彼女を身籠っていた母体は、異界の迷宮に迷い込んだ
迷い込んだ先で母体はウィスタリアを出産に至ったが、体調が芳しくなかった母体は出産と同時に逝去する
以降、彼女は異界の迷宮に住まう異形の数々と共に迷宮の中を過ごすこととなった
肉体が成熟する頃には異形に弄ばれるようになり、異形による蹂躙は結果として彼女の「刺激のない相手に心惹かれない」という価値観を生むきっかけとなった
(ちなみに異形とヒトでは子供をなすことがないのか、幾度蹂躙されても孕むまでには至っていない)
アマディスの先導で迷宮の踏破を遂行した軍部の隊員達も彼女が異形に肉体を弄ばれている様を目撃しており、それを見ていた者とそうでない者(彼女が保護されてから彼女を見た者)ではその認識や扱いが違っている様子
保護された後も軍部で迷宮の中での彼女を見ていた若い男達が彼女に手を出していくのが報告されていたことから内部の風紀に乱れが生じるということで、監視管轄を軍部の中ではなく軍部の中でも信頼されているアマディスの養家に移行。以後彼女はアマディスの養家で過ごすこととなる
屋敷の生活の中でアマディスの“疼き”を見逃さなかったのか、その衝動のはけ口になる代わりに肉体的な関係を要求。若干爛れた間柄となる
ケシラテフが自分に想いを寄せているのは知っているし、彼が自分とアマディスの行為を扉の隙間から目撃していたことも知っている
彼が自分達の行為を目撃した数日後のこと。再び彼が用事があって屋敷を訪れたその時に(別段興味の何もないのに)誘惑し、肉体的な一線を超えるに至った
余談だが、現在の踊り子のような恰好は保護された最初の頃ろくに服なんて着てなかったのもあり、引き取り先で見繕ったもの。完全に彼女の好みというか感覚に寄せられた結果の産物である
以下、関連ストーリー概略
退屈から交わした約定
生活拠点が軍部からアマディスの邸宅に移ってからは盛大に暇を持て余していた
ある夜、いつものように暇を持て余していた彼女は監視の目を盗んで屋敷を抜け、庭近くの針葉樹林まで足を運んだところ、野生生物に牙を突き立て吸血衝動を発散していたアマディスを発見
元々彼のことをヒトだと思ってなかった彼女はその様子に納得する一方で、彼の衝動をつつくようにある約定を提示する
「吸血衝動のはけ口に利用する代わりに、自分の性欲処理に付き合ってもらう」
あまりにも利のなさそうな約定ではあったが、双方の利害がそれなりに合致したということでアマディスは懊悩しつつもその約定を許諾。歪な関係が始まった
邂逅と覗かせた関係
ある日、いつものように暇を持て余していたところアマディスに用があって屋敷を訪れたケシラテフと初めて遭遇。彼の反応を怪訝に思いながらも、新たなオモチャの気配に少し喜んだ
後日、アマディスの吸血衝動の発散のために彼の部屋に入った時、彼に知られないよう扉をわずかに開け、行為を始める
ウィスタリアの目論見通り、屋敷を訪問したケシラテフはこの行為を扉の隙間から覗き見る結果となった。彼女はアマディスとの行為をケシラテフに見せるため、わざと扉に隙間を作ったのである
悪意ある誘惑、確立された欲望、一人の兄の激昂
先の一件からしばらくして、ケシラテフが再び屋敷を訪れることになったが、この日アマディスは軍部の会合で帰りが遅くなることをウィスタリアは知っていた
その上で彼女はケシラテフを私室で応対し、事の次第を告げると彼はと席を立つ
しかし、ウィスタリアは「では日を改めてまた伺います」と言うケシラテフを引き留め、囁いた
「お前、見てたんだろ? オレとアマディスがシてるとこ」
「同じコト――してみるか?」
不意打ちのように交わした口づけ、そのままベッドの上に組み敷き、抵抗する彼に悦楽の味を覚えさせた
アマディスが帰宅する頃には行為の証拠を隠滅し、ケシラテフは熱に浮かされるも要件を彼に伝えその場を離れる。その様子を不審に思ったアマディスは何があったとウィスタリアに追究し、悪意ある笑みを浮かべながら行為に及んだことをつらつら喋ったら怒りをあらわにしたアマディスから一発殴られることとなった
「これ以上俺の弟に何かしたらタダじゃ済まねぇからな」と彼は言ったが、彼女は何故そこまで激昂したのかは正直理解が出来てない
呑み込まれた願望の迷宮
いつものように暇を持て余していたところ、ケシラテフが自分に接触を図った
要件も何も言わずに自分を連行しようとする彼を不審に思うが、いつもとは違う雰囲気に戸惑ったのが隙となったからかそのまま彼に馬車へ押し込まれ連行されてしまう
事情を説明しろと何度もわめいたもののケシラテフは返答してくれず、そのまま馬車はケシラテフが住まう屋敷の方向へ突き進んだ
しかし、その道中で“異界の迷宮”が発生。ケシラテフとウィスタリアはそのまま迷宮の中へ呑み込まれた
迷宮の中で自分の傍にいたケシラテフを見て、彼女は『彼がこの迷宮の“番人”である』ことを直感する。“核”が破壊されない限り迷宮から抜け出す術は無いので、とりあえず彼と一緒の時間を過ごすことに
彼は問いかける。「アマディスとはどういう関係なのか」「アマディスのことをどう思っているのか」
彼は言葉を紡ぐ。「叶うならば、貴女を自分の妻に迎えたい」「アマディスではなく、自分を選ぶことはできないか」
ただの温厚なつまらない坊ちゃんだと思っていた彼が垣間見せる昏い情熱に、ウィスタリアは好奇心のような興味を覚えるようになる
昏い情熱(オモイ)への好奇心
自分達を呑み込んだ迷宮は、アマディスが“核”を破壊したことで崩壊した
この一件でケシラテフとアマディスは入院沙汰になるほどのケガを負い、二人の容態を観察するため(と言いながら本質は暇つぶしに近い)にウィスタリアもしばらく病院で過ごす
二人の“兄弟”としての会話に区切りがついたのを見計らって、彼女もケシラテフの病室を訪問。自分を合意なしに連行しようとしたことをケシラテフは謝罪するが、ウィスタリアは気にすることなくベッドに腰かける
ケシラテフのことをつまらねぇ人間だと最初評価していたが、迷宮の一件で彼自身に人並みの欲望や薄昏い情熱があることを理解したこと、今は『ちょっと面白そうな男』と興味が湧いてきた旨を伝えた後
「オレがアマディスじゃなくてお前の手を取りたくなるほどにオレを手懐け(調教し)てみせな」と耳元で囁いてみると、ケシラテフは赤面して照れ始め、アマディスからは「ヒトの弟に変なこと吹き込んでねぇだろうな」と顔をしかめられた
この一件を機に彼女とアマディスの間にあった歪な約定は若干自然消滅の方向に落ち着いたとか
軍部の門を叩く(※別に本人は希望してない)
屋敷の中で暇を持て余す日々を過ごしていた彼女だが、彼女自身の戦闘能力と、対迷宮におけるスペシャリストと評価して軍部に仮の席を設けることが許された
以後所属は軍部となるが、保護された後の一件もあって彼女の風紀を警戒する者は少なくなく、アマディスとケシラテフの監視下に置かれることとなる
【仮面】調査同行のためキタカミの里へ
アマディスが軍部からキタカミの里にある“てらす池”について調査を命じられたため、補佐官のケシラテフを伴い出ることになったのだが、軍部に残したら何するかわからないという判断をされ任務に同行させられる
見知らぬ土地に好奇心が突き動かされるが、調査を終えたら軍部に戻るということで早速調査に向かうことに
二人が簡易的な検査をしているところで観光で訪れたネメシアさん(@楼音様)とベネディカの母子と遭遇、さらに池からいなかったはずのイザヤの登場で小規模な混乱が発生した
【仮面】“雉の英雄”のパーティー会場にて、対峙する暗殺者
軍部から連絡を受け“三英雄”の一人が何者かに殺害されたことと、“三英雄”の一人が催すパーティー会場に護衛として参席することに
会場の空気に馴染めないし暇と言うことと、「嫌な予感するなー」という直感が働いて会場を離れる。その後会場ではグラフィーラ率いる教団の襲撃が発生した
逃げる“雉の英雄”は私室に保管していたお面を手に屋敷を離れようとするが、それを逃がすまいと凶器を手にプピラルミナが現われ、英雄は討ち取られてしまう
プピラルミナに興味を持ったウィスタリアは彼女と交戦。苦戦するも途中でケシラテフも加勢し、彼女を退散させることには成功したが、任務は概ね失敗となった
負傷もそれなりにあったことから調査任務も続行できるものではないと判断され、帰還の動きとなる
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