冷戦時代の核実験や民間防衛をめぐるカルチャー

古代核戦争

古代核戦争の描写として参照される神話


マハーバーラタの2つの記述とラーマーヤナの一つの記述と、シュメール・メソポタミアの古文書・粘土板と、聖書創世記19章と(過去の幻視として)ヨハネ黙示録あたりが、古代核戦争の描写として、論者たちに参照されている。

あまりバリエーションはないのは、閃光・熱線・爆風・フォールアウトの4点セットっぽい記述がほとんど見つからなかったからだと思われる。
インド神話
マハーバーラタ

そのとき、英雄アスワタマンは自らのヴィマナに断固とどまり、水面に降りたって、神々すら抵抗しがたいアグネアの武器を発射した。神殿修道騎士の息子は、すべての敵に狙いをつけ、煙をともなわぬ火を放つ、きらきら輝く光の武器を四方にあびせかけた。

矢の雨が空に放たれた。その矢の束は、輝く流れ星のように落下し、光となって敵をつつんだ。突然、濃い闇がパンダヴァの軍勢をおおった。そのため、敵は方向感覚さえ失ってしまった。

恐ろしい風が吹き始めた。戦獣(戦闘用の像)は恐れおののき、鳥たちが騒ぐ。空に雲がうなり、血となってふりそそぐ。自然の秩序そのものがかき乱されたようだ。

太陽がゆれ動く。宇宙は焼け焦げ、異常な熱を発している。象たちはあの武器のエネルギーに焼かれ、炎から逃げ出すべく、恐怖にあえぎながら駆け回った。水は蒸発し、その中に住むものまで焼けてしまった。

あらゆる角度から燃える火の矢が、激しい風とともに降り注ぐ。雷よりも強烈に爆発したこの武器に、敵の戦士たちは猛火に焼かれた木々のように倒れた、やけどをした他の象たちは、恐怖に狂ったように水を求めて辺りを駆けまわった。
マハーバーラタ

あらゆる武器を用いても、これら3つの都市には効果がなかった。そこで高速で強力なヴィマナで飛んでいた、電撃をあやつる者クルスは、3つの都市に向けて、神々すら恐れを抱き、大きな痛みを感じる武器を投下した。

太陽が1万個集まったほど明るい、煙と火が絡みあった光り輝く柱がそそり立った。それは未知の武器、鉄の石矢、死を告げる巨大な使者であった。

3つの都市の住民は、ひとり残らず灰と化すまで焼き尽くされた。死骸は、だれのものとも見分けがつかなかった。髪の毛や爪は抜け落ちていた。鳥たちは白くなり、すべての食物は毒された。この武器は、それ自体細かな粉となり、崩れた。

クルの軍勢は恐怖にかられて、自らの命を救おうと戦場から逃げだした。ある者は自分の息子や父親、友や兄弟を戦車に乗せ、またある者はよろいをぬぎすてて流れに飛び込み、体や装備を洗った。

ラーマーヤナ

その武器の両翼には、風が坐し、その刃には太陽と火が燃えさかる。その体は青白く輝き、その重さは2つの山からなるもののようであった。

これは天地のあらゆる元素より成るものであった。自ら炎のような火を発して進み、轟々と鳴り響き、金鉄よりも堅く、この世界のあらゆるものをたちまち破壊する力を持っている。

その恐ろしい光り輝く強大な槍が放たれたとき、30万もの軍勢が、一瞬のうちに滅び去った。

シュメール・メソポタミア神話(聖書含む)


出典明記なく、メソポタミア・シュメールの古文書・粘土板の記述として...
目も眩む閃光が四方に飛散し
すべてのものが焼き尽くされた
閃光は災いの雲を生み出した
災いの雲は空へと立ち昇る


シュメールの地に災いが降り来る
この災いを知る者はなく
この災いをかつて見た者はなし
耐えがたき災い


ほとんど呼吸できぬ者たち
災いの風に襲われた者に明日はない
口から血を吐き
血の中を転げまわる・・・
災いの風に襲われて蒼白になった顔・・・


災いの風は邪悪な嵐の到来を告げるもの
災いの風は邪悪な嵐の先駆者
偉大なる息子たちが
悪疫の到来を告げる

あとは定番の...
創世記19章24-28節

主はソドムとゴモラの上に天から、主のもとから硫黄の火を降らせ、これらの町と低地一帯を、町の全住民、地の草木もろとも滅ぼした。ロトの妻は後ろを振り向いたので、塩の柱になった。アブラハムは、その朝早く起きて、さきに主と対面した場所へ行き、ソドムとゴモラ、および低地一帯を見下ろすと、炉の煙のように地面から煙が立ち上っていた。

絵画としては、隕石群落下ぽい描写があったりする。

Lucas_van_Leyde: "Lot and his Daughters" '(1520)


Joachim Patinir: "Landscape with the Destruction of Sodom and Gomorrah"" (1520)


Benjamin West: "Lot fleeing from Sodom" (1810)


John Martin: "The Destruction of Sodom and Gomorrah" (1852)

この他、ヨハネ黙示録を「過去の幻視」として参照する場合もある。





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