夏樹 | ふー、お疲れさん! |
凛 | 今日は歌の練習、付き合ってくれてありがとう。 |
夏樹 | いいよ、アタシもちょうど声出したいタイミングだったしさ。そっちこそ、アタシで良かったのか? |
凛 | うん。夏樹が良かったんだ。 |
夏樹 | ヒュウ♪凛も言うねぇ。 |
凛 | ふふっ、茶化さないでよ。そういうことじゃなくてさ。 |
凛 | 夏樹は、技術の面でも感想でも、的確な意見をくれるし、具体的でわかりやすいから。 |
凛 | おかげで、練習もはかどったよ。課題もクリアできたし。 |
夏樹 | そりゃあ、良かった。アタシも新しい発見があったよ。 |
凛 | へぇ、どんな? |
夏樹 | 凛は、器用だなって。気になったことを、細かく調整して、精度を上げていく。 |
夏樹 | 大胆だけど丁寧で、表現の幅も広いし……いい刺激をもらったぜ。 |
凛 | そう言ってもらえて、安心した。 |
凛 | 貴重な時間を割いてもらった分、お互いにとって、プラスになったなら何よりだと思うし。 |
夏樹 | だな! |
凛 | あ、そうだ。さっき夏樹が言ってたアーティストって、なんだっけ? |
夏樹 | 休憩中に話してたやつか?ちょっと待ってな、スマホにも入れてあるから……あったあった。はい。 |
| 〜♪ |
凛 | いい曲だね。抵抗なく、心の奥に染みこんでくる感じ。 |
夏樹 | だろ?その人の歌い方、なんとなく凛に似てるんだよなぁ。 |
凛 | そうかな?私の歌、こんなにビブラート効いてないと思うけど……。 |
夏樹 | 声質とか技術じゃなくてさ……澄んだ歌声とか、真っ直ぐ歌に向き合う姿勢が似てる気がするんだ。 |
凛 | ふぅん……そっか。そう言われると、余計気になるかも。 |
夏樹 | よかったら、CD貸そっか?ひと通り、うちに揃ってるよ。 |
凛 | ……いや、いいよ。自分で買ってみたい。なんとなく心に残るから、手元に置いておきたいし。 |
夏樹 | ハハッ、そうかい。そりゃあ、紹介したかいがあったな。 |
凛 | あ、でも、オススメのアルバムくらいは聞いてもいい? |
夏樹 | おう、任せとけ。って、凛はCD派なんだ? |
凛 | ん?なんで? |
夏樹 | ほら、今はダウンロードも主流だし、そっちなら、好きな曲をピックアップして、一曲ずつ買えるだろ? |
凛 | ああ、確かにそうだね。ただ、今日はこのまま、CDショップに寄ろうと思ってさ。 |
夏樹 | へぇ、いいじゃん♪ |
凛 | いいアーティストを教えてもらったからかな。今、いろんな音楽を探したいって、うずうずしてるんだ。 |
夏樹 | なるほどな。そういうときは、やっぱ店に足を運ぶに限るか。 |
夏樹 | CDを一枚一枚手にとりながら、試聴して、じっくり選んだり……勘でレジに直行したりな! |
凛 | うん。夏樹もそういう感じなんだね。 |
夏樹 | ああ、アタシは大体そんな感じ。 |
夏樹 | んで、その帰り道ではさ、一刻も早く再生したくて、ずっとソワソワしてるんだ。 |
凛 | ふふ……わかるな。ただ聴くだけじゃなくて、体験として残るから、CDって特別なんだよね。 |
凛 | だから、自分のCDが、初めて店頭に並んだときは……あの光景は、今でも忘れられないよ。 |
夏樹 | そうだな。くすぐったくて、嬉しくて……最高の気持ちだ。それこそ、歌いだしたくなるくらいにな! |
凛 | うん、そうだね。ねぇ、夏樹。このあと時間ある?付き合ってよ、買い物。 |
夏樹 | オッケー♪確か、さっきのアーティストの新譜が入ってたような気がすんだよなぁ……。 |
凛 | 夏樹って、そういうサイトで情報を追ってるんだ。 |
夏樹 | そうそう。んで、こういうのもあってさ……。 |
凛 | へぇー、便利だね…………って、これじゃまたこのまま話し込んじゃうね。 |
夏樹 | おっと、悪い悪い。つい音楽の話になると、な。 |
凛 | そういうとこ、夏樹らしくていいよね。 |
夏樹 | そりゃどうも♪んじゃ、行こうぜ! |
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