冷戦時代の核実験や民間防衛をめぐるカルチャー

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Pig311をめぐる報道


Operation Crossroads(1946)は、米国がビキニ環礁で1946年7月に実施した核実験である。
Able 23kt(1946/7/1)Baker 23kt(1946/7/25)
このとき、核爆発の動物への影響を調べるために、Ableでは、ブタ147頭やヤギ176頭やマウス109匹、ラット3030匹、モルモット57匹が標的艦内に配置された。その多くは死亡したが、ブタ一頭(Pig-311)とヤギ一頭(Goat-315)が生き延びた

[ Washington Post (1946/09/45) copy at "Animals as Cold Warriors" ]
混乱する報道

Pig-311生存の報道の後、7月22日に、それを否定する報道が流れた。Pig-311はAble実験当時、実験海域を遠く離れた動物輸送船Burlesonに乗っていたという。そして、「1. ブタは泳げない。2. Pig-311は濡れていなかった。3. ブタは他の実験動物よりも放射線に弱い。4. 誰もPig-311がSAKAWAに乗っていたと明確に証言していない」という論拠を挙げている。

[ "Myth of pig 311 finally cleared" (1946/07/22) on The Lewiston Daily Sun ]

8月7日には、Chester W Nimitz提督が、Associated Pressへの書簡で「Pig-311は核爆発から、はるか彼方にいた」と述べたとの報道が流れた・

"Pig 311 Sends 'Regret'"(1946/08/07) on The Victoria Advocate ]

そして、8月28日に、Nimitz提督は、Pig-311(メス)が実際に泳いで生き延びたことを認めた。

[ "Atomic Pig 311 is ace swimmer" (1946/08/28) on The Free Lance-Star ]
[ "Brandy corrects Nimitz-Pig 311 Did Swim at Bikini"(1946/07/28) on Reading Eagle ]

そして、9月には、改めてPig-311の生存が報道され、海軍の雑誌にも、Able爆発から30時間後に救出され、動物輸送船Burlesonに移送されたこととの記事が掲載された。

[ All Hands (1946/09) by Navy ]

軍の機密がらみだったのか、何か些末的な間違いだったのかは、今となってはわからない。

その後は...
Three years later, on April 4, 1949, Pig 311 was given to the Smithsonian’s National Zoological Park, where she was put on display. Despite several attempts at breeding, she produced no offspring, leading scientists to speculate that she had been sterilized by the radiation. She died at the zoo in 1950.

3年後の1949年4月4日に、Pig-311はスミソニアン動物園に寄贈され、展示された。繁殖の試みが数回為されたが、子孫を残すことはなく、科学者たちは放射線により不妊になったと考えた。Pig-311はスミソニアン動物園で1950年に死亡した。

[ "PIG 311 – the Smithsonian and Operation Crossroads" (2011/05/10) on National Museum of Natural History ]







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