東方三月精 〜 Visionary Fairies in Shrine.*1
コンプエース2016年3月号〜(以下、季刊連載)
東方三月精 〜 Oriental Sacred Place (3部) 前


第1巻

第1話 神社を動かす妖怪たち

  • 火事と喧嘩は江戸の華(作中のセリフより)
    • 江戸時代の江戸は火事、それも大火が非常に多かった。また、江戸っ子の喧嘩は威勢がよく、見物だったとされる。
      これには異説もあり、華とされたのは火事場における町火消し同士の喧嘩(縄張り意識から火事場で喧嘩が多発していた)を指しているという主張もある。
クラウンピース あたいから見たら人間の心は草木と同じ 自然なのさ
  • 草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)(参考:コトバンク:草木国土悉皆成仏
    • 日本の大乗仏教独自の思想。衆生(生き物)だけではなく、本来心がない(非情)とされる草木さらには無機物までもが成仏可能とする。
      日本のアニミズム的汎神論(あらゆるものに八百万の神が宿る)が仏教に取り込まれ融合して生まれた思想とされる。
      • 「人間の心は草木と同じ」はこの思想と類似性がある。

第2話 足元から躙り寄る地獄

  • 躙り寄る(にじりよる)
    • 膝をついた状態で少しずつ移動し、対象に近づくこと。

第3話 真夏の昼の夢

考える葦(よし)は人間である可能性もある(博麗神主)
  • 人間は考える葦(あし)である
    • 17世紀フランスの哲学者ブレーズ・パスカルの著書『パンセ』での名言として有名。
      言葉の意味については、東方儚月抄/小説 序文を参照。
考える葦が考えることを止めたのならば、地上は確かに穢れの少ない草原になるだろう。
月の民はそれを願うのか。
(『東方儚月抄 〜 Cage in Lunatic Runagate.』 序文)

備考
  • ブレーズ・パスカル
    • 哲学者としてだけではなく、数学者や物理学者としても多くの功績を残している人物。
      数学分野では「パスカルの定理」「パスカルの三角形」、流体物理学では「パスカルの原理」に名前が残っている。
      その功績から圧力の国際単位系に名を冠した「Pa(パスカル)」が採用されている。
      つまり、天気予報などでよく聞く気圧の単位「ヘクトパスカル」*2のパスカルと「人間は考える葦である」のパスカルは同一人物である。

第4話 実りの秋、地獄の秋

  • イチイの毒
    • テルペンアルカロイドと呼ばれる。摂取すると、心臓麻痺、呼吸麻痺などの症状があらわれ場合によっては死に至る。
  • オニフスベ
    • キノコの一種。大変大きいキノコで通常は20〜50僂曚匹世それ以上のモノも確認されている。
      色は白で、形はきれいな楕円形か円形で卵やボールのように見える。
      毒はなく、若いものは食用にも適している。やわらかくはんぺんのような食感で、味は淡泊らしい。
クラウンピース この焚火よりも何倍も熱い火が燃え続けている処も有る
  • 仏教における八大地獄のうち「焦熱地獄」「大焦熱地獄」か
クラウンピース このイガイガよりも何倍も鋭い棘で覆われている処も在る
  • 「衆合地獄」か

第5話 霊夢の地獄めぐり

魔理沙 本当の賢者は他人には愚者に見えるもんだから
  • 故事成語「大賢(たいけん)は愚(ぐ)なるが如し」(出典:『蘇軾』「大智は愚なるが如し」から派生)
    • 「本当に賢い人は賢さをひけらかしたりしないため、一見愚かに見えるもの。」という意味。
  • 「大賢(たいけん)は大愚(たいぐ)と見せるにあり。」
    • 古代ローマの政治家「大カトー」の言葉。
    • 「本当に賢い人は、非常に愚かな人間に見せかけているものだ。」という意味。
映姫 推定無罪ですね
  • 推定無罪
    • 近代刑事裁判の基本原則。
    • 「証拠により有罪であると立証されない限り、被告人には無罪判決が下される」こと。
      • これは(有罪であるとする)立証責任は検察にあり、被告人が(無罪の)立証責任を負うことはないことを示す。
      • これにより、裁判官は「疑わしきは被告人の利益に」を原則として判決を下すことになる。
        しばしば誤解されがちだが、この言葉の「疑わしき」は「被告人が有罪である疑い」のことではなく、
        「検察側が提示した有罪立証に対して生じた(合理的な)疑い」のことを指す。
        つまり、「合理的な疑いのある有罪立証は立証とは認められず、無罪判決が下される」ことになる。
      • 日本における法律上の根拠は以下の通り。
        刑事訴訟法 第336条 被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。」

第2巻

第6話 裏の主役は先に死ぬ

第7話 星は季節と雲の合間

  • 七夕
    • 本来は旧暦の7月7日に行われていた行事。現在の日本では、新暦の7月7日もしくは8月7日に行うことが多い。
    • 大本は中国の行事で、これが日本や韓国など周辺国に広がり今に至る。
      • 織姫(織女)と彦星(牽牛)の話も中国の説話から。
        二人が働かなくなったために引き離した「天帝」は道教の最高神。
  • 願い事を短冊に書き笹の葉に飾る
    • 願い事を短冊に書く風習は中国から日本に伝わったとされる。
      ただし、「短冊を笹の葉に飾る」のは江戸時代に生まれた日本独自の風習で他国の七夕にはない。
      • 元々は「針仕事などの手芸」や「詩歌などの芸事」の上達を願う意味があり、一種の願掛けとして短冊にその願いを記載した。
        そのため、短冊に記載する願い事は裁縫や芸事の上達などに限られていた。
        これが徐々に拡大解釈されていき、幅広い「願い事」を短冊に記するようになり、現在に至る。
      • 霊夢は信仰を得るために生まれた風習ではないかと語っているが、
        これらの風習は基本的に「民間行事」として庶民の間で広まり発展したもので宗教色は薄い。
  • 七夕飾り
    • 吹き流し
      • 織姫に供える織り糸を意味する。裁縫の上達への祈願が由来。
      • 霊夢は作中で「風向きと風力を測れる」と言っている。
        空港などに設置されている「吹き流し」は確かにその用途で使われているが、七夕飾りの由来としては間違い。
    • 投網(網飾り)
      • 漁で使用する漁網を意味する。大漁を祈願したもの。
      • 霊夢は作中で「鳥が捕まったらラッキー」と言っているが、そのような意味はない。

第8話 背中に扉がある者たち

第9話 大寒の灼熱炎祭り 前編

  • 大寒(だいかん)
    • 二十四節季の一つ。この話が掲載された2018年は1月20日〜2月4日が大寒にあたる。
      • 寒さが最も厳しくなる時季とされる。

第10話 大寒の灼熱炎祭り 後編

  • どんど焼き・三九郎
    • 地域により名称は異なるが、日本全国各地で行われる小正月の行事。
      正月飾りや古い御守り、お札等を燃やして、その炎で繭玉と呼ばれる団子を焼いて食べ、無病息災を願う。

その他

  • Visionary Fairies in Shrine
    • Visionary
      • (形容詞)幻想の〜。
    • Fairies
      • 妖精たち
    • Shrine
      • 聖地。神社。廟。

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