(にわたり くたか/Niwatari Kutaka)

庭渡久侘歌

名前

  • 庭渡(にわたり)
    • ニワタリ神
      • 元々は北関東、東北を中心に祀られていた神で、現在でもこれらの地域に関連する神社がある。
        地域信仰、民俗信仰で祀られていた神のため、日本神話には登場しない。
        また、諏訪神社や稲荷神社などとは異なり総本社(総本宮)に相当する神社はなく、関連する神社を統括する組織なども存在しない。
        現在、これらの神社の祭神(日本神話由来)は多種多様だが、これら祭神の多くは明治期に後付で設定された例が多くニワタリ神と直接の関連はないとされる。
      • 様々な漢字があてられており、「庭渡」「荷渡」「二渡」「二羽渡」「鬼渡」「仁和多利」「新渡」「見渡」「美渡」「御渡」「子渡」「鶏」などがある。(他にも多数ある)
        また、読みも複数あり、「ニワタリ」「ミワタリ」「オニワタリ」「オミワタリ」「ネワタリ」「ニワトリ」などがある。
      • 現在ある各地の「ニワタリ(漢字と読みは様々)神社」は元々は「ニワタリ(大)明神」「ニワタリ(大)権現」等と呼ばれ地域で信仰されていたケースが多かったが、(大)明神および(大)権現は仏教由来の言葉であるため明治期の神仏分離令により「神社」と改称して現在に至るようである。(一部は現在は名称を戻しているケースもある)
        日本神話由来の祭神もこの時に設定されたケースが多い。
      • 基本的には、その地域の「産土神」「地主神」「鎮守神」として祀られているケースが圧倒的に多い。
        幅広い要素の信仰があり、主に「鶏の神」「子供の咳(または百日咳)を治す神」「治水、灌漑の神」「渡海、川渡の神」などがあげられる。
      • 「ニワタリ神社」の祭神の傾向として、水を分配する神である天水分神(あめのみくまりのかみ)・国水分神(くにのみくまりのかみ)というあまりメジャーではない神が一定数設定されている。
        これはニワタリ神の「治水、灌漑の神」としての要素からの連想ともされる。
      • 蝦夷征討のために東北地方に来た坂上田村麻呂を由来にあげる神社が一定数ある。
        また、坂上田村麻呂の鬼退治伝説と「鬼渡(おにわたり)」の名称に関連があるとする説もある。
      • 「鶏大明神」は江戸時代の江戸から始まった「酉の市」の由来にも関連している。
      • 信仰と名称の起源には諸説ある。
        幅広い要素の中で最初にどれか一つの要素で信仰が始まり、他の要素は後付で足されていったとする説が有力だが、どれが最初だったかは定説が存在しない。
        「神聖とされた鶏(にわとり)説」「川を渡る時の安全祈願の神(水渡神)説」「海を渡る時の安全祈願の神(海渡神)説」「灌漑の神(水分神)説」などがあげられるがどれも確証はない。
        それ以外には、「語源はアイヌ語説」などもある。
  • 久侘歌(くたか)
    • 鶏の古名「くたかけ」*1
      • 元々、古来の日本では鶏は「かけ」と呼ばれていた。「くた」は古語で「腐った」という意味。
        「くたかけ」を現代語に直訳すれば「腐った鶏」。ニュアンスとしては「馬鹿鶏」といった意味で、鶏を蔑む表現だった。
         → 鬼形獣において、久侘歌は自身を「鳥頭」であると主張している。
      • 「くたかけ」は起源としてはあまり綺麗な言葉ではなかったが、時代が下るといつしか雅語(がご)として使われるようになる。
        雅語とは俗語の対義語で、「正式なみやびな日本語」のこと。「和歌や古典文学などで使用される上品な言葉」を意味する。
      • 「にわとり」という言葉は「くたかけ」を意味する表現の一つ「庭つ鳥かけ(にわつとりかけ)」に由来する。
        「庭つ鳥かけ」は「庭にいる鳥である鶏」を意味する。「庭つ鳥」は家畜(家禽)を意味し、野生の鳥(野鳥)を意味する「野つ鳥(のつとり)」の対義語。
        「庭つ鳥かけ」が略され「にわとり」となったとされる。
    • 漢字の意味
      久:「長い時間を経る」「長く続く」
      侘:漢語では「誇る」「驕る」「自慢する」、日本語では「わび、侘び(簡素で貧粗だがその中に質の高い美を見出すこと)」
      • 久侘歌:「悠久の誇れる歌」「悠久の侘びのある歌」 → ニワトリの鳴き声を意味しているか。

備考
  • 久侘歌
    • 仏教における十二神将や二十八部衆の一部などで見られる、サンスクリット語の名称をそのまま漢字にあてはめた音写語風の名か。
      • 鬼形獣において久侘歌は、十二神将で酉神である「迷企羅(めきら、めいきら)大将」のポーズをとっている。(「見た目」の項を参照)
      • 鳥関連の仏教の尊格としては、これ以外に二十八部衆の「迦楼羅(かるら)天」(インド神話のガルーダ)がいる。

二つ名

  • 地獄関所の番頭神
    • 番頭(ばんがしら)
      • 役職名で、関所の最高責任者。
        「伴頭(ばんがしら)」という表記をするケースもある。

能力

  • 喉の病気を癒す程度の能力
    • ニワタリ神は「子供の咳(や百日咳)を治すご利益」で有名。
      • 咳を治すご利益の由来は不明だが、「鶏が歩くときに頭を上下に降る様子が咳をする人を連想させた」「力強く鳴く鶏に呼吸器疾患を治す霊験を感じた」などの説がある。

種族

  • 神様
    • ニワタリ神(日本の神)
    • 仏教の天部(護法善神)の要素もあるか。
平等と利他を優先する神様である。
(東方鬼形獣 omakeテキストより)
    • 平等、利他は共に元は仏教用語。
彼女の正体は家畜化される前の、野生の鶏の神様、ニワタリ神である。
(東方鬼形獣 omakeテキストより)
    • 鶏(にわとり)
      • 鶏は、紀元前8000年〜4000年に東南アジアで野鶏(やけい)が家畜化されたもの。
        数千年かけてユーラシア大陸中(日本やポリネシアの島なども含む)に人の手により広がった。
        南北アメリカやオーストラリアなどの空白地に鶏が持ち込まれたのは大航海時代以降(15世紀以降)となる。
      • 家畜化する前の鶏とされるヤケイ属(野鶏属)に属する鳥が現在でも東南アジアを中心に分布している。
        DNA解析から、その中の「セキショクヤケイ」という種が鶏の主な祖先と判明している。
      • 日本には紀元前2世紀ごろの弥生時代に大陸から持ち込まれたとされる。
        家畜史的には、すでに家畜化されたもの(鶏)が日本に持ち込まれたという順番であり、日本に家畜化する前の「野生の鶏」が存在したことはない。

見た目

  • ポーズ
    • 左手を上に掲げ、右手は腰に当て、左足は曲げ、右足は伸ばしている。
    • 新薬師寺の国宝「迷企羅大将像」のポーズから。
      • 「迷企羅大将」は十二神将の一尊で、十二支の「酉」を司る。「酉神」と表記されることもある。
      • 十二神将については式神「十二神将の宴」を参照のこと。
  • 中央の赤い髪の毛と側面の白い髪の毛
    • 鶏の赤い鶏冠(とさか)と鶏の白い毛
      • 鶏冠は雄鶏のほうが大きいが、雄鶏雌鳥両方にある。
        ただし、家畜化する前の鶏である「セキショクヤケイ」の場合、現代の鶏とは異なり鶏冠があるのは雄のみ。雌には鶏冠がない。
      • 現代の鶏は「ホワイトレグホン」と呼ばれる白い羽をもつ卵用種が最も多い。そのため、白い羽根と赤い鶏冠が鶏の代名詞となっている。
    • 「迷企羅大将」の逆立った髪の毛。
  • 頭にヒヨコを載せている
    • 迷企羅大将像は頭にニワトリを載せている造形の物が多数ある。(興福寺の木造十二神将立像*2など)
  • 黄褐色のスカート
    • 「セキショクヤケイ」の体の色から。

参考

このページへのコメント

ニワトリ食ったか?

1
Posted by 名無し(ID:GrMQQkSm4Q) 2019年07月29日(月) 16:01:59 返信

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