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| [カフェテラス] |
| 涼 「さて、そろそろ案をまとめなきゃな。 みんなの案を、一通り出しなおしてもらったわけだけど……。」 |
| ちとせ 「アイディアは、いろいろ出てきたね。 初回のときよりも、みんな伸び伸びしてていい感じ♪ でも、ここから、どうやって選ぼうか?」 |
| 肇 「やはり、目新しさでしょうか? 新しい姿を見せることが目的なわけですから……。」 |
| 美優 「新しい私たちを見せるためのプロモーション……。 あのね、それについて、考えていたんだけど……。」 |
| 美優 「新しい何かって、もうないのかもしれない。 ううん、正確には、その必要がないのかも。」 |
| 肇 「現在の流行も、過去の流行りをかけ合わせて。 巡っているものですもんね。」 |
| 美玲 「でも……それだと、プロデューサーの言う 新しいウチたちを見せられないぞ!」 |
| 美優 「そう、そこなのよ。 今の私たちは、美玲ちゃんの言うように、新しい魅せ方を通して 私たちの違う一面を、アピールしようとしているでしょう?」 |
| 美優 「でも、必ずしもそうではないのかもって思うの。 あくまでプロモーションは手段で、そこで見せる姿が、 初めて見せる私たちであればいいんじゃないかしら。」 |
| 涼 「見せられる姿が新しいものなら、 プロモーションの案は新しいものである必要はない。 たしかにな……。」 |
| 涼 「それなら……いや、でも……。」 |
| ちとせ 「…………。」 |
| ちとせ 「……ごめん、ちょっとだけ席外すね。 すぐ戻ってくるから、続けててくれるかな。」 |
| [事務所] |
| ちとせ 「ねぇ、魔法使いさん、今時間ある? ちょっと質問があるんだけど。」 |
| 【頷く】 |
| ちとせ 「あのね……。」 |
| ちとせの質問を聞いて、好きにやるように伝えた…… |
| ちとせ 「ありがとう♪ それならきっとプロモ案、上手くいくと思う。」 |
| ちとせ 「お待たせ。 あ、これ魔法使いさんから差し入れだよ。」 |
| 美玲 「プロデューサーのところに行ってきたんだ。 ……進め方について、何か言われたか?」 |
| ちとせ 「ううん、好きにするようにって。」 |
| ちとせ 「ねぇ、私からもひとつ提案があるんだけど…… そもそもみんな、私たちが提案するプロモ案って どれくらいだそうと思ってる?」 |
| 美玲 「それは……みんなでひとつ?」 |
| ちとせ 「うん、私も最初はそう考えてたんだけど、 それだとどうしても、魅せ方って偏っちゃうじゃない? 私たち、せっかく違う個性があるのに。」 |
| ちとせ 「だから、いくつの案を実現できるか聞いてみたの。」 |
| ちとせ 「やりたいこと全部、叶えられる範囲でやっていいよ。 だって♪」 |
| 涼 「マジか? それなら話が変わってくるぞ。」 |
| 涼 「それぞれの個性を出した、 色の違うプロモを複数打ち出すんだ。 そうすれば、絶対にどれかは新しい魅力として、ファンに届く。」 |
| 美玲 「新しいことをやるために、好きを曲げないでいいのか?」 |
| 肇 「私の「好き」は、他の誰かにとっての「新しい」。 そうですね。たしかにそれなら。」 |
| 美優 「自由に、好きに……。 ふふ、そうよね、私たちは『認めてくれなくたっていい』んだもの。」 |
| 美優 「実現できる案はひとつだけ…… そんな思考の型に、はまってしまっていたのね。」 |
| 美玲 「ならさ! やっぱり、ウチ、ウチの好きなブランドと何かしたい!」 |
| 美玲 「一からデザイン考えて、は無理なのはわかってるけど それ以外ならきっと今からでも、できることあると思うし、 ウチは見慣れてるけど美優さんとか肇とかは、「新しい」だろ?」 |
| 肇 「はい! 似合うかは自信ないですけど、意外性があっていいかも、 ってなるかもしれませんよね!」 |
| 涼 「全身コーディネイトは無理でも、ワンポイントなら可能かもな。 それにしても、アハハ、スモックの次はパンクか。 美優サンの守備範囲、広がるじゃん。」 |
| 美優 「ひ、広がっていいものなのかしら……?」 |
| ちとせ 「あはっ、これはもっと、たくさん案が出てきそうだね♪ 複数案を通せるなら、デメリットも気にならないかもだし。」 |
| 涼 「魅せ方がたくさんあるからこそ、だな。 浮かんできたもの、かたっぱしからメモしてこうぜ。 かけ合わせたら、新しい可能性とやら……無限に見つかりそうだ。」 |
| 涼 「……って感じなんだけど。 アンタから見て、大丈夫そうか?」 |
| P 「ああ、楽しそうな案がたくさんでいいね。 できる限り進められるようにするよ。」 |
| 美玲 「やった! ウチらにできることなんでもするからな!」 |
| P 「ありがとう、いいプロモができるように、 力を貸してくれると嬉しい。 あとは…………。」 |
| 肇 「……やっぱり問題、ありましたか?」 |
| P 「いや、もらった案に関してはまったくないよ。 多角的に見せる、それはとてもいいと思う。 ただ……。」 |
| P 「そのぶんだけ、上がる声の種類も増えるな、とは思ったんだ。」 |
| ちとせ 「なんだ、そんなこと? やだなぁ。わかってるよ、初めから。」 |
| 肇 「今回の声がかかった時から…… いいえ、プロデューサーさんが新しい方針を 私たちにくれた時から、そのつもりです。」 |
| 美優 「どんな声を向けられるのも覚悟の上で、 こうやって、持ってきたんですから。」 |
| 涼 「今までだって、賞賛だけ浴びてたわけじゃないだろ。 そりゃ、褒められるだけの方が気分はいいさ。 けど、それ以外を否定するのは違う。」 |
| 涼 「アタシらの中に曲げられない「自分」があるように、 みんなそれぞれ、守りたい芯があるんだ。 それは、尊重しないとな。」 |
| 美玲 「それに、新しいウチらを見せたからって、 それまでのウチらが消えるわけじゃないし!」 |
| 【ありがとう】 |
| P 「君たちを選んで、よかったよ。」 |
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