| カフェ |
風香 | …………。 |
沙織 | …………。 |
風香 | ……あ、あのっ! |
沙織 | はっ……はいっ! |
風香 | えっと……その、今日はお天気がよくて、いいですね! |
沙織 | そ……んですね!暑いぐれぇだし、紅茶、もう一杯頼んじまおっかなぁ! |
風香 | そ、そうですね。いいですね! |
沙織 | へ、へへ……。 |
風香 | えへへ…………。 |
沙織 | …………。 |
風香 | (このままじゃ、沙織さんに気を遣わせちゃう……!話すことはあるんだから、落ち着いて喋れば、きっと!) |
風香 | …………あの、今日は、来てくださって……ありがとうございました。 |
沙織 | いえっ!ビックリしたけど、お誘い、嬉しかったですっ。 |
沙織 | んだども……わだす、喋りがうまぐなぐて……。 |
風香 | 私も……です。せっかく、沙織さんとお話する機会なのに言葉が出てこなくて……。 |
風香 | 今日お誘いしたのは、いろいろ……その、お仕事の話とか、そういうのを、沙織さんとしてみたかったからで……。 |
風香 | あの、私……沙織さんとなんだか共通点があるような気がしてるんです……。あっ、すみません、勝手に! |
沙織 | あ、謝らねぇでくだせぇ!わだすも、風香ちゃんとお話したいって思ってました。 |
沙織 | だから……ほんと、ありがとございます。へへ。 |
風香 | それなら……よかったです。……ふふ、安心しました。 |
沙織 | ありゃ、緊張してました?意外だなぁ。 |
沙織 | 風香ちゃんは、ステージさ立つと、堂々としてて立派なもんですからねぇ。緊張とかしねぇと思ってました。 |
風香 | えっ、立派って……私が? |
沙織 | んだ。この前事務所で、風香ちゃんのLIVE映像、見せてもらったんです。ほら、礼子さんたちとの! |
沙織 | 風香ちゃん、しったげカッコイイなぁ〜って! |
風香 | 礼子さん?……あっ。それって、もしかしてセクシージューシーの……? |
風香 | …………。 |
沙織 | あ、あの……風香ちゃん?わだす、何かまずいこと言っちまいました……? |
風香 | ……実は私、少し前まで、アイドルについて、悩んでたことがあったんです。 |
風香 | だけど最近、自分なりに何か見つけたような気がしていて……。 |
風香 | 沙織さんが見たのは、そんなときに立ったステージなんです。 |
風香 | だから、そういってもらえてとても嬉しいです……!本当にありがとうございます。 |
沙織 | そうだったんですか〜。 |
風香 | ……と言っても、アイドルとしての魅せ方、というんでしょうか。そういうのは、まだわからなくて。 |
沙織 | みせかた……?ああ、「チャームポイント」みてぇなやつですかね?わだすも、てんでわがんねぇなぁ。 |
風香 | もし、それが見つかれば……アイドルとして、もっと自信が持てるのかなって、なんとなく思ってるんです。 |
沙織 | なるほどー、自信が持てるものってことですかねぇ。………………あっ!! |
沙織 | なんだ、あるじゃねぇですか!風香ちゃんは、なんたってセクシーじゃねぇですか!! |
風香 | ふえっ!? |
沙織 | この前のLIVEだって、カッコイイし、色っぽくて、ドキドキしたっけなぁ! |
風香 | そ、そんな……!たしかにご一緒した二人は、素敵でしたけど、私もそれっぽく振る舞えていたかどうかはっ! |
沙織 | いんや、できてましたよ!うまく言えねぇけんど……こう、オーラが内側からにしみ出る感じで! |
沙織 | めんけぇ……いや、美人だったかなぁ〜。 |
風香 | それは……その……お恥ずかしい限りで……恐縮、です……。 |
沙織 | 風香ちゃんは、もっと胸張っていいと思うんです。それに…… |
沙織 | プロデューサーさんも多分、内に秘められた風香ちゃんの魅力を、みんなに見てもらいたがったんでねぇすか? |
風香 | プロデューサーさんが?そう、なんでしょうか……?そうだったらいいなって、思いますけど……。 |
風香 | (そう……そうだ。プロデューサーさんはいつも、私自身も知らなかった、私の可能性に気づかせてくれる) |
風香 | (それは、くすぐったいけど心地よくて、嬉しくて……) |
風香 | 沙織さんも、きっとそうですよね。 |
沙織 | へっ!わだすですかっ!?わだすなんて、セクシーとはほんと縁遠ぐで……! |
風香 | あっ、いえ、セクシーとか、そういうことではなく……! |
沙織 | ? |
風香 | こうして今、私とお話している沙織さんは、優しくて、親しみやすくて……。 |
風香 | ですけど、ひとたび舞台に上がった沙織さんには、キラキラのオーラがあると思うんです。 |
風香 | 可愛くって、輝いてて……すっごくアイドルしてて! |
風香 | プロデューサーさんは私たちの、ほんの小さな可能性を見出してくれているんですよね。 |
風香 | 「大丈夫。変われるよ」って、教えてくれるんです。 |
沙織 | へへっ、そうですねぇ。 |
風香 | ……プロデューサーさんに、いつも、背中を押してもらっているんですよね、私たち。 |
沙織 | プロデューサーさんには、お世話になりっぱなしだなぁ、ほんと。 |
沙織 | けんど、面と向かって、自分のことを褒められると、照れますね……へへ……。 |
風香 | だって、本当のことですから!沙織さんが頑張ってる姿を見て……私も、励まされてます。 |
風香 | 自分にも、自分の魅せ方にも、まだ自分はないですけど……良いと思ってもらえるところを伸ばしていきたいんです。 |
風香 | だから……沙織さん。今日はたくさんお話して、意見をくださって……ありがとうございました! |
沙織 | そんなそんな!わだすも、風香ちゃんといると気づくことばっかで、感謝してるんです。 |
沙織 | 一緒に頑張る仲間としてこれからも、いっぱいお話しさせてくだせぇ。 |
風香 | はい、こちらこそ。よろしくお願いします! |
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