階層都市とは

概要

統制機構により、山脈を階段状に区画化して建設された高層都市。
「山脈を階段状に削る」のではなく、「トレイを山脈へ食い込ませる」ような形で領土を作り
そのプレート上に街を建設することで形成されている。

複数の階層に分かれ、上から順に第一階層、第二階層と呼ぶ。
(第十三階層都市カグツチの第二階層、という言い方になる)
各階層ごとに大小様々な都市/街/集落が存在しており、高い階層ほど統制機構の関係者など高位の者が、
低い階層ほど平民や亜人が住む。これは暗黒大戦終結後に地表が魔素に覆われたため、
魔素が薄くなる高階層ほど需要が高くなる(コストも上がる)ためだと思われる。

最下層や下水施設など一部を除き、都市全体は術式で気候が調整されているため、年中快適に過ごせる。
都市の周囲には結界が張られており、具体的な効果は不明.

これを見たハクメンはイシャナの結界を思い出していた。
(イシャナの結界は「外部からの不正侵入防止」「内部からの不正脱出防止」「魔素流入防止」のため)

ちなみにラグナは、最下層の下水道から侵入していた。


地表が魔素に覆われているため、一般人が地表を通行することは難しい。
そのため各階層都市間の移動は基本的に魔操船で行われる。
また各都市間の距離が近いイカルガ連邦では、一部の都市間がロープウェイでも繋がっている。
地表を歩くのは、魔素に対抗する術があり、魔素に汚染されて狂暴化した獣を打倒できるだけの実力がある者。
かつ魔操船を使うことのできない事情がある犯罪者などに限られている。

現在ある23の階層都市は全て統制機構によって「窯」を基盤に作られている。
窯は各統制機構支部の最深部に隠され、境界に関する研究が秘密裏に行われているが、
これらの事実は隠匿されている。ラグナが各都市の統制機構支部を破壊している真の目的は
この「窯」と「素体」の破壊だった。

CPストーリーモードを読むに、恐らく各都市は十二宗家のいずれかの家によって管理されている模様。

歴史

暗黒大戦終結時。打倒した黒き獣の躰から大量の魔素が発生し世界中の地表を覆ったことで
生物が地上での生活することが難しくなったため、山脈に都市を建設したのが始まりである。
暗黒大戦で重要な役割を果たした「魔道都市イシャナ」をベースに作られているという。

ちなみに、世界には別に(統制機構による)階層都市しかないわけではなく、他にも中小の都市がある。
暗黒大戦後には(階層都市を含め)約100の都市が作られたとのこと。

元ネタ?

各都市の名称は、日本神話おける「イザナギとイザナミによる神産み」によって生まれた神様の名前と
ほぼ同等であるため、それが元ネタになっているものと思われる。詳細は下記、各都市の項を参照。


各階層都市について

第零都市・イザナギ

(CT資料集では「第壱統合都市イザナギ」、それ以降の設定では「第零都市イザナギ」となっている)

各設定資料集でのみ表記されている階層都市。暗黒大戦後、最初に完成した統合都市であるとのこと。
ただし本編開始時点では「第壱」からしか明言されておらず、また階層都市の数は「23」だと
いわれているため、この第零都市は現存していない可能性もあるが、詳細は明らかになっていない。

【補足】
 CP家庭版のストーリーモードにて、タケミカヅチの中にいたニューが、その時の風景について
 セリカの心象風景ではないかとの発言の時に「第零魔道都市イシャナです」と言っているため
 イシャナ=イザナギであることがほぼ確定かと思われる。


(以下CP家庭版発売以前の想像)
 次の理由により、第零都市はイシャナに関わる都市ではないかと思われる。

 ・CP家庭版のテルミステージ「オールドゲート」の開始時に、「The 0th rune city ISYANA」の文字。
  直訳すればそのまま「第零魔道都市・イシャナ」となり、「第零」という点でイザナギと合致する。

 ・そのステージの背景は、小説フェイズシフト1で描かれた「テルミ対トモノリ」の口絵の背景と同じ。
  なお二人の戦いはイシャナの窯が舞台である。

 ・日本神話の「イザナギ(伊邪那岐)」の語源は、仏教における十二天の一
  「伊舎那天(=インド神話のイシャーナ)」だとする説がある。

 ・CP家庭版のネットワークモードで時折登場するイシャナの姿は、他と同じく「山」「階層都市」。

 ・設定資料集などでは「イシャナが各階層都市のベースとなった」という記述がある。

 黒き獣に滅ぼされた国の重鎮たちが集まって作られた「虚空情報管理局」。
 及び後にそれに吸収され統制機構となる「十聖と十二宗家」は大戦中〜大戦直後、イシャナに集中していた。
 そのため暗黒大戦後の復興業務では、まず最初にイシャナ島を対象に階層都市の原型「第零」が
 構築されたのではないだろうか。
 (もしくは、元々イシャナ自体が「山脈+プレート」という形で構築されていたか)

 更に憶測だが、本編の時代において「魔法が喪われていること」「イシャナや十聖の存在が語られないこと」
 また本編で「十二宗家は『暗黒大戦で活躍し統制機構設立にかかわった十二の家系』とされていること」
 (本来はイシャナの都市を運営していた家系であるという事実が隠されていること)から
 統制機構は暗黒大戦以降の統治で、イシャナ/魔法という存在を隠蔽していったのではないだろうか。
 だからこそ表だってイシャナ/第零都市イザナギは本編にて語られることがなくなったのではないだろうか。



第一統合都市・オオコト

統制機構の統合本部がある都市。統制機構における意思決定機関でもあるとのこと。
またムツキ家の本家も此処にある。

【元ネタ?】
 神産みとして最初に産まれた三柱の一、大事忍男神(おおことおしおのかみ)。
 イザナギ&イザナミによる大事業(国産み=日本国土の創生)を終えたことを称える(忍男)名。

第二階層都市・イワツチ

レリウスの出身地。(となっているが…?)
イカルガ内戦時には司令本部が置かれており、終戦後には記念式典とジンへの勲章授与式が執り行われた。

【元ネタ?】
 神産みとして最初に産まれた三柱の二、石土毘古神(いわつちびこのかみ)。
 神道における家宅六神(こちらもイザナギとイザナミの子)の一柱でもある
 岩や土の男神

第三階層都市・イワス

作中における特記事項なし。
ツバキの出身地となっているが疑問点もある(ツバキの項を参照のこと)

【元ネタ?】
 神産みとして最初に産まれた三柱の三、石巣比売神(いわすひめのかみ)。
 家宅六神の二でもある岩や砂の女神。

第四階層都市・ナオビ

暗黒大戦後に事象兵器ニルヴァーナが封印された場でもあり
イカルガ内戦時に発掘され、事象兵器奪取作戦が行われた地でもある。

【元ネタ?】
 直毘神(なおびのかみ)。穢れを祓い禍を直す神。
 家宅六神の三、大戸日別神(おおとひわけのかみ)と同一視される場合がある。

第五階層都市・イブキド

元イカルガ連邦。現在は「連合階層都市イカルガ」の中心都市。
大戦中、第七機関が黒き獣を精錬しようとしたことでタケミカヅチの砲撃を受け壊滅した都市。

爆心地から半径数キロも離れた場所ですら岩や建物が融解した跡があるほどの破壊が行われた土地であり
「イブキド跡地」と呼ばれる通り、今もまったく復興はされていない。
その理由の一つとして、このイブキド(とワダツミ)が内乱における反乱軍の拠点であったことから
統制機構による復興意思の低さがあるとCPで語られている。

なおノエルが生き残らない歴史においては、壊滅どころか「消滅」しているとのこと。

【元ネタ?】
 家宅六神の四、天之吹男神(あめのいふきおのかみ)。
 その名前から「大祓詞」に登場する気吹戸主(いぶきどぬし)と同一視されることも。

第六階層都市・ヤビコ

元イカルガ連邦。
連邦崩壊後にイカルガ中央政府が置かれており、カグラ達はここから各地の管理と復興作業を行っている。
全階層都市の中で最も厳重に警戒されており、第七機関の魔操船が近づけば問答無用で撃ち落とされるとか。

【元ネタ?】
 家宅六神の五、大屋毘古神(おおやびこのかみ)。
 災厄を司る大禍津日神と同一視されることも。

第七階層都市・カザモツ

元イカルガ連邦。
イカルガ有数の観光都市で治安も悪くない。でかい湖に面した港があり、魚がうまいという。
素材を生かした素朴でおいしく体に良い料理が多いのも特徴で、パスタは絶品だとか。
濃厚チーズと厚切りベーコンのピザが名物。
各階層都市と接続しているロープウェイがあるが、途中に魔素の濃い所があり日が落ちると運行を終了する。

【元ネタ?】
 家宅六神で最後に産まれた六、風木津別之忍男神(かざもつわけのおしおのかみ)。

第八階層都市・ワダツミ

元イカルガ連邦。バングの故郷。ココノエの出身地でもある。

内戦時代はテンジョウが領主を務めていた。テンジョウがいる「城」の周囲には
特殊な法陣が施され、内部が守られていたという。また、その城には「窯」もあったとか。
イブキド崩壊後も「ワダツミがあれば戦争(イカルガ内戦)は継続できる」と語られた。

内戦にて完全に崩壊し、今は廃墟となった城とその城下が残されている。

【元ネタ?】
 オオワタツミ(大綿津見神・大海神)。
 その名の通り海の神だが、同じくイザナギから海の統治を任されたスサノオとは別の神。
 浦島太郎に出てくる「乙姫」の父親(竜宮城の主)とされることも。


第九階層都市・アキツ-甲

※初期設定では第九・第十のどちらも「アキツ」だったが、後に「甲」と表記が区別された。

元イカルガ連邦。プラチナの出身地。第十とは姉妹都市。
2198年にラグナによって統制機構支部と窯が潰されたことで、術式に依る気候調節ができなくなっており、
本編中においては、市街は天候が荒れ雪が降る「スノータウン」となっていた。

ちなみに窯がラグナに破壊された後、その跡地から「何か」が運び出されていた。
統合本部の命令で、諜報部が「人型の何か」を運び去っていたと言い
また彼らはそれを「出来損ない」と呼んでいたとか。(精錬できなかった素体のことだと思われる)

なおCS2ではプラチナの出身地として、アキツと共に「(フランス)」という表記があるが
これが「アキツ=フランス」なのか、「(中の人である)トリニティの出身地が実はフランス」なのか
それともほかの意味があるのかは不明。ちなみにこの表記は次回作以降では消えている。

※トリニティと仲の良いセリカの必殺技名にフランス関連の料理名が採用されているあたり、
 もしかしたら後者の意味なのかもしれない。

【元ネタ?】
 神産みにて生まれた男女一対の神
 速秋津比古神(はやあきつひこのかみ)と速秋津比売神(はやあきつひめのかみ)。
 古事記では別名水戸神(みなとのかみ)とされる「港」に関する神。
 日本書紀においては速秋津日命(はやあきつひのみこと)として1柱の神に纏められている。
 という点で甲乙の姉妹都市という設定にもつながっていると思われる。

第十階層都市アキツ-乙

元イカルガ連邦。第九とは姉妹都市。

なお一部設定資料集で、「イカルガ連邦は五つの都市が集まった」と書かれていたが、5〜10だと
6都市になる。単純な間違いなのか、内戦初期には含んでいなかったのか?
(設定上、数年かけて周囲の都市も徐々に参画したと語られている)
もしくは当時は1つの都市だったとか?

第十一階層都市・シナツ

イズモ地方に位置する。 
なお「イズモ地方」とは具体的にどの地域&どの範囲にあるのかは不明。以下同じ。
マコトの出身地。

【元ネタ?】
 古事記では志那都比古神(しなつひこのかみ)、
 日本書紀では級長津彦命(しなつひこのみこと)と表記される風の神。
 本来は男女一対の神であり、社伝や祝詞において天御柱命は志那都比古神(男神)、
 国御柱命は志那都比売神(しなつひめのかみ)(女神)であるとされている。

第十二階層都市・ククノチ

イズモ地方に位置する。
獣兵衛の出身地だとされている。

【元ネタ?】
 日本神話における木の神。
 古事記では久久能智神、日本書紀では句句廼馳と表記される。

第十三階層都市・カグツチ

イズモ地方に位置する都市。
CTとCSの舞台である都市。まだ建設途中のため「未完成都市」とも呼ばれている。
下層部にはオリエントタウンと、イカルガから逃げてきた難民が住む浪人街があり、
最下層にはカカ族の村もある
(というか先に山の麓に住んでいたのはカカ族のほうであり、後から人間が階層都市を作った)

その窯は、境界の「最も深淵」に繋がっているとか。

【元ネタ?】
 記紀神話における火の神。
 古事記では火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ;加具土命)などと表記される。
 また、『日本書紀』では、軻遇突智(かぐつち)と表記されることも。
 本作では十三番目となっているが、神産みの順番としてはノヅチやトリフネの後とされる。

 火の神であるが故、出産時にやけどを負ったイザナミが、これがもとで病にかかり死んでしまう。
 それに怒ったイザナギが、カグツチを十束剣(とつかのつるぎ)で殺しているのだが
 この十束剣は後にスサノオに渡ったともされている。

第十四階層都市・ノヅチ

イズモ地方に位置する。

【元ネタ?】
 古事記では鹿屋野比売神(かやのひめ)、別名が野椎神(のづちのかみ)であると記された草の女神。
 日本書紀では草祖草野姫(くさのおやかやのひめ)と表記される。
 大山津見神(おおやまつみ)との間に八柱(四対)の神を設けている。

第十五階層都市・トリフネ

イズモ地方に位置する。
都市丸ごと一つが統制機構の士官学校に使われている学園都市。他の階層都市よりは小規模とのこと。
何十万人も住んでいるが、その8割が学園関係者。
学生は年に一度の休暇を除いて、ずっとここで暮らしているとか(作品により描写は異なる)

詳細は「士官学校」の項を参照のこと

【元ネタ?】
 日本神話に登場する神であり、また神が乗る船の名前。天鳥船神(あめのとりふねのかみ)。
 日本書紀においては、三貴子より先に生まれた不具の子「蛭子(ひるこ)」を
 流した(捨てた)際に乗せた船だとされている。

第十六階層都市・オオゲツ

特記事項なし

【元ネタ?】
 日本神話に登場する大宜都比売(おおげつひめのかみ)。
 穀物の神であり、四国 阿波の国としても語られる女神。

 穀物の神なので食材として自由に取り出すことができるのだが
 「ただし食材は尻からでる」(尻に限らず鼻や口などからも出るが)ため
 そんな所から出た物を喰わされたと怒った別の神によって殺されることになる。
 なお、その犯人は古事記ではスサノオ、日本書紀ではツクヨミとなっていたりする。

第十七階層都市・ヤマツミ

特記事項なし

【元ネタ?】
 イザナギがカグツチを斬った際に生まれたとされる大山津見神(おおやまつみ)。
 ノヅチ(野椎神)との間に八柱(四対)の神を設けているが、それとは別に
 「オオヤマツミの子」を名乗る神も多く登場している。
 例えばスサノオの妻となるクシナダの父母もそうで、いわばスサノオの義祖父になる。

第十八階層都市・カナヤマ-ヤマビコ

第十九とは姉妹都市。
初期設定ではどちらも「カナヤマ」だったが、後に「ヤマビコ」と区別された。

【元ネタ?】
 金山毘古神(かなやまびこのかみ)、金山毘売神(かなやまびめのかみ)。
 いずれもカグツチを生んだことで病んだイザナミの吐瀉物から生まれた鉱山の神。
 古事記では二柱とも化生するが、日本書紀では「金山彦神」として一柱のみ化生する。

第十九階層都市・カナヤマ-ヤマビメ

第十八とは姉妹都市。
初期設定ではどちらも「カナヤマ」だったが、後に「ヤマビメ」と区別された。

第二十階層都市・ハニヤス-ヤスビコ

第二十一とは姉妹都市。
初期設定ではどちらも「ハニヤス」だったが、後に「ヤスビコ」と区別された。

【元ネタ?】
 波邇夜須毘古神(はにやすひこのかみ)・波邇夜須毘売神(はにやすひめのかみ)
 こちらもカグツチを生んで病んだイザナミの「大便」から生まれた神。
 日本書紀では「埴安神(はにやす)」とされる土の神である。

 その生誕の理由(大便)から、ミズハと共に厠(トイレ)の神、肥料の神ともされ
 また小学校の七不思議における「トイレの花子さん」と同一視、ないし祖とする説もある。
 土の神ということで、現代においても建築の際の地鎮祭などで祭られている場合もある。

第二十一階層都市・ハニヤス-ヤスビメ

第二十とは姉妹都市。
初期設定ではどちらも「ハニヤス」だったが、後に「ヤスビメ」と区別された。

第二十二階層都市・ミズハ

特記事項なし

【元ネタ?】
 古事記では弥都波能売神(みづはのめのかみ)
 日本書紀では罔象女神(みつはのめのかみ)と表記される水の神。
 カグツチを生んで病んだイザナミの「尿」から生まれた神。

 その生誕の理由(尿)から、ハニヤスと共に厠(トイレ)の神、肥料の神ともされ
 説によっては完全に同一視される場合もある。

第二十三階層都市・ワクムスビ

特記事項なし

【元ネタ?】
 ミズハと同じく、イザナミの「尿」から生まれた和久産巣日神(わくむすびのかみ)。
 穀物の生育をつかさどる神

 古事記では食物神である豊受比売神(とようけひめ)を生んでいるのだが、
 この豊受比売神は、食物である穀物を司るオオゲツと同一視されることもある。

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