| ある日のこと… |
| 先日行われたニューウェーブのデビューLIVEは大成功。 |
| さくらちゃんに泉ちゃん、亜子ちゃんの三人は、アイドルとしての一歩を踏み出しました。 |
| ゲストで呼ばれた私も、先輩として、アイドルの魅力を上手に伝えられた…… |
| ……かどうかは、まだわからないけれど。 |
| 大きなお仕事を終えて、ほっとひと息ついた頃。これは、そんなある日のお話です♪ |
かな子 | 三船さん、おはようございます。これからお仕事ですか? |
美優 | おはようございます。ええ、今日は打ち合わせがあって……。かな子ちゃんはレッスンでしょうか? |
かな子 | はい!午後からレッスンの予定なんですけど、お菓子をいっぱい作ったから、その前に差し入れをしに来ました。 |
かな子 | よかったら、三船さんもいかがですか?みんなの力になれたらいいなって、いっぱい作ったんですよ♪ |
美優 | ありがとうございます。では、ひとつ……。 |
美優 | はむっ……うん、とっても美味しい♪ |
美優 | かな子ちゃんのお菓子は、いつだって美味しくて、優しい味がしますね。 |
美優 | またひとつ、またひとつ……と、食べたくなってしまう魅力を持っています。 |
かな子 | ありがとうございます♪ちょっとぴり食べ過ぎちゃうのが、悩みの種……ですね。 |
美優 | ふふっ♪ああ、そうそう差し入れといえば……かな子ちゃん、この前はLIVEお疲れ様でした。 |
美優 | ニューウェーブの三人に、練習中の差し入れをしたり、アドバイスをたくさんして、支えられていたとか。 |
かな子 | あっ、いえいえ!支えるなんて、大げさなことはしてなくてっ。 |
かな子 | みんなで美味しいお菓子を食べたら元気になれるかも、って思っただけなんです。 |
美優 | そのお心遣いが、なにより嬉しいものなんですよ。泉ちゃんたちも、たくさん力をもらえたと思いますよ。 |
かな子 | そうでしょうか……でも、そうだといいなぁ。 |
かな子 | ちゃんと先輩らしいことができてたか、ちょっぴり不安だったんです。 |
美優 | 自信を持っていいのではないでしょうか。だって、ニューウェーブのLIVE……とても素敵でしたから。 |
かな子 | はい……♪とっても輝いてましたよね! |
かな子 | 私、三人が頑張っている姿を見て、大切なことを思い出させてもらったような気がします。 |
美優 | 大切なこと……?それは、初心のようなものでしょうか……。 |
かな子 | はい、ふしぎですよね。私がアイドルとして、なんとかお仕事できるようになったのも、つい最近なのに。 |
かな子 | 私もまだまだだけれど……それでも、三人を見てたら、私もあんな頃があったなぁって懐かしくなりました。 |
かな子 | アイドルになりたての頃は、まだ普通の女の子で、どんなアイドルになれるのかもわからなくて、未熟で……。 |
かな子 | ……って、今も一人前かって聞かれたら、そんなことないんですけどっ。 |
美優 | いえ……かな子ちゃんは、立派なアイドルですよ。私は、そう思います。 |
かな子 | ふふふっ、なんだか照れちゃいます。 |
美優 | かな子ちゃんは、はじめてのLIVEのこと……覚えていますか? |
かな子 | それは、もちろん!すっごく緊張しました。心臓がそれまで経験したことがないくらいバクバクして! |
美優 | 私も同じです。鼓動が外に聞こえてしまうのではないかと思うほど……。 |
かな子 | ふふっ、わかります♪私も、人前に出るようなタイプではなかったので。ほんと、緊張したなぁ……。 |
美優 | 私も……キラキラした世界に憧れはありましたが、自分がアイドルになるとは……。今でも、信じられないくらい。 |
かな子 | キラキラで、眩しくて……。初めてステージに立った時、三船さんは頭が真っ白になりませんでした? |
美優 | ええ、なりました……。あのライトの眩しさは、今も……まだ慣れません。 |
かな子 | 私は、初めてステージに立った時、自分がどこにいるのか、ちゃんと立てているのかもわからなくなっちゃって……。 |
かな子 | でも、ふと舞台袖を見たら、プロデューサーさんと目が合ったんです。 |
かな子 | そばで見守ってくれているんだってわかったら、嬉しくて。真っ白だった頭が、パァッとクリアになったんですよね。 |
かな子 | すると、待っててくれたお客さんの笑顔に気づけるようになって。 |
かな子 | まだ緊張はしてたけど、歌わなきゃって……ううん……「歌いたい!」って、強く思ったんです。 |
美優 | プロデューサーさんがいると、安心しますよね。気がつけば、いつも近くで見守っていてくれていますから……。 |
かな子 | ステージから戻って来た時もすぐ声をかけてくれました。あの瞬間って、すごく安心しますよね。 |
美優 | 緊張と興奮を、優しくほどいてくださいますよね。 |
かな子 | 初ステージから帰ってきてプロデューサーさんが迎えてくれて……その時、改めて実感したんですよね。 |
かな子 | 私、アイドルなんだなって。それから── |
かな子 | 夢みたいだった場所が、大切な場所に変わったんだって。 |
かな子 | 見送ってくれる人がいて、迎えてくれる人がいる……ステージは、私にとってとても大切な場所なんだって。 |
美優 | 私も、似たような記憶があります。他のアイドルたちも……きっと。 |
美優 | そして、そんな瞬間は、さくらちゃんたちにも、訪れたんでしょうね。 |
かな子 | そうだと、嬉しいです♪ |
美優 | ああ、なるほど……だからさっき、自主練するんだってレッスンルームへ急いで向かっていったのかも……? |
かな子 | レッスンルームに……?……ああっ!私もこれからレッスンなんでした!あの、いってきます……! |
美優 | はい、いってらっしゃい♪ |
| 慌しく出ていく私を、三船さんは優しく手を振って見送ってくれました。 |
| ふと、何かを懐かしむ瞳をしていたのは……彼女も、初めてのLIVEを思い出していたからなんでしょうか。 |
| これから、私も、みんなも、アイドルとして、もっと活躍していくのかな。 |
| そんなドキドキの予感でいっぱいのおやつ時……。まずは、この後のレッスンも、頑張りたいと思います♪ |
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