東日本大震災は大津波惨事

 このwiki、しばらく休んでいる間にたいへんなことが起ってしまいましたね。

 東日本大震災と名づけられ、マグニチュードは9,0というとてつもない巨大地震でした。ところが、日本列島へ与えた惨害は、地震によるものよりも、その後に襲ってきた大津波でした。

 このサイトは『稲むらの火』という言葉を標題にしています。『稲むらの火』というのは、ご承知の通り津波防災のことの物語です。だから、よけいに今回の大津波にショックを受けたのです。

 そして、『稲むらの火』という物語が誕生したのは明治29年の三陸津波がきっかけだったのです。『稲むらの火』の原作になる『A LIVING GOD(生ける神)』という短編小説は、ラフカデイオ・ハーン、日本名小泉八雲が著したものです。そして、そのきっかけは明治29年の三陸津波で、かつて聞いていた安政元年(1854)の紀州広村で起った安政の南海地震の際の出来事を合せて小説にしたものでした。
 そして、この小説によって『TUNAMI』が世界語になったのです。

 先日、小泉八雲の曾孫さんが広川町の『稲むらの火の館』へ来られ、交流をしたのですが、この小説を書くための情報元は分からないとのことでした。

 それはそれとして、この物語誕生のきっかけになったのが明治の三陸津波だったので、私にとってはよけいにショックだったのです。

 『稲むらの火』が昭和12年から22年まで、5年生の国定教科書に載っていたのですが、もう一度教科書に載せてもらおうという動きがでたのもやっぱり津波でした。
 昭和58年、秋田沖を震源とする日本海中部地震という地震がありました。その後に襲ってきた小学生10数人が犠牲になったのでした。私にとっても、あのことはわすれられないのです。
 あの地震は、正午前に起りました。私は、昼食を家で食べるために帰り、テレビニュースでみていました。午後3時頃、「読売新聞大阪本社の社会部です。今日の地震・津波のことご存じですか。それで今、新聞社はごった返しているので資料を探す間がないので、概略教えてください。『稲むらの火』のことを。」という電話でした。そして、この記者さん電話をきる時に、「ああ、あの子達もこの話を知っていたら、こんなことにならなかったかも知れないのに。」この言葉が、今も私の耳からはなれません。

 今年、平成23年度の教科書改訂で、再び『稲むらの火』が教科書に掲載されました。ふしぎなご縁です。津波防災を小学校から取り上げてもらえると、よろこんでいたのが、その勉強をはじめる直前にこの大津波に襲われたいへんな被害にあってしまった。

 だけど、これで立ち止まってはいられないのですよね。もう一度防災を考え勉強したいものです。
2011年04月22日(金) 17:24:03 Modified by hiromura2005




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