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19年11月1日 合同分科会 議事録13

議事録1         10 11 12 >13 14 15


○渡邉委員 この議論をするときに、バウチャーについてのリスクというのをやはり皆さん認識されるべきだと思うんですね。先ほどの門川委員のご意見ですと、リスクがあるからやらないということですが、リスクがあるけれども、そのリスクをどうヘッジして、メリットが大きいからやるという考え方。この2つの選択の中でしっかりと議論がされるべきだと思います。

 その中で、私は今、このバウチャーについて一番大事だと思っている点は2点ありまして、1つはやはり教育委員会がしっかり機能することによって、ミニマムスタンダードが絶対どこでも守られると。この前提がなければ、バウチャーとか学校選択制は絶対やるべきではないと。これが、ですから今の教育委員会のままでは、私は逆にバウチャー最大推進論者ですが、嫌だなと思っております。

 それからもう1つは、やはり格差、格差ということで言われておりますが、バウチャーを導入すること、もしくは学校選択制プラス奨学金の充実によって何がなされるか。これは学校経営者から言わせていただくと、貧しい子が私立に行けるということです。これこそ機会均等であって、このチャンスをつくってあげるべきだと。先ほどの「競争原理で低下するエリート」という陰山委員の意見が出ていましたが、本当に貧しい子は、学力は絶対に低下しています。これは間違いなく、ここにおいての格差が生じています。この格差に対して国が一石を投じると。貧しい子も、豊かじゃない子も、私立もしくはしっかりした教育の機会を与えるという最大の機会が、私はバウチャーもしくは学校選択制だと思っております。

○白石主査 今の渡邉委員のご発言に関連して、今、不登校の子供たちが、減ったりふえたりしているわけですけれども、多くが東京シューレという、ああいう学校外、NPOなどがやっている学校に行っている場合が多いんですが、相当学費も高い。不登校とかやり直しをして学ぶ場合にも、もしこのバウチャーが使えれば、相当教育の権利の保障というものにつながるんではないかと思います。

 池田委員、何かございませんか。

○池田座長代理 この問題につきましては、出発点から賛否両論あるということは当然のことであろうと思います。皆さんのご意見をお聞きしておりましても、子供たちの立場に立ってみて、どういうシステムが一番いいのかという観点からお話しいただいていると思いますが、本件に関しましては、ややもすれば制度や学校という側面ばかりが注目されているような気がしてなりません。やはり子供たちが一番学びやすい環境づくりという原点を忘れてはならないと思います。とりわけ小学校におきましては、我々がこれまで提言しておりますとおり、地域との密着ということが大事であり、できることならば、徳育は地域との密接なつながりのなかで学んでいってほしいと思います。

 先ほど秋田の話が出ましたが、お祭り等、地域の行事に参加することは、教育的な影響力も大きいということですね。こうしたことを考えますと、小学校、中学校、高校を一様に考えるのではなく、それぞれ年齢の段階ごとに対応すべきではないか。総合的な知に加えて、子供たちが幅広く様々な経験するには、地元とのつながりは外せないだろうとあらためて思います。

 皆さんのお話をお聞きしながら気づいたことを申し上げさせていただきましたが、子供の立場に立って考えた場合、ベストな状況というのはどういうものなのか、ここを出発点として考えますと、第1段階としましては、教育委員会や教育長、また校長の使命、役割、責任といったものを再度検証し、次のステップとしてこの問題を考えるというように、一度スイッチバックすることも1つの方法ではないかと感じております。

○白石主査 海老名委員、中嶋委員、品川委員の順番でまいりたいと思います。どうぞ。

○海老名委員 拝見しまして、徳育のことが出ていなかったような気がします。やはり徳育に関して、もう少し力を入れてほしいなと思いました。

○中嶋委員 それは前回やって、記者会見もしました。中教審のああいう方向にもかかわらず、この会は徳育をきちんと言うということで。

○海老名委員 そうですか。失礼しました。

○白石主査 ご安心ください、やりましょうということになっております。中嶋委員お願いします。

○中嶋委員 大変難しい問題に直面していると思うんですけれども、マスコミが非常に、このバウチャー制度を決めた、決めないというふうに、非常に外部世界がこの問題に興味を持っているんですよね。

 せっかく皆さんが福田内閣のもとで新しい教育をやろうということに、その点では非常に一致しているので、その辺を十分配慮した方向性を出すべきだと思うんですね。

 私は、高等教育を含めて考えますと、やっぱり教育には市場原理はなじまないというのは、確かに俗耳には入りやすいんだけど、これからの21世紀の世界のあり方を考えますと、いい意味での競争原理というのは、やっぱり避けられないと思いますね。それを平等化したところに戦後教育の大きな問題があったわけですから。

 そうしますと、やはりそういう前提で考えると、さっき野依座長がおっしゃったように、教師の力だって、教員の学力テストも、是非僕はやってほしいと思う。すごく抵抗があるかもしれないけれども、それはものすごく大事だと思いますよ。生徒の学力テストばかりやって、どうして教員の学力テストをやらないかと。そういうことも含めて考えますと、やはり教育委員会のあり方を再検討すると第一次報告でも強く出しているわけですから、そういう前提をつけて学校選択制を採用するという方向で、この会議を方向づける。学校選択制については既に我々の第二次報告でも、それから閣議決定でもしているわけですから。

 ただし、かなり誤解を招きやすいバウチャーという言葉は、今、渡邉委員自身もおっしゃっているわけですから、何となくこれは切符を切ってというようなイメージを与えちゃうんですよ。だから、バウチャーという言葉を使うのはやめて、学校選択制を方向づけるということで、この会議はまとまっていけばいいのではないか。

 現状は確かに難しいかもしれない。ただ、現状が難しいからといって、やらないというのは教育再生会議のあり方ではなくて、まさに将来に向けてどういう改革を求めるかということですから。そうすれば、門川委員のレポートの中にも、地域や教育委員会独自の判断でということは、その点では門川委員と一致しているわけですから、それにプラスして、そういう地域ないし自治体の選択、地方にはいろいろな事情がありますよね。そういう条件で方向づければ、全体が一つの方向に行くんじゃないか。そして、それは今後、いろいろ日本の進む方向にもなるんじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。


議事録1         10 11 12 >13 14 15
2008年01月13日(日) 16:59:30 Modified by ID:foT7vCcagg




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