古池や蛙飛こむ水のおと

基角と芭蕉の句、本当の秀作はどちらだとお考えになるでしょうか？
「山吹や蛙飛こむ水のおと」と「古池や蛙飛こむ水のおと」の比較。
本来・詩歌は心の発露であって、優劣を競うこと自体が変なのです。

詩歌は共鳴の文化と捉えるべき種類の物ですし、俳句も同じ事です。
と言うよりも、全ての文学は共鳴のうえに成立する文化といえます。
山吹に共鳴するか、古池に共鳴するか、或いは他の物に共鳴するか…

水たまりや、ぬかるみを嫌う社会で、大地はアスファルトに覆われ、
四季の移り変わりが有り難がられなければ、人工的環境が考えられ、
自然の食べ物が受け入れられない社会で、人口食品が作られていく。

人は誰でも、子供時代に慣れ親しんだ場所に想いを馳せるでしょう。
山吹の里が消滅し･古池が消えたとき、子供が蛙を眺められるのは？
それなら「水族館蛙飛こむ水のおと」に共鳴するかも知れません…。

なぜ、私たちはかつて遊んだ記憶がある古池に親しみを感じるのか。
そこは日々の暮しに疲れた時に、癒し･元気づけてくれる魂の故郷。
人は故郷の古池に遊んでいた蛙を友として過した記憶を大切に思う。

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学問・文系
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2)｢古池や｣より古い発句
1)芭蕉の計画

三章：芭蕉の真実

42)芭蕉は生きている
41)金を打のべたる句
40)去来と凡兆
39)評価は自分が行なう
38)旅寝の夢
37)十三夜～雁の渡り
36)病鳫は｢取り合わせ｣です
35)選集『猿蓑』のこと③
34)選集『猿蓑』のこと②
33)選集『猿蓑』のこと①
32)心の世界は自由よね
31)心には栄養が好い
30)どうしても…でしょうか？
29)切れ字を信じない人さえ
28)蛙も烏も…有りのままに
27)俳句の切れ字の真
26)朶（えだ）と枝の違い
25)母ちゃんが悪い
24)枯枝に烏の句
23)実景のこと
22)現実と現実の取り合わせ
21)ヘタな英語も役に立つ
20)自由に遊べる宇宙
19)心が伝わる宇宙
18)心と心をつなぐ
17)秋風は白色って？
16)句姿の基本形
15)俳句は独り歩きする
14)おくのほそ道の句③
13)おくのほそ道の句②
12)おくのほそ道の句①
11)庶民派の俳句
10)芭蕉俳句のスタート台
9)蛙の哲学ですよ
8)追憶・郷愁
7)数千年の時を経ても
6)私の素敵な道標
5)家族よ・仲間よ・友達よ
4)千鳥に耳を澄ます
3)文化と言葉づかい
2)予備知識なしで読む
1)独り歩きする俳句

二章：俳句の独り歩き

36)ありがとうございました
35)談林派当時の芭蕉③
34)談林派当時の芭蕉②
33)談林派当時の芭蕉①
32)切れた関係も色いろ
31)芭蕉は中身で選んだ
30)切れ字の底力
29)山吹･古池･水族館…
28)切れ字「関節論」
27)長谷川櫂氏の成果です
26)読む価値がある本ですか
25)切れ字の意味は何ですか
24)切れ字｢や｣の役割り
23)於多福姉の「秘」
22)嗚！　一句が二句に
21)俳句に馴染まない地名
20)俳句は詩の心で遊びたい
19)俳諧は去来抄に詳しい
18)右脳と左脳の共同作業
17)古池（に）蛙飛こむ水のおと
16)乗り越えるべきは何
15)論理は整合性をもつ
14)俳句に枕詞・諧謔はない
13)解釈は正確を要件とする
12)不要な言葉などない
11)俳聖・芭蕉の道場
10)落葉に美を知る茶人
9)人間は複雑なんですよ
8)白日の下なら見えるかも
7)子規は間違ってますか？
6)俳句を比較する意味
5)描き詠み書いた俳聖
4)絵になっている俳句
3)古池に蛙は飛びこんだか
2)蛙に人間を感じるなら
1)評価は論理的がいい

一章：共々に味わう世界

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