フィギュアスケート×ファンタジーのテキストベースRPG


はじめての方へ


このページは「ゲームソフトやMMO、ソーシャルゲームのRPGしか知らない」方か
「そもそも、RPG自体知らない」方向けの説明用に作っています。

案内人あいさつ


はじめまして。
わたしは「ロールプレイの伝道師・いのう」と申します。
今回、ここで皆様のガイドを務めさせていただくことになりました。

よろしくお願いいたします。

ここでは、わたし自身の言葉で、他では絶対に聞くことのできない
「そうだったのか!」と驚く、RPGの真実についてお話いたします。
楽しく読んで、理解を深めていただければ幸いです。

RPGは、架空世界への観光旅行です


RPGは「ロールプレイングゲーム」の略で「役割を演じる遊び」…
と、ありきたりの説明をされても、ピンと来ない方もいらっしゃるでしょう。

このwikiでは、下に広告が出ます。ゲームに関連したサイトですので
いろいろなRPGの広告も表示されているかもしれません。
それらの広告を見て、RPGが何なのか、分かるでしょうか?

…たいていは、RPGについて理解していることが前提の宣伝だと思います。
けれども、その前提となる知識が不完全だとしたら?
広告でアピールしたいことも、上手く伝わりませんね。

ストーリーがあり、バトルがあって
モンスターを倒してレベルを上げる…というのは
実は、RPGのごく限られた一部分でしかありません。

RPGは、架空世界への観光旅行なのです。

知られざるRPGの素顔


あるとき、あなたは「架空の世界への観光チケット」を手に入れました。

架空の世界ですから、現実の世界に住むわたしたちは
直接訪れることが出来ません。

そこで、架空の世界を旅するための「架空の人物」を作り出し
あなたの代理として、向こうの世界へ送り出すことにします。

この人物のことを「プレイヤーキャラクター(PC)」と呼びます。
あなたとPCの関係は、人によっては「自分の分身」だったり
「代理人」や「友達」、「子供」や「お嫁さん」だったりと、色々です。

PCの人格や個性、年齢や性別は、自分で好きなように決められます。
あなたは、自分そっくりのPCをつくってもいいし
自分とは違う性別・性格のPCをつくっても構いません。


次にあなたは、観光地の情報が書かれたパンフレットや画像を見て
旅の計画を練ります。
名所をめぐり、宿屋に泊まったり、旅先で買い物を楽しんだり。
これは、現実の旅行と同じですね。

旅の計画を立てたあなたは、それをPCに伝えて
自分の代わりに、架空の世界での旅行を楽しんできてもらいます。

このとき、PCにあなたの意思を伝える手段の種類によって
RPGは、色々な名前で呼ばれます。

RPG御三家


  • コントローラー・キーボード・マウスなどでプログラムに入力するのが
    「コンピュータRPG」の仲間。
    ゲームソフトやMMO、ソーシャルゲームはみんなここに入ります。

  • あなた自身の言葉で直接、人間のゲームマスターに対面で伝えるのが
    「テーブルトークRPG(TRPG)」。全てのRPGの元祖です。

  • Eメール・掲示板・チャットなどで、遠くのゲームマスターに伝えるのが
    「プレイ・バイ・ウェブ(PBW)」
    TRPGをネット上で遊ぶ「オンラインセッション」も、この仲間です。
    昔、インターネットが普及する以前は、郵便を使うのが主流で
    「プレイ・バイ・メール(PBM)」と呼ばれていました。

「ゲーム」と「ごっこ遊び」


架空の世界へやってきた、あなたのPC。
彼・彼女は、現実の旅行と同じように、現地でさまざまな体験をします。

中には、現実の世界では決して体験出来ないような
不思議な出来事もあるでしょう。

それらは、明確なルールと目的を持った「ゲーム」であったり
想像力のおもむくまま、自由に楽しむ「ごっこ遊び」であったりします。
この二つの要素の組み合わせで、RPGの世界はできています。
どちらが欠けても、RPGとは呼べません。

これらを表現する手段も、三つのRPGでそれぞれ違いがあります。

コンピュータRPG

「ゲーム」の要素が強く、「CG」や「サウンド」が表現の主役です。
PCの行動が上手くいったか、失敗したかは「プログラム」で判定されて
結果は「画面の上」に表示されます。
基本的に、あらかじめプログラムされていない行動はとれません。

初期のコンピュータRPGは、技術上の制約から
「ごっこ遊び」の要素を上手く表現できませんでした。
MMORPGの時代になってから、チャットやエモーション機能による
キャラクターの個性・感情表現の可能性が見えてきましたが、作る側も遊ぶ側も
まだまだ「ゲーム」の要素しかなかった時代の常識に縛られています。

ハード面では、「ごっこ遊び」を楽しむ環境が整いつつありますが
ソフト面では、作り手・遊び手の意識がまだ追いついていません。

また、ゲームとしての勝ち負け・効率・損得だけにこだわる人が目立ち
「ごっこ遊び」文化の普及を妨げている一面もあります。

テーブルトークRPG

元祖RPGなだけに、「ゲーム」と「ごっこ遊び」のバランスが取れています。
歴史が一番長く、「ごっこ遊び」文化の層の厚さ、成熟度は群を抜いています。
勝ち負け・効率・損得だけにこだわる人は、面白みが無いと思われるでしょう。

「会話」や「身振り手振り」が表現の主役。
PCの行動が上手くいったか、失敗したかは、人間の「ゲームマスター」が判定して
結果は「口頭で」伝えられます。
ゲームマスターという「審判・司会進行役」が対面で、臨機応変に対応してくれるので
多少のアドリブをきかせることが出来ますし、想定外の事態にも対処可能です。
多くのゲームマスターは良心的で、プレイヤーが嫌がることはその場で止めてくれます。

行動選択の幅が広く、セリフも自分で決められます。
ただ、話し下手な人は自分のキャラクターを上手く表現するのが難しく
不便に感じることもあるかもしれません。

テーブルトークRPGは「参加者が全員ひとつの場所に集まる」必要がありますが
対面での安心感や信頼感、全員で協力して物語を作る体験を
強く感じることができるのも、魅力です。

PBW

PBWは、テーブルトークRPGとコンピュータRPGのハイブリッドです。
「ゲーム」と「ごっこ遊び」のどちらを重視するかは、タイトルごとに異なります。

表現の主役は、「テキスト」と「イラスト」です。
旅の思い出を「リプレイ小説(リアクションとも呼ばれます)」や
「イラストのオーダーメイドサービス」の形で残せるのが大きな特徴。

テキストでセリフを言うので、話し下手な人にとっては助かる一面もあります。
(文章が苦手な人には、不便に感じるかもしれませんが)
また、異性のキャラクターを演じやすいという特性も。
ただ、あまりにも「ゲーム」部分の勝ち負け・効率・損得にこだわりすぎると
やはり「ごっこ遊び」の楽しみが失われる傾向にあります。

一見、両者のいいとこ取りのように見えますが
実際は器用貧乏・中途半端の側面も目立ちます。

PCの行動の成否は、多くの場合テーブルトークRPGと同様に
人間の「ゲームマスター」が判定しますが、ここにPBW特有の問題があります。

PBWのゲームマスターは、テーブルトークRPGのゲームマスターと違って
プレイヤーに対面で接することができないため、いちじるしく柔軟性に欠けます。
お互いに、文章でしかコミュニケーションが取れないのですから
臨機応変な対応は、とても期待できません。skypeや動画の活用もされていません。

ゲームマスターの下す裁定は、しばしばプレイヤーの意思を無視した
機械的・独裁的なものになりがちです。
人間より、コンピュータに任せた方がいいのでは?と思うほどです。

人間の処理速度には限界があり、ネット上で人間のゲームマスターを使う利点は
ほとんど無いのに。多くのPBW運営各社は、かたくなに人間のゲームマスターを
使うことに固執しています。
それが、PBWをマイナーなジャンルのままに停滞させています。

新しい商業PBWを立ち上げる人は、たいていゲームマスターの経験者です。
それが、関係しているのかもしれません。
ちなみに、わたしはゲームマスターの経験がありません。
プレイヤーとしての経験だけで、新しい商業PBWを立ち上げました。
どこかのPBW運営企業に勤務した経験も、ありません。

経験が無い方が、おかしな「業界の常識」に染まらずに済んで良かったと思います。

多くの商業PBWは「公正な判定のため」「シナリオのネタバレや癒着防止」を
名目に、プレイヤーをやりながらマスターも兼ねることを禁じています。
プレイヤーとマスターの交流も、大きく制限されています。
これは、テーブルトークRPGでは持ち回りでかわるがわるマスターを務めたり
プレイヤーとマスターの間に強い連携が働くのとは、全く逆です。
これらも、ゲームマスターの人手不足に関係しているのでしょう。

近年では、PBWの新しいスタイルの遊び方が広まりつつあります。
慢性的なゲームマスター不足のため、大半のプレイヤーがまともに
シナリオに参加できない状況が、新たな知恵を生んだのです。

ゲームマスターが不要な、掲示板上でのごっこ遊びや
無料で楽しめる、季節イベントが盛り上がると
みんなでお金を出しあって、その様子をイラスト化。

あるいは、公式のシナリオに参加できなくとも
自分で、自分のキャラのストーリーを創作して楽しむ。
公式が、有料で二次創作の手伝いをしてくれる。
こんなサービス、他にありません。

オリジナルのアイテム・スキルの作成サービスなど
一部では「ごっこ遊び」文化の普及を強烈に後押しする
楽しい遊び方の提案も、出てきています。

表面的には、衰退しているようにも見えますが
「ガチャに一円も出さない人が、イラストに月数万つぎこむ」といった
興味深い現象もあり。
「ゲームマスター制度の廃止」などの大胆な改革が実現すれば
もともと個性の強いPBWは、マンネリ気味のコンピュータRPG業界に
新しい風を起こす存在となるかもしれません。

本当の意味で、コンピュータRPGとテーブルトークRPGのハイブリッドを
実現するには、両者の特徴・性質をよく知った上で
破綻しないように、相乗効果が出せるように組み合わせるセンスが問われます。
それが出来たとき、PBWは真の力を発揮するでしょう。

そして、そういう改革に取り組みやすいのは
古い常識にとらわれない、新参者の方ではないでしょうか。

RPGの未来は明るい


最近、ゲームソフトで新作のRPGが出なくなった。
あの人気シリーズの迷走、などの話を聞きますが。

わたしは、RPGの未来は明るいと考えています。

少しずつ、「ごっこ遊びの文化」が浸透してきているからです。

夢と魔法の国のテーマパークはこの分野の大先輩ですし
ホテルの参加型推理イベントは、テーブルトークRPGの変わり種とも解釈できます。

人気アニメや映画をテーマにしたホテルの部屋や列車もありますし
小さなテーマパーク、といった趣のレストランもあります。

RPGは、そんな「ごっこ遊び文化」の歴史ある老舗。
みんなでその魅力を再発見し、広めていきましょう。

あなたも、よい旅を。

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