仁美 | よーし、みんな。衣装合わせ、できたね☆なかなかイイ感じっ! |
蘭子 | フフフ…幻想と古の衣を纏った今、かの約束の時を待つばかり…!けれど、我が魂は揺れているわ…。 |
沙織 | 大丈夫ですよ、蘭子ちゃん!その衣装も、バッチリ似合ってます!本物の女神様みてぇですよ。 |
沙織 | って、女神様役じゃなくて、勇者たちに助言を与える神官様役でしたっけ? |
蘭子 | ええ…。迷える哀れな子羊に、天から賜りし聖なる言霊を授け、再び光満ちる世界へと導くわ! |
沙織 | そうそう、そうでした!にしても…今回のお芝居って、意外な配役が多いですよねぇ。 |
仁美 | アタシもそう思った!蘭子ちゃんが神官役だなんて、意外だなーって! |
沙織 | ですよねぇ。わだすもてっきり、蘭子ちゃんが勇者役だと思ったのに。まさか…わだすが勇者だなんてっ! |
蘭子 | 純真なる乙女の魂もまた、無垢。その魂こそが、闇に包まれし世界を救う鍵となるわ! |
沙織 | へへへっ……ですかね?わだす、精一杯頑張ります……! |
沙織 | けんど、役作りは大変そうだなぁって…。蘭子ちゃんならカッコいい勇者を演じられるんでしょうけど…。 |
蘭子 | 否!汝の演技力は素晴らしいわ!それに…我が力も完全ではないわ。魂の共鳴には時間がかかりそうね…。 |
仁美 | 勇者もだけど、神官も難しそうな役どころだよね!台本にも、難しそうなセリフが並んでたし! |
蘭子 | フフフ、愚問ね。幻想を綴りし禁書は、我が祭壇にもあるわ。恐れるものではない! |
蘭子 | だが、我が魔力をもってしても、これほどまでの呪文を紡ぐには、幾度もの禁断の儀を要するわ…。 |
仁美 | 蘭子ちゃんなら大丈夫だって!いっつも、難しそうな言葉をスラスラ言ってるしねっ♪ |
仁美 | アタシの知らない言葉を、いーっぱい知ってるよねっ!本とか、よく読んでるの? |
蘭子 | ええ♪幻想物語も、叡智の書も我が糧となったわ!神々たちの戯れを綴った書も、我が手の内よ! |
沙織 | ああ、ファンタジー小説ですか!わだすも読みますよ! |
沙織 | 強いライオンと共に戦う物語とか、魔法使いの少年の物語とか!あと、ヴァンパイアの物語とかも! |
沙織 | ファンタジーの世界って、どうしてあんなにワクワクするんですかねぇ♪ |
仁美 | へぇ〜、そうなんだ。アタシも、本はたまーに読むけど、戦国ものばっかなんだよね。 |
仁美 | あとは、お城の写真集とか!あ、ドイツとかのお城じゃなくて、日本のやつね! |
蘭子 | ふむ…戦国の乙女は、我とは異なる魔力の持ち主…。強き魂同士で紡ぐ禁術は闇に葬られてしまった…? |
沙織 | じゃあ、日本神話をモチーフにしたファンタジー小説はどうですか? |
仁美 | 日本神話? |
沙織 | そう!きっと気に入ります!仁美ちゃんにぴったりですから!わだす今度、持ってきますっ! |
仁美 | わぁ、それなら面白そう!楽しみにしてる! |
沙織 | あと、蘭子ちゃんにも、読んでほしい一冊があるんです。それも持ってきますね! |
蘭子 | 本当?ありがとう…!あの…私も、沙織さんに読んでほしい本があるから持ってくるね…♪ |
沙織 | ところで、仁美ちゃんは役作り、心配じゃないですか?魔法使い役って、呪文とか大変そうだしなぁ…。 |
仁美 | ふっふっふっ、心配ご無用☆勢いでなんとかするから! |
仁美 | それにいい機会だから、二人からファンタジーや神話の本を借りて、お芝居に活かせたらなーって! |
蘭子 | フフ。それが汝の運命…いいわ。道は拓かれたわ! |
沙織 | はいっ、喜んでお貸ししますよ!さっき言ったのだけじゃなく、いくつか持ってきますね! |
沙織 | なんで、その代わりと言っちゃなんですけど……仁美ちゃんのおすすめ本も貸してくだせぇ! |
仁美 | え?でもさっき言った通り、アタシが持ってるのって、戦国ものばっかだよ……? |
沙織 | それがいいんです!歴史に明るくなれば、仕事の幅も広がるだろうし!それに…… |
沙織 | なにより、仁美ちゃんともっと仲良くなれる気がするから! |
仁美 | ほんと!?嬉しいっ♪喜んで貸す貸す!いっぱい貸す!! |
仁美 | ふふっ♪お仕事を通じて、今まで手を出しにくかったものに手が出せるのって、楽しいよね! |
蘭子 | 大いなる魔力を得し乙女たちの饗宴よ、今こそ! |
仁美 | あっ、じゃあさ!今度一緒に、台本読みやろうよ! |
仁美 | さっきは「心配ご無用☆」なんて言っちゃったけど、実はけっこう役作り、不安なんだ……! |
仁美 | だから、二人に教えてもらえると、とっても助かる!! |
蘭子 | わ、私でよければ…よろこんで。 |
沙織 | ぜひやりましょう!わだすも訛りが心配だし…二人にチェックしてもらいてぇです! |
仁美 | あははっ、オッケー♪って言っても、アタシも地方民だし、役に立てるかわからないけどね! |
仁美 | まっ、そこは蘭子ちゃんがいるからなんとかなるでしょ☆ |
蘭子 | ひゃっ、わ、私…!?が、頑張ります……! |
沙織 | へへっ♪みんなで、良いお芝居にしましょう! |
全員 | おー! |
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