ロシア/ソ連

プリゴジン「ロシアはウクライナでの戦争目的を達成した」(2023/04/14)


The Moscow Timesは2023/4/15に、ワグネル創設者プリゴジンの、ロシアによるウクライナ侵略についての最近の主張を以下のように伝えている。
[ Пригожин заявил о достижении Россией целей в Украине (2023/04/15) on The Moscow Times ]

プリゴジンは、ウクライナでのロシアの目標の達成したと発表 (2023/04/15)

「ロシアはウクライナ侵攻で達成しようとした任務を完遂した」と、民間軍事会社ワグネルの創設者で事業家エフゲニー・プリゴジンは、ある記事で述べた。

「ある意味、我々は本当に任務を達成した。我々は膨大な数のウクライナ軍戦闘員をすり潰し、『特別軍事作戦』の任務を完了したと報告できる。ロシアはアゾフ海と黒海の大部分を遮断し、ウクライナ領土の分厚い部分を押収し、クリミアへの陸路を作った」とプリゴジンは述べた。

プリゴジンは、ロシアの現在の雰囲気を振り返り、この戦争について「政府と社会全体にたいして、今日、箇条書きにする必要がある」ことに留意すべきだと述べた。プリゴジンによれば、理想的な選択肢は「特別軍事作戦の終了を発表し、ロシアが計画した結果を達成したことをすべての人に知らせること」だろう。しかし、そのためには「しっかりと足場を固め、すでに存在する領土に足を踏み入れる」必要があるとプリゴジン氏は付け加えた。

プリゴジンは、現時点で、ウクライナが反撃の準備をしており、戦争を凍結するという選択肢はありそうにないと考えている。さらに、プリゴジンは、戦争凍結が早ければ早いほど良いと確信しているが、西側は反対に、プーチンに不満を持っているエリートへの圧力を高めるためにウクライナ軍を支えて時間稼ぎをしている。これをプリゴジンは『ディープステート』と呼んでいる。プリゴジンによれば、米国はこれらのエリートたちを説得して、プーチンにアメリカ人と「合意」するよう説得させようとしている。

「2023年2月24日時点の国境の維持は、交渉の立場として、今日、米国がロシアの指導者に提示できる交換条件である。それが『劇的な一時停止』だ。もしロシア政府が拒否すれば、ウクライナ軍は攻撃を続けるだろう」とプリゴジンと述べた。

プリゴジンの意見では、この状況では、事態の展開にはさまざまなシナリオがありうる。それらの1つは、ウクライナ軍の粉砕とウクライナ領土のさらなる占領だが、プリゴジンはこれを「あまりありそうにない」と考えている。2番目のシナリオはロシアの敗北である。同時に、プリゴジンは「合意」とは異なり、この両方のシナリオがロシアのためになると確信している。というのは、『地の底に堕ちる』事態であっても、痛打から立ち直り、復讐を可能にするからだ。

「いかなる軍事的敗北の後でも、急進的な国民感情が高まり、露シアの軍事産業は10倍の努力で働き始めるだろう。経済効率は、低迷した非効率的な公的資本を叩き出すだろう。国家は官僚主義を取り除き、プロセスは透明になり、ロシアは一歩一歩、国際社会が考慮しなければならない猛烈な軍事モンスターに変わるだろう」とプリゴジンは説明した。

プリゴジンは、「合意」がロシアを崩壊の危機に陥れると確信している。 プリゴジンはこの場合「ディープステート」はロシア指導部に「譲歩をし、さまざまな口実の下で、ロシアが占領した領土をウクライナに戻す」ことを強いると述べた。 「『なぜ我々はその時戦ったのか?』という問いかけを伴うこれらのプロセスは、地域で遠心力のメカニズムを起動する。そして、アメリカ人はやりたいことをやるだろう」とプリゴジンは結論付けた。

このコンテキストで言われている「ディープステート」とは、プリゴジンのある記事での主張によれば...
「ディープステート」

軍事手段によるロシアの崩壊は起こりえない。森林、沼地、広大な領土、気候の特徴がロシアの領土を確実に防護し、巨大な要塞地域にしている。常に歴史の中で、モスクワに到達した敵は、結果として恥恥ずかしくも敗走し、帰還の途で「勝利の道」を「死の道」に変えてきた。

アングロサクソンがゼレンスキーを抑え込み、内紛を調整し、攻撃を遅らせているのはなぜか? ロシアの小国への分裂崩壊という主目標を達成するために、アメリカは迅速な戦争を必要としていない。彼らは、ディープステートの信条と勝利につながる戦争を必要としている。

ディープステートは、国家の政治的指導者と密接な関係を持っているが、独立して活動し、独自の意図を持っている国家に近いエリートのコミュニティである。これらのエリートは、さまざまな主人のために働いている。既存の政府のために働く者もいれば、長い間逃亡している人たちのために働く者もいるが、彼らはそのコネクションにより、長老たちの逃亡後の、その立場を確保している。「ディープステート」の典型的な例は、ホドルコフスキー、ドヴォルコーヴィチなどの毒蛇どもだ。 これまでに言ってきたが、国外逃亡したドボルコビッチは、彼の上位と下位にいるクズどものケツに取り残された、「ディープステート」の一員である。ディープ ステートは際限なく情報を漏らし、自らの利益のためなら、いかなる味方にも敵の側につく。ディープ ステートはロシア内のスポンジであり、一つめの端部が赤い、2つめが黒、3つめが白、4つめが緑であり、どれも簡単に接近できる。そして、どの端部も「ディプステート」の一部とつながりをがあり、そこから中心に入っていける。ロシアのディープステートは現在、深刻な危機に瀕している。

昨日の特別軍事作戦を支持した人々の多くは、今では、進行する事態に疑問を持っているか、断固として反対している。ディープステートの代表者たちは、通常の生活、古い習慣と快適さに、ただちに還えりたいと考えている。「ディープステート」は狡猾で信用できない。ヨシフ・プリゴジンの会話はその鮮明な例である。「ディープステート」はいかなる者にも擬態する。彼らは、我々の内なる、身近な、狡猾で血に飢えたカメレオンである。

会議では、彼らは沈黙し、疑問を表現する。そして、官僚的な手続きについて決定を下すとき、この戦争に勝つことを目的とした特定の行動を妨げる。今日のロシアの官僚機構は超越的なレベルにあるため、「法務官僚機構」の枠組みの中で、勝利を目指すトップのリーダーシップの決定を破壊できる。これらは内なる敵である。アレクサンドル・ドミートリエヴィチ・ベグロフの理論では、立ち入れるが、逃れることのできない「官僚ふるい」と呼ばれている。

[ "Только честный бой: никакого договорняка" (2023/04/14) on Telegra.ph ]
なお、ここで言及されている人物たちは...
  • ヨシフ・プリゴジン(1969-): ロシアの音楽プロデューサーで、ロシアの指導部をわいせつな形で批判しているファルハド・アクメドフとの会話の録音を2023/03/25にメディアに流布されて、大衆の抗議を引き起こした。
  • アルカジー・ドボルコビッチは、ロシアのイノベーション促進機関「スコルコボ財団」の代表を務めていた元副首相で、米メディアに対し反戦発言を行ったことで、主要議員たちが辞任要求をし、代表職を2022年4月18日に辞任した
  • ミハイル・ホドルコフスキーは、「最大の制裁は人材流出」と言う、打倒プーチン狙う人物。


そして、このウクライナとの戦争について、いかなる合意もあり得ないと断言する。
ロシアはいかなる合意も受け入れることはなく、公正な戦いだけを受け入れる。そして、その戦いで打ち負かされたとしても、心配することは何もない。ロシアの要塞化された国土は、その深みに侵入されることはない。そして、ロシアの人々はこれまで崩壊したことがなく、これからも決して崩壊することはない。だから公正な戦いのみを受け入れる。それは、始めるのは早ければ早いほど良い。

まとめると、ウクライナ人は攻撃する準備ができている。我々は、その攻撃を撃退する準備ができている。ロシアが結集して最強の国になるようにロシアを癒す最良のシナリオは、ウクライナ軍の攻撃である。

そして、ウクライナ軍が公正な戦いで敗北するか、ロシアが傷をなめ、筋肉を増強し、公正な戦いでライバルを再び引き裂くかのいずれかである。 したがって、ロシアの将来にとって合意という選択肢はあり得ない。そう私は考えている。

[ "Только честный бой: никакого договорняка" (2023/04/14) on Telegra.ph ]







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