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衛星

ムグンファ3号 (Koreasat-3)

概要
  • 1999年09月04日打ち上げ。
  • ムグンファ5号の運用開始に伴い交代。
  • 中継器はKuバンド33本（通信用24本、放送用6本及びムグンファ衛星としては初搭載の通信用Kaバンド3本）。
  • 海上作戦衛星通信システム (MOSCOS) では、Kuバンドが使われていた。
  • 2010年5月、Asia Broadcast Satellite (ABS) に売却され、名称もABS-7に変更された。

ムグンファ5号 (Koreasat-5)

概要
  • 2006年08月22日打ち上げ。
  • 現在運用中。
  • 中継器はKuバンド24本（民間 (KT) 用）、Xバンド8本及びKaバンド4本（軍用）。
  • 軍用中継器は受動中継器（Xバンド、Kaバンド）及び能動中継器（Xバンド）。本数の内訳は不明。なお、能動中継器については必通リンクを参照。
  • 海上作戦衛星通信システム (MOSCOS) では、軍用中継器ではないが、引き続きKuバンドも使われている。
  • ビームは戦区ビーム（Xバンド）、朝鮮半島ビーム（Xバンド、Kaバンド）及び広域ビーム（Xバンド）の3本。
  • 韓国軍がXバンドの軍用衛星通信システムを運用するのはこれが始めて。そのため、艦艇などでは、既存のKuバンド用衛星通信アンテナに追加して設置される。

ムグンファ衛星5号打ち上げに際して軍衛星通信紹介（国軍指揮通信司令部）
ttp://www.jcs.mil.kr/views/jsp/download.jsp?location=magazine&no=78

世界初の人工衛星スプートニク (Sputnik) が、ソ連により1957年に打ち上げられて48年余りが経過した現在、世界各国は、衛星通信、地球観測衛星、科学研究衛星及び軍事目的衛星など、数千個の衛星を打ち上げて運用している。軍でも現在、機動性、広域性、地形及び気象障害克服能力を備えた、強力な戦略・戦術指揮通信システムを構築するために、軍衛星通信システムの構築を進めている。

ムグンファ衛星5号は、2006年6月に打ち上げ予定で、フランスAlcatel社のSpaceBus 4100C1衛星をモデルに、民・軍共用衛星として開発、共同管制する予定である。米国ハワイ南方、赤道線海上の大型バージ船の甲板から打ち上げられ、静止軌道に投入されてから約5か月間の初期軌道上試験 (IOT: In-Orbit Test) 後、東経113°において各種通信サービスを提供する。ムグンファ衛星5号は15年以上の寿命を有し、東経113°±0.05°の軌道ボックス圏内で運用される。

軍衛星通信システムの構成及び運用

軍衛星通信システムは、韓半島と沿岸地域を中心に、海上交通路を含む半径5,500Kmエリア内の陸上、海上及び空中での指揮通信を支援して、合同参謀本部を中心とした統合戦闘力の発揮を可能にする戦略・戦術指揮通信システムである。また、構築される衛星通信網は、既存の構内交換機、戦術交換機、各種の自動化システムなどと連動して、幹線通信路を提供する。

軍衛星通信システムは、民・軍通信衛星体、衛星管制システム、ネットワーク・セルフテストシステム及び各種の通信目的と用途により、固定用、車両用、携帯運搬用、水上艦艇用及び潜水艦艇用端末に区分される各種の地上通信端末から構成される。

衛星通信（ムグンファ5号）の構造及び特性

ムグンファ衛星5号は、東経113°赤道上空36,000Kmで韓半島をポインティングする静止軌道衛星である。ムグンファ衛星5号は、軍・民 (KT) 共同管制衛星として、衛星体のバス部に軍通信用中継器 (SHF及びKa-Band) 及びアンテナ、並びに民間通信用中継器 (Ku-Band) 及びアンテナを搭載して、各種の通信サービスを提供する。
通信衛星体は大きく、衛星の目的である通信用中継器部と衛星構造体のバス部から構成される。通信用中継器は、民間通信用中継器 (Ku-Band) 及びアンテナ、並びに軍通信用中継器 (X-Band及びKa-Band) 及びアンテナに分けられる。衛星バス部は、正確なビームポインティングのための各種センサーと姿勢制御推進機用の姿勢制御部、東西南北の軌道調整及び姿勢制御時に使われる燃料と各種推進機から構成される推進力部、衛星が必要とする電力を提供する南北太陽電池パネルとバッテリーの電力制御部、温度差が過酷な宇宙環境で安定した熱制御を可能にする熱制御部、そして、衛星の中央処理装置を通じて各端末装置を制御する搭載体コンピュータから構成される。

衛星運用局の構成及び運用

衛星通信運用局は、大きく衛星制御任務と網（ネットワーク）制御任務に分けられる。

1.衛星制御センター

衛星制御センターは、衛星制御運用システムと地上TT&C (※1) システムから構成され、衛星制御運用システムは、衛星寿命周期の間に衛星体及び搭載体に対するすべての制御及び状態管理を担当し、衛星制御命令送信 (Commanding)、衛星状態情報受信 (Telemetry) 及び衛星距離測定などのリアルタイム処理部と軌道分析などの非リアルタイム処理部から構成される。
※1) TT&C: Telemetry Tracking and Commanding

地上TT&Cシステムは、衛星制御運用システムが発した衛星制御命令を、衛星リンクを通じて送信するための通信処理を行う基底帯域 (Base-band) 装置と衛星通信管制所の標準時間及び基準周波数情報を提供するための装置から構成される。

2.網（ネットワーク）制御センター

衛星通信を利用して構成される通信網は、衛星体に搭載された通信中継器及び衛星端末から構成され、網（ネットワーク）の特性によって衛星通信網を制御するための装置が必要になる。網制御センターはPAMA (※2) 網制御器、DAMA (※3) 網制御器及びIOT/CSM (※4) 装置などから構成され、端末装備の状態監視及び制御、通信連結、端末装備の周波数及び電力制御などの任務を行う。DAMA網制御器は戦術リンクを支援するためのFH-CDMA (※5) 網と必通リンク (※12) を支援するためのFH-FDMA (※6) 網の中心局の役割をする。DAMA網制御器はFH-CDMA/FH-FDMA網を運用・管理して、DAMA通信方式を通じて接続するすべての端末が、単一通信方式網に接続されるように支援する通信連結処理支援機能を行う。

PAMA網は、大容量通信が要求される指揮所間の幹線リンク、指揮統制網、情報収集/電波網で運用され、PAMA網制御器を中心にスター型ネットワーク構造 (※7) を持つ。伝送周波数帯域拡散機能を有しており、伝送容量が大きいのが特徴である。音声及びデータ回線の割当のために事前割当方式 (※8) で運用され、運用周波数はSHF (※9) /Ka (※10) 周波数帯域を使用する。
※2) PAMA: Pre Assignment Multiple Access
※3) DAMA: Demand Assignment Multiple Access
※4) IOT/CSM: In Orbit Test/Communication System Monitoring
※5) FH-CDMA: Fequency Hopping - Code Division Multiple Access
※6) FH-FDMA: Fequency Hopping - Frequency Division Multiple Access
※7) スター型ネットワーク構造
※8) PAMA: Pre-Assigned Multiple Access
※9) SHF: Super High Frequency
※10) Ka: Ka Frequency Bandwidth

衛星通信端末の構成及び運用

軍衛星通信システムの地上端末は、使用者に衛星通信サービス（通信路）を提供して、通信需要者、すなわち使用者が直接運用する部システムである。地上端末は搭載及び設置形態並びに通信提供能力によって固定用端末、車両用SHF端末、車両用EHF (※11) 端末、携帯運搬用端末、水上艦艇用端末、潜水艦艇用端末などを開発して試験中である。

固定用端末 (FSE: Fixed SHF/EHF Terminal) は、作戦司令部級以上の戦略部隊に固定運用式として設置され、一般通信はもちろん、既存の軍通信手段とも連動するように要求されており、戦時または平時における大容量の軍通信手段を提供することはもちろん、戦時すべての作戦に最も重要な通信及び作戦命令を伝達する、軍衛星通信システムの核心的な機能を担う衛星端末である。
車両用端末は、軍団及び師団級の指揮通信支援を主な目的として、2.5トン車両及びトレーラに、アンテナ、通信装備、発電機などを搭載した構成で、幹線では最大E1級が提供され、単一チャンネル回線で2個の戦術リンク及び2個のECCM対応能力を持った必通リンクが提供される。
水上艦艇用端末は艦艇に設置され、艦艇−陸上指揮所間及び艦艇−艦艇間の指揮通信を支援して、一般リンクは海軍戦術C4I及びKNTDSシステムに伝送路支援を目的として使われ、戦術リンクは陸上指揮所または他の艦艇との指揮通信用衛星電話として使われる。
携帯運搬用衛星端末は、軍用衛星端末として周波数帯域 (X-Band) 上で周波数跳躍方法を利用した音声及びデータ通信が可能で、単独で携帯・移動・設置が可能であり、二重方式によって音声及びデータ通信がなされ、地上指揮所との間で報告及び作戦用として運営される。
潜水艦艇用衛星端末は、SHF周波数帯域を使う軍用衛星通信端末として、現在、海軍で建造中の次期潜水艦 (KSS-II) に設置予定の作戦指揮用端末である。潜水艦艇用衛星端末は、陸上・海上指揮所と潜水艦艇間の指揮及び報告通信用として活用され、移動及び停止中に軍衛星通信サービスを提供する。
※11) EHF : Extreme High Frequency
※12) 必通リンク（必須通信リンク）
基本モードで運用時、敵のジャミング攻撃に対して積極的に対応できるように、基本モードから脅威モードへの切り替えを自動で行うことができる能動中継器 (Active Transponder) によって構成されるリンク。なお、運用モードは、他に作戦モードがある。

衛星通信に期待される効果

今後、軍衛星通信システムが構築され運用されることで、既存の有線・無線通信の弱点を補い、生存性、信頼性、地形及び障害克服能力の面において、衛星通信に期待される効果は次のとおりである。

第1に、生存性の保障面では、既存の有線通信の場合、施設が地中に埋設されており、また、一定の間隔でマンホールが露出しているために、人為的な破壊行為には決定的な弱点となっている。既に敷設されている有線線路が1か所でも切断されれば、復旧に多くの時間を必要とし、軍の作戦が決定的な影響を受けることになる。反面、衛星通信は、地上及び空中の如何なる通信手段よりも生存性が保障されるので、人為的な破壊行為はもちろん、自然災害や障害の問題を解消できるなど有利な点が多い。軍の有線・無線の通信手段が、緒戦に敵の各種地上及び空中攻撃から多大な被害を受けることで、指揮通信手段が途絶え、被害の復旧に長期間が必要になるという決定的な弱点を解消できる。また、最も信頼性がある衛星通信を提供し、ECCM能力を最大化することで、保安性が保障された通信手段を提供することができる。

第2に、信頼性と融通性面では、衛星通信は宇宙に中継所（通信衛星）を1つだけ設置して、あとは網（ネットワーク）制御センターと各種端末から通信網が構成される。衛星制御施設を除いては、すべての通信所が軍の多様な作戦要求を収容でき、機動性もあることから、迅速な移動及び設置が可能で、機動間でも持続的な通信を維持することができる。また、車両に設置したり、携帯できる携帯用衛星端末機は、小型衛星アンテナだけを設置すれば、どこででも音声及びデータ通信が可能で、軍指揮統制通信を最も有効・適切に設置して運用することができる。

第3に、収容能力と迅速性面では、空中電波を使う通信手段は、大量のデータを伝送するには限界に達している。現在、運用している多重M/W（マイクロ・ウェーブ）無線網を除く単一無線網は、音声及び簡単な小容量のデータ信号処理だけが可能なのが実情だが、衛星通信は使用者の衛星端末機により、音声、データ、映像信号など、収容能力により小容量から大容量に至るまで、多様な情報を速かに処理できる通信網を提供することができる。

第4に、地形及び障害克服能力面では、衛星通信は地形と障害物に束縛を受けずに構築できる通信手段であることから、地上に不必要な中間補完施設を設けずとも、直接に双方の通信所間で通信が成り立つ。

衛星の可視圏内では制限がなく、どこででも同等な通信品質を提供することで、無線通信の地形障害による通信途絶と品質の低下を補完する通信手段を提供することができる。

第5に、C4Iシステムの相互運用性面では、将来戦は前方・後方の区別が存在せず、戦場エリアが広範囲で指揮統制の範囲が大きく拡張されるため、戦争指導部と各級部隊間が密接に通信システムで連結され、リアルタイムにすべての戦場状況が速かに報告され伝播することで、円滑な指揮通信を保障することができる。したがって、衛星通信は、連合及び合同作戦時に、指揮統制通信能力を最大に発揮することができる。

結語
ムグンファ衛星5号による軍衛星通信システムは、通信エリアの広域性（韓半島及び広域ビームを通じたアジア、オーストラリア及び太平洋地域）、迅速な回線構成、すべての端末（車両、艦艇、航空機及び携帯用）に対する移動性、敵の電子的脅威に対する対応機能、グループ通信機能、電波の同報性による一斉指令機能などの多くの長所を持っており、敵の攻撃に露出して戦時の生存性が脆弱な有線幹線指揮通信路、険しい地形での運用が困難な多重チャンネル・単一チャンネル無線通信路、電波の跳躍区間及び気象の影響で信頼度が低い高周波帯域通信路などに依存する、現在の指揮通信システムの脆弱部分を効果的に補完できる、将来の指揮通信のためには必須のシステムである。

一方、衛星通信システムは、上記のようにさまざまな長所を持っている反面、相対的に高価な装備であり、提供容量が制限されている。したがって、軍衛星通信システム運営の条件としては、費用対効果が最大化されるようにシステム運用をしなければならない。システム運営構造の効率化は、最も必要なところに衛星通信システムが優先的に配備され運用されることがその手始めである。そのため、軍衛星通信システムの基盤構築、衛星資源の効果的な運用及び効率的な衛星システム運用のためには、各軍で考慮されている運用概念や作戦概念が持続的に反映、補完されなければならない。

▼ムグンファ5号の通信エリア

（朝鮮日報日本語版）

オルレ (olleh) 1号 (Koreasat-6)

概要
  • 2010年12月29日打ち上げ。
  • 現在運用中。
  • 中継器はKuバンド30本（通信用24本、放送用6本）。
  • ファクトシート（オービタルサイエンス社）
    ttp://www.orbital.com/NewsInfo/Publications/Koreasat6_Fact.pdf
  • オルレ (olleh) は英語のHelloを逆にした単語で、KTの統合ブランド名。打ち上げ前はムグンファ6号と報道されたこともあった。

千里眼（チョルリアン） (COMS-1)

  • 2010年6月26日打ち上げ。
  • 現在運用中。
  • 通信、海洋及び気象観測を目的とする。
  • 通信用としてKaバンド中継器4本（内1本予備）を搭載する。また、これを使い、2016年ごろに運用開始予定の次期軍衛星通信システムのためのさまざまなテストを行っている。
  • ビームは韓国及び北朝鮮の2本。
  • ファクトシート（EADSアストリアム）
    ttp://www.astrium.eads.net/media/document/7967tl_coms_data_sheet_screen.pdf

その他（KT共有衛星）

ABS-1 (Koreasat-7)
2010年7月、Asia Broadcast Satellite (ABS) が所有するABS-1をKTが一部譲り受けて共同所有とし、うちCバンド4本の中継器を所有する。

ABS-2 (Koreasat-8)
2013年初めにAsia Broadcast Satellite (ABS) が打ち上げ予定で、KTは、うち8本（Cバンド4本、Kuバンド4本）の中継器を所有する。なお、ABS-2 (Koreasat-8) は合計78本の中継器を搭載する超大型衛星である。

軍衛星通信システム (ANASIS)

システムの名称

制式名称はURC-700Kだが、一般には軍衛星通信システム (ANASIS: Army Navy Air-force Satellite Information System) と呼ばれる。

概要

合同参謀本部において、陸・海・空軍の合同運用が可能なシステムとして開発された衛星通信システム。
対電子戦能力を有する戦術通信回線では19.2kbps、セキュリティが保証された高速通信回線では2Mbpsの伝送能力を持つ。

開発

ムグンファ5号で運営すべく開発された。
1996年11月　事業着手
2002年05月から2007年12月　システム開発
2007年04月　システム/端末機運営試験評価完了
2007年09月　戦闘用適合判定獲得
2007年12月　量産開始

構成

  • 通信衛星
    ムグンファ5号
  • 地上管制所
    地上管制所では、通信衛星の制御及び衛星通信網の管理・制御を行う。
  • 地上端末装備
    • 固定用端末
    • 車両用（SHF大型、SHF小型、Ka）端末
    • 携帯用端末
    • 水上艦艇用端末
    • 潜水艦艇用端末
    • 航空機用端末（開発中）

  • 固定用端末FRC-720K
    • 概要
      陸・海・空軍の司令部級以上の戦略部隊に設置され、軍衛星通信システムを構成する全ての端末と通信を行うことができる衛星端末であり、軍衛星通信システムの中核の役割を果たす。サムスンタレス製。
    • 機能及び特徴
      • ムグンファ5号衛星との連動
      • DAMA方式及びPAMA方式による接続
      • 大容量の加入者を収容（低速600回線、高速36回線）
    • 諸元
      • 運用周波数
        SHF帯域及びKa帯域
      • 加入者接続容量
        　　■　対電子戦加入者　最大15回線
        　　■　一般単一加入者　最大600回線
        　　■　多重加入者（2M級）　最大36回線
      • モデム接続部
        　　■　DAMAモデム　15回線
        　　■　PAMAモデム　最大36回線
        　　■　制御及びOWモデム　最大2回線
      • アンテナ接続及び制御
        SHF帯域及びKa帯域アンテナ接続
      • 情報保護機能
        情報保護モジュール

▼通信網を制御・運用する主運用局と固定用端末FRC-720K。




▼DNC (DAMA Network Control System)（DAMA網制御器）



  • 車両用端末TSC-791K
    K511トラックに搭載され、軍団及び師団級部隊で運用される。
　TSC-791Kの概要
　・アンテナ径 : 2.4m
　・周波数帯 : Xバンド
　・利得 : 43.0dBi以上
▼車両用端末TSC-791K






▼国防技術品質院とLIGネックスワン関係者が、車両用端末アンテナ部でアンテナ性能を点検している様子（国防日報）。


  • その他に、TSC-801K（Kaバンド、アンテナ径1.8m）という車両用と思われる名称の端末がある（おそらくK311トラックに搭載）。

  • 携帯用端末PRC-821K
　PRC-821Kの概要
　・周波数帯 : Xバンド
▼携帯用端末PRC-821K




▼アンテナは分解して携帯することができる。


▼国防技術品質院とサムスンタレス関係者が、携帯用端末の性能を点検している様子（国防日報）。



  • 航空機用端末については、P-3C第2次導入事業の際に、アメリカからオフセット取引の一環として、航空機搭載用アンテナなどについて技術移転を受けている。

  • その他
    MD-856K 軍衛星通信装備、MD-716K 軍衛星通信装備

海上作戦衛星通信システム (MOSCOS)

システムの名称

制式名称はSRC-1Kだが、一般には海上作戦衛星通信システム (MOSCOS: Maritime Operation Satellite COmmunication System) と呼ばれる。

概要

海軍独自の衛星通信システム。
当初はムグンファ3号を使用していたが、その後、ANASISの運営開始に伴いムグンファ5号へ移行し、新たにXバンド用衛星通信アンテナを追加するなど、同時に装備も更新している。なお、搭載艦艇は、全戦闘艦艇（ただし、チャムスリ級の搭載率は、おそらく7割から8割ほどではないかと思われる）と主要な補助艦艇（補給艦、掃海艦艇など）。

開発

ムグンファ3号で運営すべく開発され、2001年から2003年にかけてシステムを構築した。
また、ANASIS（ムグンファ5号）の運営開始及びKNTDS事業に伴い、装備を更新中。

構成


  • 水上艦艇用端末SRC-851K
　SRC-851Kの概要
　・周波数帯 : Xバンド
　・PCC級以上に搭載
▼ソマリア清海部隊艦艇に搭載された水上艦艇用端末SRC-851K
アンテナドーム隣の箱状の物はデッキユニット（なお、奥に見えるのはSLQ-261K (TACM) ）。
端末はヘリ格納庫の上に1基設置される（写真のイ・スンシン級の他、クァンゲトデワン級、インチョン級）が、セジョンデワン級では艦橋上中央と前部煙突前方フラットに1ペア（2基）が設置される。



▼セジョンデワン級（ユルゴクイイ艦）


▼中のアンテナ


▼設置工事の様子



▼クァンゲトデワン艦 (DDH-971) の艦橋上（左舷側）に設置されているKuバンド用衛星通信アンテナ。大きい写真（軍Flickr）。
なお、反対側（右舷側）に設置されているアンテナドームは、NERA社（現Thrane&Thrane社）製インマルサットB衛星通信アンテナ（Saturn Bm端末）。写真中央の揚陸艦 (LST-683) の艦橋上に設置されているアンテナドームも同様。


▼写真の左中央、ワンゴン艦 (DDH-978) に、左右対に設置されているアンテナドームはKuバンド用衛星通信アンテナ（その間に設置されているアンテナドームは、おそらくCS衛星放送用アンテナ）。
なお、煙突部からL字型に突き出して設置されているアンテナドームは、NERA社（現Thrane&Thrane社）製インマルサットB衛星通信アンテナ（Saturn Bm端末）。


▼ヤン・マンチュン艦 (DDH-973) の艦橋艦長席にある衛星電話端末。


  • 潜水艦艇用端末
    • 概要
      潜水艦に搭載して運用される軍衛星通信端末で、潜水艦が停止または移動しているときに通信が可能な指揮通信用装備。潜水艦用衛星通信システム (Korean Satellite Super High Frequency (SHF) Satcom) とも呼ばれる。サムスンタレス製。
    • 機能及び特徴
      • ムグンファ5号衛星との連動
      • DAMA方式による接続
      • インターコム、ハンドセット、PC (RS232) 整合
      • イーサネット接続
      • 受信専用機能
    • 諸元
      • 加入者向け
        　　■　艦内有線通信
        　　■　ハンドセット & ハンドセット
        　　■　PC、DDN (RS232C)
      • モデム接続部
        DAMAモデム　3回線
      • 情報保護機能
        情報保護モジュール

▼潜水艦艇用端末
アンテナドームの中には、小さなパラボラアンテナが収められている。


▼艦内装置


▼通常の衛星通信用アンテナドームを小型化したような形をしている（クリックで拡大。潜望鏡（ガラス窓のようなものが見えるもの）の左隣。なお、潜望鏡は非貫通式潜望鏡（OMS 100、独カールツァイス・オプトロニクス製（LIGネックスワンのライセンス生産または取り扱い。なお、2011年10月以降は、独カールツァイス・オプトロニクスとLIGネックスワンの合弁会社であるLnZ Optronicsが供給。以下同じ）））。


▼アンテナが取り付けられていない状態（進水式）。


▼ソン・ウォンイル級のマスト群について（クリックで拡大）
写真左から、スノーケル、非貫通式マスト（アンテナ、センサ類（超長波 (VLF) 用かもしれない））、対水上レーダー、貫通式潜望鏡（SERO 400、独カールツァイス・オプトロニクス製）、ESMマスト（UME-200、瑞典SAAB製（LIGネックスワンのライセンス生産または取り扱い））、通信マスト（HF、UHF、VHF、IFF、GPS）、Xバンド用衛星通信アンテナ。衛星通信アンテナを除き、独GABLER製。



以下は、ムグンファ3号で運営されていた当時のもの。
  • 特徴 : 双方向衛星VSATネットワーク
  • 中心局 : 4.6Mアンテナ、RFシステム
  • 移動局 : 大型艦艇、小型艦艇（衛星電話、FAX、データ）
  • 固定局 : レーダーサイト、防御司令部、艦隊司令部（衛星電話、FAX）
  • 送信利得 : 40dBi (1.0m)、受信利得 : 39dBi (1.0m)、RF出力 : 2W,4W
  • 伝送速度 : 64kbbs
  • サービス機能 : 電話、グループ電話、FAX、データ
  • 秘話機能（電話、FAX、データ）及び自己故障診断機能

▼システム一式（マーキュリー社）
図には商船が描かれているが、このシステムは民間用ではない。



その他

海軍の端末装備は「SRC-」から始まる名称を使用している。

KNTDSとMOSCOSの関係
KNTDS搭載艦艇
KNTDS搭載艦艇はもれなくMOSCOS搭載艦艇、すなわちANASIS搭載艦艇である。艦艇別では、チャムスリ級を除く、潜水艦を含む全戦闘艦艇が搭載艦艇である。なお、チャムスリ級はLink-14を使って戦術情報を受信する。

MOSCOS搭載艦艇
MOSCOS搭載艦艇は必ずしもKNTDS搭載艦艇とは限らない。すなわち、チャムスリ級はKNTDS搭載艦艇ではないがMOSCOS搭載艦艇である。艦艇別では、潜水艦を含む全戦闘艦艇及び主要な補助艦艇が搭載艦艇である。ただし、コムトクスリ級はXバンド用衛星通信アンテナを搭載しない。

セジョンデワン級の艦橋上の衛星通信アンテナ群について

対角線上にペアで設置するやり方はアーレイ・バーク級に倣ったのかもしれないが、並びは次のとおり。
写真1枚目、マストを中心として時計回りに、

1.　Kuバンド用衛星通信アンテナ
2.　UHF SATCOM アンテナ (AV2099)
3.　インマルサットB衛星通信アンテナ（Saturn Bm端末）
4.　Xバンド用衛星通信アンテナ (SRC-851K)
　　さらに、前部煙突前方フラットに1基設置されている。
5.　CS衛星放送用アンテナ？（文字は SeaTel? or SAILOR?）ただし、現在は撤去（移設）されている。
　　※ユン・ヨンハ艦には SeaTel社製アンテナが搭載されている。
6.　Kuバンド用衛星通信アンテナ
7.　UHF SATCOM アンテナ (AV2099) の順。

▼セジョンデワン艦（大きい写真。米軍Flickr）


▼セジョンデワン艦（クリックで拡大）


▼ユルゴクイイ艦（進水式）


  • UHF SATCOM アンテナ (AV2099) は、海上自衛隊（世界の艦船など）で「USC-42衛星通信アンテナ」と呼ばれている機器だが、これはアンテナの名称ではなく、衛星通信端末（ターミナル）の名称。
　メーカー製品情報 (AV2099)
　メーカー製品情報 (AN/USC-42 (V) 2)
  • 写真2枚目、AV2099アンテナドーム中央の留め具のようなものは、下側の隙間が開き過ぎていることからも、おそらく上下逆に留めているのではないかと思われる。なお、ユルゴクイイ艦は、あたご型などと同じ向きになっている（写真3枚目）。
  • AN/USC-42 (V) 2 Mini-DAMA 端末は、FMSプログラムの下で供給される旨の発表が国防総省からなされている。FMSプログラムでは、契約がなされたからといって必ず供給されるわけではないが（米国は解除権を留保する）、実艦に UHF SATCOM アンテナ (AV2099) が搭載されていることからも、それに対応する端末装置は当然に供給されていると考えられる。
　国防総省発表・その1
　国防総省発表・その2

  • ソマリア清海部隊として派遣される艦艇には、インマルサットFB500が追加される。

  • 海洋警察庁のムグンファ5号を利用した広域衛星通信網 (KOSNET: Korea Coast Guard Satellite Communication Network) とも接続（2010年06月）されている。なお、KOSNETは警備艦艇211隻（大中型65隻、小型146隻）に搭載され、通信速度は最大2Mbps、通信エリアは約1600km。
（参考）
▼315艦（300トン級）に設置されているKOSNET衛星通信アンテナ



▼船内装置


次期軍衛星通信システム

2011年に開発に着手し、通信エリアを中東まで広げ、2016年ごろにムグンファ5号と交代する予定。また、既に2008年からはKa/EHF周波数帯を使用するための研究も行われている。

衛星全軍防空警報システム


その他

衛星通信システムの広報動画
ttp://www.dapa.go.kr/upload/board/BDDAPA24/board_BDDAPA24_3764.wmv

各端末機の開発・テスト・運用の様子や、次期衛星通信システムなどが見られる。

ニュース記事

サムスンタレス、国内初、千里眼衛星と通信成功[アジア経済](2011.01.27)

ttp://www.asiae.co.kr/news/view.htm?idxno=2011012709205542845

▼移動型衛星通信端末 (OTM) テストベッド。


▼アンテナ径は90cm。


我が軍が、戦時状況にあっても、いつでもどこでも千里眼衛星との通信を通じて指揮統制ができるようになった。

サムスンタレスは27日、「国内の防衛産業企業として初めて移動型衛星通信端末 (OTM: On The Move) のテストに成功した」と明らかにした。

今回のテストは、先月8日から2か月間にわたって、韓国電波通信研究院 (ETRI) のテストベッドとして、OTM、多帯域衛星通信アンテナなど衛星通信システムを試験した。試験は成功のうちに終わった。特に、多帯域衛星通信アンテナは、1つのアンテナで3つの周波数帯域 (X、Ku、Ka) を同時に使うことができる。

また、移動中 (100km/h以上) であっても衛星を通じて、双方向に音声、映像、データ伝送などマルチメディアサービスの提供が可能なOTM端末を我が軍が使えば、戦場においてリアルタイムに指揮統制及び戦場状況を共有することができる。民間システムに活用すれば、火災、洪水、地震など災難地域の指揮用移動基地局として使用可能だ。

サムスンタレスのチョン・キヒョン常務は、「開発初期から輸出を念頭に置き、純粋な国内技術で開発されたシステムとして、これまでの製品と比較して価格競争力を確保した。また、周波数ホッピング (hopping) によって電波妨害 (Jamming) を回避する電子戦機能まで有しており、高いグローバル競争力を持っている」と話した。

一方、千里眼衛星は昨年6月27日、南米フランス領ギアナ宇宙センターから発射された衛星だ。高度3万6,000kmで地球の自転速度と同じ時速1万1,000kmの速度で地球を周回している。通信・海洋・気象機能を1つの衛星に搭載した複合実用衛星として、東経128.2度で7年間運用される。
補足
ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=8&menuCnt=&writeDate=20110131&kindSeq=6&writeDateChk=20110131
ttp://www.etnews.co.kr/news/detail.html?mc=m_015_00001&id=201101270048
(2011.01.27.1)

ＫＴ、通信放送衛星「オルレ１号」打ち上げ成功[東亜日報](2010.12.31)

ttp://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2010123108598

ＫＴが国内事業者としては初めて韓半島全域で衛星放送が視聴できる通信放送衛星「オルレ（olleh）１号」の打ち上げに成功した。オルレ１号は、韓国時間の３０日午前６時２７分、南米のフランス領ギアナ宇宙発射センターで打ち上げられた。これでＫＴはムグンファ３号、ムグンファ５号、コンドサット（共同衛星）に続き、オルレ１号まで合わせると、４つの通信放送衛星を保有する。これまでＫＴは通信放送衛星の打ち上げに５回成功した。

オルレ１号には、最近需要が増えている高画質（ＨＤ）放送時代に備え、性能を大幅に改善した通信用中継機「Ｋｕバンド固定通信サービス（ＦＳＳ）」２４機や放送用中継機「Ｋｕバンド直接衛星放送（ＤＢＳ）」６機など計３０機の衛星中継機が搭載された。ＫＴは、「オルレ１号の衛星放送出力が従来より２５％向上したため、ＨＤ、３次元（３Ｄ）高品質衛星放送サービスを１１年２月初めから１５年間、韓半島全域で提供できる」と説明した。

オルレ１号はアリアンスペース社の「アリアン５ＥＣＡ」発射体に搭載され、打ち上げられた後、３度のロケット分離を通じ、５４分経過した午前７時２１分、６５００キロ上空に安定的に進入し、この時、初交信に成功した。以後、約１０日間、４度のエンジン点火を経て、３万６０００キロ上空の静止軌道に安着するようになる。

ＫＴはこれからアジアや中東、アフリカ地域にまで衛星放送サービスを提供できるよう、１３年海外事業者と共同衛星コンドサット２号の打ち上げを準備している。ＫＴネットワーク部門のキム・ソンマン副社長は、「オルレ１号の打ち上げの成功で、これまで南韓のみ包括していた衛星放送が韓半島全体をカバーできるようになった」と話した。

東亜日報日本語版

[2010国政監査]戦争時使う軍衛星通信接続率「半分に過ぎず」[アジア経済](2010.10.04)

ttp://www.asiae.co.kr/news/view.htm?idxno=2010100411593954844

軍衛星通信の戦術リンクの接続成功率が半分に過ぎないことが分かった。

国会国防委員会キム・ドンソン（ハンナラ党）議員が4日、国防部から提出を受けた資料によれば、「軍衛星通信システムのうち、戦術リンクの接続成功率は、2008年8月から2010年8月までの期間中52.6%に過ぎない」ことが明らかになった。

現在、軍衛星通信は、一般リンク、戦術リンク、必須通信リンクから構成され運営されている。戦術リンクは、一般リンクより強力な対電子戦能力を有している。戦時、状況によって有線網を通じた部隊間連絡が不可能な場合に、軍衛星通信戦術リンクを通じて連絡するようになっている。

軍衛星通信システムのうち、戦術リンクの接続成功率が52.6%と低い理由は、使用者の未熟な運用とシステムの誤り（システムの構築が不適切、または故障など）であることが分かった。特に、使用者の未熟な運用による接続の失敗は全体の88%を占めた。システムの誤りによる接続の失敗は、全体の失敗件数の約10%を占めている。

キム議員は、「軍衛星通信システム合同運用指針によれば、作戦指揮のために、指揮官、情報作戦参謀、指揮統制室に全軍の衛星電話網サービスを提供するように規定している」として「接続成功率の改善のために、指揮官の関心を高めるとともにシステムの点検が必要だ」と指摘した。

(2010.10.13.2)

静止衛星「千里眼」の打ち上げ成功[大徳ネット](2010.06.28)

ttp://www.hellodd.com/japan/news/news_view.asp?t=dd_jp_news&mark=2386

6月27日午前6時41分に打ち上げ…38分後に地上局との初交信を確認

大徳所在の韓国航空宇宙研究院(院長イ・ジュジン)は6月27日午前6時41分(現地時間26日午後6時41分)に南米のフランス領ギアナのクールー宇宙センターから「千里眼(チョルリアン)」衛星がフランスのアリアン-5ECA発射体に搭載されて打ち上げられたと発表した。

千里眼は打ち上げ時の大きさが幅2.8m×長さ2.2m×高さ3.7ｍ、軌道上で太陽電池板とアンテナを開いたときの大きさが幅5.3ｍ×長さ8.7ｍ×高さ3.7ｍ、重量が2460kgの中型衛星。

打ち上げ後の約38分後である午前7時19分頃、オーストラリアのトンガラ地上局との初の交信を通じて衛星の状態は良好であることが確認された。千里眼は打ち上げ3時間後には太陽電池板を部分展開し、以後静止軌道進入のために3回のエンジン噴射を経て約8日後に太陽電池板を完全に展開して通信アンテナを開く予定という。

千里眼と韓国国内の地上局(大徳の航空宇宙研究院衛星運営センター)との初交信は打ち上げ後約10日後に行われる見通し。約6ヵ月間にわたり軌道上で搭載体の機能試験などを行い12月末から本格的なサービスを開始することになる。千里眼衛星は今後7年間にわたり1日24時間の衛星通信サービスと韓半島周辺の気象および海洋観測の任務を行うが、これらの任務を同時に遂行する衛星は世界で初めて。

通信搭載体は新技術であるKa帯域(20〜30GHz)周波数利用技術の確保と新規衛星放送通信サービスおよび公共通信サービスのための実用化試験に活用される予定。韓国で開発された衛星HDTV伝送技術や衛星3DTVなどの新規サービスを検証する一方で災害時の非常衛星通信やDTV難視聴解消など公共通信網を検証するなどの任務も果たす。

海洋搭載体は画素当たり500mの解像度で昼間に8回(1時間間隔)の観測が可能。韓国だけでなく中国や日本の海域まで詳細に観測しながら浮遊堆積物の移動や汚染物の現況、海流循環状態など海洋環境を観測して気候の変化を感知する。

気象搭載体は台風や集中豪雨、黄砂、海上濃霧などの気象現象を早期に探知し、長期の海水面温度や雲に関する情報を集めたり、高解像度の気象映像を提供することになる。

千里眼衛星は通信と海洋、気象の3つの機能をもつ。国産技術で開発された通信搭載体が宇宙認証を済ませば韓国は世界で10番目の通信衛星開発国となる。また新技術の開発品活用で韓国の技術の対外競争力確保や関連産業活性化に寄与し、通信中継器の国産化で約1600億ウォンの予算節減効果が見込まれる。

独自の気象衛星を保有することになった韓国はこれまで30分間隔で提供されていた気象予報の水準を通常時には15分、緊急時には最短で8分間隔で提供が可能になり国民生活の安全にも寄与する見通し。

経済産業的には衛星の核心部品の国産化により輸入代替効果が得られ輸出の可能性が高まる一方、関連産業への技術波及効果も期待される。韓国政府は静止軌道衛星の周波数と軌道の確保にともなう経済効果は約4560億ウォンに達するものと推定している。

サムスンタレス、ドイツに潜水艦用衛星通信システム輸出[聯合ニュース](2010.05.26)

ttp://app.yonhapnews.co.kr/YNA/Basic/article/Press/YIBW_showPress.aspx?contents_id=RPR20100526019500353

米業者と競争で勝ち、軍衛星通信関連技術力、世界的認定

過去10年間、弾薬、銃砲、艦艇、艦砲など他の分野に比べて、相対的に脆弱だった軍通信分野の輸出に新たな活路が開拓された。

サムスンタレスは、世界的な潜水艦建造技術を保有しているドイツHDW造船所と、約800万ユーロ（韓貨にして約120億ウォン）相当の潜水艦用衛星通信システム (Korean Satellite Super High Frequency Satcom) 供給契約を締結したことを27日、明らかにした。

潜水艦衛星通信システムは、潜水艦で使用できるさまざまな通信手段のうち、衛星アンテナを含む通信システムの1つとして、衛星との通信を可能にする装備だ。

サムスンタレスは受注競争で「3軸安定化システム」、「深海防水技術」及び「SSPA (Solid State Power Amplifier) 」など最先端技術と使いやすさを組み合わせたシステムを提案して、米国の競争業者より優秀な評価を受けた。

特に、「3軸安定化及び深海防水技術」は、フランス・タレス (Thales) 社と国際技術協力した分野として、今後、防衛産業分野における輸出の新たなモデルを提示した。

今回の事業受注を通じてサムスンタレスは、世界的に潜水艦衛星通信など軍IT装備に対する必要性が高まっていることから、年間数億ドル以上の新規市場に進出できることを期待している。

サムスンタレスの関係者は、「本装備は、現在建造中の214型潜水艦に搭載して運用される装備であり、オフセット取引になかった米国業者との競争を通じて成し遂げられた輸出という点に大きな意味がある」として「本輸出契約によって、世界的な衛星通信装備企業などに並ぶ技術力を保有していることが認められた」と意義を伝えた。

ドイツHDW社は、世界の在来式潜水艦市場において最も競争力がある業者として、韓国市場では1980年後半以後、現在まで209型及び214型級潜水艦事業において中心となる役割を果たしてきた。

（後略）

出所：サムスンタレス

(2011.01.25.1)

中継器なしで半径6,000km通信可能(2010.04.12)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=1&menuCnt=&writeDate=20100413&kindSeq=5&writeDateChk=20100412

軍衛星通信システム

2006年8月22日午後12時27分（韓国時間）、太平洋ハワイ近隣の赤道公海上から、初の軍通信衛星ムグンファ5号が宇宙に向かって力強く打ち上げられた。

同じ時間、大田国防科学研究所 (ADD) 国防科学館大講堂に集まっていた300人余りの関係者は、いっせいに歓呼とともに雷ていのような拍手を送った。

2分30秒過ぎに第1段ロケットを分離し、3分45秒後に衛星フェアリングを分離、さらに、1時間5分後には衛星を分離して、午後1時39分頃イタリア・フチノ管制センターのアンテナにムグンファ5号衛星からの信号が捕らえられ、打ち上げの成功が確認された。

その後、静止軌道への投入、衛星中継器の性能試験などを終えて15年間の任務に入り、我が軍の通信システムを画期的に発展させてくれる初の通信衛星の打ち上げは成功裏に終わった。

ムグンファ5号は、戦時及び平時に、陸・海・空軍の統合指揮−統制−通信のために、2002年5月からシステム開発を始めた軍衛星通信システムを構成する核心構成要素として、軍用中継器12本と韓国通信 (KT) で使う商業用中継器24本を搭載した。

先端IT技術で開発された軍用中継器は、軍用制御装置によって統制され、電波妨害や盗聴にあっても音声や文字・映像を中継することなく通信できるように、ECCM機能と盗聴対応保安機能を搭載した。

ムグンファ5号の軍用中継器は、西はベンガル湾を含むマレー半島近隣のマラッカ海峡から東は太平洋中央部の日付変更線まで、南北ではオーストラリア北部からシベリア北端までを通信エリアとする。

韓半島だけでなく、半径6,000kmの大洋地域まで中間中継なしで一度に通信が可能になり、作戦中の海軍艦艇や潜水艦などとも交信をすることができる。

ムグンファ5号が成功裏に打ち上げられて1年余りが過ぎた2007年末から、我が軍はこの衛星を利用した各種の通信網を運営することになった。

平時または戦時に、我が軍の全天候通信を可能にした軍衛星通信システムだが、事業初期は相当なリスクを持って始められた。打ち上げ後の衛星軌道への投入の成否によって戦力化に相当な影響を及ぼしかねなかったためだ。

1996年11月、政府主導の研究開発事業で始まったこの事業は、概念研究、探索開発を経て2002年5月に事業承認を受け、2006年に開発試験評価と第1段階の運用試験評価 (OT-1)、ムグンファ5号衛星の打ち上げ、臨時規格制定、第2段階の運用試験評価 (OT-2) などを経て、2007年9月に戦闘用適合判定を受けて、その年の12月初めに量産に入った。

固定用・車両用・携帯用・水上艦用・潜水艦用・航空機用などに区分される軍衛星通信システム、別名アナシス (ANASIS: Army Navy Air-force Satellite Information System) は、国防科学研究所、国防技術品質院、そして、事業に参加したサムスンタレス・LIGネックスワン・STXエンジンなどの業者が渾然一体になって造り出した汗の結晶体だ。

2007年12月初めの戦力化以降、2011年まで持続的に軍に納品される予定のアナシスは、最近、ソマリア海賊から我が船舶を保護するために、アデン湾で任務を行っている清海部隊の韓国型駆逐艦 (DDH-II) に搭載されて国内と独自に通信しており、今後、アフガニスタン派兵地にも配備され、海外派兵地へ音声とデータをリアルタイムに伝送することができるようになるものと見られる。

国防技術品質院大邱第1チームの関係者は、「開発初期から積極的な試験評価への参加と慎重な規格化資料の検討を通じて、量産時に予想される問題点を事前に解消し、使用環境を考慮した各種環境試験（高温・低温・降雨・電磁気波干渉など）を実施して品質を立証した」として「持続的な品質改善による高い信頼性及び取得費用の節減による総ライフサイクルシステム管理基盤の国防政策に適合するように、最善の努力を傾注していく」と話した。

この関係者は、「これに満足せず、量産過程での試行錯誤と経験を基盤に、次期衛星通信端末の開発にも積極的に参加する予定」と付け加えた。

(2010.10.30.2)

最悪の状況でも運用、特殊部隊に最適(2010.04.12)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=1&menuCnt=30911&writeDate=20100419&kindSeq=4&writeDateChk=20100412

携帯用端末機

サムスンタレスが生産、納品する軍衛星通信用携帯用端末は、敵陣深くに浸透して作戦を行う特殊部隊用として、1人で携帯し設置できるように造られた。

無線機セットとアンテナ組立体、遠隔操縦装置、送受話器、充電セットなどから構成される携帯用端末は、ECCM機能を有し、最悪の状況でも運用が可能だ。

信頼性あるデータ通信と音声通信を提供して、現在運用しているどのような軍用有・無線通信装備とも連動が可能だ。

国防技術品質院は、この携帯用端末を量産する過程で、既存の蓄電池に、特殊ポリマー (Polymer) と伝導性物質から構成され、正常状態では低い抵抗値 (0〜5Ω) を維持するが、過電流や高熱時には抵抗値が高まって回路を断線させるフューズのような役割をする部品のPTC (Positive Temperature Coefficient) を追加して、電池の安全性と要求性能を追加試験することで、蓄電池の安全性を確保して電池の外部短絡時の破裂現象を防止するなどの品質改善をした。

サムスンタレスは、携帯用端末の他にも大容量データを高速で伝送することができる作戦司令部級の部隊で使う固定用端末と、海中深くに浸透し、作戦を遂行する潜水艦の主要通信装備として活用される潜水艦艇用端末なども生産している。

(2010.12.11.2)

軍団級野戦指揮所の通信核心装置(2010.04.12)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=1&menuCnt=&writeDate=20100412&kindSeq=6&writeDateChk=20100412

車両用端末機

LIGネックスワンが生産、納品する軍衛星通信用車両用端末は、移動性、生存性、広域通信システムの構築、リアルタイムでの移動通信などが要求される戦場環境では、最も柔軟で効率的な情報通信手段だ。

車両用端末は、軍団級部隊間の一般・戦術通信路とSPIDER（戦術通信システム）・CPAS・戦術C4I・KNTDS・MCRCシステムの伝送路を提供している。

RFモデム部、基底帯域部、高出力増幅器、電源供給装置などが搭載されたシェルターが軍用2トン車両に載っている形態で、シェルターの上側にはアンテナが装着される。発電機は別のトレーラに装着されるが、この車両に連結することができる。

車両用端末は、作戦時の状況によっては移動しなければならない軍団級野戦指揮所の重要な通信手段になる。

陸・海・空軍の統合指揮・統制・通信とECCM、保安機能を完璧に実行する車両用端末の戦力化によって、我が軍はネットワーク中心の戦場環境における作戦運用能力を一層強化することになった。

国防技術品質院は、車両用端末の量産過程で、衛星への電波伝達のために高出力を放射する核心装置である高出力増幅装置 (TWTA) の設計改善を通じて、安定したリンク線路を保障、ロータリージョイント (Rotary Joint)、発振器 (PLDRO) などと同じく、高価な海外導入品を国産開発品に替えて、経済的な効果と品質向上を実現した。

(2010.12.11.2)

軍専用衛星通信網本格運用(2009.07.21)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=4&menuCnt=30911&writeDate=20090721&kindSeq=1&writeDateChk=20090721

陸軍第1野戦軍司令部衛星通信所開所式

陸軍第1野戦軍司令部は17日、国軍指揮通信司令官や第1軍指揮通信処長、サムスンタレス社長など関係官100人余りが参加した中で、第1野戦軍衛星通信所の開所式を行った。

これにより第1野戦軍は、軍専用衛星通信網の本格的運用を通じて、敵の奇襲・挑発時に現場で作戦が終結する態勢を完備したことはもちろん、東部山岳地域の通信障害の克服、リアルタイム戦場可視化能力の向上や作戦指揮能力の向上など、戦闘力強化の契機を得ることになった。

ムグンファ衛星は1万8,000kmに達する通信距離を活用して、東南アジアやマラッカ海峡、太平洋のマーシャル諸島・バイカル湖水、そしてオーストラリア北部近隣の海軍艦艇や潜水艦とも交信できる全天候能力を持っている。

(2010.12.11.2)

STX、KDX級駆逐艦に国産の軍衛星通信システム装着[アジアトゥデイ](2009.7.16)

ttp://www.asiatoday.co.kr/news/view.asp?seq=267516


今月16日にソマリアへ向けて出港したデジョヨン艦と、STXエンジンがデジョヨン艦に供給した衛星通信端末機

ソマリア海賊掃討のために出港した韓国型駆逐艦 (KDX級: Korea Destroyer eXperiment) デジョヨン艦及びムンムデワン艦に、独自に国内通信が可能な軍衛星通信システムが装着されて話題になっている。

ソマリア近海で商船の護衛任務を成功させたムンムデワン艦と、任務交代のために今月16日に出港した清海部隊デジョヨン艦に、ムグンファ5号衛星と直接通信が可能な水上艦用軍衛星通信システムが搭載されている。水上艦用軍衛星通信システムはSTXエンジンが製作して供給した。

STXエンジンは、2003年に着手した防衛事業庁と国防科学研究所主導の軍衛星通信システム (ANASIS: アナシス) 開発事業に、水上艦用軍衛星通信システム試製業者として参加して以来、衛星通信システム量産事業を成功させてきた。

STXエンジンが生産する水上艦用軍衛星通信システムは、2008年からKDX級駆逐艦で戦力化されて、大洋海軍を指向する韓国海軍の核心通信システムの席を占めた。

これまで、遠洋航海に投入された海軍艦艇は、外国の商用衛星を利用して国内と制限的な通信を行ってきた。しかし、陸・海・空軍統合通信システムであるアナシスの開発によって、国内初の民・軍兼用通信衛星であるムグンファ5号を利用した通信が可能になり、軍無線通信のエリアがこれまでの100kmから12,000Kmに大幅に拡大したことはもちろん、通信の保安性も大きく強化された。

特に、STXエンジンがムンムデワン艦及びデジョヨン艦に供給した衛星通信システムは、国内通信はもちろん、画像通話、インターネットなどを支援して、清海部隊の作戦成功と海軍将兵の士気高揚に大いに役立った。

今後、国際紛争に備えた海外派兵部隊の常設に備えて、国防部と防衛事業庁は通信資源を拡大構築するために、次期衛星通信システム事業に力を注ぐ計画だ。

STXエンジンは、今回の衛星通信システムの他にも、対艦レーダー、航海レーダーなど国内技術で開発された軍艦用先端装備をKDX級駆逐艦に供給して海軍の戦力強化に協力するなど、関連する事業領域も積極的に強化している。

チョン・ドンハクSTXエンジン代表理事は、「国際的な関心事であるソマリア海賊退治及び商船護衛作戦に、STXエンジンの先端技術力が寄与できて誇りとやりがいを感じる」として「今後、戦闘環境における電子通信分野の重要性がより一層強調されることから、次期衛星通信システム事業に対する投資を拡大し技術力強化に努力して、大洋海軍の戦力強化により一層協力する」と話した。

(2010.10.13.3)

陸軍第2作戦司令部、固定用衛星通信所を開所(2009.04.03)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/HearTypeView.jsp?writeDate=20090403&writeDateChk=20090403&menuCd=3004&menuSeq=1&kindSeq=8&menuCnt=30911

国軍指揮通信司令部、2011年まで設置を進める。

国軍指揮通信司令部は先月30日、軍衛星通信システムの正常な運用に歩調をそろえるべく、陸軍第2作戦司令部に固定用衛星通信所を開所した。

今回、固定用衛星通信所の開所によって、軍衛星通信システムは、衛星網開通試験及び装備運用のための準備を終えて、本格的に任務を遂行できることになった。

国軍指揮通信司令部が全軍に設置した固定用衛星通信所は全8か所で、このうち陸軍第3軍司令部・海兵隊司令部・陸軍首都防衛司令部など、7か所にすでに設置した。また、今月中に空軍作戦司令部に固定用衛星通信所を設置するなどして、2011年まで設置を進める予定だ。

ムグンファ5号、民・軍兼用通信衛星を媒介に運用される固定用衛星通信所が拡充されることで、戦時、有線通信網やマイクロウェーブ (M/W) 通信網が途絶したときに、衛星通信所が最後の通信網としての役割を遂行することはもちろん、戦時に合同参謀本部の指揮通信を保障することで、生存性ある通信網を確保する効果があると期待される。

また、携帯・移動用通信所に比べて、通信帯域・容量などではるかに上回っているために、効果的な通信支援が可能になる見込みだ。式に参加した情報通信運営処長シン・ナクウン大領は、「今後、ネットワーク中心の戦いの核心基盤である軍衛星通信システムに対する無中断通信支援がなされるように最善を尽くす」と覚悟を明らかにした。

(2010.10.13.2)

陸・海・空統合指揮統制通信網の確保(2007.12.05)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/HearTypeView.jsp?writeDate=20071205&writeDateChk=20071205&menuCd=3004&menuSeq=1&kindSeq=4&menuCnt=30911

軍衛星通信システムを独自開発する意味と課題

韓半島を中心に、直径約1万2,000�劼離┘螢�内のどこでへも長距離通信や大容量の音声・データを提供することができる、軍衛星通信システムの独自開発は、実質的な陸・海・空軍の統合指揮統制通信網を確保したというところに意義がある。

軍衛星通信システムの端末が配置されれば、移動性や生存性、広域通信能力の確保、リアルタイム移動通信が要求される将来の戦場環境では最も柔軟な情報通信手段になる見込みだ。

我が国の軍衛星通信システムは、通信衛星・地上管制所・地上端末装備など3つの部分から構成されている。
通信衛星は赤道上空東経113度の静止軌道に打ち上げられ、自転と同じ速度で公転しながら地上端末の信号を中継する高品質・大容量、耐ジャミング (Anti-Jamming) 性能を有する軍用中継器と、商用中継器を搭載した民・軍共用のムグンファ5号衛星だ。

地上管制所は通信衛星の制御及び衛星通信網の管理・制御を行う。通信衛星の制御部門は衛星の運用状態を監視・分析して、衛星通信網の管理・制御部門は衛星通信網の管理、地上端末の状態管理などを担当する。

地上端末装備は固定用・車両用・携帯用・水上艦艇用・潜水艦艇用端末から構成される。固定用端末は戦略梯隊に固定して運用され、車両用端末は軍団・師団級部隊で移動後、固定して運用される。携帯用端末は特戦部隊で将兵1人が携帯・設置・固定して運用する。

艦艇に搭載して移動中に運用される水上艦艇用端末と、陸・海上指揮所と潜水艦の間で指揮・報告通信用として運用される潜水艦艇用端末も地上端末装備に含まれる。このように、今回開発された軍衛星通信システムが画期的であることは明らかだが、将来のネットワーク中心の戦いに備えて、持続的な技術開発が必要なことも事実だ。

まず、将来のネットワーク中心の戦場環境を考慮して、通信エリアを中東及び太平洋地域にまで拡張し、中継用量を増大させる必要がある。また、中継器の運用效率を改善して、地上端末の指揮統制通信能力を強化する一方、システムの生存性を高める作戦運用能力の強化作業も継続していかなければならない。次期衛星と偵察衛星の連動、衛星間の宇宙空間での連動、軍衛星通信と他の戦術通信システム間の連動など、相互運用性の向上も持続的に追求されなければならない課題である。

(2010.12.11.2)

全天候情報通信「前哨基地」(2007.06.01)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=1&menuCnt=30911&writeDate=20070603&kindSeq=3&writeDateChk=20070601

国軍第3情報通信団、軍初のムグンファ衛星5号の運用に自負心高く

2006年8月、我が軍が衛星通信時代に向けて歴史的な第一歩を踏み出した。軍初の通信衛星ムグンファ5号が無事に打ち上げられたのだ。その後、衛星に対する管制業務が、4月24日、KT（韓国通信）から軍に委譲された。

（後略）

(2010.10.16.1)

2011年まで「軍通信衛星端末機」500台余り量産[聯合ニュース](2006.12.11)

ttp://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/177474.html

防衛事業推進委員会第11次会議、7,970億ウォン投入

8月に打ち上げられた「ムグンファ5号」衛星と連係して運用される「軍衛星通信端末装備」が、今年から2011年まで全500台余り生産される。

キム・ジャンス国防長官が主宰する防衛事業推進委員会は11日午後、国防部会議室で第11次会議を開催、このような内容の「軍衛星通信端末機量産計画」を原案のとおり議決した。

これにより、2006年〜2011年まで総額7,970億ウォンが投じられて、携帯用と地上固定用はもちろん、車両、水上艦、潜水艦などに搭載される端末機500台余りが量産される。

これまで、端末機システムの開発に参加してきた関連業者が量産を担当して、固定用、潜水艦用、携帯用端末機はサムスンタレス、車両用（3種）はネックスワン・フューチャー（現LIGネックスワン）、水上艦用はSTXエンジンが、それぞれ生産する。

これらの端末機は、8月22日打ち上げられ、現在36,000km上空の静止軌道で正常に運用されているムグンファ5号と「全天候通信」を可能にする核心装備だ。

我が軍は、現在、全7種の試作端末機の試験評価をしており、まず、来年末頃から50台余りを第一線の部隊に配置して、本格的に運用する計画だ。

ムグンファ5号は、1つの衛星体にそれぞれ12個と24個の軍、民中継機が搭載された最初の軍用通信衛星であり、我が国4番目の商業用衛星だ。
ムグンファ5号は、これまでの地上通信網の限界を克服して、通信領域を半径6,000kmまで拡大された通信基盤を構築して、合同指揮統制能力を大幅に向上させる見込みだ。

一方、この日、長官就任以来、最初の事業庁会議を主宰したキム長官は、「重大な責任感を感じている。我が軍は、将来の安全保障環境に対処できる軍事力建設のために渾身の努力を皆が行っている」として、委員の積極的な協力を望んだ。

(2010.10.16.2)

DMHSデジタル電文処理システムで作戦通信運用「アップグレード」(2006.10.16)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/HearTypeView.jsp?writeDate=&writeDateChk=20061016&menuCd=3004&menuSeq=3&kindSeq=1&menuCnt=30911

ムグンファ3号衛星を利用、120億ウォン節減

海軍は最近、これまでの在来式テレタイプ(TTY)方式のアナログ電文処理システムを、最新情報通信技術を組み合わせたデジタル電文処理システム (DMHS: Digital Message Handling System) (※1) に切り替えて、作戦通信運用能力を画期的に改善した。デジタル電文処理システムは、戦時または平時に、作戦に関する指揮官の指示や報告事項または各種情報を迅速・正確に取り交わすことができる超高速・大容量通信手段として、海軍作戦遂行の核心的機能を担うことになる。

これまでの電文処理通信装備 (M-3000KN) は、韓国海軍だけで使われる在来式装備で、キーボードの入力方式が一般のコンピュータとまったく異なっているために、別に教育を履修した人員が必要だった。また、高価（1台当たり約1,200万ウォン）な装備にもかかわらず、機能が単純で特殊文字及び図表などの編集が難しく、電文の送・受信及び中継などすべての電文処理が手動でしかできず、受信された情報を再送信するのにも電文自体をまた入力しなければならない煩わしさがあった。

特に、HF (High Frequency: 高周波) 無線通信網を利用して遠距離通信を行うには必ず中継機を経なければならず、気象条件・距離・周辺の電波量など通信環境に敏感で、信頼性ある通信網の運用に限界があったことから通信システムの改善が要求されてきた。そこで、海軍情報化企画室は、このような問題点を解決するために2003年5月、デジタル電文処理システム構築所要を提起、昨年1月に事業に着手して、最近、成功裏に通信システム改善事業を完了した。

海軍は、電文処理運用システムが最新デジタルPC基盤の通信装備に変わったことで、文字中心の電文処理から文字と写真・図表など多様な映像資料の伝送が可能になったことで、より迅速・正確に電文を処理できるようになった。また、通信方式もこれまでのHF無線通信からムグンファ3号衛星を利用した海上作戦衛星通信システム (MOSCOS) 方式に変わったことで、通信環境に影響を受けずにリアルタイムに遠距離・多者間通信が可能になり、信頼性が一層強化された。

一方、デジタル電文処理システムが自動化されたことで、計158人の通信運用人員が削減でき、約120億ウォンの予算を節減する効果が得られたことが分かった。海軍情報化企画室情報通信処長ムン・ヨンイル大領は、「デジタル電文処理システムの構築は、将来の作戦環境と海上作戦概念の変化及び新武器システムの急速な発展傾向に備えた海軍情報通信システムの一大革新として、情報技術(IT)の発展にあわせた画期的な改善を図ることができた」と話した。
※1) システムとしては、韓国・大洋（デヤン）電気工業株式会社の「ADICS-21統合通信システム」ではないかと思われる（ただし、このシステムの開発完了は2009年）。
　メーカー製品情報（英語）
　Communication Systems（英語）PDF P6以降。
なお、デヤン社は、KDX-IIとKDX-IIIの統合通信システムの設計・製造業者でもある。
(2010.12.11.2)

空軍、技術の優秀性を軍内外に示す(2006.08.24)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3004&menuSeq=2&menuCnt=30911&writeDate=20060829&kindSeq=2&writeDateChk=20060824

空士風洞実験室で、ムグンファ5号通信衛星の送受信アンテナ検証実験

民・軍初の共用衛星であるムグンファ5号が22日、打ち上げに成功したことで、我が軍でも軍用通信衛星時代に突入した。通信衛星において、地上で画像・音声・電子通信を送受信できるアンテナは、まさに核心中の核心装備だ。

ネックスワン・フューチャー（現LIGネックスワン）が初めて開発したこの車両搭載軍用衛星通信アンテナの構造や任務・性能などを、空軍士官学校風洞実験室で検証、航空宇宙軍を指向する我が空軍の優秀性を改めて軍内外に示した。

国内唯一の実験室

送受信用アンテナが0.6度傾いただけで、高度3万6,000km上空のムグンファ5号と通信ができなくなるため、世界最大規模の送風機と最先端の装備を備えている風洞実験室で強風と悪天候に対する検証実験を行った。風洞実験室では、国内で唯一、実際の風速・風圧と同じ状況で実験をすることができる。ここで2004年から2005年にかけて、2度の厳しい検証実験を行って構造・設計を補強した。万一、風洞実験を経ずに野戦に実戦配置された場合には、通信途絶はもちろん、数千億ウォンを投じたムグンファ5号を正常に活用できない可能性もあった。

悪天候でも受信感度に「自信」

ネックスワン・フューチャーのイ・ギナム (36) 専任研究員は、「2.5トン搭載車両まで含めて、1台当たり約22億ウォンする送受信用アンテナは、2007年から量産体制に入って2008年に第一線である陸・空軍、海兵隊に190台余りが実戦配置される」として「今回、風洞実験室で行われた環境構造検証実験によって、強風と悪天候でも受信感度が全く低下しない先進国水準の軍衛星通信システムを備えることができた」と話した。国内最大・最高水準の規模と性能・装備を備えている風洞実験室は、今回の研究テーマだけでなく、年に4〜5件、民間研究機関と大学からの委託実験も行っている。

無人航空機制御システム開発

風洞実験室長チョン・ヒョンソク (40・空士37期) 少領は、「軍で運用することになる最先端の通信装備の性能を改善したことに大きな自負心を感じた。数千億ウォンの軍衛星通信事業の規模を勘案すれば、風洞実験を通じて数百億ウォン以上の予算節減効果があった」として「今年10月からは、ミサイル投下及び無人航空機制御システム、代替エネルギーである風力タービンシステムの開発などを進める予定」と話した。

(2010.10.22.3)

初の民間・軍の共用衛星ムグンファ5号の打ち上げ成功[大徳ネット](2006.08.23)

ttp://www.hellodd.com/japan/news/news_view.asp?t=dd_jp_news&mark=1338

ハワイ付近の発射体より衛星生中継


韓国初の民間・軍の共用通信衛星であるムグンファ5号が8月22日午後12時27分、予定通りハワイ付近の公海上にて打ち上げに成功した。

この日ムグンファ5号の打ち上げの模様は大徳所在の国防科学研究所(ADD, 所長 アン・ドンマン)福祉館でアン・ドンマンADD所長、ファン・ヘウン前ADD所長など民間と軍の関係者300余名が集まるなか衛星生中継された。先日アリラン2号の打ち上げを成功させたペク・ホンヨル韓国航空宇宙研究院長も参席した。


▲ 衛星中継された打ち上げの様子

ムグンファ 5号の海上打ち上げを担当した米国のSea Launch社の進行で中継された画面を見守る観覧客らは秒読みが始まるまで緊張した面持ちだったが、秒読みが始まり煙をあげて衛星が発射されると拍手と歓声が起こった。

ムグンファ5号は打ち上げ1時間5分後に第1・第2・第3段ロケットがすべて正常に分離されて予定された停止遷移軌道(geostationary transfer orbit)に乗った。ムグンファ5号はその後遷移軌道飛行後、3万6千km上空の停止軌道に乗り軌道試験を完了した後、任務を遂行することになる。

今回打ち上げられたムグンファ5号はADDとKTの主管でフランス・アルカテル社との技術協力開発により開発され、韓国初の軍用衛星であると同時に4つ目の商業用通信衛星として民軍共同で使用される予定。

ムグンファ5号はひとつの衛星に12の軍用中継器とKTで使用する24の商業用中継器が搭載されており、先端IT技術で開発された軍用中継器は今後1年間にわたる地上端末との各種試験過程を経て2007年末から統合指揮体系運用のための戦略/戦術通信網として使用される。軍専用中継器は軍用独自制御装置により統制され、盗聴や電波妨害を受けても音声、文字、映像を中継することができるように設計されている。

また、半径6千kmの通信支援が可能なように設計されており韓半島沿岸だけでなく、大洋地域まで中間中継の必要なしで通信できるという長所を持つ。

ADDの関係者は「今回のムグンファ5号の打ち上げ成功は軍衛星通信時代の開幕を告げると同時に、21世紀ネットワーク中心戦のインフラ構築において画期的な出来事。韓国軍の情報通信力を顕著に向上させる契機となろう」と述べた。

大徳ネット日本語版

ADD、軍事用衛星統制システムを完成[大徳ネット](2006.01.03)

ttp://www.hellodd.com/japan/news/news_view.asp?mark=1152&t=dd_jp_news

ムグンファ5号の制御統制用運用局の竣工式開催...軍事用衛星通信の管理が目的


国防科学研究所(ADD)は1月28日、大田市儒城区の紫雲台にて軍衛星通信体系の主運用局の竣工式を行い、本格的な稼動が始まった。

この衛星運用局は来年に発射が予定されている民軍共用の通信衛星ムグンファ5号(ANASIS)を制御するのに使用され、これ以外にも軍事用衛星通信を全般的に管理することになる。

韓国の国軍が独自に軍衛星通信の体系を構築するのはこれが初めて。

この運用局は韓国国内の研究グループがネットワーク管理、及び制御装置などの先端通信装置を独自開発した。

イ・サングク衛星通信体系部長によると現在開発完成段階にあるムグンファ5号は今年6月末にハワイ南方の赤道公海上で大型船泊オディッセイ号の甲板から発射される計画。


▲1月28日に竣工式が行われた主運用局

ナムグン・ギュン合同参謀本部指揮通信部長は「未来戦は先に発見して先に決心し、先に打撃するという先手必勝の要素が強まる。陸海空3軍の統合衛星通信体系の構築は未来安保の必須的な要素となろう」と述べた。

同部長はまた「今回竣工した主運用局はムグンファ5号を利用した広域の陸海空軍統合指揮、統制、通信網運用において中枢的役割を果たす。今後、いかなる状況でも軍の通信網運用が可能な軍事通信衛星時代が開かれたことに大きな意義がある」と述べた。

大徳ネット日本語版

軍、衛星通信時代に突入(2005.12.29)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/GisaView.jsp?menuCd=3001&menuSeq=1&menuCnt=&writeDate=20051229&kindSeq=1&writeDateChk=20051229

国防科学研究所、来年6月ムグンファ5号打ち上げ、主運用局開局

軍衛星通信時代を開く、初の民・軍共用通信衛星ムグンファ5号 (ANASIS) が来年6月末に打ち上げられる。これに歩調をあわせて国防科学研究所 (ADD) は、ムグンファ5号衛星を管制して、軍衛星通信網を総合的に管理する主運用局を竣工させ、28日に開局した。

この日、大田市儒城区紫雲台で、軍内外の国防情報通信関係者100人余りが参加した中で開局した主運用局は、昨年10月に着工、1年2か月を経て完工し、衛星通信網の管理・制御に必要な各種先端通信装備を有することになった。

この日、独自の衛星通信システム構築のための軍事通信衛星運用局を稼動させたことで、ムグンファ5号打ち上げ後、どのような状況においても通信網の運用が可能な軍事通信衛星時代の幕開けを期待させてくれる。

これについて、合同参謀指揮通信参謀部長は、「3軍統合の衛星通信システムを構築するのは、先に見て（先見）、先に決心（先決）して、先に打撃（先打）する将来戦の戦場要求に応じるための必須要素」として「主運用局は、広域の陸・海・空軍の統合指揮・統制・通信網の運用において、中枢的な役割を果たすことになる」と話した。

ADD衛星通信システム部長イ・サングク博士は、「ムグンファ5号衛星は現在、開発完成段階にある」として「来年6月末、米国、ハワイ南方赤道公海上から大型船舶「オデッセイ」号の甲板から打ち上げる計画」と話した。

軍衛星通信システムは、韓半島の地形特性・到達距離・通信領域・機動性・移動性・生存性の観点から多くの制限を受ける現在の軍通信システムの脆弱性を補完して、韓半島はもちろん、太平洋地域まで通信を可能にして、敵の意図的な通信かく乱と妨害信号 (Jamming Signal) なども克服することができる。

軍衛星通信システムは、一般リンク・戦術リンクなど3種類の異なるトラフィック・リンクを保有し、運用形態によって全8種の衛星端末が運用可能なことが伝えられている。

(2010.10.16.2)

マーキュリー、海軍衛星通信システム構築[マネートゥディ](2003.08.18)

ttp://news.mt.co.kr/mtview.php?no=2003081809291783022&type=1

マーキュリー・コーポレーション (www.mercury.co.kr) は、海軍の海上移動衛星通信を利用した統合指揮網の構築を完了したことを18日、明らかにした。

今回の構築事業は、KTコンソーシアムを中心に進められ、マーキュリーを初めとして、ハイ・ゲイン・アンテナ (www.highgain.co.kr)、エア・リンク (airlinknet.com) が参加し、約340億ウォンの事業費が投じられた。

海軍の海上移動衛星通信システムは、ムグンファ衛星を利用し、海上移動衛星端末を艦艇に設置して運用することで、移動艦艇と作戦司令部間の迅速なコミュニケーション及び軍統合OAシステムを支援することになる。

マーキュリーは、今回の事業で衛星通信システムの構築と関連したすべての通信装備を提供し、今後は、整備及び維持保守も担当することになる。

(2010.10.16.1)

マーキュリー、海軍海上移動衛星通信システム構築完了[inews24](2003.08.18)

ttp://itnews.inews24.com/php/news_view.php?g_menu=020300&g_serial=97007

情報通信装備業者のマーキュリー・コーポレーション (www.mercury.co.kr) が、海軍の海上移動衛星通信システムの構築事業と、これに関連する統合指揮網の構築を完了したことを18日、発表した。

今回、マーキュリーが構築した海軍の海上移動衛星通信システムは、既存の通信システムで問題となっている周波数返却問題を解決し、次期通信システムとして、音声・グループ通話、ファックス、データ伝送などが可能な統合指揮網構築の必要性が提起されたことから、一昨年の10月から事業が実施されていた。

今回の構築事業には、KTコンソーシアムを中心として、マーキュリー、ハイ・ゲイン・アンテナ、エア・リンクなどが参加している。

なお、マーキュリーは、衛星通信システムの構築と関連した通信装備を提供し、今後、システムの整備及び維持保守も担当する予定だ。

(2010.10.16.1)

海軍情報化を具現、集中議論(2002.04.09)

ttp://kookbang.dema.mil.kr/kdd/HearTypeView.jsp?writeDate=20020411&writeDateChk=20020409&menuCd=3004&menuSeq=3&kindSeq=7&menuCnt=30911

情報通信兵科の効率的な業務推進方向を提示

海軍本部は最近、2日間にわたって鶏龍台（ケリョンデ）中会議室において、2002年度情報通信兵科会議を開催した。

この日、会議には、兵科長のホン・ジョンジェ大領を初めとする各級部隊の情報通信関係官が参加して、海軍情報通信分野の主要業務推進方向を提示し、兵科発展方案及び業務手続き改善に対する討議を行った。
特に、今回の会議では、情報通信学校の創設推進計画、メガセンター構築現況及び発展方案、専門システム改善方案など、より一層システム化され効率的な情報通信分野の業務方向を提示するための熱を帯びた討議が繰り広げられた。

一方、兵科長ホン・ジョンジェ大領は、訓示を通じて、「昨年、情報通信兵科は海上作戦衛星通信システムを導入して、本格的な衛星通信時代を迎えるなど、先進海軍建設のために自らの任務を順調に遂行してきた」と話して「21世紀は情報通信が主導する時代であり、日ごとに発展する情報通信技術を習得して、その技術を利用し軍情報化を実現するための多くの研究と努力が必要だ」と強調した。

(2010.11.06.1)










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衛星通信システム（小分類） - 韓国軍のC4I 先頭へ

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