れる者は、誰一人としていなくなりました
不可解な謎を残したまま…。
それどころか、都市からあふれ出す異常な冷気バルハリア地方全体までも覆い尽くし
緑あふれる大地は、一年中氷雪に閉ざされた極寒の地へと変わり果てました

「失われた紋章」と「女神からの依頼」


氷葬の封都に、誤って立ち入ってしまう者が出ないように
ボッカ族が禁忌として語り継いできた伝承を聞いた、異界からの冒険者たちは…
恐れるどころか、大いにその冒険魂を刺激されていました。
謎に満ちた古代の遺跡。そう聞いて、じっとしている彼らではありません。

彼らは、ボッカ族から聞いた別の伝承の中に、すでに氷結の呪いへの対策
見い出していたのです。

「極光の女神アウロラ」の加護を受けた巫女と、その従者ならば
氷結の呪いを受けずに、氷葬の封都へ入れるのでは?
冒険者たちが名目上、巫女の従者という形をとればよい。

だが、どうやってボッカ族の協力を得る?
彼らにとって大切な「巫女」を、最も禁忌とする場所に同行させるなどできるのか?

議論が紛糾する中、多くの冒険者たちの中から、皆の前に進み出た男がいました。
彼こそがオティス
商人としての才覚に秀でていたオティスは、ボッカ族のルーツに解決の鍵を見つけます。

なぜ、彼らはこのような不毛の地に住み氷葬封都の伝承を語り継いできたのか?
ボッカ族の正体は、かつてローゼンブルクの滅亡から、からくも難を逃れた人々の末裔だろう。
都市の滅亡以後、彼らは帰る場所を失い、極寒の地で不便な暮らしを強いられてきた。

我々は、巫女の力を借りて氷葬の封都に入る
そして、そこに当時のまま残っている五王国崩壊以前の「失われた紋章」を持ち帰るのだ。
そうすれば、紋章の力でバルハリアに新たな都市国家を築き、人々を苦難から救える。

人類が衰退し、ゆるやかに滅びゆく時代において。
異界人であるがゆえにこの世界の閉塞感を知らない、オティスが語った壮大な夢
冒険者だけでなく、苦難の歴史を歩んできたボッカ族の人々の心までも動かし
都市建設の偉業を成し遂げる原動力となりました。

驚いたことに、ボッカ族の人々があがめるバルハリアの主神「女神アウロラ」その人までもが
オティスたちの前に現れ、封都の謎を解明し、人々を救ってほしいと依頼してきたといいます。

他の神々が見捨てた世界で、力の弱い下級神だった彼女だけはただひとり
「ある事情」からこの世界を離れられず、主神として祭り上げられていたのです。

神の立場でも、なす術が無かったローゼンブルクの異変。
その状況を動かした人間の知恵に、女神も希望を抱いたのです。

アイスブルク誕生


その後、幾多の苦難はありましたが、オティスたち異界の冒険者は
封都から「失われた紋章」を持ち帰ることに成功します。
紋章が刻まれた建築物は持ち帰れないので、紋章を描き写すというやり方で。

持ち帰った紋章の解析異例の早さで進んだ理由として、
オティスたちの故郷で用いられていた技術との類似点が指摘されています。

こうして、人類史上、実に数百年ぶりに産声をあげた新たな都市は
氷城麗都アイスブルクと名づけられ、創建から150年を経た現在でも氷都として、
世界中の旅人が長い歳月をかけてでも目指す希望の地となっています。

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