ヘラ:
モンスターの大本である女神ユノー(ヘラ)の疑似サーヴァント。
モンスターの女神の警告スキルは、ヘラの『百目の監視人』と起源を同じくする。
大本が力を授けた相手であるため分霊であるモンスターも気に掛けており、出会った暁には浮気者の伴侶を持った大先達として三日三晩忠告に明け暮れるありがた迷惑さんに変貌を遂げる。
なお、ユノー(ヘラ)の分霊であるモンスターだが、変質の度合いが大きいため、彼女の嫉妬深さはあまり継承していない。(ゼロではない)
また、モンスターのギリシャ神話関連人物への記述は、ユノー(ヘラ)および他の分霊たちとは必ずしも合致するものではない。
ヘラクレス:
幼少期の彼は、ヘラの乳を飲んで力強く育ったことから「
ヘラの栄光」の名を得た。
しかし、ヘラの方ではゼウスの浮気相手の子であるヘラクレスを憎んでおり、狂気を吹き込んで子殺しや親友殺しに走らせ、ヘラクレスはその贖罪のために十二の試練や
オムパレーとの奴隷契約を行うこととなった。
ギガントマキアで助けられ、ヘラクレスが死後神となってからは和解を果たしており、ヘラの分霊であるモンスターもヘラクレスのことはそこまで悪く思っていない。
ただし、アルケイデスと出会った場合は即座に殺し合いが始まる。
ディオニュソス:
ヘラはディオニュソスの母セメレーがゼウスに焼き殺されるように仕向け、さらにディオニュソスとその育ての親に狂気を吹き込み、結果、育ての親は死に、ディオニュソス自身も狂乱と放浪の生活を強いられることとなった。
また、オルフェウス教では、ヘラはディオニュソスの前世にあたるザグレウスにティーターン族をけしかけて食い殺させてたともされている。
後に、神となったディオニュソスは、ヘパイストスの黄金椅子に束縛されたヘラを助け、これによってヘラとの和解を果たしている。
「わらわが吹き込んだ狂気はとっくに晴れとるっちゅー話とちゃうねんかい。一体どないなっとんねん、あのあっぱらぱーは!」
イリス:
従者。
大本のヘラと同様に、モンスターもまたイリスのことはとても可愛がっている。
イリスは金でヘラを裏切ったことがあるそうだが、息をするように金を出すモンスターにその心配は不要である。
まず、ちんちくりんのモンスターを、イリスがヘラだと認識してくれればの話だが。
エリス:
不肖の娘?
モンスターは人類愛に篤いため、人類に悪さをしているエリスをとりあえずぶちのめす。
だが、人類を害するという点ではモンスターもさして変わらず、勝った方が人類の敵になるだけである。
ヘルメス:
ヘルメスはヘラの乳飲み子であり、大本のヘラと同様に、モンスターもまたヘルメスのことはとても可愛がっている。
立場はヘラクレスとは似ているのに憎まれもせず愛されている辺り、本当に要領のいいやつである。
ゼウスの浮気の手助けをしたりアルゴス殺されたりとだいぶ腹に据えかねたけども許した!
ヒッポリュトス:
ヘラは、ゼウスの浮気でできたアルテミスと
アポロンの誕生を散々に妨害している。
また、トロイア戦争においてはギリシャ側に味方し、トロイアに与したアルテミスとの直接戦闘を制している。
分霊であるモンスターがヘラ本体と同等の力を持っているとは思えないが、アルテミスの依代であるヒッポリュトスに対しては強気で接する。
メントル?:
過呼吸で失神するまで腹を抱えて笑い転げ続ける。
カリスト:
数多いるゼウスの浮気相手の一人。
カリストは、アルテミスに化けたゼウスによって純潔を散らされた後、アルテミスの呪いによって獣の姿に変えられ、息子によって狩られるところを哀れんだゼウスによっておおぐま座として天に上げられた。
しかし、これに怒ったヘラは、海神に命じておおぐま座を海に没して休息することを禁じたとされる。
また、物語によっては、カリストを獣に変えたのも、カリストが狩られるように仕向けたのもヘラの所業であるとするものもある。
モンスターとしては、上記の休息禁止によって一応の手打ちと考えているが、対面すれば改めて血を見ることになりそうなため、極力避けるようにしている。
カルキノス:
大蟹カルキノスは、ヘラの命によってヒュドラと戦うヘラクレスに襲いかかるが、敢え無く踏み潰された。
これを哀れんだヘラはカルキノスを天に召し、それが後の蟹座になったとされる。
ところで、カルキノスは蟹を意味する古代ギリシャ語の一般名詞であるとのことで、つまるところカルキノスとは名無しの蟹兵衛だったのではないだろうか?
アルゴス:
ヘラの巫女だったイオを犯したゼウスは、イオを牝牛の姿に変えてヘラの詰問から逃れようとするが、その結果、牝牛はヘラの所有物となってしまった。
ヘラはイオをミュケナイ(ミケーネ)の森の中につなぎ置き、普見者アルゴスにその監視を命じる。
しかし、ヘルメスは葦笛の音でアルゴスを眠らせ、これによってイオは奪われ、アルゴスもその命を失うこととなる。
なお、その後、ヘラが派遣したアブ(別の怪物とも)に追いかけられて、イオははるばるエジプトまで逃げ続ける羽目になるのだが、それはまた別の話。
なんやかいらしい嬢ちゃんかと思っとったら、あんただったんかいな、アルゴス。
小さい体にきれいな服、さらに目つきも変わってすっかり見違えたさかい、遠目ではちっとも気づかへんかったわ。
死んでサーヴァントになってからも番人とはなんともご苦労なこっちゃが、どや? しっかりやっとるか?
……うん? そんなに震えてどないした? ここはタルタロスのようにえぐい風が吹いとるから、体でも冷やしたんか?
イアソン:
「誰やあれー! あの生意気で優しかったイアソン坊やはどこ行ったんやー!」
イアソンの叔父であるイオルコス王ペリアスは、ヘラの神殿で義母を殺し、また、ヘラへの生贄をやめたことから、ヘラの怒りを買っていた。
そんな折、ケイローンの元からイオルコスに帰国していたイアソンは川を渡れず困っていた老婆を助けるが、果たしてこれはヘラの変装であった。
イアソンを気に入ったヘラはアフロディーテに依頼し、コルキス王の娘である魔女メディアがイアソンに狂愛を向けるよう呪いをかけさせた。
そして、その後、イアソンは血塗られたメディアを捨てて別の女と結婚しようとしたためにヘラの加護を失って破滅する。
ヘラがペリアスを罰するための策謀に利用され、何も知らぬままヘラに運命を狂わされたと見ることもできるイアソンの生涯だが、モンスターの見立てはそれとは異なる。
ヘラがイアソンを目にかけたのはペリアスの敵となる男だったからではなく老婆を助ける優しさ故であり、その後の諸々はヘラの強制でなくイアソン、メディア、ペリアスらの選択が織り成したものである。
それを神の傀儡だったが如く憐憫を寄せることは、彼らの人生に対する侮辱に他ならないと、モンスターは考える。
なお、モンスターはイアソンの悲惨を悲しむが、メディアに関してはあまり気に掛けていない。
オノテレイア:
「
金、あんただけはオリュンポスで唯一の常識人もとい常識神だと思っとったんやけどなー……。」
モンスターとしては
ローマでの姿の方が馴染み深いかもしれない。
堕天使ルシファー:
「いつからそんな不良に成り果てたんや
ポスポロス!!!!!!
しかも、なんやポコポコポコポコ増えよって!
自分を大安売りするなんて、たとえ天が許しても
金が許さへんで!」
ソスピタ:
オクトユノーの一柱。
人を愛する点ではモンスターと似るが、誘惑者・警告者として振る舞うモンスターと守護者・救済者であるソスピタでは相容れないところがある。
自身のように超越者として破滅と警告を導くためでもなく、ただただ寄り添って人間を甘やかして堕落させるソスピタは、モンスターの目には不気味に映る。
それと、夫でもない相手に体を許してるとかまじないわー。