GURPSよろず - 持続時間
魔法大全」p.5 第1章「魔法の法則」の「魔法に関する用語」より。

持続時間(Duration)

魔法大全』第1章「魔法の法則」の「呪文をかける」より。

持続時間と呪文の維持(Duration of Spells and Maintaining Spells) p.9

 呪文には、瞬間的に効果があらわれてそれで終わるものと、一定時間(たいていは1分間)効果が持続するものがあります。効果が持続する呪文は、維持しないのであれば、一定時間がたつと効果がなくなってしまいます。
 呪文維持するには、そのために必要なエネルギーが、詠唱に必要なエネルギーと一緒に示されています。呪文持続時間に達したなら、必要なエネルギーを支払えば維持することができます。呪文維持すると、もともとの持続時間と同じだけ効果がさらに続きます。これには時間はかかりませんし技能判定も不要です。距離も関係ありません。

例:《》は持続時間が1分で、維持に必要なエネルギーは1です。そのためこの呪文は1分後には効果が消えます。唱えた1分後にさらにエネルギーを1点消費すれば、効果はさらに1分間持続します。

 持続時間の延長は、必要なエネルギーをまかなえるなら、好きなだけ繰り返しても構いません。術者が意識を保っていれば、いつどの呪文の効果が切れて維持が必要になるかがわかります。ただし、術者が眠っているあいだの維持は不可能で、呪文を他人に “ 手渡して ” 、自分のために維持してもらうこともできません。

高い技能レベルと維持のエネルギー(High Skill and Cost to Maintain) p.9

[[高い技能レベルと維持のエネルギー>持続時間と呪文の維持#High_Skilland_Cost_to_Maintain]]
 呪文を高いレベルで習得していてエネルギー消費が少なくてすむ場合、呪文維持に必要なエネルギーも同じだけ少なくなります。これによって、エネルギー消費なしで呪文維持できるようになることもあります。たとえば、呪文技能レベル15〜19で習得していれば、維持に必要なエネルギーも1点減少することになります。エネルギー1点で維持できる呪文なら、いつまでもエネルギーを消費せずに維持することができるのです! 


集中と維持(Concentration and Maintenance) p.10

[[集中と維持>持続時間と呪文の維持#Concentration_and_Maintenance]]
 ほとんどの呪文は、エネルギーさえ消費すれば術者が「集中」しなくても維持できます。ただし、連続した操作や変化が必要な呪文――たとえば、浮遊させた物体を操作する呪文――を維持するには、集中を続ける必要があります。こうした呪文をかけると、術者は「集中」の戦闘行動しか行なえないわけです。集中を妨げられたり、負傷したり、あるいは朦朧状態になると、意志力-3の判定を行なわねばなりません。判定に失敗しても呪文が消えるわけではありませんが、呪文集中切れ状態のままになり、術者が再び集中するまで、効果を変えることができません。ファンブルした場合は、呪文の効果が消えます。
 他の呪文を唱えることによって集中が乱れることはありませんが、同時に2つのことを行なうと技能判定にペナルティがあります(このあとの「維持している呪文を変更する」を参照)。

維持している呪文を変更する(Changing Maintained Spells) p.10

[[維持している呪文を変更する>持続時間と呪文の維持#Changing_Maintained_Spells]]
 効果範囲を選択できる呪文は、唱えた後では効果範囲を拡大できません。しかし、魔術師範囲呪文の一部だけを維持することはできます。消費エネルギーは、その部分だけを維持するのに必要な分を支払います。

持続時間の種類(Duration Types) p.10

[[持続時間の種類>持続時間と呪文の維持#Duration_Types]]
 呪文持続時間には、一瞬一時持続永久魔化の5種類があります。
一瞬(Instantaneous)
 持続時間が「一瞬」の呪文は唱えた瞬間に効果を発揮し、すぐに効果を発揮し終えます。この中には、魔法的ではない効果が永続する呪文もあります――たとえば《肉を石》なら、生き物を一瞬で石に変えて効果を発揮し終えますが、石に変えられた生き物はずっと石像のままになります。
一時(Temporary)
 持続時間が「一時」の呪文は、効果を維持するにはエネルギーを消費し続けねばなりません。維持に必要なエネルギーが決まっている呪文のほとんどは、持続時間が「一時」の呪文です。 “ 作動 ” 状態に数えるのは、この種類の呪文だけです。
持続(Lasting)
 持続時間が「持続」の呪文維持が必要ありませんが、限られた時間のあいだしか有効ではありません。《祝福》が好例で、一般的には何かの出来事によって呪文が終了するまでのあいだ有効です。《祝福》なら、祝福の効果が用いられるまで有効です。
永久(Permanent)
 持続時間が「永久」の呪文は、永久に続く魔法の効果を生みだします。《死人使い》が良い例で、死体を操る魔法の力は、その死体が物理的に破壊されるまで働き続けます。「永久」の呪文は「一時」や「持続」の呪文と異なり、マナの存在しない場所でも消え去りませんが、対象がそうした場所を離れるまで効果が中断します。
魔化(Enchantment)
 「魔化」の呪文は、さらに堅牢な――他の魔法効果を交互に発揮するような――魔法の効果を生み出します。「魔化」は《呪文除去》や《呪い除去》のような呪文で解除されません。「魔化」は「永久」の呪文と同様、マナのない場所でも消え去らず、効果が中断します。

呪文の耐久度(Spell Endurance) p.10

[[呪文の耐久度>持続時間と呪文の維持#Spell_Endurance]]
 呪文は、他の呪文攻撃に対して、術者修正後技能レベルで抵抗します。ただし、持続時間が「一時」や「持続」の呪文は、連続した攻撃を受けると効果が削がれていきます。こうした呪文には「耐久度」があります。呪文耐久度は、魔化におけるパワー同様、それをかけるさいの術者修正後技能レベルと同じです。しかし、かけた後の出来事によって減少していきます。呪文が耐久度を持つかどうか、どのくらいの耐久度呪文が消え去ってしまうかは、個々の呪文の解説で説明されています。

1回性(One Try) p.10

[[1回性>持続時間と呪文の維持#One_Try]]
 呪文の中には、魔術師に1度しかチャンスのないものがあります。こうした呪文は、解説に「1回しか使えない」などと示されています。「1回」の呪文をかけるのに失敗した場合、術者(および協力者)は、同じ目標にその呪文をかけられなくなります。また、“ 一週間に一度 ” などというように、一定期間に1度しか試みることができない呪文もあります。この場合、所定の期間が過ぎれば、再びかけなおすことができます。
 「1回」の呪文で期間が指定されていない場合、1度失敗するとかけなおすことができません。

関連

#include(魔法関連参照用)








詳細は「呪文の解説

魔法大全』、第2章「魔法の品物」p.22より。
※これは第3章から第26章までの呪文の項目用語の解説です。第2章「魔法の品物」の最後に記載されているのは章をまたぐ割り付けの都合によるものでしょう。

コラム:呪文の解説(Spell Descriptions) p.22 

 各呪文系統には何百もの呪文が解説されています。各呪文の解説には、次の情報が含まれます。
本サイトでは、各呪文解説で呪文系統の直後に数字のみが載っているものは、それが『魔法大全』のその系統で何番目に解説されているかの順番を表すものです。
呪文名称および呪文クラス: Name of Spell and the Class(es)
 “至難”という表記は、習得難易度が“知力/至難”の呪文であることを示します。それ以外の呪文は“知力/難”です。
効果の解説: Description
 その呪文の効果、特殊ルールなどです。特定の品物を必要とする呪文なら、特に記述がないかぎり、その品物は消費されてしまいます。
持続時間: Duration
 呪文の効果が持続する時間です。呪文維持する場合、さらに持続時間と同じあいだだけ効果が続きます。『魔法大全』の書式においては一瞬で効果が発揮される呪文には、持続時間は示されていません。
 その呪文を唱えるときに費やされるエネルギーFPあるいはHP)です。これが“基本消費”となっている場合、効果範囲の半径1メートルあたりに必要なエネルギーになります。維持可能な呪文であれば、維持に必要なエネルギーも示されています(「・」の後の数値)。一瞬で効果が発揮される呪文維持できません。
維持コストが「半分」または「半」とあり、端数が生じる場合、基本的に「端数切り上げ」となります。この原則処理は明記されてませんが、『GURPS Thaumatology』といった公式ではその処理が前提で話が進んでいますし、逆に端数切捨てだと問題も生じるので。
準備時間: Time to cast
 『魔法大全』の書式では準備時間が示されていない呪文は1秒間の集中が必要で、自分の能動ターンの最後に効果があらわれます。準備時間1秒の呪文も同様です。
原書名「Time to cast」から、日本語版では訳語不統一により「詠唱時間?」と記述されることもあります。
前提条件: Prerequisites
 その呪文を習得する前に身につけておかねばならない呪文(少なくともCP1点払ったもの)、「魔法の素質」、知力などです。
魔化: Item 
 その呪文で作成できる永続的な魔法の品物のタイプ、およびその品物についての特殊ルール(あれば)です。その他にも、品物の作成に費やされるエネルギーと必要な品物の価格(あれば)も示されています。“魔化”の項目がない場合、その呪文をこめた魔法の品物は作成できません。

関連

#include(魔法関連参照用)

関連