晶葉 | はぁ〜…。 |
ライラ | お疲れ様でございますー。 |
晶葉 | やぁ、ライラか。お疲れ。 |
ライラ | アキハさん、ため息長く出てましたですねー。何かあったでございますか? |
晶葉 | 聞かれていたか。いやなに、頼まれてつくったロボットが、返品されてしまってね。 |
ライラ | おー、そのロボのことですかー?こんなにカワイイですのに…。 |
晶葉 | そうだろう?見た目も動作も、我ながら完璧な出来だよ。なのに…残念だ。 |
ライラ | んー…。返品のワケは、何でございましたですか? |
晶葉 | それがわからないんだ。軽く確認したが、今でも正常に動くし…。 |
晶葉 | しかし、『なんか怖い』と、一方的に突き返されてな。どうも、納得がいかんのだよ。 |
ライラ | 怖いですか…?……あ。 |
晶葉 | ん、どうした? |
ライラ | ライラさん、それ知ってますです。夜になるとにょきにょき、髪の毛増えるロボットですねー。 |
ライラ | 捨てても捨てても、お家に帰ってきて…頭洗ってるとき、後ろに立っているのですよー。 |
晶葉 | いろいろと混じっているな?人形なら似た話を聞くが…こいつにそんないわくはないぞ、多分。 |
ライラ | 違うですかー…。お会いしたかったですねー。 |
晶葉 | …うむ。好奇心旺盛なのは、ライラのいいところだな。 |
ライラ | ではアキハ博士、その子は、どんなロボなのでございますですかー? |
晶葉 | よくぞ聞いてくれた、ライラ助手よ。こいつはな…おみくじロボットだ! |
ライラ | ほおー、おみくじ!大吉出して、ライラさんは、幸せになりたいですよー。 |
晶葉 | あぁ、すまん。おみくじとは言ったが、運勢を占うものではないんだ。 |
ライラ | では、何が出てくるのでございますか? |
晶葉 | ずばり、元気が出る言葉だ!気分が落ち込んだときに、励ましの言葉をかけてくれる! |
ライラ | おー、面白そうでございますねー! |
晶葉 | まぁ実際は、ランダムな単語を組み合わせているだけだが。気の持ちようというやつだな |
ライラ | 元気はいっぱいほしいですから、ライラさん、やってみるのいいですか? |
晶葉 | もちろん歓迎だ。では、このボタンを押してくれ。結果の書かれた紙が出てくるぞ。 |
ライラ | 気合い入れていきますですよー。えいっ。 |
ライラ | 出ましたですー。どれどれー…『サンジノ オヤツハ アイス』。 |
晶葉 | はて、そんな言葉入れたかな…? |
ライラ | おー、ライラさんにアイス!わかってるですねー。嬉しくなりますですよ。 |
晶葉 | ともあれ、喜んでもらえて何よりだ。私もやってみるか。よっ、と…。 |
晶葉 | 『メザセ シンソウキュウメイ』…ふむ。 |
ライラ | ほー、今のアキハ博士に、ぴったりでございますですね。 |
晶葉 | そうだな。まさに今、返品の原因を調べているところだが…いや、偶然だよな? |
ライラ | すごいですねー。その子はちゃんとみんなを見てて、ぴったりな言葉をくれるのですねー。 |
晶葉 | むぅ、確かに予想外の精度だ…もしかしてそのせいで、気味悪がられてしまったのだろうか。 |
ライラ | そうなのですかー?こんなに珍しいロボ、他のどこにもいませんのにー。 |
ライラ | きっとこの子は、博士の期待に応えたくて、いっぱい頑張っているだけでございますよー。 |
晶葉 | …なるほど、助手はそう考えるか。さすがに非科学的だろう…と、言いたくなるところだが…。 |
ライラ | だがー? |
晶葉 | 頭ごなしの否定など、愚の骨頂。謎があるなら調べるのが科学者だ!フフフ、研究意欲が高まってきたぞ! |
ライラ | おー、アキハ博士の元気がもりもり出てきましたですねー!ロボのおかげでございますー。 |
晶葉 | 技術は、時に偶然の力を借りて発展していくものだ…この件も、何かのきっかけになるかもしれん。 |
ライラ | アキハ博士、その子を調べるでございますか? |
晶葉 | ああ、謎を解明してやろうじゃないか。ライラも手伝ってくれるか? |
ライラ | もちろんですよー!ライラさんは、アキハ博士の助手でございますからねー。 |
晶葉 | 有能な助手がいてくれて助かるよ。終わったら、ともにアイスを食べに行こうではないか。 |
ライラ | おー、ごほうびアイス!ライラさん、どしどし頑張りますですよー! |
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