聖・トナカイ養成学校 | |
先生 | では、この問題を……ブリッツェンさん。答えられるかしら?まだ難しいかな? |
赤子ブリッツェン | バブフォッ?バブフォン!バブフェ、バブフェン。バブ、バッブゥ。 |
先生 | はい、正解です!最大搭載重量の規定は貨物ソリ運送事業法でしたね。よく覚えてました♪ |
赤子ブリッツェン | ムホォ〜〜!! |
先生 | ブリッツェンさんは成績がとても優秀ですから、きっと優秀なサンタクロースに出会えますよ♪ |
赤子ブリッツェン | バブフォ!フォフフ♪ |
先生 | さぁ、もうすぐ将来のサンタクロース候補生たちがやってきます。皆さんに素敵な出会いが訪れますように♪ |
赤子ブリッツェン | フォフッ♪バブ〜〜♪ |
赤子ブリッツェン | バブフォ……。 |
先生 | ブリッツェンさん、元気を出して?まだ生まれたばかりなんだし、また機会はあるわ。 |
赤子ブリッツェン | バブフォ……バブ……。 |
先生 | そうね。クラスのみんなはパートナーと出会えてた。でも、候補生が一人足りなかったらしいの。 |
赤子ブリッツェン | バブフ、バブフォフ……バブ、ブゥ……。 |
先生 | そんなことないわ! 大丈夫!あなたの洟はチャームポイントでしょう?ほら、こすったらお鼻が真っ赤になるわよ。 |
赤子ブリッツェン | フォン……。 |
? | あの〜……? |
? | こんにちは〜。時からここでパートナー選考会があると聞いてたんですけど、誰もいなくて〜。 |
? | やっと人を見つけました〜。よかった〜♪あ、私、イヴといいます〜。 |
先生 | あら……選考会はさっき終わったところなんです。時間を間違えちゃったのね。 |
イヴ | そうだったんですね〜。あ、もしかしてその子が私のパートナーさんですか?ちっちゃくて可愛いですね〜♪ |
2人 | えっ? ……フォッ!? |
イヴ | 会えてよかった〜♪アナタ、お名前は〜? |
赤子ブリッツェン | ……ブフェン。 |
イヴ | ブリッツェンっていうんですか〜、素敵な名前ですね〜♪あれ?お洟が出てますね?泣いてたの? |
赤子ブリッツェン | ……バブフォ。フォン……。 |
イヴ | お洟、気にしてるの?私はチャームポイントみたいでいいと思いますよ〜♪ |
赤子ブリッツェン | !!フォ……フォフ〜! |
イヴ | ふふっ。これからよろしくね、ブリッツェン♪ |
赤子ブリッツェン | バブフォ!バブフォ!!フォフフッ♪ |
先生 | うう……ブリッツェンさん……よかったわね……!! |
――グリーンランド上空 | |
イヴ | そんなこともありましたね〜。それから一緒に訓練に出たり、無事デビューもして……今じゃすっかりベテランですよ〜♪ |
ブリッツェン | ブフォッ!?ブフェン!フェフッ!! |
イヴ | わかってますよ〜、冗談ですって〜。まだまだ修行中のサンタです〜。さてと、そろそろ次の子の |
イヴ | リサーチポイントに……あっ、いました!あの子みたいですね〜♪ |
パパ | もうすぐクリスマスだな、ペータ。ほしいものは決まってるのかい? |
ペータ | ……ぼく、いらない。 |
イヴ・ブリッツェン | えっ!? フォッ!? |
パパ | おや、どうしてだい?クリスマス、大好きだろう? |
ペータ | だって……もうすぐエナがニッポンにひっこしちゃうから……パパ、ニッポンにはサンタさんいないんでしょ? |
ペータ | ぼくのプレゼントはいいから、ニッポンのエナにとどけてあげてって、ぼく、サンタさんにおねがいするんだ……! |
イヴ・ブリッツェン | ……ぐすっ。 ……ブフェッ。 |
パパ | ……心配いらないよ、ペータ。大丈夫。日本にもサンタさんはちゃんといるんだ。だから、エナにもプレゼントは届くよ。 |
ペータ | ほんと!?……よかったぁ……! |
イヴ | ぐすっ……このお願いは絶対に叶えたいですね……!ニッポン……ニッポン……担当の人っていましたっけ〜? |
ブリッツェン | ブフォン!ムホォ!! |
イヴ | そっか、いないのか〜。なら、私たちが届けましょう〜!ブリッツェン、ニッポンの場所わかる? |
ブリッツェン | フォフ!!……ムホォ? |
イヴ | うーん……たしかにそろそろひとり立ちしないといけない頃ですし……素敵な国だったらニッポン勤務もありですね〜。 |
イヴ | 行ってから考えましょうか〜。 |
ブリッツェン | ブフェン! |
イヴ | ……あれ〜?ほとんどいないって聞いていたのに……街にはサンタクロースがたくさんいるんですね〜。 |
イヴ | もしかしたら、日本独自のサンタルールがあるかもしれないし、プレゼントを配る前に聞いてみましょう〜。 |
ケーキの売り子 | クリスマスケーキはいかがですかー? |
イヴ | こんにちは〜。少しお尋ねしてもよろしいでしょうか〜? |
ケーキの売り子 | あっ、はい!なんでしょうか? |
イヴ | 今年は日本でサンタをするんですけど〜、何か気をつけた方がいいことはありますか〜? |
ケーキの売り子 | え!?えっと、私も今年からですけど……大きな声と、笑顔で挨拶することが大事みたいですよ! |
イヴ | ありがとうございます〜!とっても参考になりました〜。サンタ同士、一緒にがんばりましょうね〜♪ |
イヴ | ……さてと、じゃあさっそく実践してみましょう〜!大きな声と、笑顔で挨拶だそうですよ、ブリッツェン♪ |
ブリッツェン | ムホォ! |
コンコン | |
イヴ | メリークリスマース!エナさーん、サンタがプレゼントを届けに来ましたよ〜!! |
エナ | ひゃっ!?え、空に変な人が!?二階なのに……なんで!?ママ〜!変な人がいる〜! |
イヴ | ええっ!?待って待ってぇ〜。私は変な人じゃなくて、サンタさんですよぉ〜! |
イヴ | 本当にサンタなんです〜!ほら、プレゼントに、ソリもありますよ〜。トナカイだっています〜。 |
ブリッツェン | フォフ〜〜!ムホォ!ムホォ!ブフェン。ムホ、ムッホォ。 |
エナ | うーん……?トナカイって、こんな感じだっけ……?でも、欲しかったおもちゃ……本当にサンタさんなの? |
イヴ | はい〜。ペータくんのお話に感動して、日本まで来ちゃいました〜。信じてもらえましたか〜? |
エナ | ペータ……!うん!サンタのお姉ちゃん、トナカイ……?さん!ありがとう! |
イヴ | 危なかった〜……変な人と間違われるところでしたね〜。ブリッツェンの説得のおかげで助かりました〜。 |
ブリッツェン | ムホォ!ブフェン! |
イヴ | そうですね〜、次はもっと慎重にいきましょう〜!……でも、よかった〜♪ |
ブリッツェン | フォフ? |
イヴ | 慣れない文化にドタバタしちゃいましたけど〜、しっかり者のブリッツェンがいれば心強いですね〜。 |
ブリッツェン | フォッ!フォフ〜♪ |
イヴ | この国にはもうサンタがたくさんいるみたいですけど、ブリッツェンと一緒なら、どこでも大丈夫そうです〜。 |
ブリッツェン | フォフフ、フォ〜オッ! |
イヴ | こちらこそ♪これからも頼りにしてるね、ブリッツェン♪ |
イヴ | さぁ、残りのプレゼントを配りに行きましょう〜! |
ブリッツェン | ムホォ!! |
イヴ | う、うぇ〜〜ん!!プレゼント全部盗られちゃったぁ〜! |
イヴ | サンタなのに……みんなにプレゼントを届けられないよ〜……!ぐずっ……ふぇぇ〜〜んっ! |
ブリッツェン | フォフフ〜〜……。……ブフェン?フォフ! |
イヴ | え?スーツの人……?………?? |
イヴ | あの〜、あなた様はどちら様でしょうかぁ? |
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