GURPSよろず - 疲労

攻撃型としての「疲労」(Fatigue Damage)

 攻撃型における「疲労ダメージ」(Fatigue Damage)の略記「疲労」(Fatigue)あるいは「」(fat)。
 これは致死的ではない攻撃を表します。低アンペアの電気ショックや"精神攻撃"、低体温症や飢えのように相手を弱体化させるもの。HPではなくFPを減少させるものです。機械には影響しません。

疲労(FATIGUE)ルール B404P/2B84P

疲労点の減少(LOST FATIGUE POINTS)

第4版の疲労、B404P(2巻84P第14章:負傷、病気、疲労疲労点の減少参照。

FPが本来の1/3未満(Less than 1/3 your FP left)
 とても疲れています。移動力よけ体力は半分 (端数切り上げ)になります。HPとダメージの関係同様に、体力基準の数値には影響を与えません。
FPが0以下(0 FP or less)
 倒れる寸前です。上の状況に加え、さらに疲労した時には、1点FPを失うごとにHPも1点失います。ですから、飢えや渇きなどによる疲労は穏やかに殺すでしょう――その間、あなたは“死ぬまで”もがくことになるのです!
 会話や休息以外の行動をとるためには意志力判定が必要です。戦闘時には「何もしない」以外の戦闘行動を選ぶには意志力判定が必要です。
成功すると、普通に行動できます。呪文を唱えるためにFPを消費することはできます。溺れかけていてももがくことはできますが、これらはFP1点を失うごとにHPも1点失います。
意志力判定に失敗すると、倒れてしまいます。無力化されて、FPがプラスになるまで何もできません。
ファンブルで失敗すると、即座に生命力判定を行なわなければなりません。もし失敗すると、あなたは心臓発作を起こします。「死の危険がある効果」参照。
FPが本来のFPの-1倍(-1×FP)
 倒れて意識不明になります。意識を失っている間は、通常の休息と同じ比率で回復します。FPがプラスになった時点で意識を取り戻します。FPはこれ以下になることはありません。この段階になってさらにFPを失うようなことが起これば、その代わりにHPが減少します。!


疲労点の消費量(FATIGUE COSTS)

ベーシックセット』の第14章「負傷、病気、疲労」の「疲労」の「疲労点の消費量」参照。

 以下の行動は一般的にFPを失うことになります。
戦闘による疲労(Fighting a Battle)
 戦闘が11秒以上続くと、戦闘後に疲労します――命がけの戦闘はエネルギーを消耗するのです。戦闘中に命中判定防御判定を“1度も”行なわなかったキャラクターは、これによってFPを失いませんが、その他の行動(呪文の使用など)では通常通りFPを消費します。戦闘後の疲労は次のとおりです。
無荷(No Encumbrance)1 FP
軽荷(Light Encumbrance)2 FP
並荷(Medium Encumbrance)3 FP
重荷(Heavy Encumbrance)4 FP
超重荷(Extra-Heavy Encumbrance)5 FP

 もし暑い日の戦闘なら、上記に1FP加えて下さい――プレートアーマーやオーバーコートを着ている人は2FP追加です。TL9以上の密閉式防具は環境制御していると考えてください。これは冷房とみなし、暑さによるペナルティを無視できます。
 これらの消費量は戦闘ごとの値で、10秒おきに疲労するわけではありません。GMは、戦いが非常に長引いた場合は疲労するようにしてもかまいません。もっとも、余分に疲労するには、戦闘が少なくとも2〜3分(120〜180ターン)は続かなければならないでしょう。
行軍(Hiking)
 長距離を歩くなど、道を1時間進むごとに、戦闘の場合と同じだけ疲労します。例:軽荷で1時間行軍すると2FPという具合です(暑い日なら3FP)。もし行軍中に戦闘に入った場合、イベントで特に指定されているのではない限り、1時間行軍した状態で戦闘に突入します。その分疲労を適用してください。
過度の努力(Overexertion)
 超重荷のレベルを越えて物を持ったり、非常に重い物を押したり引いたりする場合、1秒に1FPずつ疲労します(「物を持ち上げる、動かす」参照)。その他の努力については「さらなる努力」も参照してください。
走る・泳ぐ(Running or Swimming)
 短距離なら15秒、長距離なら1分走る泳ぐたび、生命力判定を行ないます。判定に失敗すると、1点疲労したことになります。荷重疲労に対しては直接の影響はありませんが、走ったり泳いだりする速度が重くなります。「走る」「泳ぐ」参照。

特殊能力(Special Abilities)
 ほとんどの魔法呪文と、多くの有利な特徴、そしていくつかのマンガ技能?、それに「FP消費」の限定をとった性質を使うにはFPが必要です。

飢えと渇き(STARVATION AND DEHYDRATION)

ベーシックセット』の第14章「負傷、病気、疲労」の「疲労」の「飢えと渇き」参照。
用語:飢え(Starvation)
用語:渇き(Dehydration)

 装備を買う時には、食料を忘れないでください! 「野外用装備」にある旅人の食事は、道中を健康に過ごすための最低限の食事です。1食でも欠けると、あなたは調子が悪くなります。

 GM注釈:もしパーティの食事を記録するのが楽しいとは思えないなら、この項目は完全に無視してください。食料と水を記録しておかなければならない場合、旅はより危険になります!
飢え(Starvation)
 人間は1日に3食必要です。食事を1回抜くと1FP失います。この「飢え」による疲労は、1日休息しなければ回復しません。戦闘も移動もせず、3食きちんと食べなければなりません。1日休息すると3食分の飢えを埋め合わせることができます。

渇き(Dehydration)
 安全な領域(水が簡単に手に入る場合)であれば、水が必要ないつでも供給できると考えてください。しかし、水の供給が不足している場合は注意してください! 
人間(やエルフやドワーフなど)には1日に2リットルの水が必要です――暑い場所なら3リットル、灼熱の砂漠なら5リットルです! 必要な水が不足している場合、8時間ごとに1FP疲労します。1日に1リットルも飲めなければ、さらに1日あたり1FPと1HPを失います。水の欠乏によるFPは、充分な水を摂取して1日休息した後で回復します。失ったHPは、普通の方法で回復します。


コラム:食料捜索(Foraging)

ベーシックセット』の第14章「負傷、病気、疲労」の「疲労」の「食料捜索」参照。

 快適に暮らせる地域では、探すことで食料をまかなうことができます。各キャラクターは、旅を続けながらいつでも"捜索する(forage)"ことができます。<生存>や<自然知識>の判定に成功すれば、一食分の食用植物や小果実を採取できます(17の出目を振ると毒のある植物を口にしまったことになり、生命力判定を行ないます。成功しても1点、失敗すれば1D点、HPを失います。18の出目を振った場合は、被害が仲間全員に及んでしまいます。PCは個別に判定してください)。
 適切な地域では、射撃武器技能の判定に成功すると(-4のペナルティを課します)、兎(などの生物)を仕留めたことになり、2食分をまかなうことができます。水の近くや海上であれば、<釣り>判定が同じ効果をあげます。
 各キャラクターは1日に、<生存>や<自然知識>の判定と射撃武器や<釣り>技能の判定を1回ずつ行うことができます。
 これと違って、一時旅行を中断し、重点的に食料を探すこともできます。各キャラクターは、1日に<生存>や<自然知識>の判定と射撃武器や<釣り>の判定を5回ずつ行うことができます。また、肉や魚を燻製にして、通常の保存食に加えることもできます。
 草や動物があまり存在しない地形であれば、GMはこの判定にペナルティを課してもかまいません(例:雪が積もっていれば-3、砂漠なら-6)。また同じ場所で何度も繰り返すと、ペナルティが累積してかかります。



睡眠不足(MISSED SLEEP)

ベーシックセット』の第14章「負傷、病気、疲労」の「疲労」の「睡眠不足」参照。
用語:不眠(Staying Up Late)
用語:早起き(Getting Up Early)

 "標準的な"人間は、1日に16時間活動することができます。それから8時間の"睡眠時間(sleep period)"をとります。「睡眠時間が短い」はこの睡眠時間を短くします。「睡眠過剰」「睡眠時間が長い」は逆に長くします。睡眠不足による疲労は、睡眠によってしか回復しません。
 眠りを妨げる騒音や「慢性の痛み」「夢遊病」「眠りが浅い」「悪夢」といった不利な特徴は、眠りの"質"を悪くします。睡眠時間葉実際より少ないものと数えます――あるいは、まったく数えません!
 「睡眠不要」の特徴を持つものは、この項目をすべて無視してください!
不眠(Staying Up Late)
 普通(基本的に16時間)より長く起きていると、疲れ始めます。眠らずにいると1FP失い、その後活動時間の4分の1(普通4時間)起きているごとに1FPずつ失います。
 不眠によってFPが半分以下になると、活動的でない行動(例えば見張りに立つ)をするにも、2時間おきに意志力判定が必要です。失敗すると、眠ってしまいます。誰かに起こされるか、一晩文の睡眠をとるまで起きません。成功しても敏捷力知力自制判定に-2の修正があります。「寝起きが悪い」ならさらに-1です。
 不眠によってFPが3分の1未満になると、活動的でない行動なら30分に一度、活動的な行動でも2時間に1度上記の判定を行ないます。これは大きな危険を招く可能性があります!

早起き(Getting Up Early)
 本来よりも短い睡眠時間で目覚めた場合、あなたは起きた時点で疲れています。不足している睡眠時間を2倍してください。その時間だけ、あなたが今日起きていられる時間が短くなります。例えば睡眠時間が8時間で、6時間しか寝ていない場合、2時間睡眠が不足していたことになります。あなたは12時間起きている後に、睡眠不足による効果が現れます(本来の16時間から、不足分2時間×2を引いた値です)。


疲労の回復(RECOVERING FROM FATIGUE)

ベーシックセット』の第14章「負傷、病気、疲労」の「疲労」の「疲労の回復」参照。


 “ふつうに”失ったFPは、静かに休息することによって回復します。本を読んだり、話をしたり、考え事をするのはかまいません。歩き回ったり、その他精力的な行動をとると回復しません。失われたFPは10分間休憩するごとに1点回復します。休憩中に充分な食事をとった場合、GMは1点余分に回復したことにしてもかまいません。ある種のドラッグ、魔法の飲み薬、《活力賦与》《活力回復》の呪文などは失われたFPを回復させます。
 不眠によるFPの減少は、最低でも本来の睡眠をまるまるとらなければ回復しません。これによって1FP回復します。さらに中断されずに眠ることによって、1時間でFPの割合で回復します。飢えや渇きによるFPの減少を回復させるには、食料や水が必要です。