作り直したやつ

1:はじめに

このシナリオは『クトゥルフの呼び声』に対応したものです。
シナリオの舞台は小さな密室となります。
時代、季節は自由に決めて構いません。
プレイヤーキャラクターは2〜人くらいを推奨します。
推奨技能は目星、聞き耳、図書館などの基本探索技能と戦闘技能。
余裕があれば医学か薬学、心理学を取っておくといいかもしれません。
また、mpを高めに設定してあると良い。。

2:あらすじ

あなた達探索者はいつも通り生活し、いつも通りに就寝する…はずだった。
心地よい微睡みから一転、ふと目覚めると正方形の部屋、中央のテーブルには真っ赤なスープ。
あなたは共に目覚めた探索者達と共に脱出することが出来るのだろうか。

NPCについて

今回NPCが二人登場する。

『12歳くらいの子供』
性別は好きなように変更可能。
無垢で健気を装うが、今回の事件を仕組んだ黒幕の魔術師である。
本来は別の体に居たが、不手際を起こし仕方なく子供の体へと精神を移す。
魔術師は探索者の中でMPが一番高い者、もしくは親密度の高い者へと懐くそぶりを見せ、共に行動しようとする。
そうして近くに居る探索者のMPを部屋から出る度1d3吸収していく。
このMPはBADEND、あるいは魔術師と戦うことになった際、精神交換もしくは支配の魔術を行う時に有効に働くだろう。
ステータスは以下の通り。

〜忠実を装う子供〜
下僕の子供 性別は好きなように 12歳
STR:4  DEX:5  INT:18 アイデア:90
CON:6  APP:13  POW:--  幸 運:--
SIZ:10 SAN:-- EDU:31 知 識:99
H P:8  M P:18  回避:10  ダメージボーナス:-1d4
――――――――――――――――――――――――――
[技能]
目星:55% 聞き耳:55% 忍び歩き:40%
隠れる:40% 応急手当:50% 中国語(母国語):40%
追跡:50% 探索者達の母国語:31% クトゥルフ神話:15%
拳銃:80%
――――――――――――――――――――――――――
[持ち物]
・武器
22口径ショート・オートマチック:20% (1d6 10m 1R3 装弾数6 耐久力6)
・防具
血まみれの白いローブ

[プロフィール]
魔術師が子供の身体に転移した状態。
情報開示は魔術師だとバレない程度に行う。
外見的特徴は身体に依存するが、精神的特徴は元のままである。
この状態の魔術師は条件を満たさないかぎり喋らない。
基本的に従うが、自らが死なないように抵抗もする。
魔術師と対峙する時、彼は口を開き本性を現すだろう。
内ももの付け根に三眼を模したマークがある。


子供の正体
〜魔術師〜
魔術師 男 ?歳
STR:9  DEX:8  INT:18 アイデア:90
CON:11  APP:3  POW:--  幸 運:--
SIZ:15 SAN:-- EDU:31 知 識:--
H P:13  M P:18  回避:16  ダメージボーナス:0
――――――――――――――――――――――――――
[技能]
--
――――――――――――――――――――――――――
[持ち物]
・武器
無し
・防具
無し
・呪文
支配...1MPと1SANをコストに対象を意のままに操ることができる。使い手と対象のPOWを対抗させ、勝てば呪文成立。瀕死のNPCに限り、いかなる命令でも従う。
精神転移...10MPと1d10SANを消費して対象と永久的に精神を交換する。犠牲者は1d20のSANを喪失する。
精神力吸引…対象から1d3のMPを吸い取ることができる。(このセッション限り)
――――――――――――――――――――――――――
探索者達と戦闘になった場合、魔術師はツァトゥグァの無形の落とし子を呼び出す。
数は人数に応じて調整。

魔術師はモンスターの生贄にされても死ぬことはない。
探索者の手で殺してもらわないと楽しくないと言うニャルの考えである。
だが、探索者が正体を見破った上でモンスターを利用するならその限りではない。
魔術師が死ぬながれになった場合、代わりにもう一人のNPCを支配し、誘導する。

☆基本的に魔術師には心理学は通用しない。だが、クリティカル、ファンブルが出たなら情報は与えても良い。
例:このスープは安全だと言うが本当か?
クリティカル→嘘をついている事が分かる
ファンブル→安全だと思えるだろう

もう一人のNPCには近づこうとしない。


『瀕死の男性、あるいは女性』
図書室で発見される人物。魔術師と性別を逆にするとわかりやすくなるかもしれない。
元魔術師の体に子供の精神が転移した状態。
記憶はないが、口調や知識等は元のまま。
追い詰められると泣き出してしまう。
手首に三眼を模したマークがついている。

入れ替わった子供 男女お好みで 25歳
STR:12  DEX:11  INT:10 アイデア:50
CON:13  APP:11  POW:10  幸 運:50
SIZ:13 SAN:30 EDU:6 知 識:30
H P:13  M P:10  回避:22  ダメージボーナス:0
――――――――――――――――――――――――――
[技能]
--
――――――――――――――――――――――――――
[持ち物]
・武器
無し
・防具
血まみれのローブ

[プロフィール]
魔術師の身体にうつされてしまった子供。
精神的特徴以外、能力は身体に依存する。
ショックから記憶喪失、パラノイア等の精神疾患を持っている。

☆パラノイア持ち、尚且つ前の出来事がトラウマとして残っている為、無意識に皆を警戒している。
その為追い詰めすぎると思わぬ反撃をくらうかも。
感覚的に危険なものを避けようとする。武器になりそうなものを探してしまう。
部屋探索後アイデアロールをして、成功すれば部屋に関する記憶を取り戻して良い。
ある特定のものを見ると少しずつ記憶がもどる。

真ん中→自分はここで目が覚めた。他にも何人かいたと思う。
下僕→妨害されてるみたいに頭痛がする。誰か居た気がする。
図書室→自分がいた時はこんなに汚れてなかった…ここは嫌だ…凄く嫌だ…
調理室→たいしたことは覚えていない。
化物→いやだ!いやだ!死んじゃう!悲鳴が聞こえる!やめて!
鍵つき本の文章→あいつを撃ったはずだ、殺したはずだ…(この中にあいつが…?)
子供が豹変した時→自分が誰か、なぜこうなったか全てを完全に思い出し、子供の中身が魔術師だと思い出す。

もう一人のNPCが気になっているようだが、怖がってあまり近づこうとしない。

3:最初の部屋

探索者達は何でもない平凡な日々を贈る中、ある日の夜に突然目を覚ます。
目を覚ますとそこは、壁も床もコンクリートで出来た四方に扉のある正方形の部屋。
探索者は白くボロいローブを着ている。所持品は無い。
財布やケータイなどは勿論、普段身につけているアクセサリーなども無い。
そして不思議な事に探索者同士はこの世界の中では、外国人であったとしてもお互いが共通の言語で喋っているかのように感じるだろう。
天井の薄暗い豆電球だけが部屋を照らし、真ん中には古い木製の長机と椅子が一つ。
更に机の上には木製の器に入った、赤い無臭のスープが一つ。
そして椅子の上には、古い紙切れが二つ落ちている。
目星をせずとも分かるが、そのうち一枚は赤い塗料のようなものでぐしゃぐしゃに汚されているにもかかわらず読むことができる。
内容は以下の通り。

〜帰りたいなら 一時間以内に 毒入りスープを飲め。
 飲むまでは 君じゃあここから 出られない。
 一時間以内に 飲めなかったら お迎えが来るぞ〜

嘘である。素直に毒入りスープを飲むとロストする。
なおこの塗料は嘘が書いてあるヒントを消そうとした犠牲者の血である。
<<目星>><<医学>><<アイデア>>のいずれかに成功すると分かるだろう。
その際のSANチェックは無し。
☆冷めるまでの時間経過はキーパーがそれぞれ、経過する時間を前もって決めておく。
基本的な数値は、真ん中の部屋から別の部屋に行ってしっかり調べ物をして、また戻ってくるのに10分かかるものとする。
時間は臨機応変に、目安は1時間
<<目星>>で裏面を見ることができる。
こちらも赤く潰されているが読むことが可能。

〜あたたかい人間の血のスープ
さめないうちに召し上がれ〜


☆もう一つには、この部屋の地図を思わしきものが記されている。
真ん中…スープの部屋
北…調理室
南…礼拝室
西…書物庫
東…下僕の部屋

真ん中の部屋に赤い液体で丸が付けてある
<<目星>><<アイデア>>に成功で豆電球が怪しいと気づく。調べると毒入り小瓶が見つかる
振るか開けるかすると中から錆びた銀の鍵も見つかる

メモの裡面の文章を見て、探索者が《アイデア》に成功すると、スープの部屋の真ん中にある赤いスープは人間の血でスープであるという事が事実であるように思る。
成功者だけは途端に鉄錆に似た悪臭がスープから込みあがるのを感じるが、それ以外の探索者は実際に教えてもらわない限りはこの臭いを感じ取ることはない。
この事実に気付いた探索者は自身の想像力から生まれた不安感から0/1d4の正気度ポイントを喪失

それ以外にもスープに大して《医学》ロールを試みる人がいればこの事実に気付けるかもしれない。
その場合に起こる正気度喪失もアイデアと同じだが、アイデアの場合とは違い専門知識を持っているからこそ得られる確信からの喪失となる。

またこのスープが血のスープである事を知らずに飲んだ場合は、スープに対して《アイデア》ロールをする事になる。
失敗した場合はそのドロリとした気味の悪い感触と味に1/1d3の正気度ポイントを喪失し、成功すると1d3/1d8の正気度を失います。
事実を知った上で飲んだならば、1/1d6の正気度喪失となる。
ただしそのままの時点ではスープを飲んでも、死に至ることは無い。
スープにはまだ毒は入っていないからだ。
もし毒のない状態でスープを飲み干してしまったのならば、誰かが新しいスープを補充しない限りは打つ手が無くなるだろう。
スープに補充させる血は、最低でも耐久力が3は減るだけ必要。
またスープは暖かく、時間が経つ事に冷めていく。
これは時計のないこの世界でのタイムリミットの目安確認として役立つだろう。


NPCの反応
子供


瀕死の人物

4:東…下僕の部屋

東の部屋は、錆びた鉄で出来た扉。
中には下僕の子供がいるが、《聞き耳》ロールをしても、中から物音は全く聞こえない。
誰かが入ってくるまで子供は微動だにしない為である。
扉は鍵がかかっているが、《鍵開け》ロールをしなくても力づくで開けられるほど脆い。
扉のSTR5に対抗して勝てば、扉は難なく開くことが出来る。
中には灯りが全くなく、更に中央の部屋も豆電球の光は届かない為、《目星》ロールに-10の補正がかかる。
扉を開けた時点で《聞き耳》ロールに成功したなら、ひたひたという足音が中から近づいて来てるのに気付くだろう。
中央の部屋まで足音の主を惹きつけるか、《目星》ロールに成功するとそれが十代半ばくらいのやつれた子供だと気付きます。
子供は探索者と同じ白いローブを着ているが、それは血に塗れていて片手には拳銃を握っています。
とても虚ろな目をしていて外見は至って普通の子供。
探索者達にとても忠実。感情もそれなりにあり、言われたことには何でも従う。好戦的な面がある。
ただし会話は出来ず、頷いたり首を振ったりなどの簡易的な意思表明しか出来ない。
彼女がいた部屋を《目星》ロールなどでしっかり確認してみると、中に紙切れがあるのに気付くだろう。
紙切れの内容は以下の通り。

〜それは 名前もない 貴方の 下僕です。
 言われたことは 嫌でも 絶対に 従います。
 無口だけど 人懐っこい 良い子なので 可愛がって あげてください〜

嘘である。
正体がバレない限りは餌をねだる子猫のように、命令されない限りは擦り寄ってついてくる。
しかし血のスープを飲めだとか、死ぬかもしれない行動をしろなどと言われたら明らかに怯え震える振りをする。
それでも強行させようとするなら、子供は従うだろう。何かしらの小細工はするだろうが...
ただしここから脱出させろ、とかこんな事をした元凶を呼び出せ、などという無理難題を命じられた場合は、首を横に振って無理だという意思を示をする。
彼女がもし死んだならば、探索者がどれだけ彼女に対して感情的だったかによって正気度ポイントの喪失量を変えると良い。
最低でも0/1d3の正気度喪失が発生する。
だが、全てはフリである為、死ぬようなことがあっても見せかけているだけ。

NPCの反応
子供


瀕死の人物

5:西の部屋

西の部屋は綺麗な木製の扉。
<<目星>>成功で下の方に赤い血のような汚れがあるのがわかる。
<<聞き耳>>をしても音は聞こえない。
鍵などはかかっていないので難なく開けることが出来る。
この部屋は中央には小さな四足の古い机があり、その上にあるキャンドル皿に乗せられたろうそくがうっすらと部屋を照らしている。
貴方達は目にするだろう。火の色とは到底思えない程鮮やかな赤色。
それはテーブルの上だけでなく、床や壁、天井に至るまで荒々しく飛び散っている。
またその中には何か肉片らしき物も見えるだろう。それらは弱々しい蝋燭の揺らめきに合わせるように、てらてらと不気味に照らされていた。
後を追うように、探索者達は異様な臭気を感じる。湿り気のある、むせ返るような鉄の臭い。
そこはまさに血の海であった。
この惨状を見た探索者達は1/1d6のSANチェック。
また、四隅には本が一杯に詰められた本棚が置いてある。
不思議な事にこの書物庫の本は、その探索者達の読みやすい母国語で書かれている為、誰でも手軽に文章を読むことができる。
もし探索者が複数居て、それぞれ別の国が母国の人同士がこの事実に気付いたならば、0/1の正気度ポイントを失う。
本棚にはいろんな本が丁寧に収められているが、どれもジャンルがバラバラのものばかりとなっている。
更に、部屋の隅に隠れるように縮こまって倒れている男性を見つけることができる。
ここで《図書館》ロールをして成功すると、いくつかの本が見つかる。

『スープの夢について』
真っ黒な本。
本はべったりと湿っていて、本に触れると僅かに甘い香りのする黒い液体が付着する。
《博物学》に成功したならば、この香りが花の蜜の香りに似ているという事に気付けるだろう。
そしてこの液体をじっくり見た上で《医学÷2》もしくは《薬学》ロールに成功すると、この液体が何らかの猛毒であるという可能性に気付ける。
これは黒い蓮によって作られた毒薬で、非常に致死性が高い。
触れただけなら害はないが、傷口からこの液体が流れ込んだりこの液体を体内に摂取してしまった場合、POT25との対抗ロールをすることになる。
失敗した者は幻覚を見て、呼吸と心拍が激しくなっていき、一分以内に心臓は疲れ果て、即死する。
成功しても耐久力とCONの1/2を失い、更に毒薬が引き起こす幻覚から0/1の正気度ポイントを失う。
本の内容は、以下の通りの事だけが記されている。

真ん中の部屋・・・ちゃんとしたスープを飲まないと出られない。メモの裏にはスープの正体が記されている。
上の部屋・・・調味料や食器が沢山置いてある。ちょっとだけ予備のスープが鍋にある。
右の部屋・・・とっても良い子が待っている。いいものを持ってるよ。
左の部屋・・・本はとっても大事だから持ち出したら駄目。ろうそくはもってける。
下の部屋・・・神様が眠っている。毒の資料がある。番人は活きのいいものを食べなきゃいなくならない。
大事な事・・・死ぬ覚悟をして飲むように。

読み終わると本の隙間から紙切れが落ちる。
震える赤い文字で「うそつき」と書いてある。
アイデアでそれが子供の書いた文字に見える。

真ん中の部屋のメモの裏のスープの正体というのは、『3:真ん中の部屋』に記載されている暖かい人間の血のスープという文章です。
上の部屋の予備のスープは、鍋にバラバラ死体と一緒に詰められている底に溜まった血です。
右の部屋のいいものとは、下僕が所持している22口径ショート・オートマチックです。
左の部屋は文字通り、本を持ってはいけずろうそくはどこにでも持って行けます。
下の部屋はチャウグナー・フォーンが不活性化状態で鎮座している事実を記し、番人が活きのいいものを食べない限り退散しない事も記してあります。

『皮表紙の本』
小さな銀製の鍵がついた本。
小瓶の中の鍵、もしくは鍵開けで開ける事ができる。
内容は精神転移の呪文が書かれた魔導書。
読むなら取得出来るだろう。
またページに擲り書きを見つける。
内容は以下の通り。

みんなしんだ
いうとおりにしたらいえにかえれるんじゃなかったの?
なんでなんでうそつきうそつきうそつき

書きなぐったような文字で読みにくいが、そのすぐ下に

おにいさんはわるいひとだった
またたくさんのひとがしんじゃう
そうなるまえにころ

と続いている。
最後の方は血しぶきで読めなくなっている。
魔導書の中身に関しては秘匿で伝える。

☆尚、この文章は当時真実を知ってしまった子供の声が文字となって現れたものである。
ゆえに詳細を聞いても分からない。

『倒れている男性』
調べてみればほんの僅かに息がある(hp1)手当をしないと死んでしまうだろう。
《応急手当》《目星》成功で彼に何発もの銃痕があることがわかる。更に《医学》で内何発かは致命傷になり得るひどいものでありながら奇跡的に生きている事が分かる。
また手首に小さな入れ墨があるのを見つける。
男性は手当をしてもらえると目をさます。しかし、一切の記憶が無い。
彼は精神転移で入れ替わった子供であるため言動はやや幼い。年上のひとには敬語をつかう。自分が元々子供であった事も分からないが、今の体に違和感を感じている。
ついていくが警戒しているような素振りを見せる
残り時間15分くらいになったら死ぬ。

ロウソクは暗闇のマイナス補正を緩和してくれるが、制限時間が残り20〜15分くらいになった頃にはなくなってしまう。
それまでに書物庫にこれない事があったりしたら、暗い中で書物を漁る羽目になるかもしれない。
もしなにか本を直接持ち出した場合、この部屋の扉が何度も開いたり閉じたりを繰り返すように動き出し、急に扉が溶け始める。
そして不定形の黒いスライムのような物体となって襲いかかってくる。
このスライムを目撃した場合、1/1d10の正気度ポイントを失う。
本を戻せば元の木製の扉へと戻る。
扉を破壊した上で本を持ち出しても、その部屋にあった別のものがスライムになって襲いかかってくるので注意。
スライムのステータスは以下の通り。

本を守る黒いスライム(ツァトゥグァの無形の落とし子)
STR:23  DEX:16  INT:15
CON:18  POW:7
SIZ:20
H P:19  M P:7  回避:32  ダメージボーナス:+2d6
――――――――――――――――――――――――――
[技能]
隠れる:50% 忍び歩き:50%
――――――――――――――――――――――――――
・武器
鞭:50% (1d6 1d3人まで攻撃可能)
触肢:50% (db)
打突:20% (2d6)
噛みつき:30% (特殊)
・防具
彼らは物理的な武器からは影響を受けない。
魔力を付与されている武器であっても影響を受けない。
物理的な武器によってつけられた傷は、傷口が開いても、パッと閉じてしまう。
呪文は彼らに影響を与える。また火、化学薬品などの影響も受ける。

[プロフィール]
黒いスライムを見て失う正気度ポイントは1/1d10

噛み付かれるとそのまま飲み込まれ、毎ラウンド締めつけによって1ずつ上昇するダメージを受ける事になる。
飲み込まれてる犠牲者は何も出来ないが、怪物を何とかして殺して救出を試みることは出来る。
スライムは飲み込んだ獲物のSIZ合計が、自分のSIZと同じになるまで1ラウンドに一回の《噛みつき》を続けることが出来る。
ただし飲み込んだ場合、位置を変える時は飲み込んだものを吐き出す。


このスライムは探索者達にはほとんど勝目の無い相手だが、どうにかする手段は存在する。
それは本をすぐに部屋に戻すか、黒い本の液体を何とかして怪物の体内に流し込む事である。
本そのものを怪物に食べさせるか、本を持った探索者が噛みつきによって飲み込まれるのが効果的だろう。
CONロールに成功すれば即死し、失敗しても飲み込んだものを吐き出し、大きな隙を見せるかもしれない。
仮に誰かが飲み込まれた状態で本を部屋に戻しても、スライムは飲み込んだものを吐き出して元の動かない姿へと戻る。

PCの反応
子供


瀕死の人物

6:北の部屋

北の部屋は、真っ白なドアノブなどがない、板のような押し扉である。
この部屋はとても綺麗な印象を受け、食器棚や調理台、ガスコンロや洗い場など様々なものがある。
部屋は幾つもの豆電球が設置されていて、この部屋は真昼のようにずっと明るい。
ガスコンロの上には蓋をしてある大きな鍋が置いてあり、その中はバラバラの死体で一杯になっている。
死体を目撃した探索者は1/1d6の正気度ポイントを失う。
この鍋の底には血が溜まっており、これはスープの予備。
ただし死体を目撃した上でそれを飲むとなると、それなりに正気度ポイントの消失も大きなものへ変わるかもしれない。
そして《目星》ロールに成功すると、調理台の隅に紙切れがあるのに気付くだろう。
内容は以下の通り。

〜大事な 調味料は 現在 在庫切れ〜

この調味料というのは、実は真っ黒な本にべったりと付着しているあの黒い液体の事を指している。
毒入りスープを飲まなければここからは逃げ出せないので、スープに自ら毒を注ぐ必要がある。
探索者はもしかすると、解毒剤が存在すると考えてる可能性もあるが…。

食器棚に注目してみると、全ての食器が銀色である事に気付く。
ここで《歴史》もしくは《オカルト》ロールに成功すると、銀には魔除けの力があり、高い精神力を象徴するものである事を知っている。
また、《地質学》や《薬学》などのロールに成功すると、銀は毒薬に多用された硫化ヒ素と合うと黒ずむ事から毒味に用いられてた事を知っているだろう。
仮に技能で毒を見分けられなかったりした場合は、銀の食器を使うと良い。
黒い蓮にも反応は示すので、毒があるかどうかはすぐに確認が出来る。
他にも包丁などのものは、簡易的な武器として扱える。

男性を連れている場合、男性に探索させようとすると50%の確率で物を落としたりして目障りである。
頭のどこかで、魔術師を殺さないと、と思っているため包丁を持ち出そうとする。

PCの反応
子供


瀕死の人物

7:南の部屋

南の部屋は、小窓付きの一回り大きな厚い鉄扉。
扉越しに《聞き耳》ロールに成功した場合、部屋の向こうから何かの荒い呼吸音と、ズルズルという何か重いものを引きずるような音を耳にする。
これは礼拝室の万人を任されている狩り立てる恐怖が、部屋を這い回っている為である。
この大きな扉には小窓があり、そこから部屋の様子を確認することが出来る。
もし小窓から中を確認すれば、ぼんやりと青白い部屋の中に一枚だけの翼を持った巨大なクサリヘビのような怪物の姿を確認するだろう。
この怪物を目撃した探索者は0/1d10の正気度ポイントを喪失。
更に薄暗い闇の中で任意のマイナス補正がかかった《目星》ロールに成功すると、部屋の奥に台座のような物を発見する。
台座の上には金属製の小箱が置いてある事も分かって良い。

この狩り立てる恐怖は、一人でも生きている人間を食べたら、部屋から居なくなる。
それまでは部屋に入ってきた者を容赦無く襲い、殺そうとしてくる。
人によっては、下僕の子供、助けた男性をわざと先に行かせて安全を確保するかもしれないが、それも選択の一つかもしれないだろう。
ただしそうしたら、部屋の中から子供の初めて発する声、即ち断末魔が響き続ける事だろう。
それは彼女が怪物に食い尽くされるまで、ずっと続く。
この断末魔を耳にした探索者は最低でも0/1d2の正気度ポイントを喪失。
犠牲者と親しくなってた人はもっと失う事だろう。
また、この正気度喪失は死の間際を目にした時や、死体を目撃した時とは別物扱いとなる。
最も怪物に食べられたのなら、部屋にはべっとりとこびりついた新鮮な血の跡しか残らないかもしれない。

狩り立てる恐怖
STR:36  DEX:19  INT:17
CON:15  POW:25
SIZ:50
H P:33  M P:25  回避:38  ダメージボーナス:+4d6
――――――――――――――――――――――――――
[技能]
聞き耳:35% 目星:35% 追跡:35%
――――――――――――――――――――――――――
・武器
噛みつき:65% (1d6)
尾:90% (組み付き)
・防具
9ポイントの皮膚、弾丸は貫通出来ない

[プロフィール]
狩り立てる恐怖を見て失う正気度ポイントは1/1d10

狩り立てる恐怖は1ラウンドに尾と噛みつきの攻撃を一回ずつ行える。

毒を所有してたとしても、勝目は非常に薄いのでまともに戦おうとは考えないほうがいいかもしれない。
仮に殺す事が出来た場合は、この部屋の安全は一応確保出来る。

『台座の箱』
この部屋の奥にある台座には輝くトラペゾヘドロンが置かれている。
金属製の子箱は不均整な形状をしており、非地球的な生命体を象った奇怪な装飾が施されている。鍵はかかっておらず、開ければ黒い多面体が入っている。
直径約10センチメートル(4インチ)程の球形に近い結晶で、不揃いな大きさの切子面を数多く備えている。
色はほぼ漆黒で、ところどころ赤い線が入っている。
多面体は、箱の内面に触れることなく、金属製の帯と奇妙な形をした七つの支柱によって、箱の中に吊り下げられている。
するとあなたは多面体の石にいいようもなく魅せられてしまう。
かたときも目を離すことができず、輝く表面をじっと見つめていると、透明になり、内部に異様な世界がいくつも形作られていくような気がしてくる。
巨大な石の塔がそびえる異界の星々、大山脈を擁し生命の気配さえない星々、
そして朦朧とした暗黒のなかでの揺らぎだけが、意識と意志の存在を告げるばかりの更に遠くの空間が貴方の心の中に浮かび上がった。
そのような名状し難い光景を見てしまった探索者は1d3/1d10のSANチェック。
また、6%の神話技能を会得する。

この箱はあらゆる時空に通じる窓であり、ニャルラトホテプを召喚する為の道具である。
しかしこれは戯れように用意されたレプリカのようなものであり、出来る事は限られている。
異界の景色を見せ、ニャルラトホテプの一部を召喚することが可能。
1時間以内にクリア出来ない場合は多面体から触手が伸び、探索者たちをいともたやすく絡め取り、いたぶるだろう。
台座には石版がはめ込まれており、トラペゾヘドロンについての説明が書かれている。
石版の近くで《目星》ロールに成功したならば、そのすぐ近くに紙切れがあるのが確認できるだろう。
紙切れの内容は、以下の通り。

〜真ん中の 弱々しい 太陽の中。
 もしくは 黒染めの 夢の知識。
 そこに 望むものは 隠れている〜

これは真ん中の部屋の豆電球の中に黒い蓮の毒が入った小瓶が隠れているという事実を示している。
加えて書物庫にある黒い本にも、黒い蓮の毒があるという事実も示している。
豆電球を壊せば真ん中の部屋は真っ暗になりますが、小瓶を床に落とすことが出来る。
黒い本ならば、本自体は持ち出せなくても毒だけを採取すれば問題なく行けるだろう。

礼拝堂の奥にある石版は、5分ほどの時間をかければ読み解く事が可能。
そこには目の前の箱が輝くトラペゾヘドロンである事実。
あらゆる時空に通じる箱であること、また混沌の彼方より「闇をさまようもの」を召喚することができるという事がわかる。
更に「闇をさまようもの」に関する事が簡潔に記されている。
これを読み解いた探索者は1d3/1d6+1の正気度ポイントを失い、3%のクトゥルフ神話技能を会得する。

PCの反応
子供


瀕死の人物

8:結末

すべての部屋を調べ終えた結果、探索者がどうなるかはその時による。

『スープを飲んだ場合』
飲む事を決定した時点でイベントが入る。
魔術師が狙いを定めた探索者はスープを飲もうとするが、急に視界が歪む。
周りの人は一口飲んだ瞬間皿を落とし、苦しみのたうち回る。
ぐにゃぐにゃと歪む視界、精神が剥がれていく感覚の中、あなたは少女が邪悪な笑みを浮かべている事に気づくだろう。
瞬間、意識は途切れ、少し後引き戻される。
動かない体、見上げればあなたはあなたに見下ろされている。
あなたは言った「大事に使ってあげるからねえ」
あなたが最後にみたのは銃口から放たれる銃弾と自分の邪悪な笑みだった。
ロスト→BADEND

『時間切れの場合』
部屋が突然暗闇に包まれた。照らしていた蝋燭の火が消えたのだろう。
次の瞬間、窓の付いた、あの化物が居た部屋の方から轟音がした。あなたたちの横を鉄のようなものが掠める。あの鉄扉だろうか。
足元を空気が流れる。否、それは空気ではない。足に纏わりつき上へ上がってくる。耳元でコウモリのような羽音が何重にも聞こえる。
視界を塞がれ恐怖する。その様子を楽しむかのように、闇はうねり、ざわめき、遊ぶように四肢を締め付け捻りあげる。
筋肉が裂け、皮膚が破け、耐え難いほどの痛みがあなたを襲う。
ゴボゴボと溢れる血に溺れながら、途切れる意識の間際、あなたは子供のような大人のような老人のような獣のようなあなたのような笑い声と赤く輝く三つの光を見た。

STR対抗とかで拷問していいかもしれない。おまかせ。
→BADEND2

『魔術師以外のNPCが死亡した場合』
なんらかの方法で死なせた場合、死に際、「やだ…やだよ…いたいよお…良い子になるから…お手伝いも勉強もちゃんとやって良い子になるからあ……ぱぱ……ままあ……」まるで小さな子供のように泣きじゃくり死んでしまう。
その後、魔術師を倒したとしても子供は帰ってこない。
ニュースでどこか見覚えのある子供が、あの時の死に様と同じ死に方をしている事を知るだろう。
→normalEND

『魔術師を倒した場合』
黒幕が子供だと特定すると今までのあどけない表情は一変する。口角は吊りあがり、ここで初めて彼女は言葉を発する
「折角我らが神の生贄になれたものを…それで?どうするつもりだ。殺すのか?この"子供"を」
そうすると男性が震え叫び出す。
「なんでなんでなんで!何で私にあいつがいるの!」泣き出してうずくまってしまう。
どうするかは探索者次第。
ただ長考するようなら「殺して…あいつを殺して…」と言ってくる

『勝利』
「神よ!何故です!!ああ!私でさえも余興にすぎないのか!!いやだ…っ嫌、だ…!!」
魔術師は喚き散らすと血を吐き出し倒れる
その瞬間、探索者の視界が歪む。
白い光に包まれたかと思うと、床が抜けるような感覚。声がする。
「愉快!愉快!勝者には褒美を!」

あなた達は眠る前に居た場所で目をさます。
怪我も何もなく目覚めるだろう。

後日あなた達は街中で見覚えのある顔を見る。
とある新興宗教員の男が死体で見つかると言う陰鬱としたニュースを吹き飛ばすように、あの時の少女…ああ彼女は両親と思しき男女に屈託なく笑いかけ、人混みへと消えて行った。

魔術師が死亡、もしくはHPが2以下になり気絶をすると魔術師の負けとなりエンディングとなる。
→TRUEEND

この空間で死んだキャラは現実世界でも死ぬことになる。
ただし魔術師を倒して生還した場合、ご褒美として一人返してくれるだろう。

時間切れとなりトラペゾヘドロンから出てくる化身を見た場合、1d10/1d100の正気度ポイントを喪失。
ニャルのステータスは以下の通りです。


にゃる
STR:80  DEX:19  INT:86
CON:50  POW:100
SIZ:90
H P:70  M P:100  回避:60  ダメージボーナス:+10d6
――――――――――――――――――――――――――
・武器
組みつき:100%
引きちぎる:100% (毎ラウンド1d6耐久力喪失)
突き刺す:100% (頭蓋骨に穴があく)
深淵を見せる:100% (毎ラウンド1d10のSANチェックが死ぬまで続く)
・防具
いかなる攻撃もきかない

呪文一覧
キーパーが望む呪文



生還報酬
クリアした…1d10
魔術師を倒した…1d6
瀕死のNPCが生きている…1d6

9:真相

ある日探索者達は、神様への生贄として、黒幕である信者にゲーム空間へ連れて来られる。
信者は長い年月を精神転移して生きてきた魔術師であり、生贄の中にから若く魔力の高い人をおこぼれで貰っていた。
スープは人を煮詰めて作った血のスープ。「毒を入れて飲めば助かる」と誘導するも、それはまったくの嘘であり、素直に飲めば神への生贄として死ぬことになる。
助かるために足掻くも、助かる道は無い。そんな様子を余興として楽しんでいた。
仮に飲まなかったとしても、味方のフリをしていた魔術師が体を乗っ取り殺していた。
しばらくはNPCとなる瀕死の人物の体にいたが、一人の子供により瀕死の怪我を負う。仕方なくその子供の体を乗っ取り、入れ替わった子供を殺した。
が、しかしこの様子を見ていた神は新たな余興を思いつく。
「この魔術師が死ぬと言う展開はどうだろう?」
そうして、殺したはずの子供をギリギリのところで生かし、ヒントを散りばめた。
今まで無かった本、メモに驚愕する魔術師を、奔走する探索者達を神は眺めるのであった…

このページへのコメント

こんばんは!今回このシナリオにてリプレイ動画を作成したいのですが、大丈夫でしょうか?
また、作成が終わった際には動画のタイトルなどここのコメントで残した方がいいでしょうか?

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Posted by みみ@甘味処。 2019年11月08日(金) 21:28:36 返信

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