理想的被害者>文献メモ

被害の社会的構築


一部の社会学者は、被害者は社会的構築物であると主張している。つまり、「逸脱者」と同じように、構築されて主位的地位(master status)になることができるアイデンティティまたはラベルである。同様に、社会は誰かを被害者として見落とす可能性がある。なぜなら、彼らは被害者の理想的なイメージに適合していないからである。

いじめの被害者と犯罪の被害者との間に強い相関関係があることを示すCSEW2017のデータは、一部の人々が自分自身を被害者と見なすようになることを示唆しているようである。実際、2人の人物はまったく同じ経験をした可能性があり、調査で犯罪の被害者であったかどうかを尋ねられた場合、「本人の自己概念と自分たちを被害者として認識している範囲」によりに、一方は「はい」、もう一方は「いいえ」と答える。

それは、社会が人々にラベルを付ける方法もある。たとえば、2人の女性が売春婦として働いるとしよう。過激なフェミニスト社会学者は、どちらもグルーミングや性的暴行の被害者であると主張するだろう。一方が16歳未満で、もう一方がそれ以上の年齢である場合、社会と法律は未成年を被害者と見なすが、成人はそうではないので、実際に彼女自身が犯罪者であると示唆する場合がありうる。2人の年齢はわずか数ヶ月しか離れていないかもしれない。英国のいくつかの町や都市でのグルーミングギャングによる児童の性的搾取の例をとると、警察や社会福祉機関が少女を児童虐待の被害者ではなく売春婦と見なしていたため、これらの犯罪を真剣に受け止めるのに長い時間がかかった。彼らは略奪的な小児性愛者の犠牲者の頭の中にイメージを持っていた、そしてそれはこれらの被害者に合っていなかった。同様に、彼らは略奪的な小児性愛者自身のイメージも持っていて、「時には女の子のボーイフレンドと呼ばれている」ような若い男性ではなく「汚い老人」を想像していた。

したがって、相互作用論者は、被害に関連する統計に対して、犯罪に関連する統計に示されるべきであるのと同じ注意を払うことを提唱するだろう。

[ Study Note: "The Social Construction of Victimhood" on Tutor2u ]

master status: Some statuses, in our society as in others, override all other statuses and have a certain priority. Race is one of these. Membership in the Negro race, as socially defined, will override most other status considerations in most other situations; the fact that one is a physician or middle-class or female will not protect one from being treated as a Negro first and any of these other things second. The status of deviant (depending on the kind of deviance) is this kind of status. [ Becker, H. S. (1963). Outsiders: Studies in the sociology of deviance. New York: Free Press. ]

主位的地位: 他の社会と同様我々の社会でも,いくつかの地位が他のすべての地位を圧倒し,なんらかの優先権を有している.人種がその一つである.ニグロ人種に属することは,社会的な集団所属の規定として,いかなる状況においてもその他の地位の考慮すべてを無効にしてしまう.ある人間が医師,あるいは中産階級の人間,あるいはまた女性であったとする.しかしもしその人間が黒人であれば,何よりもまず黒人として扱われ,その他のことは二の次とされることは間違いない.逸脱者という地位が(逸脱の種類いかんによるが)このような主位的地位である。[ 南保輔 (2011) ]








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