死にたがり電車
最終更新：
dogura_magura 2016年01月14日(木) 08:54:54履歴
はじめに 
システム：クトゥルフ神話ＴＲＰＧ
形式：時間制限有クローズド
【注意：リアルアイデアを前提とした特殊なクリア方法・
グロテスクな表現、探索者に一時的な肉体欠損の可能性有】
時代：現代
推奨人数：1（〜2）人（シナリオの性質上、複数人でやることは推奨しない）
推奨職業：電車に乗ってくれる人ならどんな人でも
推奨技能：目星 聞き耳 精神分析
（＜戦闘技能＞所持した場合、その強さに応じて神話生物の能力値や出現回数、出現する数を増やす）
形式：時間制限有クローズド
【注意：リアルアイデアを前提とした特殊なクリア方法・
グロテスクな表現、探索者に一時的な肉体欠損の可能性有】
時代：現代
推奨人数：1（〜2）人（シナリオの性質上、複数人でやることは推奨しない）
推奨職業：電車に乗ってくれる人ならどんな人でも
推奨技能：目星 聞き耳 精神分析
（＜戦闘技能＞所持した場合、その強さに応じて神話生物の能力値や出現回数、出現する数を増やす）
【シナリオについて】
「少ない人数で短い時間に遊べて、かつ頭も使いつつ命の危機に晒される」
そんなコンセプトで制作した短編シナリオです。
ただし、一人用としておきながら強制戦闘、強制ＳＡＮチェックのあるシナリオとなっておりますので、ＫＰをする際はあらかじめ探索者の能力から敵のステータスや配置、イベントの調節などを行う必要があります。
そのため、ＫＰ任せとなってしまう投げやりな部分が多く存在する、未完成なシナリオとなっております。
どうかご了承ください。
そんなコンセプトで制作した短編シナリオです。
ただし、一人用としておきながら強制戦闘、強制ＳＡＮチェックのあるシナリオとなっておりますので、ＫＰをする際はあらかじめ探索者の能力から敵のステータスや配置、イベントの調節などを行う必要があります。
そのため、ＫＰ任せとなってしまう投げやりな部分が多く存在する、未完成なシナリオとなっております。
どうかご了承ください。
【ＫＰ情報】
自殺者を運ぶ電車内にて。
もともとは死後の世界との境界にある都市伝説的な精神世界、といった感じの場所だったのだが、ニャルラトホテプが「自殺」という愚かな行為を行う人間をおかしく思い、そんなに軽い命なら、せっかくだし楽しく有効活用しよう、とムーンビーストを放った。
探索者は、ニャルラトホテプのきまぐれで自殺者と間違われ、この電車へと乗ってしまう。
クリア条件が特殊で、「特定のキャラクターに向けて特定のキーワードを発言する」という、曖昧なものになっております。
何度か回して、クリアには十分な量のヒントを配置したつもりではありますが、本当に気づかない人は全然気づかないし、気づく人はあっさり気づくし、なんならたまたま発言しちゃってよくわからないままクリア、なんてこともありうる、ＫＰへ少しリスクの高めなシナリオ構成です。
そのためヒント量やシナリオの解釈、エンディング処理などはそれぞれＫＰさんが回すときに、皆が納得できるよう臨機応変に対応して頂きたいです。
もともとは死後の世界との境界にある都市伝説的な精神世界、といった感じの場所だったのだが、ニャルラトホテプが「自殺」という愚かな行為を行う人間をおかしく思い、そんなに軽い命なら、せっかくだし楽しく有効活用しよう、とムーンビーストを放った。
探索者は、ニャルラトホテプのきまぐれで自殺者と間違われ、この電車へと乗ってしまう。
クリア条件が特殊で、「特定のキャラクターに向けて特定のキーワードを発言する」という、曖昧なものになっております。
何度か回して、クリアには十分な量のヒントを配置したつもりではありますが、本当に気づかない人は全然気づかないし、気づく人はあっさり気づくし、なんならたまたま発言しちゃってよくわからないままクリア、なんてこともありうる、ＫＰへ少しリスクの高めなシナリオ構成です。
そのためヒント量やシナリオの解釈、エンディング処理などはそれぞれＫＰさんが回すときに、皆が納得できるよう臨機応変に対応して頂きたいです。
【導入】
あなたは一日を終え、駅で電車を待っています。
やがてアナウンスと共に電車のライトがホームに近づいてくるでしょう。あなたは乗車するため、乗車位置へ一歩足を進めます。すると、背後からやけに耳触りの良い、どこか楽しげな声がしました。
「命は粗末にするものではありませんよ」
その直後、あなたの身体はホームから線路の上へ投げ出されていました。轟音と、まばゆいばかりの電車のライトがすぐ目の前に迫っています。
その光に飲み込まれるように、あなたの意識は遠のいてしまいます。
――あなたはなんだか心地の良い、慣れ親しんだ揺れと音に、暗闇の中で意識をゆっくりと浮上させます。
どうやらそこは電車の中で、あなたは座席に座り、いつもみたいに居眠りでもしていたかのように目をつむっているようなのです。
ぼんやりとした意識のままゆるゆると目を開けると、そこはおびただしい数の「人だったはずのもの」が散らばる、この世のものとは思えぬ惨状でした。
電車内のスピーカーから、よく通る無機質な声が響きます。
「本日は当列車をご利用くださいまして、誠にありがとうございます。
途中、終点までに、３駅を通過致します。
お乗り間違えのお客様がいらっしゃいましたら、至急、乗務員にその旨をお伝えくださいますよう、お願いいたします。」
アナウンスは沈黙し、あとには電車の走る音だけ。
やがてアナウンスと共に電車のライトがホームに近づいてくるでしょう。あなたは乗車するため、乗車位置へ一歩足を進めます。すると、背後からやけに耳触りの良い、どこか楽しげな声がしました。
「命は粗末にするものではありませんよ」
その直後、あなたの身体はホームから線路の上へ投げ出されていました。轟音と、まばゆいばかりの電車のライトがすぐ目の前に迫っています。
その光に飲み込まれるように、あなたの意識は遠のいてしまいます。
――あなたはなんだか心地の良い、慣れ親しんだ揺れと音に、暗闇の中で意識をゆっくりと浮上させます。
どうやらそこは電車の中で、あなたは座席に座り、いつもみたいに居眠りでもしていたかのように目をつむっているようなのです。
ぼんやりとした意識のままゆるゆると目を開けると、そこはおびただしい数の「人だったはずのもの」が散らばる、この世のものとは思えぬ惨状でした。
電車内のスピーカーから、よく通る無機質な声が響きます。
「本日は当列車をご利用くださいまして、誠にありがとうございます。
途中、終点までに、３駅を通過致します。
お乗り間違えのお客様がいらっしゃいましたら、至急、乗務員にその旨をお伝えくださいますよう、お願いいたします。」
アナウンスは沈黙し、あとには電車の走る音だけ。
【この電車について】
四両編成。つくりは一般的な電車と同じ。揺れで進行方向もわかって構わない。
窓の外は真っ暗で、それがどこまでも続いている。電車の外に落ちた場合は探索者ロストとなる。
窓は普通に開けることが可能。屋根の上に上る場合は＜登攀＞の技能が必要。
ただし、屋根の上には屋根を覆い尽くす数のムーンビースト達がひしめいており、目撃した場合はＳＡＮチェックとなる。（外は暗いため、姿をはっきりとらえられないということにしてＳＡＮ減少の値を減らしてもよいかもしれない）気づかれれば、襲われるかもしれない。
もしも緊急停車ボタンを探した場合、スピーカーとマイク付の非常ボタンが見つかる。一度乗務員と通信がつながり、用件を伝えて緊急停車してもらう形のもの。押した場合、アナウンスと同じ声で
「どうかゆっくりと旅をお楽しみくださいませ……」と言われる。（最後尾の車両にいる乗務員とつながるので一方的に話すだけで話は聞いてくれない）
最後の方はノイズが掛かっており聞き取りにくく、＜聞き耳＞を-20して成功させると、最後に「死にたがり様」と言っているのが聞こえる。直後、窓の外に何か巨大な動くもの（ムーンビースト）を目撃する。（ギミックヒント）
窓の外は真っ暗で、それがどこまでも続いている。電車の外に落ちた場合は探索者ロストとなる。
窓は普通に開けることが可能。屋根の上に上る場合は＜登攀＞の技能が必要。
ただし、屋根の上には屋根を覆い尽くす数のムーンビースト達がひしめいており、目撃した場合はＳＡＮチェックとなる。（外は暗いため、姿をはっきりとらえられないということにしてＳＡＮ減少の値を減らしてもよいかもしれない）気づかれれば、襲われるかもしれない。
もしも緊急停車ボタンを探した場合、スピーカーとマイク付の非常ボタンが見つかる。一度乗務員と通信がつながり、用件を伝えて緊急停車してもらう形のもの。押した場合、アナウンスと同じ声で
「どうかゆっくりと旅をお楽しみくださいませ……」と言われる。（最後尾の車両にいる乗務員とつながるので一方的に話すだけで話は聞いてくれない）
最後の方はノイズが掛かっており聞き取りにくく、＜聞き耳＞を-20して成功させると、最後に「死にたがり様」と言っているのが聞こえる。直後、窓の外に何か巨大な動くもの（ムーンビースト）を目撃する。（ギミックヒント）
【特殊ギミックについて】
この電車内において、「死」を含む言葉を探索者として口にした場合、ムーンビーストとの遭遇ロールを行う。
具体的には、「死にたい」「死ぬしかない」など明確にネガティブな意味で使った場合は、確定でムーンビーストが窓から飛び込んでくる。
それとは違う、文脈における「死」の発言、「死にたくない」「死体」「死んでるのか」「死ね」など、とにかくなんであっても「死」が含まれる言葉の場合、シークレットで1ｄ100を振り、戦闘技能持ちの探索者がいない場合は40以下、戦闘技能持ちの探索者がいる場合は70以下の出目でムーンビーストが窓から飛び込んできて戦闘となる。それ以上の出目の場合は窓の外にムーンビーストがいた、もしくはブラフでシークレットダイスを振り、槍が窓から飛び込んできて身体をかすめた、等の描写を行う。（ＰＬにギミックに気づいてもらうため）
戦闘技能を持たない探索者の場合、頻繁に戦闘を起こす訳にもいかないため、このシークレットダイスはブラフとし、ムーンビーストをチラ見せするだけにしたり、槍が一本飛んでくるだけで済むことにしてよいかもしれない。
（※このギミックを発動させる際、「○○って言ったね？」という風に一度確認を取ることで、ＰＬが仕掛けに気づきやすくなるかもしれない）
あんまり頻繁に出現させてしまう場合、車両を破壊し、切り離して、逃げ場を失わせて探索者を追い詰める、などと言った展開にしてもよいかもしれない。
具体的には、「死にたい」「死ぬしかない」など明確にネガティブな意味で使った場合は、確定でムーンビーストが窓から飛び込んでくる。
それとは違う、文脈における「死」の発言、「死にたくない」「死体」「死んでるのか」「死ね」など、とにかくなんであっても「死」が含まれる言葉の場合、シークレットで1ｄ100を振り、戦闘技能持ちの探索者がいない場合は40以下、戦闘技能持ちの探索者がいる場合は70以下の出目でムーンビーストが窓から飛び込んできて戦闘となる。それ以上の出目の場合は窓の外にムーンビーストがいた、もしくはブラフでシークレットダイスを振り、槍が窓から飛び込んできて身体をかすめた、等の描写を行う。（ＰＬにギミックに気づいてもらうため）
戦闘技能を持たない探索者の場合、頻繁に戦闘を起こす訳にもいかないため、このシークレットダイスはブラフとし、ムーンビーストをチラ見せするだけにしたり、槍が一本飛んでくるだけで済むことにしてよいかもしれない。
（※このギミックを発動させる際、「○○って言ったね？」という風に一度確認を取ることで、ＰＬが仕掛けに気づきやすくなるかもしれない）
あんまり頻繁に出現させてしまう場合、車両を破壊し、切り離して、逃げ場を失わせて探索者を追い詰める、などと言った展開にしてもよいかもしれない。
【時間制限について】
電車内で始めのアナウンスを聞いた時点から、ＰＬ一人でボイスセッションの場合、一時間〜一時間半を目安に制限時間を設ける。一時間の場合は、二十分おきに「●駅目、ただいま通過いたしました（●には1から順に3まで。3の時は最後に「間もなく終点となります」などと付け加えてもよいかもしれない）」といったアナウンスをいれ、ＰＬを急かすようにする。この制限時間はあくまで目安であり、ＫＰの裁量で変更される。
【はじめの車両（前から三両目）（�◆法�
探索者が目を覚ます車両。
・手足をちぎられていたり、臓物をまき散らしていたり、首だけになっていたり、何かでメッタ刺しにされていたり、とにかく無残極まりない死体が床にも座席にも、荷物棚に至るまで大量に散らかっている。《ＳＡＮチェック：1+1ｄ2/1+1ｄ4》
・壁や床や窓など、車両内には真っ赤な文字で「しにたくない」とびっしり書かれている。
・進行方向とその逆側にそれぞれ扉があり、窓が付いているので先の車両を見ることもできる。
・窓の外は真っ暗であり、何も見えない。
上記４つを始めに描写すること。
○＜目星＞：「しにたくない」の文字の中に一つだけ、目立たない位置に、「やつらは死に寄ってくる」の文字を見つける。（ギミックのことを指す）
○死体への＜医学＞：人間業とは思えない、猛烈な力をもってしないと不可能な傷（四肢を無理やりちぎる等）や、細いもので貫かれたような傷が多い。（ムーンビーストであることを示唆する）それほど古い死体でもない。どの死体も拷問のごとくかなりの苦痛を伴った上で死に至ったのではと推測できる酷い有様だ。《ＳＡＮチェック：0/1》
○進行方向の車両へ続く扉の窓を覗く：先に続く扉があることから、先頭車両ではないようだ。
比較的綺麗な車両で、座席いっぱいに人が座っているのが見える。皆一様に深く俯いており顔は見えず、動く様子もない。
○進行方向とは逆の車両へ続く扉の窓を覗く：どうやら最後尾の車両のようで、奥に乗務員室らしきものが見える。暗幕が掛かっており、中は見えない。
車両内は比較的散らかっておらず、座席にスーツの男が一人、深く俯いて座っているのが見える。顔は見えない。動く様子もない。
他の車両へ続く扉については、どちらとも＜聞き耳＞を行っても電車の走行音以上は何も聞こえることはないが、屋根の上に何かがいる気配はしてもいいかもしれない。（どの車両においても）
・手足をちぎられていたり、臓物をまき散らしていたり、首だけになっていたり、何かでメッタ刺しにされていたり、とにかく無残極まりない死体が床にも座席にも、荷物棚に至るまで大量に散らかっている。《ＳＡＮチェック：1+1ｄ2/1+1ｄ4》
・壁や床や窓など、車両内には真っ赤な文字で「しにたくない」とびっしり書かれている。
・進行方向とその逆側にそれぞれ扉があり、窓が付いているので先の車両を見ることもできる。
・窓の外は真っ暗であり、何も見えない。
上記４つを始めに描写すること。
○＜目星＞：「しにたくない」の文字の中に一つだけ、目立たない位置に、「やつらは死に寄ってくる」の文字を見つける。（ギミックのことを指す）
○死体への＜医学＞：人間業とは思えない、猛烈な力をもってしないと不可能な傷（四肢を無理やりちぎる等）や、細いもので貫かれたような傷が多い。（ムーンビーストであることを示唆する）それほど古い死体でもない。どの死体も拷問のごとくかなりの苦痛を伴った上で死に至ったのではと推測できる酷い有様だ。《ＳＡＮチェック：0/1》
○進行方向の車両へ続く扉の窓を覗く：先に続く扉があることから、先頭車両ではないようだ。
比較的綺麗な車両で、座席いっぱいに人が座っているのが見える。皆一様に深く俯いており顔は見えず、動く様子もない。
○進行方向とは逆の車両へ続く扉の窓を覗く：どうやら最後尾の車両のようで、奥に乗務員室らしきものが見える。暗幕が掛かっており、中は見えない。
車両内は比較的散らかっておらず、座席にスーツの男が一人、深く俯いて座っているのが見える。顔は見えない。動く様子もない。
他の車両へ続く扉については、どちらとも＜聞き耳＞を行っても電車の走行音以上は何も聞こえることはないが、屋根の上に何かがいる気配はしてもいいかもしれない。（どの車両においても）
【最後尾の車両（� 法�
・多少血や死体はあるものの、はじめの車両ほど散らかってはいない。
・乗務員室は暗幕がかかっていて中は見えない。どうやらここが一番端の車両のようだ。
・スーツの男が深く俯き座席に座っている。
はじめに上記の描写をすること。
●スーツの男
電車の揺れや音もあり、近づかない限り生死を確かめることはできない。
近づくとどうやら荒く呼吸をしている様子がわかる。声をかけても反応はない。
顔を覗き込んだり顔を上げさせたりすると、喉元から大量の血が流れており、その喉は水平にぱっくりと裂かれ、その傷口からまだ血色の良いピンク色の舌が引っ張り出されているのを目にしてしまう。（コロンビアネクタイ）《ＳＡＮチェック：1/1ｄ3》
男は喋ることはできない。半狂気状態にあること、衰弱していることもあり、声をかけたり、筆談を促したりなどの探索者側からのアプローチには反応を示さない。しかし探索者に気づいた時点で目を動かし口をぱくぱくさせ、何かを伝えようとする様子を見せる。ここで＜アイデア＞に成功すると、声は出ていないが「死にたい、死なせてくれ、殺してくれ」と繰り返し続けているのがわかる。（苦痛に耐えかねて狂気に陥っている）
○＜オカルト＞＜歴史＞：「コロンビアネクタイ」という、昔実際に行われていた処刑法の一種。生きたまま舌を引きずり出されるという凄まじい苦痛、そして見た目の残忍さも合わさり、戦争で敵対勢力の戦意を喪失させるための見せしめに行われることもあったらしい。（この電車内において「自殺願望」は何よりも重い罪を指す。よって、長く苦しむ上見せしめの意味を成すこの処刑法を用いている。処刑人であるムーンビースト側としては、途中で生きる意志を示されても車掌共が面倒だから、というのもある）
○＜医学＞：傷口は出血を最低限に抑えるように慎重に切られたようだ。恐らくその苦痛は想像を絶するだろう。治療は大掛かりな設備がないと不可能ということがわかる。
○男の持ち物を調べるor＜目星＞： 男の服の中に滑り込んでいた、血の付いた鋭利なナイフを発見する。（もともとここに迷い込んだ別の人間の持ち物だったが、ムーンビーストがコロンビアネクタイをするのに使用していた）
「鋭利なナイフ」
＜ナイフ＞で判定を行う。
耐久値：9
ダメージ：1ｄ4+db
ある程度男を調べた任意のタイミングで、窓を割り電車の外から槍が飛んできて男の顔面を貫く。男は絶命する。割れた窓の方を見ると、てらてらと光る巨大な体の何かが屋根の上へと上っていくのを一瞬だけ見ることができるだろう。（屋根の上は危険だというヒント）《ＳＡＮチェック：0/1ｄ3》
●乗務員室
入口に鍵はかかっていない。中は薄暗く、運転のための機器類や放送機材など一般的な電車と同じ作りになっている。
そこには文字通り「人影」がいた。車掌服を纏ってはいるものの、本来露出しているはずの頭の部分は、ぱっと見る限り顔のパーツらしきものは見当たらず真っ黒いモヤのようなものになっており、その上に帽子がまるで浮いているようだった。人の形であるが人ならざるそれに探索者は得も知れぬ恐怖を感じる。《ＳＡＮチェック：1/1ｄ4》
乗務員とのコンタクト（？）が主になる場所。運転機器などはあるが、触ろうとすると乗務員に制止される。
この乗務員には目も耳もないため声をかけても反応はしないが、肩を叩くなど体に触れると探索者の方を向き、黒いモヤのような顔に真っ赤な口のようなものが現れる。
「どうかなされましたか、お客様。申し訳ございませんが、わたくしは見ての通り《車内放送のためだけ》に乗車しております。お手数ですがなにかご用事がございましたら、他の乗務員にお伝えくださいませ」
とだけ言い、またすぐ窓の外を向いてしまう。車内放送のタイミングさえ合えば、放送を行う様子を描写することで『口があること』を強調してもよいかもしれない。また、運転機器に触ろうとしたり運転を邪魔したりした場合は全力で阻止してくる。倒さない限り不可能だろう。
（※詳しい扱いはＮＰＣの欄を参照）
・乗務員室は暗幕がかかっていて中は見えない。どうやらここが一番端の車両のようだ。
・スーツの男が深く俯き座席に座っている。
はじめに上記の描写をすること。
●スーツの男
電車の揺れや音もあり、近づかない限り生死を確かめることはできない。
近づくとどうやら荒く呼吸をしている様子がわかる。声をかけても反応はない。
顔を覗き込んだり顔を上げさせたりすると、喉元から大量の血が流れており、その喉は水平にぱっくりと裂かれ、その傷口からまだ血色の良いピンク色の舌が引っ張り出されているのを目にしてしまう。（コロンビアネクタイ）《ＳＡＮチェック：1/1ｄ3》
男は喋ることはできない。半狂気状態にあること、衰弱していることもあり、声をかけたり、筆談を促したりなどの探索者側からのアプローチには反応を示さない。しかし探索者に気づいた時点で目を動かし口をぱくぱくさせ、何かを伝えようとする様子を見せる。ここで＜アイデア＞に成功すると、声は出ていないが「死にたい、死なせてくれ、殺してくれ」と繰り返し続けているのがわかる。（苦痛に耐えかねて狂気に陥っている）
○＜オカルト＞＜歴史＞：「コロンビアネクタイ」という、昔実際に行われていた処刑法の一種。生きたまま舌を引きずり出されるという凄まじい苦痛、そして見た目の残忍さも合わさり、戦争で敵対勢力の戦意を喪失させるための見せしめに行われることもあったらしい。（この電車内において「自殺願望」は何よりも重い罪を指す。よって、長く苦しむ上見せしめの意味を成すこの処刑法を用いている。処刑人であるムーンビースト側としては、途中で生きる意志を示されても車掌共が面倒だから、というのもある）
○＜医学＞：傷口は出血を最低限に抑えるように慎重に切られたようだ。恐らくその苦痛は想像を絶するだろう。治療は大掛かりな設備がないと不可能ということがわかる。
○男の持ち物を調べるor＜目星＞： 男の服の中に滑り込んでいた、血の付いた鋭利なナイフを発見する。（もともとここに迷い込んだ別の人間の持ち物だったが、ムーンビーストがコロンビアネクタイをするのに使用していた）
「鋭利なナイフ」
＜ナイフ＞で判定を行う。
耐久値：9
ダメージ：1ｄ4+db
ある程度男を調べた任意のタイミングで、窓を割り電車の外から槍が飛んできて男の顔面を貫く。男は絶命する。割れた窓の方を見ると、てらてらと光る巨大な体の何かが屋根の上へと上っていくのを一瞬だけ見ることができるだろう。（屋根の上は危険だというヒント）《ＳＡＮチェック：0/1ｄ3》
●乗務員室
入口に鍵はかかっていない。中は薄暗く、運転のための機器類や放送機材など一般的な電車と同じ作りになっている。
そこには文字通り「人影」がいた。車掌服を纏ってはいるものの、本来露出しているはずの頭の部分は、ぱっと見る限り顔のパーツらしきものは見当たらず真っ黒いモヤのようなものになっており、その上に帽子がまるで浮いているようだった。人の形であるが人ならざるそれに探索者は得も知れぬ恐怖を感じる。《ＳＡＮチェック：1/1ｄ4》
乗務員とのコンタクト（？）が主になる場所。運転機器などはあるが、触ろうとすると乗務員に制止される。
この乗務員には目も耳もないため声をかけても反応はしないが、肩を叩くなど体に触れると探索者の方を向き、黒いモヤのような顔に真っ赤な口のようなものが現れる。
「どうかなされましたか、お客様。申し訳ございませんが、わたくしは見ての通り《車内放送のためだけ》に乗車しております。お手数ですがなにかご用事がございましたら、他の乗務員にお伝えくださいませ」
とだけ言い、またすぐ窓の外を向いてしまう。車内放送のタイミングさえ合えば、放送を行う様子を描写することで『口があること』を強調してもよいかもしれない。また、運転機器に触ろうとしたり運転を邪魔したりした場合は全力で阻止してくる。倒さない限り不可能だろう。
（※詳しい扱いはＮＰＣの欄を参照）
【前から二両目の車両（��）】
目を覚ました車両から進行方向へ行った先。
・座席を埋め尽くす人数の人々が座り、全員深く俯いたまま動こうとしない。
・性別、服装、年齢層も様々である。（全員自殺者であるため）
・床や乗客たちの服には血が付いていたりもする。ただし顔は見えない。
・一席だけ空席である。その席は血まみれで、そこから引きずられたように次の車両の扉へ続く血の跡がある。その席の隣に幼稚園くらいの小さな女の子が俯いて座っている。
・まだ先への扉があることから、先頭車両ではなさそうだ。窓は真っ赤に染まっており中を伺い見ることはできない。
はじめに上記の描写を行うこと。
○乗客へのコンタクト：ここの乗客はＮＰＣの少女以外全員すでにコロンビアネクタイを施され死亡している。
ここで初めてこの惨状を目にした場合、数が多いので《ＳＡＮチェック：1/1ｄ5》。既に目撃している場合は少な目に設定するとよい。
○＜目星＞：一人の女子高生が血まみれの可愛らしい便箋を握っていることに気づく。血で汚れてほとんど読めないが、大まかな内容としては誰かを必死に励ましているように思える。手紙の最後には「死ぬとか簡単に言っちゃダメだよ」と書いている。（自殺するまで追い詰められていた女子高生への友人からの手紙。ギミックヒント）
○手紙を読んだ上で＜アイデア＞、もしくはもう一度＜目星＞：ここにいる乗客のほとんどに、喉の傷の他に手首に深い傷があったり、首にぐるりと細く赤い痕があったりと痛々しい痕跡を多々見つけることができる。もしかしたら、簡易的な遺書のようなものを身に着けているものもいるかもしれない。（死亡している乗客たちは全員自殺を図ってきた痕がある）
●空席の隣には、５歳程の少女が俯いて座っている。彼女も他の乗客と同じく俯いているが、近づくとすうすうとかすかな寝息が聞こえることから生きていることがわかる。
声をかけたりゆすったり顔を上げさせたりすると、彼女は両目から血を流しているのがわかる。そしてまるで寝起きのようにごしごしと目をこすり、（痛覚がないことのアピール）目をつむったまま不思議そうに見渡すようなしぐさをすると、探索者へ向けて
「おにいちゃん、どうしたの？」
と言う。
（血まみれの空席には彼女の兄が座っていた。少女に関する詳しいことはＮＰＣ情報に記述）
○ここから先の車両への扉は血で染まり、中は見えない。先へ進もうとした時点で＜聞き耳＞を振って貰い、失敗で小さな男の子の断末魔、成功で不明瞭ながらも「いやだ、やめて、しにたくない！しにたくないよ！」と言っている風に聞こえる。声はすぐに途切れる。クリティカルの場合、その声があっという間に遠のいていくように聞こえる。（電車の外へ放り出されたため）ここで少女を伴っていた場合、小さく不思議そうに「…おにいちゃんの声？」とつぶやく。扉はすんなりと開く。
・座席を埋め尽くす人数の人々が座り、全員深く俯いたまま動こうとしない。
・性別、服装、年齢層も様々である。（全員自殺者であるため）
・床や乗客たちの服には血が付いていたりもする。ただし顔は見えない。
・一席だけ空席である。その席は血まみれで、そこから引きずられたように次の車両の扉へ続く血の跡がある。その席の隣に幼稚園くらいの小さな女の子が俯いて座っている。
・まだ先への扉があることから、先頭車両ではなさそうだ。窓は真っ赤に染まっており中を伺い見ることはできない。
はじめに上記の描写を行うこと。
○乗客へのコンタクト：ここの乗客はＮＰＣの少女以外全員すでにコロンビアネクタイを施され死亡している。
ここで初めてこの惨状を目にした場合、数が多いので《ＳＡＮチェック：1/1ｄ5》。既に目撃している場合は少な目に設定するとよい。
○＜目星＞：一人の女子高生が血まみれの可愛らしい便箋を握っていることに気づく。血で汚れてほとんど読めないが、大まかな内容としては誰かを必死に励ましているように思える。手紙の最後には「死ぬとか簡単に言っちゃダメだよ」と書いている。（自殺するまで追い詰められていた女子高生への友人からの手紙。ギミックヒント）
○手紙を読んだ上で＜アイデア＞、もしくはもう一度＜目星＞：ここにいる乗客のほとんどに、喉の傷の他に手首に深い傷があったり、首にぐるりと細く赤い痕があったりと痛々しい痕跡を多々見つけることができる。もしかしたら、簡易的な遺書のようなものを身に着けているものもいるかもしれない。（死亡している乗客たちは全員自殺を図ってきた痕がある）
●空席の隣には、５歳程の少女が俯いて座っている。彼女も他の乗客と同じく俯いているが、近づくとすうすうとかすかな寝息が聞こえることから生きていることがわかる。
声をかけたりゆすったり顔を上げさせたりすると、彼女は両目から血を流しているのがわかる。そしてまるで寝起きのようにごしごしと目をこすり、（痛覚がないことのアピール）目をつむったまま不思議そうに見渡すようなしぐさをすると、探索者へ向けて
「おにいちゃん、どうしたの？」
と言う。
（血まみれの空席には彼女の兄が座っていた。少女に関する詳しいことはＮＰＣ情報に記述）
○ここから先の車両への扉は血で染まり、中は見えない。先へ進もうとした時点で＜聞き耳＞を振って貰い、失敗で小さな男の子の断末魔、成功で不明瞭ながらも「いやだ、やめて、しにたくない！しにたくないよ！」と言っている風に聞こえる。声はすぐに途切れる。クリティカルの場合、その声があっという間に遠のいていくように聞こえる。（電車の外へ放り出されたため）ここで少女を伴っていた場合、小さく不思議そうに「…おにいちゃんの声？」とつぶやく。扉はすんなりと開く。
【先頭車両】
・車内は血まみれであり、目覚めた車両と同じくらい死体で散らかっている。
・どうやらここは先頭車両のようで、奥に乗務員室らしきものが見える。
・ある一つの窓に大量に血が付着しており、窓枠がひしゃげている。そしてそのそばに血まみれの小さな腕が落ちていた。この状況下で腕の持ち主の姿も声もないことから探索者は想像してしまう。この腕の持ち主は窓から外に放り出され、必死にしがみついていた腕を窓枠をギロチンのように使い切り離されてしまったのだと。（この時点で兄は車内に腕だけを残し電車の外へ放り出され救出不可となっている）
・窓の傍に巨大なヒキガエルのような生き物が鎮座しており、それはちぎられた小さな腕を拾い上げると楽しげに弄んでいる。（ムーンビースト）《ＳＡＮチェック：（ルールブック表記のムーンビーストの欄を準拠）》
ここで扉を普通に開け放った場合は問答無用で戦闘となるが、こっそり中を伺ったなどの場合は＜幸運＞を振り、成功で気づかれることなく中の様子を伺うことができる。失敗の場合、シークレットダイスを振り、失敗成功に関わらずムーンビーストの槍が飛んできて扉に突き刺さり、扉を閉めることが不可能となり戦闘に突入する。
ムーンビーストは探索者に気づいた時点で子供の腕を車内に放り捨て、新しいおもちゃである探索者に狙いを定める。
●戦闘処理について
ここで出現するムーンビーストは、一度探索者を認識した上でＤＥＸ対抗などで他の車両や乗務員室などに逃げおおせられた場合にのみ、窓から自主的に屋根の上へと帰る。もしくは一定のダメージを与えれば屋根の上へと逃げ帰る。どちらにせよ、一度戦闘に突入しない限りこの場から消えることはない。
扉の近くにおり、すぐに引き返し扉を閉める場合、そこで戦闘離脱は可能だが、一発だけムーンビーストが槍の技能で槍投げを行う。成功すれば窓をブチ割り、槍が飛んでくる。障害物を隔てるため、ダメージは1ｄ4。＜回避＞＜幸運＞などで避けることができる。この後は窓から屋根の上へと撤退するため、先頭車両の探索が可能となる。
基本的に戦闘に突入した場合、車掌室に駆け込む、さっきの車両に逃げ込むのどちらであってもＤＥＸ判定を行う。少女を連れている場合はマイナス補正を付けてもよいが、ソロの場合は厳しいと感じたら無くても構わない。戦闘中、少女は基本的に不安げにおろおろとしているのみで、傍から離れようとはしない。少女がいる場合、ムーンビーストの攻撃対象をダイスで決めてもよいかもしれない。
先頭車両における彼らとの戦闘は強制だが、ギミックにより他車両での戦闘も起こりうる。
その場合でも、ＤＥＸ対抗で別の車両に逃げるか、一定のダメージを与えることができれば、戦闘終了となる。
または、組み付きからの四肢を一本でももぎ取られれば、その四肢で遊び始めるので逃走は自動成功としてもよい。深追いはせず、出現した車両のみでの戦闘となる。
（※組み付きからの四肢切断の処理について）
このシナリオ内において、ムーンビーストたちはオリジナル技能＜組み付き＞からの派生＜四肢切断＞を行う。（探索者の肉体的な意味での生存率を上げるため）
技能に成功すると四肢のどれか（足だとＤＥＸ対抗に不利となるので、ソロの場合は腕を推奨）を拘束、強く引っ張られ、そのターンからニターン後にその部位を引きちぎられてしまう。《ＳＡＮチェック：1/1ｄ2》拘束から逃れるにはＳＴＲ対抗、もしくはダメージを一度に1ｄ3（ダメージを与えた時にダイスで決める）与えなければならない。腕を拘束された場合は＜拳＞や＜ナイフ＞＜杖＞等、腕を使用する技能は使用不可かペナルティー付での使用となる。
切断されたときのダメージは一律で6（それよりも低ければ自動気絶ギリギリのダメージ）。ＣＯＮ×6で対抗を行い、失敗すると痛みのあまり気絶してしまう。ソロの場合、目が覚めるとムーンビーストはおらず、ちょうど次の駅のアナウンスが聞こえ目が覚める。（一駅分の時間経過ペナルティー）少女を伴っていた場合、「やだ、いやだ、助けて、しにたくないよ、おにいちゃん」という悲鳴で目を覚ます。数分で目覚めることはできるが、血の跡があるだけで少女の姿はない。《ＳＡＮチェック：1/1ｄ3+1》（拷問の後連れ去られ、間もなく死亡する）
ここで失った部位はシナリオクリア後にはもとに戻っており、しかしあの壮絶な苦痛は鮮明に焼き付いていた、として失った本数に応じたＳＡＮチェックを行いペナルティーとしてもよいし、奇跡的に命は助かったが、その代償は大きかった、とし、切断したままでもよい。後者は継続探索者の場合重大な後遺症となってしまうため、あまり推奨しない。
（※ムーンビーストの能力値について）
ソロも想定し、戦闘技能無しでもクリアできるようにとしたシナリオであるため、唯一の敵であるムーンビーストの能力値は、ＫＰが探索者の能力値を見てそれぞれに無茶ともならず、緩くもならず、ハラハラできるように調節を行ってほしい。
例1）戦闘技能も回避も持たない探索者一人 の場合（装甲でダメージが最低値となるため、戦闘技能に銃火器は含まれない）
探索者の技能値よりもＤＥＸ-1 ＳＴＲ+1 撤退するまでのダメージは4 槍の攻撃は行わず、組み付きを行う。一体ずつ出現させる。
例2）回避もマーシャルアーツ（又は武道）もその他銃火器以外の肉弾戦系技能を持っており、一度に1ｄ6以上のダメージを70％以上の確率で繰り出す探索者一人 の場合
探索者の技能値よりもＤＥＸ+1 ＳＴＲ+2 撤退ダメージは6 槍の攻撃は行わず、組み付きを行う。場合によっては二体以上出現させてもよいかもしれない。
例3）銃火器以外の戦闘技能持ち探索者が二人 の場合
技能値が高い方の探索者から、ＤＥＸ+2 ＳＴＲ+2 撤退ダメージは5 組み付きを主とし槍攻撃も行う。一度に二体以上出現させてもよいかもしれない。
※これらは一例であるので、あくまで参考程度に。ルールブックのムーンビーストの技能値から、その卓のＫＰの裁量で決定してください。ＰＬ目線で「あ、ちょっとキツいなもしかしたら死ぬかも」と思う程度の強さで。
○車両内の死体は鮮血滴る新鮮なものばかり。特に指定して探索しなければ、＜目星＞で落ちている子供の腕はどうやら何かを握っているようだと気づく。握られていたのはくしゃくしゃになった紙きれで、血で描かれたような震える赤い文字で「いきて」とある。（クリア条件であるキーワード）
○乗務員室は最後尾の車両と同じく暗幕がかかっており中は見えない。扉の前には張り紙があり、「申し訳ございませんが、運転中につきお話を伺うことはできかねます。ただ、どうしてもというご用事の場合はその限りではございません」とある。（耳だけの乗務員が言葉をかけられても答え以外については無視を決め込むため、まさか聞こえていないのでは？というＰＬの深読みを避けるための情報）
・どうやらここは先頭車両のようで、奥に乗務員室らしきものが見える。
・ある一つの窓に大量に血が付着しており、窓枠がひしゃげている。そしてそのそばに血まみれの小さな腕が落ちていた。この状況下で腕の持ち主の姿も声もないことから探索者は想像してしまう。この腕の持ち主は窓から外に放り出され、必死にしがみついていた腕を窓枠をギロチンのように使い切り離されてしまったのだと。（この時点で兄は車内に腕だけを残し電車の外へ放り出され救出不可となっている）
・窓の傍に巨大なヒキガエルのような生き物が鎮座しており、それはちぎられた小さな腕を拾い上げると楽しげに弄んでいる。（ムーンビースト）《ＳＡＮチェック：（ルールブック表記のムーンビーストの欄を準拠）》
ここで扉を普通に開け放った場合は問答無用で戦闘となるが、こっそり中を伺ったなどの場合は＜幸運＞を振り、成功で気づかれることなく中の様子を伺うことができる。失敗の場合、シークレットダイスを振り、失敗成功に関わらずムーンビーストの槍が飛んできて扉に突き刺さり、扉を閉めることが不可能となり戦闘に突入する。
ムーンビーストは探索者に気づいた時点で子供の腕を車内に放り捨て、新しいおもちゃである探索者に狙いを定める。
●戦闘処理について
ここで出現するムーンビーストは、一度探索者を認識した上でＤＥＸ対抗などで他の車両や乗務員室などに逃げおおせられた場合にのみ、窓から自主的に屋根の上へと帰る。もしくは一定のダメージを与えれば屋根の上へと逃げ帰る。どちらにせよ、一度戦闘に突入しない限りこの場から消えることはない。
扉の近くにおり、すぐに引き返し扉を閉める場合、そこで戦闘離脱は可能だが、一発だけムーンビーストが槍の技能で槍投げを行う。成功すれば窓をブチ割り、槍が飛んでくる。障害物を隔てるため、ダメージは1ｄ4。＜回避＞＜幸運＞などで避けることができる。この後は窓から屋根の上へと撤退するため、先頭車両の探索が可能となる。
基本的に戦闘に突入した場合、車掌室に駆け込む、さっきの車両に逃げ込むのどちらであってもＤＥＸ判定を行う。少女を連れている場合はマイナス補正を付けてもよいが、ソロの場合は厳しいと感じたら無くても構わない。戦闘中、少女は基本的に不安げにおろおろとしているのみで、傍から離れようとはしない。少女がいる場合、ムーンビーストの攻撃対象をダイスで決めてもよいかもしれない。
先頭車両における彼らとの戦闘は強制だが、ギミックにより他車両での戦闘も起こりうる。
その場合でも、ＤＥＸ対抗で別の車両に逃げるか、一定のダメージを与えることができれば、戦闘終了となる。
または、組み付きからの四肢を一本でももぎ取られれば、その四肢で遊び始めるので逃走は自動成功としてもよい。深追いはせず、出現した車両のみでの戦闘となる。
（※組み付きからの四肢切断の処理について）
このシナリオ内において、ムーンビーストたちはオリジナル技能＜組み付き＞からの派生＜四肢切断＞を行う。（探索者の肉体的な意味での生存率を上げるため）
技能に成功すると四肢のどれか（足だとＤＥＸ対抗に不利となるので、ソロの場合は腕を推奨）を拘束、強く引っ張られ、そのターンからニターン後にその部位を引きちぎられてしまう。《ＳＡＮチェック：1/1ｄ2》拘束から逃れるにはＳＴＲ対抗、もしくはダメージを一度に1ｄ3（ダメージを与えた時にダイスで決める）与えなければならない。腕を拘束された場合は＜拳＞や＜ナイフ＞＜杖＞等、腕を使用する技能は使用不可かペナルティー付での使用となる。
切断されたときのダメージは一律で6（それよりも低ければ自動気絶ギリギリのダメージ）。ＣＯＮ×6で対抗を行い、失敗すると痛みのあまり気絶してしまう。ソロの場合、目が覚めるとムーンビーストはおらず、ちょうど次の駅のアナウンスが聞こえ目が覚める。（一駅分の時間経過ペナルティー）少女を伴っていた場合、「やだ、いやだ、助けて、しにたくないよ、おにいちゃん」という悲鳴で目を覚ます。数分で目覚めることはできるが、血の跡があるだけで少女の姿はない。《ＳＡＮチェック：1/1ｄ3+1》（拷問の後連れ去られ、間もなく死亡する）
ここで失った部位はシナリオクリア後にはもとに戻っており、しかしあの壮絶な苦痛は鮮明に焼き付いていた、として失った本数に応じたＳＡＮチェックを行いペナルティーとしてもよいし、奇跡的に命は助かったが、その代償は大きかった、とし、切断したままでもよい。後者は継続探索者の場合重大な後遺症となってしまうため、あまり推奨しない。
（※ムーンビーストの能力値について）
ソロも想定し、戦闘技能無しでもクリアできるようにとしたシナリオであるため、唯一の敵であるムーンビーストの能力値は、ＫＰが探索者の能力値を見てそれぞれに無茶ともならず、緩くもならず、ハラハラできるように調節を行ってほしい。
例1）戦闘技能も回避も持たない探索者一人 の場合（装甲でダメージが最低値となるため、戦闘技能に銃火器は含まれない）
探索者の技能値よりもＤＥＸ-1 ＳＴＲ+1 撤退するまでのダメージは4 槍の攻撃は行わず、組み付きを行う。一体ずつ出現させる。
例2）回避もマーシャルアーツ（又は武道）もその他銃火器以外の肉弾戦系技能を持っており、一度に1ｄ6以上のダメージを70％以上の確率で繰り出す探索者一人 の場合
探索者の技能値よりもＤＥＸ+1 ＳＴＲ+2 撤退ダメージは6 槍の攻撃は行わず、組み付きを行う。場合によっては二体以上出現させてもよいかもしれない。
例3）銃火器以外の戦闘技能持ち探索者が二人 の場合
技能値が高い方の探索者から、ＤＥＸ+2 ＳＴＲ+2 撤退ダメージは5 組み付きを主とし槍攻撃も行う。一度に二体以上出現させてもよいかもしれない。
※これらは一例であるので、あくまで参考程度に。ルールブックのムーンビーストの技能値から、その卓のＫＰの裁量で決定してください。ＰＬ目線で「あ、ちょっとキツいなもしかしたら死ぬかも」と思う程度の強さで。
○車両内の死体は鮮血滴る新鮮なものばかり。特に指定して探索しなければ、＜目星＞で落ちている子供の腕はどうやら何かを握っているようだと気づく。握られていたのはくしゃくしゃになった紙きれで、血で描かれたような震える赤い文字で「いきて」とある。（クリア条件であるキーワード）
○乗務員室は最後尾の車両と同じく暗幕がかかっており中は見えない。扉の前には張り紙があり、「申し訳ございませんが、運転中につきお話を伺うことはできかねます。ただ、どうしてもというご用事の場合はその限りではございません」とある。（耳だけの乗務員が言葉をかけられても答え以外については無視を決め込むため、まさか聞こえていないのでは？というＰＬの深読みを避けるための情報）
【運転室】
・最後尾の運転室と同じく、黒いもやが制服を纏ったような姿をした乗務員がいる。ただしこちらにはどうやら耳があるようだ。
・内部は一般的な電車と同じもの。
ここでこの乗務員に対し、「生きたい」「生きなきゃならない」「生きて帰りたい」「生きるんだ」など、前向きに「生きる」を使ったことばを伝えられればクリアとなる。基本的に、それ以外の言葉には反応を示さない。ＰＬが「聞こえていないのでは」と疑うようであれば、何らかの反応を見せてもよいかもしれない。
ここに少女がいた場合、それとなくヒントを口走らせてもよい。
例）「どうしたの、お兄ちゃん。何がしたいのかちゃあんと口に出して言わないと、のぞみわかんないよ」（言葉がクリア条件であるというヒント）
このクリア条件の特殊さ故、ヒントはここに記載のある以外にもＫＰ判断で出せるところギリギリまで出してしまって構わない。
ただし、ここで「死にたくない」「死んじゃダメ」「死ねない」など「死」を含む言葉を言った場合、窓ガラスを破りムーンビーストが飛び込んできて、その勢いのまま探索者へと組み付く。そして馬乗りになり自動成功で＜組み付き＞を行い両腕を拘束し、＜四肢切断＞を試みる。（この時、両腕を拘束し馬乗りになることで戦闘技能の一切（ただし＜頭突き＞のみは可能）を封じることで「言葉」がキーワードであることを示唆する）処理としては通常の戦闘と同じ、ニターン後までにＳＴＲ対抗かダメージ、もしくはなんらかのアクション（運転士への正解ワード）を起こさない限り腕を切断されてしまう。ちなみにこの間、運転士は特にリアクションを示さない。少女がいた場合は吹っ飛ばされ、おにいちゃんを呼びながらうろうろと探し回るのみ
正解となる「生きる」旨のことばを投げかけられると運転士は急ブレーキをかけ、完全に停車してから扉の開く音とアナウンスが流れる。
「大変申し訳ありませんでした。こちらの不手際により、本来ご乗車になられるはずのないお客様がいらっしゃったようです。
お客様の下車のため緊急停車させて頂きました。乗務員の案内に従って頂きどうぞお降りください。
どうか、生きようとするお客様の前途に、幸あらんことを」
運転士は深々とお辞儀をすると、外へ出るように促すようなしぐさをする。（ちなみにここでムーンビーストがいた場合、運転士は軽々と持ち上げると電車の外へと放り出したり、ワンパンで叩きのめしたりする）
この時、基本的には少女も一緒に連れていくように宣言がなければ彼女は死亡となるが、この辺りの裁量はＫＰごとそれぞれに解釈してもらいたい。（少女にも生きたいと言わせる/兄への未練から降りようとしない、などなど）
・内部は一般的な電車と同じもの。
ここでこの乗務員に対し、「生きたい」「生きなきゃならない」「生きて帰りたい」「生きるんだ」など、前向きに「生きる」を使ったことばを伝えられればクリアとなる。基本的に、それ以外の言葉には反応を示さない。ＰＬが「聞こえていないのでは」と疑うようであれば、何らかの反応を見せてもよいかもしれない。
ここに少女がいた場合、それとなくヒントを口走らせてもよい。
例）「どうしたの、お兄ちゃん。何がしたいのかちゃあんと口に出して言わないと、のぞみわかんないよ」（言葉がクリア条件であるというヒント）
このクリア条件の特殊さ故、ヒントはここに記載のある以外にもＫＰ判断で出せるところギリギリまで出してしまって構わない。
ただし、ここで「死にたくない」「死んじゃダメ」「死ねない」など「死」を含む言葉を言った場合、窓ガラスを破りムーンビーストが飛び込んできて、その勢いのまま探索者へと組み付く。そして馬乗りになり自動成功で＜組み付き＞を行い両腕を拘束し、＜四肢切断＞を試みる。（この時、両腕を拘束し馬乗りになることで戦闘技能の一切（ただし＜頭突き＞のみは可能）を封じることで「言葉」がキーワードであることを示唆する）処理としては通常の戦闘と同じ、ニターン後までにＳＴＲ対抗かダメージ、もしくはなんらかのアクション（運転士への正解ワード）を起こさない限り腕を切断されてしまう。ちなみにこの間、運転士は特にリアクションを示さない。少女がいた場合は吹っ飛ばされ、おにいちゃんを呼びながらうろうろと探し回るのみ
正解となる「生きる」旨のことばを投げかけられると運転士は急ブレーキをかけ、完全に停車してから扉の開く音とアナウンスが流れる。
「大変申し訳ありませんでした。こちらの不手際により、本来ご乗車になられるはずのないお客様がいらっしゃったようです。
お客様の下車のため緊急停車させて頂きました。乗務員の案内に従って頂きどうぞお降りください。
どうか、生きようとするお客様の前途に、幸あらんことを」
運転士は深々とお辞儀をすると、外へ出るように促すようなしぐさをする。（ちなみにここでムーンビーストがいた場合、運転士は軽々と持ち上げると電車の外へと放り出したり、ワンパンで叩きのめしたりする）
この時、基本的には少女も一緒に連れていくように宣言がなければ彼女は死亡となるが、この辺りの裁量はＫＰごとそれぞれに解釈してもらいたい。（少女にも生きたいと言わせる/兄への未練から降りようとしない、などなど）
【エンディング】
その後の簡単な情報のみを一例として。もちろん改変は前提なので、ここの情報は参考程度に、それぞれに納得のできるエンディングとしてほしい。
�．肇ゥ襦次幣�女と共に生還）
促されるまま扉を出ると、そこは真っ暗闇だ。間もなく背後で扉が閉まった。電車はどこかへと走り去ってしまった。
足元はおぼつかなかったが、確かに道は存在しているようだった。当てもなく進んでいくと、どこからか光が見えてくる。そして間もなく、探索者はその優しい光に包まれ再び意識を失うことだろう。
…さわがしい喧騒に目を覚ますと、駅員たちが真っ青な顔で見降ろしていた。話を聞くと、どうやら自分はふらりと線路に飛び込んだらしい。だが奇跡的に電車とホームの隙間へ落ちたらしく、無傷だったとのこと。そして数日前にここよりも前の駅で行方不明になっていた兄妹のうちの一人が、何故か傍に倒れていたそうだ。兄はまだ見つかっていないとのこと。
監視カメラにも、背を押したはずのあの男の姿はなかった。
探索者は警察の事情聴取や検査入院等で慌ただしく過ごしたのち、事故としてそう経たず解放されるだろう。
帰り際、話を聞けばあの少女は精神的なショックから視覚を失っていること、兄はまだ見つかっていないこと、ただ、少女は別居していた母親に引き取られ、母親も夫との離婚や裁判などについて相談を行っているとのことだった。
（母親も基本的には被害者であり、迎えに来ることができなかったのは夫の恐怖や圧力、さらに経済的、精神的な面での厳しさからがあったが、きっとこれからは親子二人、強く生きていくことができるだろう）
�▲痢璽泪襦幣�女死亡エンド）
基本的には少女のその後を聞けないだけでトゥルーと同じだが、その後ニュースで
「数日前から行方不明になっていた兄妹が、バラバラの死体となって線路内で発見された。警察は事件の可能性も視野に入れ、捜査を行っている」といった内容の情報を目にするだろう。
��時間切れ（ロスト）
電車はゆっくりと速度を落としていく。聞きなれたアナウンスが流れた。
「長らくのご乗車、お疲れ様でした。死にたがりのお客様方に、当列車の旅はお楽しみ頂けましたでしょうか？
まもなく終点、お客様ご自身の終点に到着いたします。お忘れ物がございましても、いくら後悔なされましても、取りに戻れませんのでご容赦ください。
それでは、どうかまたのご乗車のございませんよう、お祈り申し上げます」
アナウンスがブツリと途切れるのと同時に、電車が完全に停車し扉が一斉に開く。その先は真っ暗な闇だった。
静寂の中、探索者は扉から出てもいいし、出ずに探索を行おうと試みてもいい。
しかしさほど立たずに背後にあの黒いもやの乗務員（口も耳も）が現れ、凄まじい力で探索者を拘束し引きずってゆく。そして乱暴に扉の外へと投げ出されてしまう。外には地面はなく、探索者は深い闇の中へ落ちていく。
最後に見えたのは、扉が閉まる直前、口だけの乗務員の真っ赤な口が、にやりと口角を釣り上げたすがただった。
（天国でも地獄でもなく、永遠の闇の中へと放り込まれロストとなる）
�．肇ゥ襦次幣�女と共に生還）
促されるまま扉を出ると、そこは真っ暗闇だ。間もなく背後で扉が閉まった。電車はどこかへと走り去ってしまった。
足元はおぼつかなかったが、確かに道は存在しているようだった。当てもなく進んでいくと、どこからか光が見えてくる。そして間もなく、探索者はその優しい光に包まれ再び意識を失うことだろう。
…さわがしい喧騒に目を覚ますと、駅員たちが真っ青な顔で見降ろしていた。話を聞くと、どうやら自分はふらりと線路に飛び込んだらしい。だが奇跡的に電車とホームの隙間へ落ちたらしく、無傷だったとのこと。そして数日前にここよりも前の駅で行方不明になっていた兄妹のうちの一人が、何故か傍に倒れていたそうだ。兄はまだ見つかっていないとのこと。
監視カメラにも、背を押したはずのあの男の姿はなかった。
探索者は警察の事情聴取や検査入院等で慌ただしく過ごしたのち、事故としてそう経たず解放されるだろう。
帰り際、話を聞けばあの少女は精神的なショックから視覚を失っていること、兄はまだ見つかっていないこと、ただ、少女は別居していた母親に引き取られ、母親も夫との離婚や裁判などについて相談を行っているとのことだった。
（母親も基本的には被害者であり、迎えに来ることができなかったのは夫の恐怖や圧力、さらに経済的、精神的な面での厳しさからがあったが、きっとこれからは親子二人、強く生きていくことができるだろう）
�▲痢璽泪襦幣�女死亡エンド）
基本的には少女のその後を聞けないだけでトゥルーと同じだが、その後ニュースで
「数日前から行方不明になっていた兄妹が、バラバラの死体となって線路内で発見された。警察は事件の可能性も視野に入れ、捜査を行っている」といった内容の情報を目にするだろう。
��時間切れ（ロスト）
電車はゆっくりと速度を落としていく。聞きなれたアナウンスが流れた。
「長らくのご乗車、お疲れ様でした。死にたがりのお客様方に、当列車の旅はお楽しみ頂けましたでしょうか？
まもなく終点、お客様ご自身の終点に到着いたします。お忘れ物がございましても、いくら後悔なされましても、取りに戻れませんのでご容赦ください。
それでは、どうかまたのご乗車のございませんよう、お祈り申し上げます」
アナウンスがブツリと途切れるのと同時に、電車が完全に停車し扉が一斉に開く。その先は真っ暗な闇だった。
静寂の中、探索者は扉から出てもいいし、出ずに探索を行おうと試みてもいい。
しかしさほど立たずに背後にあの黒いもやの乗務員（口も耳も）が現れ、凄まじい力で探索者を拘束し引きずってゆく。そして乱暴に扉の外へと投げ出されてしまう。外には地面はなく、探索者は深い闇の中へ落ちていく。
最後に見えたのは、扉が閉まる直前、口だけの乗務員の真っ赤な口が、にやりと口角を釣り上げたすがただった。
（天国でも地獄でもなく、永遠の闇の中へと放り込まれロストとなる）
報酬
「生還」1ｄ8
「少女と共に生還」1ｄ4
「ムーンビーストを一体でも討伐した」1ｄ3
「少女と共に生還」1ｄ4
「ムーンビーストを一体でも討伐した」1ｄ3
【ＮＰＣ情報】
大塚のぞみ 女/５歳
ＤＥＸ10 ＳＴＲ3 ＣＯＮ4 ＰＯＷ5 ＡＰＰ12 ＳＩＺ3
狂気：「兄への依存」「痛覚の完全麻痺」
・少女は始めにコンタクトを図った探索者を自身の兄と認識し、依存する。何をするにもついてくる。彼女を引き剥がすには、拘束する、意識を失わせる、殺害する、＜説得or言いくるめ-＞の-20で振る、などのパターンがある。
・拘束した場合、お兄ちゃん行かないで、と大声で泣きじゃくり続ける。この声はムーンビースト達を呼び寄せてしまうかもしれない。
・意識を失わせる場合、彼女には【痛覚の完全麻痺】という狂気があるので、自動気絶までダメージを与えない限り気絶することはない。具体的には痛みがないため気絶判定の一切が発生しない。
・説得や言いくるめの場合、成功すると渋々了承するが、同時に＜心理学＞を振る。成功すれば、彼女がとても不満げで、その場しのぎに嘘をついている、ということがわかる。そのまま放って先へ進めば音を頼りにこっそりついてくるので、要所要所で＜聞き耳＞等で気づかない限り、戦闘時などにひょっこりと現れ、知らないうちにピンチに陥っていたりするかもしれない。
・＜精神分析＞：【痛覚の完全麻痺】と【兄への依存】の二つの不定の狂気の症状を提示すること。
【兄への依存】は、赤の他人を自身の兄と認識し依存する狂気症状。かなり不安定な精神状態で、無理に否定することは避けた方がいいかもしれない、ということがわかる。これらの狂気は、このセッション中に治ることはない。
・あまりに頑なに彼女の兄ではない、と諭した場合、または＜説得＞などの技能で自分は兄ではないと示した場合、少女は大声で泣き叫びはじめ、「いやだ、いやだああ、おにいちゃんしんじゃいやだあああ」と言い、直後窓の外からムーンビーストの槍が飛んできて彼女を貫く。（ダメージを算出してもよいが、即死としてＳＡＮチェックを入れてもよい）そのあとすぐにムーンビーストが車内に入ってきて戦闘となる。（ギミックヒント）
・＜医学・応急手当＞：彼女の目は両方とも無理にえぐり出されている。本来なら激痛のはずである。
・一度認識されてからも、こっそり＜忍び歩き＞などで気づかれずに逃げることは容易だが、そうすると大声で泣きじゃくり続ける。放っておいた場合、この声に呼び寄せられたムーンビーストに殺されてしまう。
・もし、持ち物を調べた場合、くしゃくしゃになった手紙のようなものがポケットに入っている。何か持ってない？と聞いた場合はポケットを探り、「なんだろう？これ」と不思議そうにしながら渡してくれる。（彼女が視覚を失った直後、兄がポケットにねじ込んだものなので彼女自身も気づいていなかったしこれがなんなのかもわかっていない）
それは少女の兄が書いた遺書であり、もう父の暴力に耐えられないこと、母の迎えを待っていられないこと、なにも知らせずに妹を巻き込んでしまうのはつらいけど、あんな奴のところには残しておけないこと。そして母と妹への精一杯の謝罪の文章が、ひらがなの多い比較的幼い字で書かれている。（10歳）
・体を調べた場合、かなりの数の痣や傷を体中にみとめることができる。（父親からの家庭内暴力のため）言及した場合、少し怯えた様子で「あのね、またお父さんにぶたれて痛いの増えたの。ここでしょ、ここでしょ」と痣を指で押さえて見せる。
・彼女は狂気に陥り、こうなる経緯の記憶を失っている。具体的には、「久しぶりに電車に乗って遠くへいこう。と兄に連れ出された」こと以上ははっきりと覚えていない。探索者からの質問には、探索者がお兄ちゃんであるという前提で答える。
・探索者が女性であった場合でも、狂気のため「おにいちゃん」と呼ぶ。
彼女が狂気に陥っている、明らかにおかしい、ということに気づかせるためにも、探索者が男性であった場合は「おねえちゃん」、女性であった場合には「おにいちゃん」と兄or姉に改変を行うといいかもしれない。
・探索者が少女を無視した場合、隣の部屋に行こうとして断末魔を聞いた時点で唐突に大声で「お兄ちゃんしんじゃいやだ死なないで」と叫び泣きじゃくり、ムーンビーストに槍で貫かれる。（ギミックヒント）槍だけとしてもよいし、ここでムーンビーストとの戦闘を行ってもよい。
◎（特にソロでプレイするにあたって）彼女はＰＬがピンチに陥った時にかわりに犠牲となる役割を担ってもらいたい。（死亡してもクリアに支障はきたさないため）例えばムーンビーストのＳＡＮチェックに失敗し、狂気に陥ったとき、ムーンビーストの攻撃対象を自動で少女としたり、運転室において「死」を口にし、拘束されたときに先に四肢を切断される役割となったり。
肉体的に死亡する確率を減らすためにも、ＫＰには都合良く彼女を利用してもらいたい。
『質問の回答例』
Ｑ.「名前は？」→Ａ.「のぞみはのぞみだよ！忘れちゃったの？」
Ｑ.「どうしてここに？」→Ａ.「お兄ちゃんが連れてきてくれたのに、覚えてないの？おとうさんがこわいから、遠いとこに行こうって。変なお兄ちゃん！」
Ｑ.「目はどうしたの？痛くないの？」→Ａ.「うん？全然痛くないよ！起きたら真っ暗でなんにも見えなくなってたの。なんでだろう？でもお兄ちゃんがいるから平気！」
Ｑ.「ボクお兄ちゃんちゃうよ」→Ａ.「お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ！」
Ｑ.「お父さんについて」→Ａ.「あのね、今日もぶたれちゃった。お兄ちゃんはだいじょうぶ？ぶたれてない？帰ったら、またぶたれるのかな。痛いのはもういやだな」
大塚友哉 10歳/男
・シナリオ内において、悲鳴と片腕のみしか認識できない。しっかりしはじめたお兄ちゃん、といったイメージ。
・父親の暴力に耐えかね自殺を図る。その際、妹を残してはいけないと思い、何も知らせずに電車に乗るとだけ伝えて駅へと連れてくる。手をつなぎ引っ張って、電車に飛び込む。
・電車内に来てからはムーンビーストに喉を裂かれ、舌こそ出されなかったものの目の前で妹の目玉をえぐり出される様子を見せつけられる。
・遺書は始め自分が持っていたが、喉を裂かれ妹が目をえぐり出された時点で直感的に彼女のポケットにねじこんだ。
※彼がこのシナリオ内で死亡が確定しているのはのぞみとは違い明確な死への意志があるからであり、彼が存在して死ぬまでの流れ自体がギミックヒントであるためだが、救出できるように改変してもよい。
乗務員（耳・口）
・この電車内におけるご都合チートキャラクター。
・絶対的な存在であるため、データは用意しないことをおすすめする。（ムーンビーストを放り投げたり、時間切れ時に探索者を放り投げたり）
・もともと、ムーンビーストがやってくる前からこの電車にいた。基本的に業務であるアナウンスと運転以外は行わないし興味を示さない。
・口だけの乗務員は、触れない限り気づくことはない。喋ることはできるが筆談を試みても相手にしない。
・耳だけの乗務員は、音を聴くことはできるが、基本的にクリアキーワード以外には全く反応を示さない。が、こちらは言葉を聞くことはできるので、電車が止まっている時であれば筆談は可能かもしれない。
・二人とも目はないが、気配の察知程度のことはできる。
・乗務員室から動かすことは不可能である。
・乗務員室にある機器に触れようとした場合、阻止してくる。基本触れることすら不可能である。あまりしつこいようなら反撃としてダメージのある攻撃を行うかもしれない。
・実体があるのはそれぞれ存在する耳と口のみであり、そこを狙って攻撃すれば殺すことができる。回避もせず反撃も行ってこない。耐久値は21
全部削りきることができた場合、服を残して黒いもやが四散すると、電車内の電気が一斉に消える。そして探索者の頭の中から声が響いてくる。
「せっかちなお客様でございますね。そうお急ぎにならずとも、間もなく到着いたしますので。
どうかごゆるりと旅をお楽しみください、死にたがり様」
その後、暗闇となった電車の中で、屋根の上から降りてきた無数のムーンビーストたちに捕縛され、凄惨なまでの拷問を受け死亡する。（即ロスト）
探索者が乗務員への攻撃をはじめたら、しつこく念を押すなどしてやめた方がよいという雰囲気に持っていくとよいかもしれない。
・ムーンビーストをけしかけても、普通に撃退される。
ムーンビースト
（基本ルールブックを参考に、探索者の能力値に合わせた能力値）
技能：ルールブック準拠+＜組み付き＞（成功すれば派生でオリジナル＜四肢の切断＞を試みる。詳しい判定は「戦闘処理について」を参照）
・屋根の上に３０体以上が張りつきスタンバイしている。
・あまり深追いはしてこない・
・乗務員のことは、ジャマはしてこないがジャマするとヤバイやつ、という認識であり、極力近づかないようにしている。
全体的にあまり詳しくは設定を考えていないので、各位補完をおねがいいたします。
改変もご自由にどうぞ。
ＤＥＸ10 ＳＴＲ3 ＣＯＮ4 ＰＯＷ5 ＡＰＰ12 ＳＩＺ3
狂気：「兄への依存」「痛覚の完全麻痺」
・少女は始めにコンタクトを図った探索者を自身の兄と認識し、依存する。何をするにもついてくる。彼女を引き剥がすには、拘束する、意識を失わせる、殺害する、＜説得or言いくるめ-＞の-20で振る、などのパターンがある。
・拘束した場合、お兄ちゃん行かないで、と大声で泣きじゃくり続ける。この声はムーンビースト達を呼び寄せてしまうかもしれない。
・意識を失わせる場合、彼女には【痛覚の完全麻痺】という狂気があるので、自動気絶までダメージを与えない限り気絶することはない。具体的には痛みがないため気絶判定の一切が発生しない。
・説得や言いくるめの場合、成功すると渋々了承するが、同時に＜心理学＞を振る。成功すれば、彼女がとても不満げで、その場しのぎに嘘をついている、ということがわかる。そのまま放って先へ進めば音を頼りにこっそりついてくるので、要所要所で＜聞き耳＞等で気づかない限り、戦闘時などにひょっこりと現れ、知らないうちにピンチに陥っていたりするかもしれない。
・＜精神分析＞：【痛覚の完全麻痺】と【兄への依存】の二つの不定の狂気の症状を提示すること。
【兄への依存】は、赤の他人を自身の兄と認識し依存する狂気症状。かなり不安定な精神状態で、無理に否定することは避けた方がいいかもしれない、ということがわかる。これらの狂気は、このセッション中に治ることはない。
・あまりに頑なに彼女の兄ではない、と諭した場合、または＜説得＞などの技能で自分は兄ではないと示した場合、少女は大声で泣き叫びはじめ、「いやだ、いやだああ、おにいちゃんしんじゃいやだあああ」と言い、直後窓の外からムーンビーストの槍が飛んできて彼女を貫く。（ダメージを算出してもよいが、即死としてＳＡＮチェックを入れてもよい）そのあとすぐにムーンビーストが車内に入ってきて戦闘となる。（ギミックヒント）
・＜医学・応急手当＞：彼女の目は両方とも無理にえぐり出されている。本来なら激痛のはずである。
・一度認識されてからも、こっそり＜忍び歩き＞などで気づかれずに逃げることは容易だが、そうすると大声で泣きじゃくり続ける。放っておいた場合、この声に呼び寄せられたムーンビーストに殺されてしまう。
・もし、持ち物を調べた場合、くしゃくしゃになった手紙のようなものがポケットに入っている。何か持ってない？と聞いた場合はポケットを探り、「なんだろう？これ」と不思議そうにしながら渡してくれる。（彼女が視覚を失った直後、兄がポケットにねじ込んだものなので彼女自身も気づいていなかったしこれがなんなのかもわかっていない）
それは少女の兄が書いた遺書であり、もう父の暴力に耐えられないこと、母の迎えを待っていられないこと、なにも知らせずに妹を巻き込んでしまうのはつらいけど、あんな奴のところには残しておけないこと。そして母と妹への精一杯の謝罪の文章が、ひらがなの多い比較的幼い字で書かれている。（10歳）
・体を調べた場合、かなりの数の痣や傷を体中にみとめることができる。（父親からの家庭内暴力のため）言及した場合、少し怯えた様子で「あのね、またお父さんにぶたれて痛いの増えたの。ここでしょ、ここでしょ」と痣を指で押さえて見せる。
・彼女は狂気に陥り、こうなる経緯の記憶を失っている。具体的には、「久しぶりに電車に乗って遠くへいこう。と兄に連れ出された」こと以上ははっきりと覚えていない。探索者からの質問には、探索者がお兄ちゃんであるという前提で答える。
・探索者が女性であった場合でも、狂気のため「おにいちゃん」と呼ぶ。
彼女が狂気に陥っている、明らかにおかしい、ということに気づかせるためにも、探索者が男性であった場合は「おねえちゃん」、女性であった場合には「おにいちゃん」と兄or姉に改変を行うといいかもしれない。
・探索者が少女を無視した場合、隣の部屋に行こうとして断末魔を聞いた時点で唐突に大声で「お兄ちゃんしんじゃいやだ死なないで」と叫び泣きじゃくり、ムーンビーストに槍で貫かれる。（ギミックヒント）槍だけとしてもよいし、ここでムーンビーストとの戦闘を行ってもよい。
◎（特にソロでプレイするにあたって）彼女はＰＬがピンチに陥った時にかわりに犠牲となる役割を担ってもらいたい。（死亡してもクリアに支障はきたさないため）例えばムーンビーストのＳＡＮチェックに失敗し、狂気に陥ったとき、ムーンビーストの攻撃対象を自動で少女としたり、運転室において「死」を口にし、拘束されたときに先に四肢を切断される役割となったり。
肉体的に死亡する確率を減らすためにも、ＫＰには都合良く彼女を利用してもらいたい。
『質問の回答例』
Ｑ.「名前は？」→Ａ.「のぞみはのぞみだよ！忘れちゃったの？」
Ｑ.「どうしてここに？」→Ａ.「お兄ちゃんが連れてきてくれたのに、覚えてないの？おとうさんがこわいから、遠いとこに行こうって。変なお兄ちゃん！」
Ｑ.「目はどうしたの？痛くないの？」→Ａ.「うん？全然痛くないよ！起きたら真っ暗でなんにも見えなくなってたの。なんでだろう？でもお兄ちゃんがいるから平気！」
Ｑ.「ボクお兄ちゃんちゃうよ」→Ａ.「お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ！」
Ｑ.「お父さんについて」→Ａ.「あのね、今日もぶたれちゃった。お兄ちゃんはだいじょうぶ？ぶたれてない？帰ったら、またぶたれるのかな。痛いのはもういやだな」
大塚友哉 10歳/男
・シナリオ内において、悲鳴と片腕のみしか認識できない。しっかりしはじめたお兄ちゃん、といったイメージ。
・父親の暴力に耐えかね自殺を図る。その際、妹を残してはいけないと思い、何も知らせずに電車に乗るとだけ伝えて駅へと連れてくる。手をつなぎ引っ張って、電車に飛び込む。
・電車内に来てからはムーンビーストに喉を裂かれ、舌こそ出されなかったものの目の前で妹の目玉をえぐり出される様子を見せつけられる。
・遺書は始め自分が持っていたが、喉を裂かれ妹が目をえぐり出された時点で直感的に彼女のポケットにねじこんだ。
※彼がこのシナリオ内で死亡が確定しているのはのぞみとは違い明確な死への意志があるからであり、彼が存在して死ぬまでの流れ自体がギミックヒントであるためだが、救出できるように改変してもよい。
乗務員（耳・口）
・この電車内におけるご都合チートキャラクター。
・絶対的な存在であるため、データは用意しないことをおすすめする。（ムーンビーストを放り投げたり、時間切れ時に探索者を放り投げたり）
・もともと、ムーンビーストがやってくる前からこの電車にいた。基本的に業務であるアナウンスと運転以外は行わないし興味を示さない。
・口だけの乗務員は、触れない限り気づくことはない。喋ることはできるが筆談を試みても相手にしない。
・耳だけの乗務員は、音を聴くことはできるが、基本的にクリアキーワード以外には全く反応を示さない。が、こちらは言葉を聞くことはできるので、電車が止まっている時であれば筆談は可能かもしれない。
・二人とも目はないが、気配の察知程度のことはできる。
・乗務員室から動かすことは不可能である。
・乗務員室にある機器に触れようとした場合、阻止してくる。基本触れることすら不可能である。あまりしつこいようなら反撃としてダメージのある攻撃を行うかもしれない。
・実体があるのはそれぞれ存在する耳と口のみであり、そこを狙って攻撃すれば殺すことができる。回避もせず反撃も行ってこない。耐久値は21
全部削りきることができた場合、服を残して黒いもやが四散すると、電車内の電気が一斉に消える。そして探索者の頭の中から声が響いてくる。
「せっかちなお客様でございますね。そうお急ぎにならずとも、間もなく到着いたしますので。
どうかごゆるりと旅をお楽しみください、死にたがり様」
その後、暗闇となった電車の中で、屋根の上から降りてきた無数のムーンビーストたちに捕縛され、凄惨なまでの拷問を受け死亡する。（即ロスト）
探索者が乗務員への攻撃をはじめたら、しつこく念を押すなどしてやめた方がよいという雰囲気に持っていくとよいかもしれない。
・ムーンビーストをけしかけても、普通に撃退される。
ムーンビースト
（基本ルールブックを参考に、探索者の能力値に合わせた能力値）
技能：ルールブック準拠+＜組み付き＞（成功すれば派生でオリジナル＜四肢の切断＞を試みる。詳しい判定は「戦闘処理について」を参照）
・屋根の上に３０体以上が張りつきスタンバイしている。
・あまり深追いはしてこない・
・乗務員のことは、ジャマはしてこないがジャマするとヤバイやつ、という認識であり、極力近づかないようにしている。
全体的にあまり詳しくは設定を考えていないので、各位補完をおねがいいたします。
改変もご自由にどうぞ。
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