夏樹 | さてと…誰を誘うかなー。 |
李衣菜 | ねーねーなつきち。ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いい? |
夏樹 | おう、どうしただりー。 |
李衣菜 | ロックって、何なのかな? |
夏樹 | いきなり重いの来たな…。何かあったか? |
李衣菜 | この間さ、メアリーちゃんにギター教えてあげてたんだ。 |
夏樹 | 一緒に練習してた、じゃなくて? |
李衣菜 | まぁそんな感じ?で、そしたらマーチングバンドの子たちが集まってきてさ。 |
李衣菜 | カッコイイギター見たい、って言われて…その場は何とか乗り切ったんだけど。 |
夏樹 | (どう乗り切ったんだか…そのシーン見たかったな) |
李衣菜 | でも、その時に聞かれたんだ。ロックって何ですか、って。 |
夏樹 | ハハ、深いところ突いてくるなー。それで、何て答えたんだ? |
李衣菜 | そりゃもう、ロックってのは…ロックだよ!ロックなんだよ!ロック・イズ・ロック!! |
夏樹 | 丸投げかっ!! |
李衣菜 | いや、わかるんだよ!何となくはわかってるの!こう、ロックの魂ってやつは! |
李衣菜 | でも、いざ言葉にすると難しくない?なつきちだったらどう答える? |
夏樹 | んー…ロックってのは音楽のジャンルのひとつで、50年代のムーブメントが… |
李衣菜 | そういう歴史の勉強っぽいのじゃなくて…もっと本質的な?ロックな説明がしたいんだよ〜。 |
夏樹 | だったら、アレだな。好きな曲のワンフレーズでも、ちょいっと弾いて…。 |
夏樹 | 今の音を聞いて、どう感じた?ワクワクしたか?ゾクゾク来たか? |
夏樹 | その感覚が…お前にとっての、ロックだよ。 |
李衣菜 | いい! カッコイイ!!そう、そういうの!私もそれやればよかったー! |
夏樹 | ならまずは、好きなフレーズをちょちょいと弾けるようにならないとな。 |
李衣菜 | ぐうっ!れ、練習はシテマス…。 |
夏樹 | まぁ…だりーってやる気はあるし。ギターも根気よく続けてれば、ちゃんと上手くなると思うよ。 |
李衣菜 | えへへ…♪いや〜それほどでも〜♪ |
夏樹 | (やる気の方向性は怪しいけどな〜) |
李衣菜 | でも、ロックってやっぱ奥深いよね。理解するのも難しいし、誰かに伝えるのはもっと難しい! |
夏樹 | 考えるより感じろ、ってヤツだな。こればかりは言葉で伝わるもんでもないさ。 |
李衣菜 | 言葉より、フィーリング…。 |
夏樹 | たくさんの音を聴いて、自分の中で形にして、自分なりの解釈を見つけるんだよ。 |
夏樹 | 転がして磨いた石でもいい、荒削りのままの原石でもいい。それがお前の中のロック…ってな。 |
李衣菜 | あーもー!ずるいよなつきち!私はそういうセンスが欲しいんだってばー! |
夏樹 | うわっ、いきなりキレんなって! |
李衣菜 | 私にはまだ、ロックが足りない…。なつきち、またオススメの曲とか貸してくれない? |
夏樹 | 貸してもいいけど…そういうことなら、もっといいモンがあるぜ? |
夏樹 | 何せ季節はもうすぐ夏…夏といえば、フェスだろ! |
李衣菜 | おー、フェス!ロック祭り!ってことは…! |
夏樹 | 知り合いからチケット貰ってな。ちょうど誰か誘おうと思ってたんだよ。 |
李衣菜 | やったー!!さすがなつきち! |
夏樹 | 音楽は来る者拒まず。本気でロック愛を磨きたいなら、全力で応援するぜ。 |
李衣菜 | ありがとう…!これでまた、私の中のロックが育っていくんだね…! |
夏樹 | それをどう磨くかも、お前次第だぞ。ギターの練習も忘れんなよ? |
李衣菜 | わ、わかってる!大丈夫!未来のロックスター李衣菜に期待してて! |
夏樹 | よく言った!そんじゃフェスまでに特訓だ!しっかりついてこいよ、だりー! |
李衣菜 | おー!よろしくお願いします!なつきち師匠!! |
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