あなたは洞窟を奥へと抜け、整えられた通路へと踏み入った。
道の幅は大柄な男であるあなたが二人、両手を広げてすれ違える程度だ。
床と天井の距離も同じ程度。
もし通路の断面図を見たならば、そこには綺麗な正方形が描かれている事だろう。
壁と床、天井にはほのかに青みを帯びた光を放つ空隙が、葉脈のように走り、辺りを照らしている。
それは明らかに人の手で作り出せるとは思えない魔性を帯びているように、あなたには感じられた。
ともあれ光のお陰で、真っ直ぐに長く続く通路の突き当たりまで、何の障害もなく見通す事が出来る。
十歩程先には床から腰の辺りまで突き出た石の柱があり、その上には石版のような物が乗っている。
遠目には、文字が刻まれているように見えた。
>>↓1 どうする?

石板を調べてみる

何はともあれ、まずはあからさまに怪しい石版を調べるべきだろう。
そう思ったあなたは石版に近付いた。
遠目に見た通り、石版には文字が刻まれていた。
文字は余りにも規則的に並んでいる。
石版を升目で区切り、中央にしっかりと文字が置かれるよう、苦心しながら慎重に彫り込む神の姿を想像できるほどに。
さて、ここで問題は一つ。
あなたは文字を読めるだろうか?
>>↓1 【知識】判定

目標値 1  出目 8
判定に失敗しました

残念ながらあなたは石板の文字を読む事が出来なかった。
もしこれが一般的に使われる文字であれば、断片程度は理解できただろう。
しかし、石板に刻まれているのはあなたが見た事もない異形の文字であった。
あなたはこの石板を前に、頭を抱える事しか出来ない。
得た物は結局、小さな落胆だけであった。
……その時だ。
>>↓1 コンマ判定 危機感知
目標値 感覚 8

過去に幾度もあなたの命を救った直感が、最大級の警報を発した。
それに逆らうなどという選択肢をあなたは持たない。
欲に釣られて勘に逆らい、良い結果が齎された事が一度もないのをよくよく知っていたためだ。
慌てて飛び退いたあなたの鼻先を、鋭い何かが通過する。
石板を押し上げ現れたそれは、いかにも禍々しい異形であった。
鋭角に七度折れ曲がる意味の掴み得ぬ関節を持ち、
表面を黒々とした粘液じみた皮膚に覆われ、
先端は今まで見たどんな武器よりも鋭い三又の槍じみた指をもつ、
昆虫の脚のような何か。
愕然とするあなたの前で、石板がカタカタと動き、その下から何かが更に現れようとしている。
チラリとだけ見えたそれは、今飛び出ている物と同じ。
それが少なくとも三本はあるように、あなたには思えた。
>>↓1 どうする?

出てくる前に全力で走り抜ける

あなたの背筋を戦慄が走り抜ける。
当然の事だろう。
先程鼻先を掠めた速度は余りにも常軌を逸していた。
大陸一の弓兵が身の丈を越える大弓を引いたとて、あのような一撃は到底放てまい。
とても真っ当に戦って勝ち目のある相手とは思えない。
騎士達から逃げた時を上回る、過去最高の死の予感を振り切るように、石柱の横を走り抜ける。
その時、異形の脚は真実昆虫めいた反応を見せ、
振り上げていた爪先をあなたの背中へと振り下ろした。
>>↓1 コンマ判定 回避
敏捷 9
非視認 -3
盗賊 2
=目標値 8

目標値 8  出目 8
判定にかろうじて成功しました
あなたは全身のあらゆる力を使って、石柱の横を走り抜ける事に成功した。
異形の脚が自身の行動にどのような反応を返すのか。
それを考えるための暇すらも投げ捨てての逃走だった。
……果たしてそれは功を奏した。
入り口と突き当たりの中程まで辿り着き、ようやく肩越しに振り返ったあなたは、
石柱の表面を這うように爪で探るだけの、間抜けな六本の脚を目にした。
あなたは逃走に成功したのだ。
やがて脚は渋々といった様子で石板の下へと再び収まっていった。
危機は去った。
だが、あなたには止めていた息を吐く余裕すらも戻らない。
何故なら、気付いてしまっていたのだ。
自分の着ている襤褸の裾が大きく、異常な程に鋭く切り裂かれている事に。
もし、一歩、いや半歩でも足の置き場所を違えていたならば……?
切り裂かれた胴からはらわたを溢して倒れこみ、
異形の脚によって小さく小さく切り刻まれ、
石柱の中に引き込まれて咀嚼される、有り得たかも知れない末路を想像し、手足の先がようやく震えを起こす。
"本当に、本当にこれは幸運だったのか?"
早くも芽を出し始めた疑問があなたを包み込むが、しかし、
もう一度あの石柱の横を通って逃げるという選択肢は、
曖昧なそれよりも遥かに直接的な恐怖をあなたに与えるのだった。

※職業ボーナスが狩人の物になっていたので修正しました
【筋力】 1 【耐久】 9
【敏捷】 9 【感覚】 8
【知識】 1 【意志】 4
【魔力】 5 【幸運】 7
【盗賊】
様々な感知・回避判定が有利になる
【男】
【身体的損傷】
なし
【精神的損傷】
なし

手足を震わせる不安を抑え付け、あなたは周囲を観察した。
現在位置は長い通路のちょうど中央辺り。
石柱からは距離も離れ、もし万一あの脚が再び現れても余裕を持った対処が出来るだろう。
また、先程よりも近づいた突き当たりが良く見え、道が左右へと直角に分かれているのが分かる。
あなたを取り囲むように走る壁の葉脈からは相変わらず青い光が漏れ出ている。
視界の確保に問題は無さそうだ。
>>↓1 どうする?

周囲を観察する

あなたは周囲を更に注意深く観察した。
何せ先程はただの石柱の中にあのような化け物が隠れていたのだ。
どこに何が潜んでいてもおかしくはない。
努めて息を整え、一切の見落としを許さぬよう、神経を研ぎ澄ませて目を走らせる。
周囲観察
感覚 8
盗賊 2
目標値 10
判定に自動成功します
……怪しい物は何もない。
壁に継ぎ目らしき物はなく、葉脈のパターンにも狂いは見受けられない。
また、あなたの直感は至近に迫った危険を告げる事も、全くなかった。
あえて言えば葉脈の内側、そこに灯る青い光には妙な感覚を刺激されているような気がする。
視覚や嗅覚などの五感でも、また所謂第六感でもない、
今までに使った事のない、全く未知の感覚を、である。
だが葉脈の中を調べるには空隙は余りにも狭すぎる。
指は勿論、手持ちのナイフの刃も入るかどうかといったところだ。
もしこれを調べようとするなら、あなたに秘められた未知の感覚を頼る他にはないだろう。
>>↓1 どうする?

とりあえず先に進む。
突き当たりを、しっかりと注意しつつ右へ。

あなたは観察を終わらせ、先へ進む事とした。
慣れ親しみ、何よりも頼りとする直感が安全を告げているのだ。
全く使った事のない未知の感覚にかかずらって時間を浪費する意味はない、との判断だ。
先程と同等の注意を全方位に向けながら、突き当たりへと前進する。
……何事もなく突き当たりまで到着したあなたは、警戒の甲斐あって一つの違和を発見した。
突き当たり正面の壁、そこに走る葉脈のパターンが一本だけ狂っていたのだ。
他の葉脈が緩やかな曲線を描き走るのに対し、
その一本だけは天井から床へと、斬り下ろすように真っ直ぐと伸びている。
盗賊として培ってきた経験が、これは罠だと告げている。
それを証明するように、突き当たり中央の床には葉脈の曲線によって区切られた、島のようになっている部分がある。
恐らくはそこに踏み入れば発動するのだろう。
脱出の際には忘れないようにしなければ。
そう心に刻んでから、左右に伸びる通路をそっと窺った。

まずは右の通路を覗く。
その先には今までの通路と同じような道が伸びていた。
距離はそう長くはない。
入り口からここまでの半分もないだろう。
道はまたも直角に左へと、つまり奥へと折れている。
また、曲がり角の手前の壁、その入り口側にはへこんでいる部分があるのも見て取れた。
顔を反して次に左の通路を覗く。
こちらも右の通路と同じ程度伸びているように見える。
だがこちらはその半ばで迷宮の不可思議な壁が途切れ、勿論葉脈も消えている。
その先は暗いためおぼろげにしか見えないが、どうやら極普通の洞窟のような岩壁となっているようだ。
それを確認して、あなたは右へ進む事に決定する。
求める物は迷宮の宝なのだ。
あからさまな迷宮と、ただの岩の洞窟。
考えるまでもない事である。

右の道を進む。
特に何事もなく曲がり角の手前まで辿り着いた。
罠らしい物はなかった。
もしや最初のあの異形が異常だっただけなのだろうか。
そんな楽観的な疑問すら浮かぶ程に。
左へと折れる曲がり角。
その先がどうなっているかはまだ分からないが、少なくとも現在見えている部分は葉脈の壁となっている。
また、壁のへこみはどうやら扉……らしきもの、があるようだ。
扉と断言できない理由は簡単である。
それはあなたが見た事もない作りのものであったからだ。
大人の頭一つ分程度壁がへこんだ先には、葉脈がなく、中央に青い球体がはめ込まれた白い壁が遮っている。
こういった作りの物は扉で、その先には部屋がある、と考えるのが自然ではあるのだが、
取っ手も何もないために、あなたには断言できなかったのだ。
>>↓1 どうする?

周りの壁を壊してみよう

あなたはふと、周囲の壁が気になった。
見たことがない、と言えばそもそもこの壁がそうなのだ。
全周を囲む白い壁は、余りにも滑らかすぎる。
そして、そっと手で触れてみれば、石壁のような冷たさはなく、むしろ僅かに温かみすらあるように感じる。
……好奇心を刺激されたあなたは、ナイフを壁に当て、力を籠めて押し込もうとした。
が、壁が傷付く様子はない。
ただの石壁ならば、いや、例え鉄壁だろうと、削れて跡を残す事ぐらいは出来るだろう。
強度はあなたの常識にある壁とは全く次元が違うらしい。
無論、壁の破壊など望むべくもなかった。
>>↓1 どうする?

中央の球体を撫でたり叩いたりいじってみる

あなたは扉らしき壁を調べてみる事にした。
もし宝があるとしたら、どこであるか?
通路に突然落ちている、などという事があるとは考えにくい。
宝を探すならば部屋に踏み入り内部を探索するべきだ。
そう考え、あなたは扉の前に立つ。
この見た事もない、取っ手も鍵穴もない謎の扉を開こうとするならば、
そのカギは当然、見るからに怪しい青い球体であるはずだ。
あなたは球体へと手を伸ばし、そして……
>>↓1 コンマ判定
魔力 5
目標値 5

目標値 5  出目 2
判定に成功しました
あなたが球体に触れた瞬間、強烈な脱力感があなたを襲う。
体の奥底、心臓から何かが吸い上げられ、それがどこかへ消えていっている。
どこへ、というのはすぐに理解できた。
あなたが触れ続けている青い球体は、あなたの何かが消えるにつれてその輝きを増している。
危険を感じ手を離そうとするも、何故かあなたの手は石膏で固められたように動かない。
このままではまずい。
そう告げる直感に焦り、空いた方の手を振り回し球体を何度も殴りつけるが、ヒビすら入る様子がない。
と、その時。
葉脈の光によって刺激されていた未知の感覚、それがあなたの内側で唐突に蠢き、
心臓から吸い上げられる感覚が急激に弱まっていく。
完全にせき止められるまでにかかった時間は、恐らく十秒ほどだろうか。
気付けば動くようになった手を離し、数歩後退する。
同時に、青い球体は不満を表すかのように数度瞬き、鍵を外すような音と共に壁の中へと埋もれて消えた。
微かに感じる眩暈から、額を押さえる。
……一体何が起きたのか、あなたには全く理解ができない。
分かる事は、少なくとも命は助かった事と、決して少なくない量の何かが自分から奪われた事だけだった。
>>↓1 どうする?

休息とその間に持ち物を確認

揺れる視界に耐えかねて、あなたは壁際に腰を落とした。
この状態では、動けはするだろうが、その精度は普段よりも幾分落ちるだろう。
このまま一旦休息を取るべきだと、あなたは考えた。
息を整えながら、あなたは自分の持ち物を気にかける。
あの球体に奪われたのは、本当に目に見えない何かだけだろうか?
ふと、そう思いついたためだ。

【所持品一覧】を表示します
【使い慣れたナイフ】
盗賊が持つにしては良質のナイフ。
刃渡り20cm程度。
頑丈で鋭く、柄はあなたの指の形に合わせて変形しているため、非常に扱いやすい。
盗品。
【予備のナイフ】
ごくありふれた平凡なナイフ。
刃渡り20cm程度。
まだ比較的新しいようで、前の持ち主の癖はついていない。
盗品。
【襤褸の服】
ろくに洗濯もされていない、汚れた服。
ただの服でしかない上にボロボロなので防御力は全く期待できない。
異形の脚の一撃のため、裾が大きく裂けている。
盗品。
【牛皮のベルト】
腕の良い職人が丁寧に作った事がうかがえる丈夫なベルト。
あなたの腰に巻かれ、服を留めている。
盗品。
【襤褸の靴】
裸足よりはマシ、といった風情の履き潰される寸前の靴。
防御力や攻撃力には全く期待できない。
盗品。

【小さなランタン】
アジトからの逃走の際にベルトにくくりつけられていたランタン。
程よく使い込まれており扱いやすいが、小型の物であるため光量にはやや不安がある。
盗品。
【ランタンの油 x3】
元仲間が逃走の際に持ち出したもの。
何か理由があって選んだわけではなく、たまたま手に触れただけと思われる。
一つで二時間程明かりを点せるだろう。
盗品。
【開錠道具】
常に身に付けていた道具。
極希に馬車に乗せられて運搬される宝箱は、それ自体に値打ちもある場合も多いため、
斧などで無理に壊す事はせず、もっぱらあなたの開錠の腕に任されていた。
盗品。
【干し肉 x5】
【焼き固めたパン x5】
元仲間が逃走の際に持ち出した食料。
干し肉は異様に塩辛く、パンは石と比べられる程の固さで、余りにも食べにくい。
盗品。
【水の入った袋】
元仲間が逃走の際に持ち出した物。
動物の皮を使った丈夫な袋で、迷宮突入前に限界まで雨水を入れた。
浪費をしなければ三日分にはなるだろう。
盗品。

……失われた物は何もないようだ。
そう確認できたあなたはほっと息を吐く。
気付けば眩暈も治まっていた。
これならば問題なく行動が可能だろう。
>>↓1 どうする?

扉?が開かないか試してみる

床から立ち上がったあなたは扉らしき壁の前に立つ。
奪われた物の正体は分からないが、何かを浪費してしまったのは確かなのだ。
これで中に入れないならば割に合わないにも程があるというものだ。
頼む、開いてくれ。
そう念じながらそっと手を伸ばした瞬間、一切の音を立てずに扉が高速で横へ動き、壁の中へ収納された。
その唐突さにあなたは慌てる。
更なる罠の可能性もあるため、慎重に開けようとしていた所にこれである、無理もないだろう。
あなたは心の中で咄嗟に叫んだ。
"いきなり開くやつがあるか、馬鹿野郎! 閉じろ!"
……すると、やはり音もなく扉が現れ、再び道を閉ざした。
理由は全く分からない。
しかしどうやら、この扉は現在、あなたの意思に従って開閉するようだ。
一瞬だけ開いた扉の向こうは、あなたの予想通り小部屋だったように思える。
また、正面の壁際には何か箱のようなものが置かれていたようにも。
それ以上の事は、残念ながら見ては取れなかった。
>>↓1 どうする?

諦めて別の扉を探す

意思に反応して勝手に開閉する扉……。
いかにも不気味である。
こういった理解のできない法則には全く信用が置けない。
もし、中に入った後で開閉不能になったら?
また、あの薄気味悪い青い球体が、再び現れない保証はあるのか?
……あなたは部屋への進入を断念した。
中にあった箱らしき物は気になるが、他の部屋を探した方がマシであると、考えたのだ。
さて、周囲には扉は目の前の一つしかない。
他の扉を探すには曲がり角を進むか、あるいは戻って岩壁の洞窟へ踏み入るしかないだろう。
>>↓1 どちらへ?

曲がり角へ

無論、進むべきはこの先の道だ。
一瞬でも洞窟が選択肢に上がった事に首を捻る。
先程確かに、洞窟に進む事はありえないと考えたはずなのだが……。
自身の頭に僅かな違和感を覚えながらも、あなたは行動を止めない。
直角に折れた道の先は当然見えないため、壁に背を当てながら、そっと道の先をうかがう。
>>↓1 コンマ判定 目視
感覚 8
盗賊 2
?? -2
目標値 8
>>↓2 コンマ判定 聞き耳
感覚 8
盗賊 2
超遠距離 -5
目標値 5

目視
目標値 8  出目 1
クリティカル!!
聞き耳
目標値 5  出目 3
判定に成功しました

判定補正判明 ??=透明
判定にクリティカル成功したため、以降魔力を用いずに透明補正を無効化できるようになります
曲がり角の先を覗き見たあなたは明確すぎる違和感を覚えた。
何故か、壁の一部がぼやけて見えるのだ。
球体の影響がまだ残っているのか、そう思い目を擦るも、変化はない。
……そして、唐突な閃きに納得する。
壁の一部がぼやけているのではない。
その壁の前に何か、無職透明で目には捉えられない何かが居るのだ。
そう思って見れば、何者かの詳細な姿まで捉える事が出来た。
大人の腕でちょうど抱きかかえられるかどうか、といった大きさの丸い頭部。
そこから伸びるのは十数本の蝕腕らしき器官。
蝕腕は一本一本が鍛えられた男の腕ほどの太さがあり、また長さは少なくともあなたの身の丈は超えている。
更に悪い事に、蝕腕と蝕腕の間には薄い膜があるらしく、全てを広げれば隙間なく通路を塞ぐ事も可能だろう。
幸いこちらに気付いた様子はないが、どうにも厄介な相手に思えた。

視界に飛び込んだ凶報に戦き、気付かれる前にと頭を戻す。
さて、どうしたものか。
あなたが頭を働かせようとした、その時だ。
今度は耳へと、追加の凶報が届く。
……岩と岩が擦れるような音だった。
音源は後方から、不吉な重々しさを以ってあなたの鼓膜を揺らす。
鋭敏な感覚を持ち、盗賊として山暮らしの長いあなたならば、当然気付いただろう。
それは自然の落石が起こすような音では決してない。
一定の間隔を保ち、周期的に聞こえるそれは、明確な生命の気配を纏っていた。
音源とはかなりの距離があるようで、微かにしか聞こえなかったが、あなたにはハッキリと想像できた。
何かが、這いずり近付いているのだ。
硬質の皮膚を岩盤に擦りながら、少しずつ、少しずつ、あなたの背中へと向けて。
無論、これは単なる空想でしかない。
実際は何の害もない巨大なだけの生物が寝返りでもうっているだけかも知れないし、
そもそも生物が立てる音という予測が間違っている可能性もある。
だが、そんな楽観的過ぎる考えに身を任せるのは危険だと、あなたの直感が告げている事も確かだった。

前方には透明な正体不明の化け物。
後方には謎の音。
……どうするべきか、あなたは必死に考えた。
>>↓1 どうする?

さっきの扉の中に入る

背に腹は代えられない。
あなたは止むを得ず扉を開けて中へ入る事とした。
無論、部屋の中が安全などという保証はない。
だが戦闘には向かず、一番の得意分野は逃走、というあなたにとって正面の化け物は最悪の相手である。
今はじっとしているだけだが、突然行動を起こす可能性はある。
そこに後方の音だ。
もし音を聞きつけた化け物がこちらに向かってきたならば、化け物と音の主、
最悪の場合はそこに異形の脚まで加わった悪夢という言葉すら生温い挟み撃ちに合うだろう。
部屋の中に何が待とうと、少なくともそんな事態よりは、まだマシであるはずだ……。
>>↓1 コンマ判定
幸運 7
目標値 7

幸運判定
目標値 7  出目 8
判定に失敗しました……。

部屋の中へ踏み入ったあなたは、ナイフを構えながら素早く周囲を見渡した。
部屋の大きさは想像したほどではない。
通路の幅と同程度の奥行きしかないようだ。
正面の壁際には箱が一つ。
腰掛けるには丁度良い高さのそれは、あなたでも見慣れた極普通の宝箱に見える。
通路と同じく葉脈が縦横に走る白い部屋の中、その箱だけが現実的に過ぎ、凄まじい違和感を放っている。
部屋の中にはそれだけ……いや、違う!
あなたの耳が粘着質の音を捉え、咄嗟に自分の頭上、天井を見上げる。
そこには確かに何かが居た。
通路をふさぐあの化け物と似た透明な体。
違うのは、部屋の中の化け物は定まった形を持たない、粘液の塊だという点だ。
その塊は見た目からは想像できない俊敏さでもって、愕然とするあなたへと飛び掛る!
>>↓1 どう対処する? 回避ならば方向も指定して下さい

下手に触ったり反撃はしないように、即部屋の外に飛び出す

直感が告げる。
あの粘液に触れて、ただで済むとは思えない!
あなたは咄嗟に身を翻して部屋の外へと飛び退こうとした。
>>↓1 コンマ判定 回避
敏捷 9
盗賊 2
不意打ち -3
目標値 8

回避判定
目標値 8  出目 7
判定に成功しました
回避に成功したため、追加判定が発生します
>>↓1 コンマ判定
幸運 7
目標値 7

幸運判定
目標値 7  出目 1
クリティカル!!

あなたは見事な身のこなしで部屋の外へ逃走する事に成功した。
だが、粘液は死んだわけでもなく、どこかへ去ったわけでもない。
飛び出した勢いのまま壁まで走り、油断なく構えて振り向けば、
やはり当然のように粘液はあなたへ向けて、再び飛びかかろうとしている。
それを目にして咄嗟に、あなたは念じた。
"閉まれ!"
部屋の扉は意思に反応して開閉するのだ。
この粘液がまともな意思を持っているかどうかは分からないが、
見た目からは本能だけで行動するようにしか見えない。
ならば、扉さえ閉じてしまえば、最低限時間は稼げるかも知れない。

その程度の、運任せの行動だったのだが。
あなたは自身の判断がもたらした結果の間抜けぶりに、思わずぽかんと口を開けた。
なんと、勢い良く閉まる扉に挟まれた粘液は、あっさりと体をばらばらに弾けさせてしまったのだ。
そのまま十数秒。
粘液は散らばったまま、一切動きを見せない。
閉まった扉の近くを見れば、明らかに粘液とは質感が異なる、砕かれた鉱石の欠片のような物が幾つも転がっている。
……もし、もしだ。
その欠片があなたの想像通り、化け物の体を維持するための核のような物であったなら。
この化け物は扉に挟まれて死んでしまった、という事なのではなかろうか。
>>↓1 どうする?

危険が本当に無いか、欠片を調べてみる。
大丈夫だったら、一応持っておく。
そのあともう一度、部屋を開けてみる

あなたは慎重に欠片へと近付き、つま先で軽く転がしてみた。
……反応はない。
欠片が不自然に震える事もなく、粘液もぴくりとしない。
次いで、指先で触れても何の異常もない事を確認して、そっと拾い上げた。
顔に近付けてよく観察しても、それは無害な透明な鉱石としか、あなたの目には映らない。
過去に襲った商人から奪った、赤い宝石の原石を思い出す。
岩の表面にびっしりと顔を出したあの赤い宝石から色を抜いたならば、ちょうどこの欠片のようになるだろう。
そこまで考えて思い至る。
もしやこの鉱石にも、あの宝石のような価値があるのではないだろうか。
口元が緩むのを抑えきれない。
あなたは自身の幸運に感謝し、散らばる全ての欠片を道具袋へと収めるのだった。
【粘液塊の核の欠片 x7】 を入手した!
……鉱石を仕舞い終えたあなたは、化け物の末路に気付く。
散らばった粘液はいつの間にかその粘性を失い、ただの水のようになって床に走る葉脈の中に零れ落ちていく所だった。
どうやら、粘液の化け物が死んだ事は間違いないようだ。

ステータスが更新されました
【筋力】 1 【耐久】 9
【敏捷】 9 【感覚】 8
【知識】 1 【意志】 4
【魔力】 5 【幸運】 7
【盗賊】 様々な感知・回避判定が有利になる
【男】
【身体的損傷】 なし
【精神的損傷】 なし
【探索の目的】 あなたが満足する額の宝物を入手し生還する

【所持品一覧】
【使い慣れたナイフ】
【予備のナイフ】
【襤褸の服】
【牛皮のベルト】
【襤褸の靴】
【小さなランタン】
【ランタンの油 x3】
【開錠道具】
【干し肉 x5】
【焼き固めたパン x5】
【水の入った袋】
【粘液塊の核の欠片 x7】

欠片を仕舞い終えたあなたは、意を決して扉を開けた。
三度あなたの前に現れた小部屋の中は、飛び退って逃げる前と同じに見える。
部屋の中に残った化け物の体は、外に出ていた部分よりも小さかったのだろう。
床に残る粘液は既に葉脈の中に消え去り、欠片も落ちてはいない。
扉を開けたまま、警戒を維持して呼吸を三度数える。
……何も起こらない。
>>↓1 コンマ判定 【不運の回避】
幸運 7
????? -1
目標値 6

【不運の回避】
目標値 6  出目 2
判定に成功しました

念のためと更に数秒置いて、あなたはとりあえずの安全を確信した。
扉は開いたまま、依然変わらない部屋の中の様子が良く分かる。
>>↓1 どうする?

扉を閉めて慎重に部屋を調べる

いつまでも通路から眺めていても仕方ない。
あなたは部屋に踏み入り、内部を調べる事とした。
当然、最大限の警戒を払いつつだ。
先程の粘液の例もあり、天井のその隅まで目を凝らす。
その途中、あなたの脳裏に曲がり角の先の化け物が思い浮かぶ。
先程、あなたはこの部屋から飛び出して逃げた。
粘液の不意打ちを回避するため仕方なかったとはいえ、とても音を出さない配慮を行う余裕はなく、
更に、粘液が死んだ後も触腕の化け物に注意を払う事もせず、戦利品の回収に夢中になってしまっ
た。
あなたが慌てて振り向くと、そこには……。
……何も居なかった。
どうやら、【幸運】にも未だ触腕の化け物には気付かれていないらしい。
それでも一瞬で戦利品の高揚が消え失せ、肝を冷やしたあなたは、念のために部屋の扉を閉めてから探索を再開した。
【小部屋の探索】
感覚 8
盗賊 2
目標値 10
判定に自動成功します
>>↓1 コンマ判定 【未知の感覚】
魔力 5
目標値 5

【未知の感覚】
目標値 5  出目 7
判定に失敗しました……

部屋の内部を調べ終えたあなたは、一先ず安堵した。
この部屋自体には罠は存在せず、また何者かが潜んでいる事もない。
そう絶対の確信が持てたためだ。
これまでに培い続けた盗賊の業も、生まれ持った直感も、一切の危険信号を発していない。
そしてそれは、部屋だけではなく、壁際に存在する宝箱も同様だ。
腰掛けるのに丁度良いだろう高さの箱にも、罠の存在は見て取れない。
ただし、見慣れた形とは裏腹に、鍵の形は極めて珍しい物のようだ。
盗賊団の中でも一際頼りにされるほど鍵開けに長けたあなたの業をもってしても開けられない程の物ではない。
だが、もしこれを開けようとするならば、相応の時間を代価として支払う必要があるだろう。
>>↓1 どうする?

開けてみよう

どれ程時間がかかるとしても開けないなどという選択肢は存在しない。
あなたの目的が宝物の獲得である以上、それは当然の事だ。
あなたは使い慣れた解錠道具を取り出すと、それを手の中で一度回し、唇をぺろりと舐めて湿らせた。
宝箱の解錠の前に常に行ってきた動作である。
浚った女の衣服を剥ぎ取る時に、仲間が実に見事なこの動作の物真似をしてみせて、仲間を沸かせた事をふと思い出す。
あの男は実にひょうきんで、毎夜毎夜笑わせてくれたものだ。
宝物を持ち帰り大金持ちになった暁には、美味い酒の一つでも供えてやろうか。
そんな事を考えながら、あなたは宝箱の解錠に取り掛かった。
>>↓1 コンマ判定 【宝箱の解錠】
感覚 8
盗賊 2
目標値 10
※この判定は目標値と出目の差が大きい程、解錠時間が短縮されます

【宝箱の解錠】
目標値 10  出目 10
判定にかろうじて成功しました……
※【かろうじて成功】は【クリティカル】及び【ファンブル】よりも優先されます

……優に三時間は経過しただろうか。
既に二度の休憩を挟み作業を続けるあなただが、
事前の予想を超える難度に、頭が沸騰しそうな怒りを御しきれなくなりつつある。
最早冷静さは遥か彼岸に旅立ち、一時思い出した元仲間の男の事など脳の片隅にも残っていない。
"いっそ、鍵なんぞ開けずに何かで壊しちまった方が早いんじゃねぇか……"
焦れたあなたがそんな馬鹿げた考えを持ち始めたその時、ようやく待ちに待った手応えが感じられた。
そこからはあっという間である。
一つ目の手掛かりを見つけたあなたはとんとん拍子で正しい鍵の形を導き出し、
五分としない内に、宝箱の錠を外す重々しい音を小部屋の中に響かせる事に成功した。

罠が存在しない事を確信しているあなたは、当然すぐさま重量感のある蓋を持ち上げた。
あなたの読み通り、何が起こるという事もなく、宝箱はその中身をあなたの前にさらけ出した。
そこにあったのは……
>>↓1 コンマ判定 【宝箱の中身】
幸運 7
目標値 7
※この判定は、成功した場合、目標値と出目の差が大きい程獲得アイテムが高品質になります

【宝箱の中身】
目標値 7  出目 5
判定に成功しました

宝箱の中に入っていたのは……衣服のような物であった。
あなたはおもむろにそれを取り出し、眼前に広げてみる。
……どうやら外套、いわゆるマントのようであるが、お世辞にも良質な品には見えない。
元は鮮やかな緑色だったであろうそれは、いかにも使い古しといった風に色落ちし、草臥れている。
裾はほつれて指で千切れそうな有様であるし、あちこちに虫食いのような穴も開いている。
解錠の苦労に釣り合いそうにないゴミのようなそれを、それでも一縷の希望を込めて、あなたは注意深く観察した。
【?外套】 を入手した!
>>↓1 コンマ判定 【?外套の鑑定】
知識 1
盗賊 2
魔力 5 -4(未知の感覚)
目標値 4

【?外套の鑑定】
目標値 4  出目 5
判定に失敗しました……

……やはりどこからどう見ても、着古したゴミである。
あなたはそう結論付けざるを得なかった。
だが、この迷宮で見つけた最初の宝箱からの獲得品。
しかも三時間という多大な時間を対価にしてのそれだ。
流石に放り捨てる事も出来ず、さして重くもない事もあり、仕方なく持っていく事とした。
>>↓1 どうする?

扉を少しだけあけて外を確認

宝箱以外に何もなく、そしてその宝箱もガラクタしか入っていなかった以上、もうこの部屋に用はない。
あなたは小部屋の探索を切り上げ、通路へ戻る事とした。
勿論、化け物が闊歩しているかも知れない通路に無防備に飛び出すなどありえない。
あなたは努めて慎重に、扉へと命じる。
"少しだけ、いいか、少しだけ開くんだ"
果たして扉はあなたの望み通り、ゆっくりと、指三本分ほど開き、そして止まった。
従順なその動きに気を良くしながら、あなたはそっと通路を覗く……。
【目視】 判定に自動成功します
>>↓1 コンマ判定 【聞き耳】
感覚 8
盗賊 2
遠距離 -3
目標値 7
>>↓2 コンマ判定 【不運の回避】
幸運 7
????? -1
目標値 6

【聞き耳】
目標値 7  出目 6
判定に成功しました
【不運の回避】
目標値 6  出目 3
判定に成功しました

僅かに開いた扉の隙間。
そこに顔を近付け外を窺おうとした瞬間、あなたの耳に再び、あの音が届いた。
硬質の岩肌が奏でる、あなたの背を追う重低音が。
宝箱の中身のせいだろう、どこか脱力していたあなたの体が、一瞬で特大の緊張に強張っていく。
確信がある。
音源が、間違いなく近付いているのだ。
鋭敏なあなたの聴覚は、よりはっきりと捉えられるようになった音から、音の主の形をより明確に描き出していく。
……蛇だ。
この音の主は蛇なのだ。
その外皮を硬く、重く、分厚い岩で構成した、人間どころか家ですら飲み込む程の巨体の、
化け物などという言葉の枠に収まらない大蛇だ。
脳裏で空想がじわりと現実味を帯び、あなたの手によって命を吹き込まれる。
無機質な岩の表皮は葉脈のように、あるいは血管のように、禍々しい青い光を縦横に走らせ始める。
ぽっかりと開けられた大口からは鋼鉄を錆び腐らせる毒が滴る、曲がり捩れた牙が覗き。
そして、一切の感情を宿さない、臓物のごとく赤黒い瞳が、ついにあなたを捉えるのだ。
"どこだ、どこでこんな奴に目を付けられた……!"
……繰り返すが、これはあなたの空想に過ぎない。
音は確かに近付いているが、それがあなたを付け狙っているとは限らない。
だが、そのような考えは最早、あなたの思考に浮かび上がる事はない。
そしてまた、この異常な焦燥感の正体についても、今のあなたには知る事は出来ないのだ。
>>↓1 コンマ判定 【精神的被害の軽減】
意思 4
目標値 4

【精神的被害の軽減】
目標値 4  出目 2
判定に成功しました

悲鳴を上げて今すぐにでも飛び出したい衝動を必死に抑える。
落ち着かなければならない。
近付いているとはいえ、未だ音は遠い。
今冷静さを欠いて行動すれば、大蛇以外の危機すら呼び寄せかねない。
そう、自身に無理矢理言い聞かせて周囲を観察する。
……通路に異常は無い。
少なくとも、触腕の化け物がこちらに気付いて待ち伏せているなどという事態は起こっていないようだ。
※精神的損傷 【焦燥Lv1】 を回避しました
>>↓1 どうする?

臆せず進む

……このままここで怯えていても、何にもならない。
もしここで逃げたとして、どうなるのか。
溜め込んだ財貨は失われ、たった一人で略奪が出来るような力は無い。
更に悪い事に、騎士団から逃げる際にはっきりと顔を見られている。
近隣の町に潜り込むのは難しいと考えるべきであるし、
遠方へ落ち延びるにしても、関所で捕らわれるか、それを避けて道なき道を進み獣に食われるのが落ちだろう。
やるしかないのだ。
直感と幸運を頼りに、触腕の化け物を切り抜けて、何としても宝を手にするのだ。
あなたは決意を再び固く噛み締め、ついに曲がり角の向こうへと進み出た。

曲がり角の先が、はっきりとあなたの視界に入る。
ぼやけて見えるのは、あなたの足で三十歩ほど先、通路右手の壁だ。
意識を集中させれば、壁にべたりと張り付く透明な化け物の姿を捉えられる。
通路は化け物から更に二十歩ほどで行き止まりになっているが、左右の壁がへこんでいるのが分かる。
恐らくは分かれ道か、もしくは扉だろうと、あなたは考えた。
……今の所触腕の化け物に動きは無い。
こちらに気付いて待ち構えているのか、それとも全く気付かずに間抜け面を晒しているだけなのか。
人とは余りにも異なりすぎるその形状からは、読み取る事は難しい。

正面からはっきりと化け物の姿を捉えたあなたは、過去の記憶を探り出す。
盗賊団の中には、たった一人、僅かにだが学のある男が居た。
とある村の村長の次男であったというその男は、
過去に本から学んだという英雄達の冒険譚を、酒も尽き暇を持て余した折に語る事があった。
精々が暇つぶし程度と、まともに聞いていなかったあなただが、必死に詳細を思い出そうと試みる。
さて、男の話の中にあのような異形の逸話はあっただろうか?
>>↓1 コンマ判定 【正体看破】
知識 1
英雄達の冒険譚 1
目標値 2

【正体看破】
目標値 2  出目 9
判定に失敗しました……

……だめだ、思い出せない。
あなたは心中で舌打ちを一つ鳴らした。
やはり盗賊なぞやっているゴロツキはろくな役に立たない。
自身の事を棚に上げて、記憶の中の男を罵倒したあなたは、自身の力のみで立ち向かう事とした。
>>↓1  どうする?

一見して急所と思しき場所(目とか)がないか確認

壁に張り付いたまま動かない異形を、じっと観察する。
手持ちの武器はナイフのみ。
これで相手を殺すとなれば、当然急所に一撃を叩き込む他にない。
もし急所があるとすれば、ぶよぶよとした中央の球体だろう。
生物の構造的に考えて、触腕の中に脳があるなどという事はありえまい。
更に目を凝らして探し続ける。
透明な体は異形の武器の一つなのであろうが、今はあなたに有利に働いている。
何せ、内部を隠す事の出来ないその構造は、重要な器官の位置すらもあなたに教えてくれるのだ。
>>↓1 コンマ判定 【急所の発見】
感覚 8
透明 2
目標値 10
※この判定の目標値と出目の差が5以上の場合、追加の情報を獲得できます

【急所の発見】
目標値 10  出目 2
判定に成功しました
更に差が5以上のため、追加の情報を獲得します

観察が功を奏し、あなたは異形の急所らしき部位を二つ発見した。
まず一つ。
異形の中央、球体の壁に張り付いている側には、円形の、口と思われる器官があった。
その周囲に触腕の付け根が並んでいる事から考えて、恐らくは間違いは無いだろう。
触腕で獲物を捕えて捕食するならば、それが合理的であるからだ。
そこから少し軸をずらしただけのすぐ内側に、脳らしきものが見える。
団の頭が幾度もカチ割った商人の頭から垣間見たそれに、良く似ている。
もっとも、人間と同じ形の脳を持っているとは断言しがたいが、それなりに確かではないかとあなたは感じた。
次に二つ。
重力に引かれだらりと垂れた球状の頭部の先端近く。
そこに周期的に脈打つ器官がある。
こちらは心臓だろう。
ただしこちらは脳と比べ比較的小さく、確実に狙い穿つには難度が高いだろう。
見つけた急所らしきものはそれだけ。
残念ながら外部に露出している器官は無いようだ。
そして、観察していて気付いてしまった事がもう一つ。
異形の心臓が鼓動を刻む度に、僅かに震える様。
そこから考えるに、あの異形は極めて柔らかい体をしている。
硬い物に刃物は通らないが、逆に柔らかすぎる物にも、やはり刃は効果が薄い。
……果たして、自分の力でナイフが突き立てられるだろうか。
あなたにはその目は薄いように思えた。
>>↓1  どうする?

音なのか光なのか何に反応してくるのか試したいな
パンを前のできるだけ遠くに投げて反応を見る

ふと、気付く。
あの異形には脳があり、心臓があり、その他様々な内臓らしき物もある。
だが、いかにもその造詣に似合いそうな、ギョロギョロと周囲を探る目玉は見つけられない。
あなたは一つ賭けに出る事にした。
静かに、音を立てないように荷物を漁り、石のような硬さのそれを探り当てる。
保存性以外の一切を無視して焼き固められた、パンだ。
異常に食べにくい物であるが、貴重な食料であるそれを、あなたは断腸の思いで通路の奥へと放り投げた。
果たして、その試みは以下の通りの結果となった。
異形は、ほんの少し横を通り過ぎるパンに全く気付かなかったのだ。
行動を起こしたのは、パンが床に接触した次の瞬間。
カツン、と甲高い音が響いた後の事だ。
音だ、とあなたは確信する。
異形は視覚を持たず、聴覚で全てを認識しているのだ。
完全にパンにだけ気を取られ、それを投げたこちらに全く興味を向けないのがその証拠だろう。

だが、あなたの予想が的中したのはここまで。
そこから先は、天地が反っても吉報とは言えない悪夢じみた現実が待っていた。
まず、触腕の瞬発力が余りにも高すぎる。
彼我の距離は相当に離れているにも関わらず、
床を滑るパンを捕え、口へと運ぶ触腕の動きを、完全に把握する事は出来なかった。
もし、これが至近距離であったならば、異形の攻撃を認識してからの回避は極めて困難と考えざるを得ない。
そして次。
これを頭で認識した時、あなたは自身の行動を強く強く後悔した。
異形が不規則に壁を這って移動し始めたのだ。
音を立てずに移動する事は、熟練の盗賊であるあなたには簡単な事だろう。
だが、その歩法を維持したまま、動き回る異形を避けてその奥へ進むのは遥かに難しい。
そう、恐らくは異形は今の今まで眠りこけていたのだ。
畜生め、寝ているならもう少し分かりやすくしていろ。
あなたは内心そう毒づき、信じてもいない神を呪った。
※【焼き固めたパン】 を1個消費しました
>>↓1  どうする?

少し待ってみよう。
もしかしたらどっか行ってくれたりまた寝るかも…

判定補正が判明しました
????? = 鋭敏な聴覚

今、異形が動き回る通路を進むのは得策ではない。
そう判断したあなたは、迫る蛇の影に焦る心を必死に抑え、好機を待つと決めた。
>>↓1  どこで待つ? また、待っている間に行いたい行動もあれば指定可能です

何もしないでその場で待つ

あなたは音を立てないよう、慎重に後退し、壁に背を預けた。
そしてそのまま、じっと異形を見つめる。
5分……。
10分……。
15分……。
壁を這い続ける異形を睨むあなたの額を、汗が伝う。
もし、この一滴の汗が床に滴り、その小さな音を異形が聞きつけたならば。
恐れたあなたは、努めてのろのろと腕を上げ、そっと拭った。
>>↓1  【異形の活動変化】
幸運 7
目標値 7

【異形の活動変化】
目標値 7  出目 3
判定に成功しました

あなたの見つめる前で、異形はやがてその動きを止めた。
現在位置は天井と壁の境目。
そこに球状の頭部を押し付けるように張り付き、天井と壁の両方に触腕を長く広げ伸ばしている。
通路の天井は高い。
全力で跳躍したとして、あなたの振るうナイフが頭部に届く事はありえまい。
逆に、異形の長い触腕は十分に床までを射程範囲の内に収めている。
……更に、じっと観察していたあなたは当然気付いた。
触腕の先端だけが壁から離れ、ゆらゆらと揺れ続けている。
寝ていたと思しき状態では見られなかった動きだ。
異形は未だ起きているとあなたは感じた。
必然、パンを狙った時よりも、触腕の動きは鋭いものとなるだろう。
>>↓1  どうする?

異形に近い床に油をまき火をつける

現状のままであの異形の下を通り抜けるのは難しい。
せめて何か、囮となるような物が欲しい。
そう考えたあなたは一頻り頭を捻った後、ランタンとその油を取り出した。
この油を床に撒き、火を付けるのはどうか、という考えだ。
火ならば燃え続ける限り音を出し続ける。
そちらに気を取られている間に、そっと逆の壁際を通り抜ける……。
実に素晴らしいアイデアだ。
あなたは、そう、思ってしまった。

そっと異形の傍、触腕が届かぬ範囲での可能な限りの接近。
これは上手くいった。
生涯最高の穏行だったと言えるだろう。
足音は勿論、衣擦れの一つすら抑え込んで見せたのだから。
高所から油を撒き、音を立てるような間抜けもありえない。
ベルトに括りつけた道具がどこにも当たらないよう、細心の注意を払って床へ注ぐ。
無論、葉脈の隙間に油が落ちていかないようにだ。
そうして最後の工程。
あなたはランタンの蓋を静かに開け、内蔵された 【火打石】 を動かす仕掛けを、指で弾き……
"待て、俺は今、何をしている?"
あなたの持つランタン。
それは内蔵された火打石を、簡易な仕掛けで打ち合わせて着火する、という仕組みの物だ。
そして他に着火用の道具を持っていない以上、火をつけるにはこれを使う他にない。
もしもあなたに魔術を扱う程の才能が、そして教養があったならば、無音で炎を操る術もあっただろう。
だが勿論、そんな能力があるならば、盗賊などに身をやつす訳がない。
"やめろ、やめろ、やめろ……止まれ!"
カ チ ン

瞬間、あなたへと向けて絶望が振るわれた。
……幸いだったのは、完全な射程内ではなかったために一瞬の間があった事。
そして、着火の後に飛び退けるよう、あなたが身構えていた事。
この二点である。
果たしてそれが救いとなるかどうかは、怪しいものだが。
>>↓1  コンマ判定 【回避】
敏捷 8
盗賊 2
身構え 1
射程外 1
瞬発力 -5
目標値 7

空気を切り裂いて迫る触腕を、あなたは飛び退いて回避する事に成功した。
そう、飛び退いて、だ。
いかに熟練の盗賊たるあなたであろうと、
音源へ向けて正確に、豪速で振るわれるそれを無音で回避する事など持っていない。
あなたが体二つ分離れた床に着地する、乾いた音が寒々しく通路に響く。
当然のように、再び、今度は二本に増えた触腕が獲物目掛けて殺到する!
>>↓1 コンマ判定 【回避】
敏捷 8
瞬発力 -3
連続攻撃 -1
目標値 4

【回避】
目標値 6  出目 9
判定に失敗しました……
※盗賊補正入れ忘れてましたので目標値を修正しました、結果は変わりませんが……

回避判定に失敗したため、追加の判定が発生します
>>↓1 【被害箇所の選定】
幸運 7
目標値 7
>>↓2 【身体的被害の軽減】
耐久 9
目標値 9

【被害箇所の選定】
目標値 7  出目 1
クリティカル!!
【身体的被害の軽減】
目標値 9  出目 10
ファンブル!!


ルール通り進行させた結果、被害箇所クリティカルの効果により、
【身体的被害軽減判定】がキャンセルされました
再判定を行います
>>↓1 【被害軽減】
幸運 7
目標値 7

【被害軽減】
目標値 7  出目 1
クリティカル!!

……避けきれないと確信し、苦痛と、その先の死を覚悟したあなただったが、
予想した衝撃が襲い来る事はなかった。
感じられたのは一瞬の浮遊感。
そしてその後に凄まじい速度で回転する視界。
高速で振り回され攪拌される脳が、それでも着地までの一瞬で、あなたの身に何が起こったのかを導き出した。
恐らく、最初の一撃は服かベルトかのどちらかに引っかかり、あなたを打ち上げ、
続く追撃も体に直撃する事はなく、空中で回転させるに留まったのだ。
ひとまず、この連撃では命を奪われずに済んだ。
しかしこのままではまともに受身も取れず床に叩きつけられ、更には回転により平衡感覚も狂うだろう。
最早抵抗の術はない。
あなたに許された生の時間は、床から持ち上げられ化け物に咀嚼されるまでの十数秒でしかありえない。

そう、予測し絶望を抱いていたのだが……
ついに着地し、死を待つのみのあなたに、しかし一切何も起こらない。
揺れる視界の中、何故だと化け物を探す。
そこに、あなたは自身の生の理由を見つけた。
炎だ。
どうやらあなたはあの瞬間、油に火を点すことに成功していたらしい。
その炎が、激しい光と音を立てて弾け、触腕の化け物はその周囲を半狂乱になって叩き続けている。
見れば、炎の中に何か異物がある。
白く濁った小さな鉱石だ。
それが膨張し、光と音を放って弾けるのを繰り返している。
鉱石を見つめるあなたは、その鉱石に心当たりがあった。
変色こそしているが、あの粘液塊の核だろうと、あなたは理解した。
空中で回転する間に道具袋から飛び出したらしい鉱石が、偶然に火の中に飛び込み、激しい反応を起こしているのだ。
化け物はあなたに全く見向きもしない。
そして鉱石の膨張と炸裂も収まる様子を見せない。
……あなたは九死に一生を得たのだ。
鉱石が火の中で弾けている限り、あなたには十分な行動の余裕が残され続けるだろう。
※【粘液塊の核の欠片 x1】 を失いました
>>↓1  どうする?

他に罠がないか全周に気を配りながら音を立てずにつきあたりまで移動した後
化け物の火に対する反応や影響および鉱石はどの程度の時間光と音を放つのかを確認

ステータスが更新されました
【筋力】 1  【耐久】 9
【敏捷】 9  【感覚】 8
【知識】 1  【意志】 4
【魔力】 5  【幸運】 7
【盗賊】 様々な感知・回避判定が有利になる
【男】
【身体的損傷】 
なし
【精神的損傷】 
なし
【探索の目的】 あなたが満足する額の宝物を入手し生還する
【所持品一覧】
【使い慣れたナイフ】
【予備のナイフ】
【襤褸の服】
【牛皮のベルト】
【襤褸の靴】
【小さなランタン】
【ランタンの油 x2】 ←NEW
【開錠道具】
【干し肉 x5】
【焼き固めたパン x4】 ←NEW
【水の入った袋】
【粘液塊の核の欠片 x6】 ←NEW
【?外套】 ←NEW
すみません、追加し忘れていました……

あなたはこの好機を逃さず、即座に行動を開始した。
可能な限り気配を殺して立ち上がる。
視界は未だ揺らいでいる。
当然あなたの感覚にも翳りが見えるが、化け物の襲撃に怯える必要はない。
異形の、炸裂する鉱石への反応は、余りにも苛烈だ。
まるで恋人を目の前で穢された男のよう。
この世から今すぐに、確実に消さなければならない怨敵であると言わんばかりの猛攻である。
その光景に、少しばかりの違和感をあなたは抱くが、観察は後でも良い。
幸い、進むべき道は化け物の現在位置とは逆側に伸びている。
足元のふら付きを堪え、あなたは罠に注意を払いつつ歩き始めた。
>>↓1 コンマ判定 【罠の発見】
感覚 8
盗賊 2
眩暈 -1
目標値 9
>>↓2 コンマ判定 【未知の感覚】
魔力 5
目標値 5

【罠の発見】
目標値 9  出目 5
判定に成功しました
【未知の感覚】
目標値 5  出目 10
ファンブル!!

【未知の感覚】判定がファンブルしたため、追加判定が発生します
>>↓1 コンマ判定 【不運の回避】
幸運 7
鋭敏な聴覚 2
???? -2
目標値 7

【不運の回避】
目標値 7  出目 7
判定にかろうじて成功しました……

多少の眩暈ごときで罠を見逃すようなあなたではない。
当然、通路の異常にもすぐに気付いただろう。
位置は恐らく、異形が動き回る前、眠りについていた辺り。
化け物の体と同様、全くの無色透明の粘液が、壁と、通路の2/3ほどを侵食している。
小部屋の粘液塊を連想したあなたは一瞬体を強張らせるが、すぐにそれが命を持たないただの粘液であるとわかった。
触腕の化け物が分泌したのだろう。
となれば、もしや触腕に触れられた自分の体にも?
そう考えたあなたは素早く全身を探るが、湿った感触は一切ない。
どうやら化け物は、常に粘液を纏っているというわけではないらしい。
粘液を分泌する条件は今の所はあなたには分からない。
睡眠中に近寄る外敵に対する防御手段の一つだろうか、程度の予想が精々であろう。
ひとまず条件の予想は脇に置く。
粘液は距離を取って通過すれば問題は無さそうだ。
あなたは粘液の逆側の壁に寄り、進行を再開する。

あなたは突き当たりまでを問題なく歩みきった。
そして次に、化け物を観察しようと振り向き……その身を硬直させた。
化け物が火から離れ、眠っていた時のように、天井と壁の狭間に戻っている。
未だに鉱石は小さな炸裂を繰り返しているというのにだ。
"こちらに気付いたのか……?"
呼吸を乱そうとする恐怖を必死に押し殺すあなたの前で、化け物は続いて不可思議な行動を始めた。
なんと、自身の触腕の一部を、食い千切り、飲み込むでもなく通路へと吐き出している。
見れば、千切られ捨てられた触腕は、火の中の鉱石のように白く濁っている。
……意味が分からない行動だが、その意味を考える前に行動を決定しなければならないとあなたは考えた。
変色した触腕は残り三本。
それを千切り終えた化け物が次にどのような行動を起こすか、少なくとも知識のないあなたではとても予測は付けられないのだ。

突き当たりの左右には、それぞれ扉がある。
向かって左手側の扉には複雑な銀色の装飾と共に、謎の文章が刻まれ、
逆の右手側の扉には、見覚えのある青い球体がはめ込まれている。
>>↓1  どうする?

音を立てないように左側の扉を開ける

あなたは左手側、銀の装飾の扉を選んだ。
当然の事だ。
一度自身の命を脅かした、忌々しい青い球体は避けるべき。
左の扉も安全とは全く思えないが、命の危険と未知数ならば、後者を選ばない理由がない。
あなたは音を消しつつも、素早く扉へと駆け寄った。
近くで見れば、銀色の装飾は絡み合う蔓と、咲き誇る花を模っていた。
また、文章を構成する文字は、異形の脚が潜んでいた石板の文字と同じ物のようだ。
装飾はともかく、文字はあなたに読む事の出来る物ではないと、既に証明されている。
少なくとも現段階のあなたでは、解読を試みるだけ時間の無駄だろう。
>>↓1 コンマ判定 【装飾の鑑定】
知識 1
盗賊 2
目標値 3
※この判定は、目標値と出目の差によって、獲得できる情報量が変化します

【装飾の鑑定】
目標値 3  出目 4
判定に失敗しました……

銀の装飾の見事さに、あなたは現在の危機を忘れて息を呑む。
数多の美術品を略奪した経験のあるあなたでも、これほど精緻な作品は知りえまい。
ここに一流の絵師が色を付けたならば、本物の植物との見分けは付かないだろうと、あなたは感じた。
だが、あなたが気付いたのはそこまでだ。
もしもこの扉を破壊し、装飾だけを取り外す方法があるならば、
十分な安全を確保してから是非持ち出したい所だ。
そうとだけ心に留めて、あなたは急ぎ扉を開いた。

【罠の発見】 及び 【目視】
判定に自動成功します
扉に鍵はなく、また罠もなかった。
古びた館の門のような大きな音を立てる、などという事もない。
静かに、滑らかに、両開きの銀の扉が部屋の中へと開いていく。
片手にナイフを構え警戒するあなただが、扉の向こうからは何も現れない。
また、視認できる範囲に生物は……いや、動物は発見できない。
迷宮内で初めて見る大部屋であった。
辺境の村の、村長の家程度の敷地ならばすっぽりと収まる程はあるだろう。
その壁と天井を、緑色の蔓が覆っている。
そう、動物は居ないが、植物によって埋め尽くされていたのだ。
蔓の根元は、部屋内にもやはり走っている葉脈の、その内側へと伸びている。
そうして空隙自体が埋められているせいか、部屋の中は通路と比べやや薄暗い。
開いた扉の中にも注意を残しながら、触腕の化け物へと目を向ける。
通路に落ちる触腕は一本増え、更に今まさにもう一本が食い千切られようとしている。
>>↓1  どうする?

中に入って
扉を締める

あなたは部屋に入り、静かに扉を閉めた。
部屋が閉ざされると、内部の暗さが更に際立つ。
この部屋の中で何かを調べようとするならば、あなたは普段よりも一段階集中を深める必要があるだろう。
当然、周囲への注意は多少疎かになってしまうに違いない。
また、暗さと相まって、蔓によって隠された壁の様子ははっきりとは分からない。
詳細を知りたいならば、調べたい壁のすぐ近くまで行かねばならないと、あなたは考えた。
さて、あなたは触腕の化け物の行動が変化してから、最短でこの部屋へと進入した。
もし化け物が行動を起こすとしても、僅かではあろうが時間の余裕があるはずだ。
>>↓1  どうする?

なるべく手早く部屋を調べる

あなたは猶予時間を利用して、部屋を調べる事とした。
化け物の行動の行方も恐ろしいが、ここまで一切音を立てていない以上、襲われる可能性はひとまず低い。
今現在まさに身近にある未知、そちらをどうにかしようと思えたのだ。
さて、猶予は確かにあるにしても、そう多くはない。
蔓の向こうに隠された壁か。
それともその蔓自体か。
または、天井や床に目を向けても良いかも知れないし、
目や手ではなく、あなたに眠る未知の感覚を頼るのも一つの手である。
>>↓1 どうする?
※全体を調べる事も可能ですが、時間が制限される都合上、得られる情報量が制限されます

全体調べよう

今必要なのはこの部屋全体のおおまかな情報である。
そう判断したあなたは、早足で部屋をぐるりと回る。
詳細を調べる時間は無い。
細かい部分からはあえて目を背け、大雑把に内部を把握していく
【壁、天井の調査】
判定に自動成功します
>>↓1 コンマ判定 【蔓の調査】
感覚 8
目標値 8

【蔓の調査】
目標値 8  出目 4
判定に成功しました

判定に成功したため、追加判定が発生します
>>↓1 コンマ判定 【蔓の調査】
意思 4
????? 2
目標値 6

【蔓の調査】
目標値 6  出目 4
判定に成功しました
判定に成功したため、判定補正が判明しました
????? → 直近の記憶

探索は当然のように成功し、あなたは部屋の全景を理解し、幾つかの違和感を発見した。
全体は部屋の外から覗いた時と変わりない。
大き目の、庶民が暮らす家がすっぽりと収まるほどの広さの、無数の蔓が支配された大部屋だ。
天井と壁はその大部分が覆い隠され、葉脈の光を遮り、反面床には殆ど蔓がない。
その結果として、足元から青い光が立ち上り、奇妙な神秘性をかもし出している。
支配者たる蔓は、ひたすらに植物らしい沈黙を保っている。
あなたが歩き回っても、異形じみた反応を見せる事はない。
頼りの直感も何も告げず、危険はないのではないかという期待をあなたに抱かせた。
違和感の方はまず、入ってきた扉から見て正面の壁、その中央辺りに蔓が集中している箇所がある。
初め、葉脈が集中でもしているのかと思えたそれは、近くで見れば葉脈の空隙よりも遥かに大きい隙間であった。
また、大量の蔓に覆われているにしても明かりが少なく、その向こうに葉脈があるとは思えない。
次に、天井部分から垂れ下がる何本かの蔓だ。
それらは明らかに生命力を失い、今にも崩れ落ちそうにも見える。
最後に壁を覆う蔓自体について。
あなたはその所々から覗く、小さな蕾らしき物を見つけた。
その全ては密集して存在し、全くない部分と明確に隔てられている。
また、あなたは蕾を形作る葉の形と蔓の姿から、扉に施された装飾と同じ物ではないかと思い至った。
だが、扉の内側部分は簡素な装飾だけが施され、特徴的と思える部分はなく、勿論蔓と花も存在しない。
仕方なく記憶を探り、花の姿を思い出そうと試みる。
果たして、あなたは脳裏に銀の花の姿を描き出す事に成功した。
愛しい我が子の頬を撫でる慈母の掌を思わせる、柔らかく包み込むような、薔薇に似た多重の花弁が余りにも印象的であった。
その姿と、目の前の蕾とを比較する。
やはり、装飾とこれは同じ物であるようだ。

……さて、猶予時間は以上の探索によって使い切った。
もし通路の異形が動き出すならば、それは今この時だろう。
>>↓1  どうする?

音を立てずに少しだけ扉を開く

あなたは慎重に扉を開く。
果たして、そこに広がっていた光景は……
>>↓1 コンマ判定 【幸運】
幸運 7
目標値 7

【幸運】
目標値 7  出目 10
ファンブル!!

あなたが通路の様子を窺おうとした、その時、視界の隅の隅、
扉の隙間の上方部分に、何かが蠢いた。
はっとして見上げるあなたは、そこに半ばから千切れた触腕を見つけてしまう。
不運な事に、化け物はあなたの予想よりも僅かに早く作業を終わらせ、
しかも扉へと近付いてきてしまっていたのだ。
次の瞬間、振り上げられた触腕が扉に直撃し、轟音と共に猛烈な勢いで開かれたそれが、あなたに襲い掛かる!
>>↓1 コンマ判定 【開かれる扉の回避】
敏捷 9
盗賊 2
不意打ち -3
目標値 8

【開かれる扉の回避】
目標値 8  出目 4
判定に成功しました

あなたは触腕を認識した瞬間、素早く後退し、扉を回避する事に成功した。
だが、それは敵の最初の一撃を回避できただけ。
この化け物の恐ろしさは、複数の触腕による連続攻撃であると、あなたは身をもって思い知っている。
当然、あなたは追撃を警戒し、油断なく身構えた。
……が、あなたの予想に反して、追撃はない。
それどころか、扉を越えて部屋に侵入する事をためらうように、
触腕を差し入れては戻す、という動きを繰り返している。
その動きの中、意を決したように大きく伸ばされた触腕が、壁を這う蔓に触れる。
次の瞬間、異形は劇的な反応を見せた。

蔓に触れた触腕が滅茶苦茶に振り回され、見るからに慌てた様子で引き戻される。
同時に金属同士を高速で擦り合わせたような、不快な高音が辺りに響き渡る。
鋭敏な聴覚を持つあなたは、その音源を正確に、触腕の付け根にある大口だと理解できた。
悲鳴だ、とあなたは感じた。
理由は分からないが、この化け物は部屋を支配する蔓を異常に恐れているのだ。
その推測が正しいと証明するように、化け物は全ての触腕を限界まで稼動させ、
恐るべき速度であなたの視界外、通路の向こうへと逃げていく。
どうやら通路を侵していた粘液を分泌しているらしく、粘着質な音を立てながらだ。
その音はやがて曲がり角を通り過ぎ、あっという間にあなたの感知限界を超えていった。
……何が起こったのか、それは全く分からないが、直近の危機が消え去った事にあなたは安堵の息を吐く。
が、それはすぐに落胆の溜め息へと変わった。
扉に施されていた装飾が、触腕の一撃によって無残に叩き潰されていたのだ。
美麗だった花は二度とあなたの目を楽しませる事はなく、
あからさますぎる程の内部の蔓との一致を調べる事も、不可能だろう。
そして勿論、迷宮外にこの残骸を持ち出したとしても、最早二束三文にしかなりえまい。
>>↓1  どうする?

改めて蔓について調べられないかな
蕾部分とか

【蕾の鑑定】 目標値 3  出目 6
判定に失敗しました……
【未知の感覚】
目標値 5  出目 5
判定にかろうじて成功しました……

ステータスが更新されました
【筋力】 1  【耐久】 9
【敏捷】 9  【感覚】 8
【知識】 1  【意志】 4
【魔力】 5  【幸運】 7
【盗賊】 様々な感知・回避判定が有利になる
【男】
【身体的損傷】 
なし
【精神的損傷】 
なし
【探索の目的】 あなたが満足する額の宝物を入手し生還する
【所持品一覧】
【使い慣れたナイフ】
【予備のナイフ】
【襤褸の服】
【牛皮のベルト】
【襤褸の靴】
【小さなランタン】
【ランタンの油 x2】
【開錠道具】
【干し肉 x5】
【焼き固めたパン x4】
【水の入った袋】
【粘液塊の核の欠片 x6】
【?外套】

あなたは再び蔓を調べてみる事とした。
触腕の化け物の恐慌ぶりは明確に異常であった。
かつてない程濃密な死の予感を感じさせた化け物に、余裕の一切を放り捨てての逃走を選ばせる何かが、この蔓には隠されているのだろうか。
人生で数える程度しか経験のない、自身の直感への疑いが沸き起こる。
化け物のあの姿を見た以上、つい先程危険はないと沈黙で示したそれが、今だけは正しいとは思えない。
あなたは掌にじっとりとしみ出した汗を服の裾で拭い、蕾の密集地の内、最も手近な箇所へと歩み寄った。
恐る恐る蕾を掴み、角度を変えながら細かく観察する。
その結果、あなたは……
【蕾の鑑定】
……随分と甘い香りがする、と気が付いた。
未だ蕾が開かない内にも蜜を溜め込む種類の植物がある事を、偶然あなたは知っていた。
盗賊として山で暮らす中で、花の咲く季節ならばいつでも楽しめる、気軽な嗜好品として重宝していたためだ
恐らくこの蕾も、蜜を啜ればあなたの舌を楽しませてくれる事だろう。
残念ながらそれ以外には、分かる事は無かった。

【未知の感覚】
ならば今度は蔓の方を調べるべきか。
そう思い、あなたが踵を返した、その時だ。
小部屋の扉の青い球体。
その罠を退けた時と同じ、心臓の奥に潜む未知の感覚が、あなたの足を止めた。
視覚や聴覚といった五感は勿論、言葉では説明できない第六感すらも飛び越えた、神秘性すら秘めた
それが、あなたに告げる。
振り向き、調べろ。
お前の知り得る事は、未だ残されている。
脳裏に唐突に描かれた言葉に酷く困惑しながらも、あなたは予感に背かずに、再び蕾へと向き直り。
そして愕然とする。
視界が一変していた。
壁を走る葉脈の青い光は輝きを増し、血潮のごとく循環するその動きが手に取るように分かる。
宙には白い燐光が舞い、蔓に近付いたそれは、吸い込まれるように消えていく。
そして蕾は、一流の職人が磨いた宝石のごとく、光に溢れる視界の中でも一際眩く輝いていた。
……視界の変貌は一時の事だった。
光の奔流は始まった時と同じく突然に収まり、目の前には薄暗い当たり前の世界だけが広がってい
る。
しばし呆然と壁を眺めていたあなたは、胸の奥に走る軽い痛みで冷静さを取り戻した。
不可思議な現象に気を取られている場合ではない、と自身を叱咤する。
ただ呆けているなど無駄以外の何物でもない。
今の光を調べるにしても、他の行動を起こすにしても、とりあえず動かなければ何も始まらないだろう。

さて、どうするべきか。
そう考えながらあなたは、胃が微かに蠕動したのを感じた。
思えば、前回の食事からそれなりの時間が経過している。
そう意識すると、唾を飲み込む程度では潤せない渇きにも気付く。
それぞれ、未だ活動に支障を来たす程ではないが、物資に余裕があるならば今の内に解決しておくのが良いかも知れない。
無論、所詮は我慢できる程度であると、自身の体の訴えを無視するのも自由だろうが。
>>↓1  どうする?

水分をとる

あなたは雨水を溜め込んだ袋を取り出し、飲み口から栓を外して、一口分を口に含んだ。
水分はたちまちの内に乾いた喉にしみ込み、渇きを潤していく。
また、ほんの少しではあるが、空腹感も紛れたような気がした。
あなたはじっと水袋を見る。
この迷宮に入ってから、冷や汗の種には事欠かない。
流れ出た汗の分、もう二口三口……
そう囁く本能を、この先どれだけ必要になるか分からない、という理性で押さえつけ、後ろ髪を引かれつつも、袋を仕舞い込んだ。
>>↓1  どうする?

あなた足食う
毒気をつけろ

空腹感を水で侘しく誤魔化したあなたは、ふと閃きを得た。
先程、化け物は自身の触腕を千切り捨てていた。
もしあの触腕が食べられるとしたら?
いかに化け物といえど、生物である。
ならば毒さえなければ……?
触腕の太さを思い出すに、もし食用可能ならばあなたの腹を満たして余りあるだろう。
それどころか、数日は食料に困らないに違いない。
素晴らしい考えであると、あなたは自身の頭脳を褒め称えた。
早速試してみようと、壊れた扉をくぐり、通路を窺う。
やはりあなたの予想通り化け物は粘液を出しながら逃げたらしく、通路のあちこちに粘液が散らばっている。
それ以外に変化は見当たらない。
あなたは一応の警戒を払いながら歩みを進め、問題無く四本の触腕が落ちる場所へと辿り着いた。

そこには四本の触腕の他にも二つの物があった。
未だ燃えるランタンの油と、既に形を失いドロドロとした液状に変化した鉱石である。
鉱石の炸裂はいつの間にか止まっていたようだ。
いや、正確にはまだ続いているのかも知れない。
だが、液体の表面に気泡を膨らませ、パチンと弾けるだけのそれは、最早どのような生物にも何の脅威も齎さないだろう。
火の中の様子は一旦脇に置き、あなたは慎重に触腕を拾い上げた。
最も細い先端部分であるはずなのに、あなたの腕と同等の太さを持つそれは、ずしりと重い。
相当に食いでがありそうだと、あなたは舌なめずりをした。
さて、問題はこの触腕に毒があるかどうか、である。
……それを調べるには様々な方法があるが、あなたはそれを知っているであろうか?
>>↓1 コンマ判定 【毒の知識】
知識 1
盗賊 2
目標値 3

【毒の知識】
目標値 3  出目 10
ファンブル!!

あなたは残念ながら真っ当な毒の知識など持っていない。
精々が山に生える植物の内、食べると腹を壊す物はどれか、と見分けるのが関の山だ。
真に危険な毒の恐怖を想像する事すらできない、無知極まるあなたは、
無謀にも、断面から滴り落ちる体液を口に含み調べるという、余りにも愚かすぎる手段に出てしまった……。
>>↓1 コンマ判定 【????】
幸運 7
目標値 7

【???? → 味覚判定】
目標値 7  出目 6
判定に成功しました
……悪くない味だ。
毒がどうこう、よりも先に考えたのは、そんな感想であった。
実に幸運な事に、化け物の体液はあなた好みの味であったようだ。
強烈な生臭さが嗅覚を刺激するも、あなたとしては生命を食べているという原始的な喜悦が呼び起こされむしろ好ましい。
"いける、これはいけるぞ!"
あなたの脳裏に、毒の心配など最早存在しない。
一刻も早くこの触腕を腹に収めたい、としか考えられなかった。
少なくとも舌が痺れる事や、即座に吐き気を催すなどといった事が無かったのも、その考えに拍車をかける。
当然の事である。
毒の知識をろくに持たないあなたは、遅効性の毒という可能性を思いつきもしないのだ。
>>↓1 どのように食べる?

丸のみ

あなたは迸る本能のまま、豪快に触腕の丸呑みを試みた!
……そして当然のように失敗した。
触腕の太さは、あなたの腕ほどもある。
そんな物が口を通る訳もなく、またもし通ったとしても喉につかえて窒息死するのが落ちだ。
あなたは誰にも見られていないにも関わらず恥ずかしさを覚え、むさくるしい顔を赤く染めた。
>>↓1 再安価 どのように食べる?

ナイフで少しずつ切り出す

あなたは強靭な触腕の表面を苦労して薄く切り出し、それを口に運んだ。
が、美味を期待したあなたの舌は、何を感じるでも無い。
どうやら味があるのは体液のみで、身である部分は無味だったようだ。
がっかりしたあなたは、しかし勿体無く思い、せめて口に含んだ分は食べようと顎を動かし、肉を噛む。
肉を噛む……。
噛む……。
力を籠めて、噛む……。
ひたすらに、無心に、噛み続ける……。
【噛み付き攻撃判定】
筋力 1
触腕の耐久 -7
判定に自動失敗します……
……噛み切れない。
辟易したあなたは、ついに耐えかねてその場に身を吐き出した。
強い弾力を持つ触腕の切り身は一度跳ねた後、べちゃりと床に張り付き、哀愁漂う無残な姿を晒している
こんな物、とても食えた物ではない。
あなたはそう結論付け、素晴らしい考えなどと一時でも思っていた自身の頭脳に、深い深い失望を抱いたのだった……。
>>↓1  どうする?

なんとか飲み込む

……一度は吐き出したあなただが、ふと思い立ち、切り身を拾い上げ、再び口に運んだ。
そしてそのまま、今度は逆に一切噛まず、一気呵成に呑み込んだ。
切り身が形を保ったまま、食道をゆっくりと滑り落ちていく感覚を味わう。
"見たか化け物め、俺の勝ちだ、俺はお前を食ってやったぞ"
化け物が逃げていった曲がり角の先を睨み、一言呟く。
自身を命の危機に晒した相手への意趣返しに、あなたは一定の満足感を得た。
>>↓1  どうする?

じっくり周りを観察する

満足し、十全の冷静さを取り戻したあなたは、周囲を観察し始めた。
飛び散る粘液、燃え続ける火、溶けた鉱石、ちぎれた触腕。
はたまた化け物が暴れても傷一つついていない壁や床、あるいは葉脈。
この中で、あなたが気になった物は……。
>>↓1 気になる物を選んで下さい 【じっくり】 のため複数可

葉脈

あなたは葉脈に目を付けた。
思い出すのは当然、先程の大部屋での光景。
蠢き、流れ、どこかへ還ろうとする、青い光。
あなたは壁の前に立ち、心臓の奥の奥、未知の器官に意識を向ける。
迷宮に入ってより二度の活性を体験し開かれた道を通り、初めて明確な意思の下で命を下した。
>>↓1 コンマ判定 【既知の感覚】
魔力 5
半覚醒 2
じっくり 1
目標値 8

【既知の感覚】
目標値 8  出目 2
判定に成功しました
この判定成功により、あなたの魔力が覚醒し【魔法習得】イベントが発生します

生命の源たる心臓の中央、あなたが知り得なかった器官が、生誕を祝うように咆哮を上げる。
あなたは自身の内に、大河のごとく循環する力の存在を、今明確に把握した。
肌が震え、血潮は沸き立ち、本能が力の真価を告げる。
その衝動に従い、あなたは未知の力を解き放った。
【魔法の習得】
1)コンティニュアル・ライト
魔力によって構成された光球を発生させる
光量と持続時間は魔力調節によって変動させられる
熟練の魔法使いならば、魔法名の通り半永久的に消えない光源を生み出す事も出来る
2)フィジカル・ブースト
魔力によって一時的に筋力・耐久・敏捷のいずれかを強化する
最大強化値は自身の魔力値と等しい
強化値が大きい程、時間当たりの魔力消費が大きくなる
3)マナ・ボルト
魔力によって構成された矢を射出する
矢の威力・射程・速度は自身の魔力値によって変動する
魔力消費自体は少ないが、射出された魔力は完全に霧散するため、魔力の自然回復速度が減少する
4)マナ・エクスチェンジ
魔力を何かに変換し、運用できる
何に変換するかは習得時に選択し、以降特殊な事情が無い限り変更は出来ない
なお、食料などに変換する事は可能だが、それを摂取しても腹は膨れず、栄養も得られない
>>↓2  習得する魔法を選択して下さい (重要な選択肢のため、↓2としています)

4

あなたは体内を巡る力の奔流を制御し、掌の上に集めた。
暴れ、渦巻き、今にも流れ落ちようとするそれを、極限の集中を以って押し止める。
やがて、不可視の力は現世に確かな形を取り……
>>↓2  何に変換される? (あなたの知り得ない物には変換できません 例:拳銃)

ハンマー

何もかもが収まった時、あなたの手には巨大なハンマーが握られていた。
柄は木製で、長さはあなたの身長の半分ほどか。
その先端には大の大人でようやく腕が回るかどうか、という余りに巨大な鎚頭が鎮座している。
鎚頭の材質は黒曜石のような輝きを放つ鉱石で、その不敵な光がいかにも頼もしさを感じさせた。
ぶぅん、と一振りさせてみて、あなたは驚く。
生まれてから今まで使い続けてきたかのように、異様に手になじむ。
その上、まるで重さを感じない。
しかし、実際に軽い訳では無いと、あなたは何故か理解できていた。
もし放り落としてみれば、ずんと腹に響く音を立てて重々しく着地するだろう。
あなたは新しい武器に満足し、にやりと口元を歪める。
"あぁ、残念だ、今ここにあの化け物が居れば、試しに叩き潰してやれたものを"

アイテムの完全鑑定に成功しました
【マナ・エクスチェンジ / ハンマー】
攻撃補正値 5
敏捷補正値 0
あなたの魔力によって構成されたハンマー。
あなた以外の者は扱えず、また、これを用いてあなたに危害を加える事は絶対に出来ない。
スペシャルパワー
1)
あなたの魔力が続く限り自動的に修復され続ける
2)
このハンマーで殴打された対象は、同時に半分の威力の魔力ダメージを受ける

ハンマーを手にしたあなたの機嫌は際限無く良くなっていく。
当然の事である。
学の無いあなたと言えど、今自身の身に起こった事が魔力の発現であり、それがいかに希少な事態であるかは常識として理解できている。
五十人に一人。
それが魔力をその身に宿す人間の割合と言われている。
更に、その内で魔力を魔法という形に昇華できる者は十人に一人とされ、発現した魔法が実用に足る者はまた絞られる。
ならば、このようないかにも強力な武器を生み出せた自分にはどれ程の才があるのか。
あなたの高揚は止まらない。
遅咲きの天才。
ふと思いついたその言葉の持つ燻し銀の魅力も、あなたを後押しした。

今にも鼻歌でも飛び出そうな気分のまま、あなたは葉脈へと向き直った。
つい忘れそうになっていたが、元々の目的は葉脈に宿る光、
今のあなたには魔力であると理解できるそれの調査である。
あなたはじっと、壁を走る葉脈を見つめた。
【魔力の目視】
 魔力 5
 覚醒 3
 マナ・エクスチェンジ -999
 判定に自動失敗します
……が、光の流れは捉えられない。
どういう事かと困惑するあなたは、ふと自身の心臓から魔力の気配を一切感じない事に気が付いた。
代わりに、手に持つハンマーからは超密度のそれが伝わってくる。
もしやと思い、ハンマーに意識を集中させ、分解と吸収を命じる。
すると一瞬の内にハンマーは消え失せ、あなたの心臓の中央部に再び力が宿った。
どうやら、この魔法を使っている限り、魔力を他に利用する事は出来ないらしい。
万能の力と思えていた魔法に見つけた小さな瑕疵に、あなたは小さな舌打ちを漏らしつつも、
取り戻した魔力を糧に、あなたは再び魔力の可視化を試みる事とした。
>>↓1 コンマ判定 【魔力の目視】
魔力 5
覚醒 3
目標値 8
※>>328で一度判定に成功していますが、【マナ・エクスチェンジ】の効果により魔法効果が中断されたため、再判定が必要になります

【魔力の目視】
目標値 8  出目 10
ファンブル!!
このファンブルの効果により、追加判定が発生します
なお、出目が00の場合も通常のファンブルとして処理され、被害の拡大は起こりません
ご安心下さい
>>↓1 コンマ判定 【精神的被害の軽減】
意思 4
目標値 4

【精神的被害の軽減】
目標値 4  出目 6
判定に失敗しました……

葉脈を見つめ、精神を集中するあなただったが、やはり覚醒したてでは未だ不安定なのだろう。
魔力は両目に集まりつつあるのだが、その動きは蟻の歩みのように遅い。
その速度に焦れたあなたが、一瞬集中を乱した瞬間の事であった。
突如、魔力があなたの制御を離れた。
全身の魔力が荒れ狂い、出口を求めて暴れまわる。
何とか流れを整えようとする努力はまるで無駄に儚く終わり、
僅かすら留め置く事すら出来ず、大量の魔力があなたの体外へと弾き出されてしまった!
……気が付けば、あなたは床に倒れこんでいた。
身を起こそうと手を付き力を籠めるも、腕はガクガクと震えて言う事を聞かず、上半身を持ち上げるだけでも十数秒を要する有様。
歪む視界を探れば、先程まで燃えていた火が消えている事に気付くだろう。
決して短くはない時間、あなたは気を失っていたようだ。
【精神的損傷 : 朦朧Lv1】 が発生しました
>>↓1  どうする?

安全に休めそうな所で休息

あなたは断続的に襲い来る不快感に耐えながら、考えを纏めた。
とにかく、何をするにもまずは休息を取り、満足に行動できるようにしなければ話にならない。
その休息場所の候補は……
1)自分の意思で扉を閉ざす事の出来る、小部屋だ
2)少なくとも触腕の化け物は侵入できない、蔓の部屋だ
3)三方向に逃げ道のある、最初の分かれ道だ
4)いや、いっそ危険な迷宮から一度出て、洞窟内で休むべきだ
5)その他
>>↓1 選択してください (5の場合は、どこで休むか、何故安全と思えたか、の記述が必要です)

2

あなたは壁に手を付きながら、力を振り絞って蔓の部屋を目指した。
現状、最大の危険はあの触腕の化け物である。
一度は逃げてどこかへ行ったと言っても、また戻ってこないという保証は無い。
ならば、奴が侵入する事の出来ない大部屋の中で休むべきだ、という判断だ。
あなたは通路の踏破だけで数分という時間を費やしながらも大部屋に辿り着き、壊れた扉を潜った。
>>↓1 どのように休む? また、休息中に行いたい行動があれば指定可能です

蔓のそばでかつ蕾から離れた場所に寝る
魔力の流れを感じ取ろうとしてみる

あなたは部屋内を移動し、横になった。
場所は蕾が存在しない、蔓のみが生い茂る壁の前。
魔力が可視化した光景の中、一際目立っていたのは、眩く輝く蕾であった。
その正体が分からない以上、出来る限り近寄りたくないという意識が働いたためだ。
さて、横になったあなたは、この状態でも可能な探索を行う事とした。
受動的な魔力の感知である。
魔力が枯渇している今、能動的に魔力を用いる事は出来ない。
しかし、ただ感じ取るだけならば可能であるかも知れない。
そう考えたのだ。
>>↓1 コンマ判定 【魔力の感知】
魔力 5
朦朧 -2
目標値 3

【魔力の感知】
目標値 3  出目 6
判定に失敗しました……

残念ながら、朦朧とするあなたの知覚では、何も捉える事は出来なかった。
こうなれば、後は黙って回復を待つ他は無い。
壁際に寝転んだまま、あなたは瞼を閉じ、じっと不快感を耐える……。
10分……20分……そして、30分。
……あなたはそろそろ気が付いたはずだ。
あなたの魔力が、全く回復していない事に。
いや、それどころか、休息を始めた頃よりも更に減り、体調が酷く悪化している事に。
>>↓1 コンマ判定 【精神的被害の軽減】
意思 4
朦朧 -2
目標値 2

ついにあなたはこの部屋の危険性を十全に理解するに至った。
五感でも、第六感でもなく、魔力でしか検知できない罠がここにはあったのだ。
だが、既に何もかもが遅い。
あなたの背後で、小さな音がする。
振り向かずとも理解できる。
蔓が、今まさに急速に成長しているのだ。
そう、あなたに僅かだけ残されていた魔力を糧にして。
あなたは意識が消え果る直前、ある光景を思い出す。
魔力が可視化された世界の中で、光がどのように動いていたかを。
この蔓は 【光を吸い取っていた】 のだ。
その記憶の想起を最後に、あなたの意識は闇に閉ざされた。
……蔓が緩やかに蠢き、意識の無いあなたの体を絡め取る。
あなたの命がすぐさま奪われる、という事は無いだろう。
この植物にとって、あなたは貴重な栄養源である。
死の一歩手前で、魔力を生産し続けられるよう、しかし意識は二度と戻らないよう、丁寧に管理をされるはずだ。
それは、今のあなたにとって幸いな事かも知れない。
意識の残るまま、永遠にも等しい時間精神を食まれ続けるなど、それ以上は無い悪夢であろうから。
DEAD END


ステータスが更新されました
【筋力】 1  【耐久】 9
【敏捷】 9  【感覚】 8
【知識】 1  【意志】 4
【魔力】 5  【幸運】 7
【盗賊】 様々な感知・回避判定が有利になる
【男】
■身体的損傷
 【なし】
■精神的損傷
 【朦朧Lv1】
■探索の目的
 あなたが満足する額の宝物を入手し生還する
■ 所持品一覧
 【使い慣れたナイフ】
 【予備のナイフ】
 【襤褸の服】
 【牛皮のベルト】
 【襤褸の靴】
 【小さなランタン】
 【ランタンの油 x2】
 【開錠道具】
 【干し肉 x5】
 【焼き固めたパン x4】
 【水の入った袋】
 【粘液塊の核の欠片 x6】
 【?外套】
■ 習得魔法一覧
 【マナ・エクスチェンジ / ハンマー】
■ 胃の内容物
 【触腕の体液】
 【触腕の薄切り】

コンティニュー地点は >>356 の休息場所選択からになります

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