お屋敷カフェ | |
雅 | わぁ〜!キレイ〜!ケーキもゼリーもキラキラしてて、宝石みたぁ〜い! |
雪美 | 可愛い……。美味しそう……。 |
雅 | 給仕の人も、優雅だよねぇ。「ごゆっくりおくつろぎくださいませ」なんて言われちゃったら、お嬢様気分〜♪ |
美紗希 | 今日は次のお仕事に向けて、給仕さんの姿勢をしっかり学ばせてもらおうねぇ♪ |
雪美 | うん……。今度の撮影、楽しみ……。メイドさん……頑張る……! |
千秋 | ええ、そうしましょう。改めて、今日はお誘いありがとう、衛藤さん。 |
美紗希 | いえいえ、こちらこそ♪千秋ちゃん、素敵なカフェを教えてくれて、ありがとう! |
美紗希 | (あたしたちが、どうして優雅なお屋敷カフェに来ているかっていうとぉ……) |
──数日前 | |
千秋 | 月宮さん、佐城さん。今回の撮影では、どうぞよろしくね。 |
雪美 | うん……よろしくね……。 |
雅 | はぁ〜い、よろしくねぇ♪あとは、美紗希ちゃんも一緒らしいんだけどぉ……見当たらないねぇ。 |
千秋 | ひと足先に、会議室に行ったのかもしれないわ。私たちも行きましょう。待たせて悪いもの。 |
雅&雪美 | は〜い♪ うん……。 |
美紗希 | …………。 |
雅 | あ、いたいた〜!美紗希ちゃん、先に来てたんだねぇ〜。打ち合わせしよ〜♪ |
美紗希 | …………。 |
千秋 | ……衛藤さん?どうしたの? |
美紗希 | …………ぐすっ。 |
雪美 | 美紗希……泣いてる……? |
雅 | 泣いて……?あ!もしかして美紗希ちゃん、また〜? |
美紗希 | あ、みやびぃ……。それに、千秋ちゃんたちも……ぐすっ……。 |
美紗希 | ごめん〜……ぐすっ……。ちょっと待ってねぇ……?すぐ、切り替えるからぁ……。 |
千秋 | い、いえ。無理しなくてもいいのよ?何か……その、悲しいことがあったのなら、無理はしないで。 |
雪美 | ……大丈夫? |
美紗希 | うん、だいじょうぶ〜……。悲しいこととかじゃないの〜。 |
千秋 | そ、そう……? |
美紗希 | うん〜。その……ただ、小説を読んでただけなのぉ。心配かけちゃって、ごめんなさぁ〜い……! |
雅 | 美紗希ちゃんって、ほんと感動屋さんだよねぇ。よく恋愛小説とか読んで、泣いてるし〜。 |
雅 | あとは、映画とか、お芝居観た時とかも! |
美紗希 | あ〜、みやびぃ……!バラすなんて、もぉ〜。 |
雅 | あはっ、ごめんごめん〜。それで、今日はどんなお話を読んでたの〜? |
雪美 | 美紗希……泣いてた……。悲しい、お話……? |
美紗希 | あ、うんとね……メイドの女の子が主役のお話なんだぁ。ケータイで読めるやつなんだけどぉ。 |
千秋 | 携帯……?ああ、もしかして「ケータイ小説」というものかしら?噂には聞いたことがあるわ。 |
千秋 | 映画やドラマになっている作品も多いそうだし、いつか出演オファーが来るかもしれないわよね。 |
千秋 | だから、私もいつか読んでみたいと思っていたの。 |
美紗希 | ちょーオススメだよ〜!ケータイだから手軽だし、いつでも読めるしぃ〜♪ほんと感動するんだからぁ。 |
美紗希 | 壮大なロマンスに胸が熱くなったりぃ、困難に立ち向かうヒロインは応援したくなったり! |
美紗希 | あとあと〜、恋愛モノで、最後はハッピーエンドでも、つい泣いちゃうんだよねぇ。あ〜、よかったぁ……って♪ |
千秋 | ふふ、衛藤さんは感受性が豊かなのね。 |
美紗希 | よかったら、千秋ちゃんにオススメの作品、いくつかピックアップしよっかぁ? |
千秋 | あら、いいの? |
美紗希 | もちろん!あたしは、恋愛モノが好きなんだけど、千秋ちゃんならそうだなぁ…… |
美紗希 | 最近では、ミステリーとかファンタジーも増えてきてるからぁ、そっちもいいかも!ぐっと来るはず〜っ♪ |
千秋 | ありがとう、衛藤さん。楽しみにしているわ。 |
雅 | ところで、美紗希ちゃん。さっき「メイドさんが主役のお話」って言ってたけど、それってそんなに泣けるのぉ? |
美紗希 | さっきのは、ちょっぴり切ない系のお話なんだぁ〜。明治時代が舞台の、和風のラブストーリーってカンジ。 |
美紗希 | 主人公のメイドの女の子とご主人様は、幼馴染みでねぇ。二人は小さい頃から、ずっと一緒なんだぁ〜。 |
美紗希 | 身分差があるから、想いは伝えられないけどぉ、一番近くにいられるならって、お互い思ってて……。 |
雪美 | 二人は……仲良く……? |
美紗希 | そう!実は両想い♪なのに、ある日……ご主人様に海外留学の話しが舞い込んでくるの! |
雅 | え〜っ!?その二人、どうなっちゃうの〜? |
美紗希 | ふふふ〜♪そこは、読んでからのお楽しみぃ♪ |
千秋 | 明治時代のお話……そうね。そういえば…… |
雪美 | ……? |
千秋 | 知り合いが最近始めたカフェの雰囲気が、その作品に合いそうなの。 |
雅 | へぇ〜!和風のカフェとか〜? |
千秋 | ええ、そうよ。古い屋敷を持て余したのだけれど、つい最近、カフェに改築してオープンさせたそうよ。 |
千秋 | そのお屋敷がたしか、明治時代のものだったはずよ。 |
雅 | えーっ、気になるぅ〜!みやびぃ、行ってみたぁい! |
美紗希 | むふむふ…………あっ、これかなぁ……?千秋ちゃん、ここのこと? |
千秋 | あら、そうよ。衛藤さん、よくわかったわね。 |
美紗希 | 「明治 お屋敷カフェ」で調べてみたらビンゴぉ♪それでねぇ……なんと!週末の予約、受付中だって〜! |
雅 | ほんとぉ!?行こう行こう〜♪千秋ちゃんと雪美ちゃんは予定空いてる〜? |
千秋 | ええ、空いているわ。 |
雪美 | 私も……大丈夫……。みんなで行くの、楽しみ……♪ |
美紗希 | オッケー、決まりっ♪じゃあこれで…………よしっ、予約完了〜☆ |
美紗希 | (っていうワケで……) |
美紗希 | デザートは美味しいし、お庭の景色も素敵だし、来てよかったぁ〜♪ |
美紗希 | (それにぃ……みやびぃに千秋ちゃん、雪美ちゃんもすっごくいい笑顔だよねぇ♪) |
美紗希 | (今のみんなみたいな素敵な笑顔が見られるなら、あたしも、張り切ってお給仕しちゃうなぁ〜……) |
雅 | あ〜!美紗希ちゃん、もう何か掴んだって顔してるぅ! |
千秋 | あら、私も負けていられないわね。 |
雅 | みやびぃも〜! |
雪美 | ……ふふっ。みんな、負けず嫌い……。 |
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